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さよなら、ガンダルフ [吹き替えについて]

俳優・有川博さんの訃報を知る。享年70歳。
テレビドラマや時代劇などでお馴染みだった有川博さん。
甘いマスクに低い声がなんとも魅力的な役者さんでした。
 
有川博さんは洋画の吹き替えにも多数参加されており、そういった意味でも個人的に思い入れのある役者さんでした。オイラ的にはやはりなんといっても、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのガンダルフ(イアン・マッケラン)役が大好きでした。
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズは優れた役者さんたちが集合し、素晴らしい日本語吹き替えが堪能出来る一品。常に冷静沈着な振る舞いで、バルログと戦う時などは一転激しい部分を見せる魔法使いガンダルフ。気難し屋でチャーミング....そんなイアン・マッケラン演じるガンダルフを有川博さんはご自慢の低い声で、好演されていました。
 
最近でも「トゥルー・グリット」でジェフ・ブリッジスの声を演じられていた有川博さん。
残念ながら、そちらの方は未見なので、哀悼の意味も込めて近々に鑑賞してみたいと思います。
それにしても、70歳とはまだまだ若い。
今少し、そのシブいお声で我々吹き替えファンを楽しませて欲しかったです。
謹んで、有川博さんのご冥福をお祈りし、心よりお悔やみを申し上げます。
 
 
さようなら、ガンダルフ。そして、ガンダルフは永遠なり!。
 
 
「我は神秘の火に仕える者、アノールの焔(ほのお)の使い手じゃ。貴様の放つ火は、わしには通じん!」
      ガンダルフ.jpg
 


名作!

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秀作!
   

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映画「ダークナイト」字幕/吹き替えの誤訳に、気がついた!? [吹き替えについて]

先日、こんな本を買いまして。

ダークナイト (名作映画完全セリフ集スクリーンプレイ・シリーズ)

ダークナイト (名作映画完全セリフ集スクリーンプレイ・シリーズ)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: フォーイン スクリーンプレイ事業部
  • 発売日: 2010/07
  • メディア: 単行本

別に英語の勉強をしようって訳でもないんですが、立ち読みしてたらなんだか興味深い内容だったので思わず購入してしまいました。劇中の英語台詞とその訳がほぼ網羅してあり、日常生活におけるお決まりのフレーズなど解説が詳細で英語の勉強にはもってこいです。
でもそれより、オイラ的にはアメリカ文化に関する解説とか作品に対するトリビア(OPに登場するピエロ強盗団それぞれの名称とか)の方が読み応えがあって、より深く映画の世界を知ることが出来ました。
 
ご存知のように、オイラは映画を見る際、断然日本語吹き替え派な訳ですが、当然字幕には字幕の良さがあります。例えば、今作でいうとマフィアのひとり(ヒゲの人=通称チェチェン)の台詞が良い例です。この本の解説によれば、彼の話す英語は文法的にちょこちょこ間違っているとのこと。つまり、間違った文法で話す英語によって、彼が外国人であるということがより強調されている訳です。
でも、これが日本語吹き替えになるとそういう部分はなくなってしまいます。もちろん、吹き替えには吹き替えの良さがあって、「じゃあ、日本語に置き換えた時、その外国人的ニュアンスをどう出していくか?、それよりもマフィア的な側面を出した方がいいんじゃないか?」といったような試みが、演出家さんや役者さんによって検討され、それが日本語の台詞となっていく訳です。オイラはその過程が好きで、字幕と吹き替えを比較して「なるほど、あの英語台詞が、日本語だとこういう風になるのか!」みたいなことを感じながら見ると、吹き替えもまたより味わい深いものとなる訳です。
 
 
さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本題。
この本を読みながら、映画「ダークナイト」を見ていたら、ソフトの翻訳(字幕&吹き替え)が間違っていた部分を発見してしまいました。それは瀕死の重傷を負い入院しているハーヴィー・デントと、看護士に扮装したジョーカーが対峙する場面です。
この場面でジョーカーがハーヴィー・デントにこう語りかけます....
 
「....I'm an agent of chaos. Oh, and you know the thing about chaos? It's fair」
  
「....俺は“混沌の案内人”さ。混沌の本質が何かは知ってるよな?、それは公平なことだ」
 
 
ところが、劇中では日本語字幕スーパー、日本語吹き替え版ともに最後の台詞Fair(公平)がFear(恐怖)と訳されていました。
Fair(公平)とFear(恐怖)....確かに似てるケドさ(^皿^)。
因みに英語の字幕スーパーはどうなっているのだろう?と思い、確認してみたら、そちらの方はFairと表記されていました。更にヒース・レジャーの発音を改めて聴き直してみたら、こちらは「ベアー」と聞こえました....熊!?(苦笑)。
 
本来、日本語吹き替え版の制作には英文の台本から翻訳すると聞いたことがあります。
本国アメリカで発売されたシナリオ本に於いても、やはり問題の部分はFear(恐怖)ではなくFair(公平)と表記してありました。そもそもジョーカー台詞後のハーヴィー・デントの行動(ジョーカー殺害をコインで決める)を見れば、それがFear(恐怖)ではなく、Fair(公平)だということが一目瞭然だと思うのですが、なぜこんなイージーミスが起こってしまったのか?、とても不思議ですね。
確かに、生死をコインで決めるというのは、“恐怖”ではありますけど。
因みに字幕の翻訳は石田泰子さん、吹き替え翻訳は久保喜昭さんです。
 
実は日本語吹き替え版では、別の面白い現象が見られる箇所があるのですが、
それはまた別の機会に記事にしたいと思います(^皿^)。
 

 

ダークナイト [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: Blu-ray

さあ、あなたも今すぐ「ダークナイト」を引っ張りだしてきて、この台詞部分を是非確認してみて下さいッ!。
 
 
 「この世界で賢く生きるためには、ルールを無視することだ」
      ジョーカーの笑み.jpg
    

The Dark Knight: Featuring Production Art and Full Shooting Script

The Dark Knight: Featuring Production Art and Full Shooting Script

  • 作者: Craig Byrne
  • 出版社/メーカー: Rizzoli Universe Promotional Books
  • 発売日: 2012/06/19
  • メディア: ハードカバー

こちらのシナリオ本でも問題の部分はFear(恐怖)ではなく、Fair(公平)と表記されています
  

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「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」の日本語吹き替え版について [吹き替えについて]

米の人気ドラマ「特攻野郎Aチーム」の映画版。
オリジナルの設定を踏まえつつ、映画独自のエッセンスも満載で、底抜けに楽しいアクション大作となった今作。原典のドラマは、羽佐間道夫さん、安原義人さん、富山敬さん、飯塚昭三さんらによる、楽しい吹き替えが魅力的だった訳ですが、映画の吹き替え版もオリジナルに負けず劣らずの実に楽しい仕上がりとなっております♪(^皿^)。
 
「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」日本語吹き替え版キャスト
  ハンニバル(リーアム・ニーソン)    ....菅生隆之
  フェイス(ブラッドリー・クーパー)   ....堀内賢雄
  B.A.....(クイントン・R・ジャクソン)  ....乃村健次
  マードック(シャルト・コプリー)    ....多田野曜平
  ソーサ(ジェシカ・ビール)       ....岡寛恵
  リンチ(パトリック・ウィルソン)    ....木下浩之
  パイク(ブライアン・ブルーム)     ....山路和弘
  モリソン将軍(ジェラルド・マクレイニー)....羽佐間道夫
 
 
「作戦は、奇をもって良しとすべし!ってね」
A(アルファ)チームのリーダー、ハンニバル・スミスを演じるは、菅生隆之さん。
「ロード・オブ・ザ・リング」ファンには、ヒューゴ・ウィーヴィング演じるエルロンドの声でお馴染みですね。吹き替えではトミー・リー・ジョーンズやジャン・レノなど、頼れる渋いおじさんを演じるとピカイチの役者さんです。今作でも頼れるリーダー・ハンニバルを、骨太な声でたっぷりと演じられています。
 
「高度6000mでも、息は出来るよな?」
チーム内の二枚目担当フェイスを演じるは、ベテラン堀内賢雄さん。
ご存知イケメンキャラ御用達の声優さんです。過去の吹き替え履歴を見ても、ブラッド・ピット、チャーリー・シーン、トム・クルーズ、クライヴ・オーエンなど、蒼々たるメンバーが名を連ねています。クラシックファンには、米ドラマ「フルハウス」でのジェシー役があまりにもハマり役で有名ですね。このように堀内賢雄さんと言えばイケメン!というイメージが強い訳ですが、実はコメディ演技が秀逸だったりするのです。例えば、米の黒人コメディアンのマーティン・ローレンス主演の映画でも堀内賢雄さんは吹き替えを担当されていますが、これが実に面白いのです!。コメディ系の作品で堀内賢雄さんの吹き替えを聞くと、その芸域の広さを実感出来ます。今作でのフェイス役は、そんな堀内賢雄さんのイケメン部分とコメディ部分の両方を堪能出来ます♪(^皿^)。
 
「飛行機に乗るなんて、二度とゴメンだッ!」
Aチームのメカニック&暴力担当、バラカスを演じるは、乃村健次さん。
ウィキペディアによれば、今作のバラカスのような筋骨隆々の男の声を担当されるのが多いとのことです。そう言えばドリームワークスのアニメ「モンスターvsエイリアン」でも、マッチョな半魚人の声を担当されていましたね。そんな訳で、乃村健次さんの声、バラカスにぴったり!でした。
 
「女は悪魔、悪魔は女、女は悪魔〜♪」
ちょっとイカれた名パイロット・マードックを演じるのは、多田野曜平さん。
海外ドラマを見ていると、必ずといっていいほど登場される名バイプレーヤーさんです。
正常なのか異常なのか、掴みどころのないマードックというキャラクターを、ちょっと高めのお声で見事に演じられていました。特に秀逸だったのが、Aチームが軍の飛行機を奪って逃走する場面。マードックの操縦する飛行機は無事離陸したものの、すぐに無人攻撃機の銃撃を受け、被弾してしまいます。正に絶体絶命の大ピンチ!。
その時のマードックの台詞がコチラ.....
「こちらは機長です。右手の窓より外をご覧下さい。右エンジンが火を吹いております」
....爆笑です!(^皿^)
   
「彼らは“最高のチーム”よ、油断しないで」
Aチームを執拗に追う軍所属の美女にして、フェイスの元恋人であるソーサを演じるは、
女性声優陣の実力派のおひとり、岡寛恵さん。
我ら「スパイダーマン」ファンにとっては、キルスティン・ダンスト演じるメリージェーンの声でお馴染みですね。他にはグウィネス・パルトローやケイト・ウィンスレット、シャーリーズ・セロンなどのお声も担当されています。とりあえず、吹き替えキャストに岡寛恵さんの名前を見つけたら安心していい、信頼出来る役者さんですね。オイラも大好きな役者さんのおひとりです。
 
「マジでむかついてきた....クソッ、Aチームめ! 」
ズル賢いCIAのリンチを演じるのは、木下浩之さん。
もはや説明不要の名作「ダークナイト」でアーロン・エッカート演じるハーヴィ・デント(トゥーフェイス)を演じられたのが記憶に新しい木下浩之さん。最近ではヴィゴ・モーテンセンの声(「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「イースタン・プロミス」)がフィックスになりつつある、ベテラン役者さんです。オイラが好きなのは「ザ・シューター/極大射程」でのマーク・ウォールバーグの吹き替え。かっこよくてお気に入りのひとつです♪。因みに、木下浩之さんはオープニングに出てくるメキシコの悪党チコの声も兼任されています。微妙にお声を変化せている点に注目して見てみましょう。
  
「頼んだぞ、ハンニバル」
ハンニバルの上司モリソン将軍を演じられるのは、ご存知大ベテランの羽佐間道夫さん。
ご存知のように、テレビシリーズ「特攻野郎Aチーム」でハンニバルを演じられたのが羽佐間道夫さんです。そんな羽佐間さんを映画版でも吹き替えに登用するという実にニクいキャスティング演出。映画の中でハンニバルとモリソン将軍が語り合う場面での、菅生隆之さんと羽佐間道夫さんの共演がなんとも嬉しい限りです。
更に嬉しいことに、映画終わりでテレビドラマではお馴染みだったOPナレーションの一説が、羽佐間さんによって披露されています。Aチームはやっぱりコレがなくっちゃね!。
 
「俺も歳をとったもんだぜ、トレーニングしないとな!」
民間の軍人グループ、ブラック・フォレストのリーダーで、偽札の原版を奪うパイクを演じるのは、こちらもベテランの山路和弘さん。
「スパイダーマン」のグリーン・ゴブリンことウィレム・デフォーなど悪役を演じる一方で、最近ではヒュー・ジャックマンの声がすっかりハマり役の山路和弘さん。同じくこちらもフィックスになりつつあるラッセル・クロウなど、チョイ悪系おやじの役がとにかくハマるのが山路和弘さんです。
今作でもふてぶてしい悪役パイクを、喜々として演じられています。
 
「まだまだ、君には負けんよ」
実は今作、エンディングにちょっとしたサービスカットがありまして。
オリジナルドラマでフェイスマンを演じたダーク・ベネディクトと、クレージーモンキーを演じたドワイト・シュルツが、それぞれカメオ出演しています。たったワンシーンだけ出演なのですが、ファンとしては思わずニヤリとせずにはいられないシーンとなっています。
そして嬉しいことに、このたったワンシーンの吹き替えのために、羽佐間道夫さんと同じくオリジナルドラマ版での吹き替えキャストのひとりでフェイスマンを演じられていた安原義人さんが参加されているのです!。これはファンにとっては、実に嬉しい演出。このたったワンシーンのためだけに吹き替えに参加してくれた安原義人さんに、感謝感謝!です。きっと安原義人さんにとってもAチームという作品は思い入れのある作品なのでしょうね。
因みにクレージーモンキーを演じられた富山敬さんは残念ながら故人なので、ドワイト・シュルツの声も安原義人さんが兼任されています。こちらも必聴です。
 
 
オイラは劇場公開当時、字幕スーパー版でこの作品を鑑賞しましたが、やっぱり日本語吹き替え版の方が作品としてはるかに面白かったですね。是非皆さんも、この超おバカアクション大作を日本語吹き替え版で楽しんで下さいッ!(^皿^)/。
 
特攻野郎Aチーム THE MOVIE(無敵バージョン) [Blu-ray]

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       「リンチの行動が、だんだん読めてきた」
      ブラッドリー・クーパー.jpg
 
とにかく堀内賢雄さんのかっこ良さが際立つ今作の吹き替え。
ブラッドリー・クーパーのかっこ良さとの相乗効果で、その魅力倍増です!(^皿^)/。
そう言えば、ブラッドリー・クーパーの出世作である「ハングオーバー」では、誰が彼の吹き替えをやってるのだろうか?....そちらも気になるところです。
   

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「スナッチ」の日本語吹き替え版について [吹き替えについて]

テレビ東京「午後のロードショー」にて、久しぶりに「スナッチ」を見る。
ご存知、ガイ・リッチー監督の代表作のひとつですね。
ひとつのダイヤモンドをめぐり、様々な男達の思惑が交錯する群像劇。
実際のところ、作品はレンタル開始時に見たのが初めてで、それっきり。
その時は確か字幕スーパー版で作品を鑑賞したのかな?。だから吹き替え版として作品を鑑賞するのは今回が初めて。で、これがなかなかユニークな吹き替え版となっていたのですよ!(^皿^)。
 
「スナッチ」日本語吹き替え版キャスト
  ジェイソン・ステイサム(ターキッシュ)....山路和弘
  ブラッド・ピット(ミッキー・オニール)....檀臣幸
  スティーヴン・グレアム(トミー)   ....松本保典
  ベニチオ・デル・トロ(フランキー)  ....八尾一樹
  レニー・ジェームズ(ソル)      ....楠大典
  ロビー・ギー(ヴィニー)       ....藤原啓治
  ジェイソン・フレミング(ダレン)   ....中博史
  ヴィニー・ジョーンズ(トニー)    ....廣田行生
  デニス・ファリーナ(アビー)     ....石田圭祐
  アラン・フォード(ブリックトップ)  ....小林清志
 
※ウィキペディア調べです。
 
 
山路和弘さん&檀臣幸さんによる劇団青年座コンビの吹き替えが嬉しい今作。
お二人のタッグによるお芝居は、リメイク版「3時10分、決断のとき」などでも堪能することが出来ます(こちらも必見ですよ!)。
山路和弘さんは、ウィレム・デフォーやソン・ガンホ、ラッセル・クロウなど、不良感性の高いキャラクターを演じると抜群の存在感を見せてくれる役者さん。最近ではヒュー・ジャックマンの声がすっかりハマり役です。
一方、こちらもすっかりクリスチャン・ベールの声が定着した檀臣幸さん。
檀さんに関しては後で改めて詳しく触れますので、そちらを参考に。
そんなお二人を始めとして、松本保典さん(「カールじいさんの空飛ぶ家」のダグ)や藤原啓治さん(ご存知「ダークナイト」のジョーカー)、八尾一樹さん(「少林サッカー」のGK)など実力派の声優さんが勢揃いで、吹き替え版としては実に素晴らしい内容となっていました。
 
それはそれとして。
今作が吹き替え版としてすごくユニークな作品となっている大きな理由のひとつが、ブラッド・ピット演じるミッキー・オニールのキャラクターにあります。ブラピ演じるミッキーは、いわゆる放浪の民(ジプシー)で劇中では侮蔑的に“パイキー”と呼ばれています。このパイキーは、訛りがひどく何を喋っているのかわからないという設定なのですが、今作の日本語吹き替え版では、この“何を喋っているのかよくわからない”というニュアンスが、実によく表現されているのです。おそらくこのニュアンスは、字幕スーパー版だとなかなか伝わりづらいのではないでしょうか?。
訛りがひどく、何を喋っているのかよくわからない....そんなブラッド・ピット演じるミッキーの吹き替えを、檀臣幸さんは絶妙な吹き替えお芝居で表現されています。こういった吹き替えのお芝居には相当なテクニックが必要となります。実際に何を喋っているのかわからなかったらお芝居にはなりませんし、かと言って普通にクリアな音声で喋るとミッキーというキャラクターを的確に表現することにはなりません。その両方のさじ加減が実に絶妙(最初は何を喋っているのか?よくわからないが、耳が慣れてくると何を言わんとしているのかがわかるようになってくる!)で、檀臣幸さんの役者としてのスキルの高さを実感出来る吹き替えとなっていました。
 

字幕スーパー、日本語吹き替え、ともにそれぞれの良さがあり、同時に欠点もあります。
物語を知る上では字幕スーパー版で作品を見ても何ら問題はないでしょうが、ことキャラクター像をより深く知るためには、日本語吹き替え版の方がより適している場合が多々あります。今作の吹き替え版は、正にそのことを実感出来るクオリティとなっています。字幕スーパー版のみでしかこの作品を見たことがない人は、是非一度日本語吹き替え版でこの作品を鑑賞し直すことをお薦めします。ブラピ演じるミッキーに対して、また違った印象を持たれること必至ですよ!(^皿^)/。
 

スナッチ [Blu-ray]

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改めて字幕スーパー版をもう一度見直して、吹き替え版との違いを比較してみたい。
 
 
      邪悪な雰囲気満載の、ヴィニー・ジョーンズ
      ヴィニー.jpg 
      悪人顔の彼は、もはや善人の役は演じられないであろう....
     

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「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」の日本語吹き替え版について [吹き替えについて]

人気シリーズの最新作「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」。
シリーズ物のカラーを踏襲しつつも、独自の手堅い演出を披露したマシュー・ボーンの評価はますます高まるばかりです。そんな「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」ですが、今回は当ブログではお馴染みの日本語吹き替え版について語りまっす(^皿^)。
 
 
「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」日本語吹き替え版キャスト
 チャールズ・エグゼビア(ジェームズ・マカヴォイ) ....内田夕夜
 エリック・レーンシャー(マイケル・ファスベンダー)....三木眞一郎
 セバスチャン・ショウ(ケヴィン・ベーコン)    ....安原義人 
 
 
すでにウィキペディア上には吹き替え版キャストがほとんど記載されていましたが、残念ながらオイラが劇場で確認出来たのは、上記のお三方のみでした。
今回も映画プログラムには、日本語吹き替え版キャストの明示は無しです。なのでエンディングロール終わりで表記される日本語吹き替え版キャストをせっせとチェックした訳ですが、上記お三方の名前を確認してあえなくタイムオーバー....(汗)。
もう何度も口がすっぱくなるくらい言ってますが、せっかく日本語吹き替え版も劇場公開してるんだから、吹き替え版キャストもオリジナルキャストと同じようにプログラムに明記して欲しいです(声優さんたちの地位向上アップを!)。
という訳で、その他の吹き替え版キャストの皆さんに関しては、ウィキペデイア上にすでにアップされていますので、興味のある方はそちらを参考にして下さい。
   
 
 
「君のことは全てわかるよ....全てね」
若き日のプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアを演じるは、ジェームズ・マカヴォイ。実は今作で初めてお目にかかる役者さんであります(^皿^)。
前シリーズでは悟りを開いたようなある意味完成されたキャラクターでしたが、今作では等身大の青年らしい姿がとっても魅力的な人物として描かれております。演じるジェームズ・マカヴォイが理想家で育ちのいい青年像をとても好演しています。
そんなジェームズ・マカヴォイの吹き替えは、内田夕夜さんが担当されています。
“うちだゆうや”と言っても、白髪のステッキおじいちゃんの事ではありません(^皿^)
内田夕夜さん、最近ではレオナルド・ディカプリオの吹き替えがフィックスになりつつある役者さんです。個人的に知ってるのは「キングダム・オブ・ヘブン」のオーランド・ブルームの吹き替え(DVD版)ぐらいしかないのですが、今作ではジェームズ・マカヴォイ同様、内田さんご自身もすごく好演されています(^皿^)。
 
 
「再び虐げられるのだけは....ご免だッ!」
前シリーズでイアン・マッケランおじいちゃんが演じたマグニートー。
確かにカリスマ性はあったけど、いかんせんおじいちゃんなんでどことなくパワー不足と申しますか....(汗)。そんな前シリーズでのマグニートーに対する不満を見事解消してくれるのが、今作でマグニートーことエリック・レーンシャーを演じたマイケル・ファスベンダー。反骨精神溢れるこのキャラクターを、マイケル・ファスベンダーが力強く好演しており、ドラマを引っ張っています。
そんなマイケル・ファスベンダーの吹き替えを担当するのは、三木眞一郎さん。
数多くのアニメや吹き替えで活躍されている役者さんです。現在テレビ東京で放送中の韓国ドラマ「推奴(チュノ)」でも、主役のチャン・ヒョクの声を担当されています。
この作品での抜擢を機に、更なる活躍が期待される中堅所の役者さんです。
 
 
「素晴らしい。実に素晴らしいッ!」
もはやベテランの風格さえ漂い始めたケヴィン・ベーコン。
今作でも邪悪なキャラクター、セバスチャン・ショウを風格たっぷりと演じています。
そんなケヴィン・ベーコンの吹き替えを担当するのは、ご存知安原義人さん。
吹き替え業界では、もはや説明不要のベテラン役者さんです。
有名なところだとミッキー・ロークの吹き替えあたりなんだろうけど、米ドラマ「特攻野郎Aチーム」を見て育った世代としてはやはりフェイスマンの声というのが真っ先に思い浮かびます。アニメだと世代的に「キャッツ・アイ」の俊夫がやっぱり印象的でした。
とにかく吹き替えされている作品が滅茶苦茶多いので、「安原義人さんと言えばコレだ!」という決定版もなかなか決められないんだけど、個人的に好きなのがビル・マーレイの吹き替え。ビル・マーレイって、ホントつかみどころのない役者で、なかなかしっくりとくる吹き替え版がないんですが、そんな難しいビル・マーレイの吹き替えを「ゴーストバスターズ」や「恋はデジャヴ」などで堪能することが出来ます。
安原義人さんといえば、大塚芳忠さんや中尾隆聖さんに代表されるような、いわゆる“外人声”声優のお一人。安原義人さんの吹き替えを見て育ったオイラが、今のように吹き替え好きになった要因のお一人でもあります。
とにかくありとあらゆるキャラクターをこなせる安原義人さんは、紛れもなく優れた役者さんであり、声優界では唯一無二の存在でもあります。未だ生の舞台を拝見したことがないけれど、一度はテアトルエコーの舞台を見に行かなければ!と思っております(^皿^)。
 
 
映画「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」は、ジェームズ・マカヴォイやマイケル・ファスベンダーといった次世代を担う若手俳優のお芝居を、ベテランのケヴィン・ベーコンが真正面から受けて立つという構図が成り立っていましたが、こと吹き替えに関してもまったく同じで、次世代声優の内田夕夜さんや三木眞一郎さんを相手に、ベテラン声優の安原義人さんが「まだまだ若いもんには負けんわい!」といったような雰囲気でお芝居をされていたような、そんな印象を持ちました。
映画開始早々、子役の吹き替えがずっこけそうな出来だったので、一瞬嫌な不安がよぎりましたが、上記お三方の熱演をはじめとして、「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」の日本語吹き替え版は、なかなか優れた吹き替えとなっています。
是非劇場でも安心して、日本語吹き替え版をご覧下さいませ!(^皿^)/。
 
 
 
「平和な社会に住む連中が、俺たちミュータントを差別する。
 そんな平和なら、俺には必要ないッ!」
      マイケル・ファスベンダー.jpg
      タートルネックが世界一似合う男、マグニートー    
 
  

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「塔の上のラプンツェル」の日本語吹き替え版について [吹き替えについて]

ディズニー長編アニメーションの記念すべき50作品目となる「塔の上のラプンツェル」。
今作は、久しぶりにディズニーアニメの王道を満喫出来る内容となっています。
ディズニーアニメと言えば、忘れちゃいけないのがミュージカルシーンですよね!。
「塔の上のラプンツェル」も、オープニングから楽しいミュージカルシーンで幕を開け、
全編にわたり見応えのある楽しい音楽シーンが満載です。そのせいもあって、オリジナルキャストの歌声が楽しめる字幕スーパー版を好む方が多いようです。
ですが、ご心配なく。
今作「塔の上のラプンツェル」の日本語吹き替え版は、オリジナル版に負けないぐらい、
素晴らしい出来となっています(^皿^)b。
 
 
「塔の上のラプンツェル」日本語吹き替え版キャスト
  ラプンツェル(マンディ・ムーア)    ....中川翔子(歌:小此木麻里)
  フリン・ライダー(ザッカリー・レヴィ) ....畠中洋
  ゴーテル(ドナ・マーフィ)       ....剣 幸
  スタビントン兄弟(ロン・パールマン)  ....飯島肇
  警備隊長(M・C・ゲイニー)      ....佐山陽規
  ビッグノーズ(ジェフリー・タンバー)  ....石原慎一
  フックハンド(ブラッド・ギャレット)  ....岡田誠
  ショーティー(ポール・F・トンプキンス)....多田野曜平
 
 
『私、ついに外に出たのね!』
明るく健気な主人公ラプンツェルを演じるは、ご存知“しょこたん”こと中川翔子さん。
最初、彼女が主人公ラプンツェルの声に起用されたと聞いた時、正直「また例によって番宣目的のタレント起用か....」とがっかりしましたが、そこはしょこたん、並のアニメおたくとは違うことをきっちりと証明してくれました。
しょこたんの吹き替えは実に誠実で、ラプンツェルの魅力を存分に演じきっていました。過去にもアニメの吹き替えは経験があるとのことでしたが、正直彼女がここまでの演技力を見せてくれるとは思ってもいませんでした。これは嬉しい誤算です。
話によると彼女は声の収録がすべて終わったあとで、前半部分の撮り直しをスタッフに申し出たのだと言います。自身の演技に納得がいかなかったらしいのです。この話だけでも、彼女に対するオイラの中の好感度がぐっとアップです!(^皿^)。
とあるインタビューで彼女は「単純に“カタチ”だけでラプンツェルの強さを表現しても意味がないので、常に『ラプンツェルがどんな思いでいるか?』を考えなきゃダメなんだて思って。」と語っていましたが、まさにその通り!。しょこたん、吹き替えというものがよくわかっています。
よくタレントが吹き替えをすると、決まってするコメントに「画面の口に合わせるのが難しかった」というのがあります。確かに画面上のキャラクターの口にあわせて台詞を喋るというのは難しい。ですが、それは単にテクニカルな問題で、一番重要なことではありません。吹き替えに於いて一番重要なのは、演じるキャラクターを理解し、場面場面での感情を日本語に乗せてきちんと表現することが出来るかどうかなのです。しょこたんは先のインタビューで「自分の声でラプンツェルの魅力を失ってはいけないし、かといってモノマネになってもいけない。また、せっかく自分をキャスティングしてもらったのだから、ある部分では自分らしさを表現することも大事なのでは!?」と、ラプンツェルを演じるにあたってはかなりの葛藤があったそうです。そういう苦心から録り直しを申し出たのだ思いますが、そういった葛藤を経て、演じられたラプンツェルは、非常に素晴らしい吹き替えとなりました。
しょこたんの吹き替えに対する真摯な態度には、本当に感服しました。
しょこたん、グッジョブ!(^皿^)b。
 
そんな見事な好演を見せてくれたしょこたんでしたが、残念ながら劇中歌にはノータッチ。
(歌手活動もしている彼女に、歌もまかせて良かったように感じたけれど....)
しょこたんに代わり、歌唱シーンで見事な歌声を披露してくれるのが、小此木麻里さん。
小此木麻里さんは、テレビ、舞台等で活躍をされている女優さんだそうです。
オープニングで披露される「♪自由への扉」は、本当に素晴らしいので必聴です。
英語オリジナル盤と聴き比べてみると、その素晴らしさがよくわかります。
付け加えるならば、英語歌詞を日本語歌詞に見事に訳詞された高橋知伽江さんの功績が大きいことも、ここに記しておきたい。英語の歌を日本語になおすとなかなかしっくりこない場合の方が多いのですが、高橋知伽江さんの訳詞は、本当に素晴らしいです。こうした、いわゆる“縁の下の力持ち”的な人の着実な仕事があって、素晴らしい作品は出来上がるものなのですよ。
 
 
『花粉症かい?、大変だねえ』
ハンサム顔が自慢のプレイボーイな盗賊フリン・ライダーを演じるのは、畠中洋さん。
オイラは畠中洋さんのことはあまり存じ上げなかったのですが、ウィキペディアで調べたら、舞台やミュージカルなどで活躍されている役者さんだそうです。で、この畠中洋さん演じるフリン・ライダーが、これまたピッタリで畠中さんのイケメン声が見事にハマっていました。基本的には陽気で自惚れ屋のフリン・ライダーがふとした瞬間に見せる孤独感を見事に表現されていて素晴らしかったです。また、ラプンツェルとのデュエットでは素敵な歌声を披露されいて、こちらもまた魅力的でした。
ウィキペデイアによると、畠中さんはあまり吹き替えのお仕事はなさってないようですが、これからは是非実写での吹き替えの場でその素晴らしい演技とお声を披露して頂きたいものです。
余談ですが、畠中洋さんはなんとオイラと誕生日が同じでした(^皿^)。
そんな事もあって、ますます親近感が高まった畠中洋さんを、オイラはこれからも応援し続けますヨ♪
 
 
『塔から出たいだなんて、二度と言わないで!』
自分大好き!な超ナルシストである悪女ゴーテル。自分の欲望のためだけにラプンツェルを利用し続ける、そんな邪悪なゴーテルを演じるは元宝塚出身で、舞台やミュージカルで活躍されている女優・剣幸さん。宝塚やミュージカルで活躍されてきただけあって、ゴーテルの歌唱場面はそりゃもうゴージャスで素晴らしいのひと言でした。
ところで、前の記事でも描きましたが、ゴーテルのその容姿からオイラの脳内ではずっと女優の田島令子さんの事をイメージしながら映画を見てました。剣幸さんのお芝居はそれなりに良かったんですが、声質自体がちょっと若いかな?とも思いました。まあ、魔法によってゴーテル自身が若いままなので、声が若くても全然問題はない訳ですが。もし、田島令子さんがゴーテルの吹き替えをされたら、容姿や声質ともにゴーテルのイメージと実にぴったりだと思ったんですがねえ....(^皿^)。
 
 
『ティアラよりもいいもんを見つけたんだろ?』
フリン・ライダーと手を組んで盗賊稼業に精を出す二人組の悪党スタビントン兄弟。
英語版ではヘルボーイことロン・パールマンが演じたこのキャラクターを、日本語版では飯島肇さんが吹き替えをされています。ウィキペディア調べでは主にアニメ方面で活躍されている声優さんのようです。因みにスタビントン兄弟の兄と弟をそれぞれ演じられてるみたいで、なかなか素敵なお声でかっこ良かったです!。
 
 
とにかく、全編にわたって素晴らしい吹き替えが楽しめる「塔の上のラプンツェル」。
3D上映のせいもあって、吹き替え版の方を見る機会の方が多いと思います。
「私、吹き替え版って苦手なのよねえ」
と、仰る字幕スーパー版支持者の方の意見も、もちろん理解出来ます。
オリジナルキャストであるマンディ・ムーアやドナ・マーフィの歌声は確かに素晴らしいです(特にドナ・マーフィの歌う♪Mother Knows Bestは絶品!)。
でも、今作「塔の上のラプンツェル」日本語吹き替え版はオリジナルの良さを決して損なうことなく、かつ素晴らしい日本語のお芝居が堪能出来ます。それだけはこのオイラが保証します!。日本語のミュージカルだなんて....そんなネガティブな偏見は捨てて、是非この機会に「塔の上のラプンツェル」の吹き替え版を体験してみて下さい。
中川翔子さんのひたむきで誠実な吹き替えを、畠中洋さんのクールでかっこいい吹き替えを、小此木麻里さんや剣幸さんらの素敵な歌声を、是非劇場で楽しんで下さい!。
 
 
      警備隊長の愛馬、マキシマス
      マキシマス.jpg
盗賊フリン・ライダー捕縛に並々ならない執念を見せる馬のマキシマス。
時に狩猟犬のような嗅覚でフリン・ライダーを追いつめ、時に剣を持ち(というか、口にくわえて)勇猛果敢に一戦交える、まさにその名の通り剣闘士のような活躍を見せてくれます。
そんな勇ましいマキシマスだけど、純粋なラプンツェルの前では従順なペットのようになってしまうのでありました。動物を意のままに操る能力は、ディズニープリンセスが持つ伝統技なのであります♪(^皿^)。

塔の上のラプンツェル オリジナル・サウンドトラック

塔の上のラプンツェル オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: WALT DISNEY RECORDS
  • 発売日: 2011/03/09
  • メディア: CD


歌はもちろんだけど、スコアも素晴らしいアラン・メンケン師匠、さすがです!
国内盤には小此木麻里さんが歌う日本語バージョンも収録されているので、
オリジナルのマンディ・ムーアの歌声と聴き比べてみて下さい♪。
  

The Art of 塔の上のラプンツェル(ジ・アート・オブ 塔の上のラプンツェル)

The Art of 塔の上のラプンツェル(ジ・アート・オブ 塔の上のラプンツェル)

  • 作者: ジェフ・カーティ
  • 出版社/メーカー: ボーンデジタル
  • 発売日: 2014/10/02
  • メディア: 大型本
映画公開から数年後....
ここにきて、なぜか国内版アートブックが発売になりました♪
オイラは、洋書版買っちゃったけどね....(^皿^;)
  


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「シュレック フォーエバー」の日本語吹き替え版について〜劇団員はひとりじゃないッ!ランプルスティルスキン編 [吹き替えについて]

「シュレック フォーエバー」の日本語吹き替え版について熱く熱く語るこのコーナーも、今回が最終回。そのトリを飾るのは、ある意味シリーズ最強(!?)の悪役でもある魔法使いのランプルスティルスキンを演じた劇団ひとりさんの吹き替えについてです。
 
劇団ひとりさんと言えば、つい最近もヘンリー・セリック監督の傑作人形アニメーション「コララインとボタンの魔女」で、主人公の少女コララインを陰ながら手助けする謎の黒猫の吹き替えを担当されていたのが記憶に新しいところ。映画公開当時、オイラはこのキャスティングにすごく懐疑的であったのですが、いざフタを開けてみれば劇団ひとりさんのお芝居はとても素晴らしく、クールな佇まいを見せる黒猫を見事に演じきられていたのでありました。
 
そんな訳で、今回ランプルスティルスキン役に劇団ひとりさんがキャスティングされたと聞いた時は、その出来を非常に楽しみにしておりました。そして、劇場で流れた予告編でその断片を少しだけ垣間見た時、その期待は確信へと変わりました。
劇団ひとりさん、今回も素晴らしい演技を見せてくれます。
 
「コララインとボタンの魔女」で演じたクールな黒猫とは一変し、今回のランプルスティルスキンは卑屈で感情の起伏が激しいキャラクター。そんなだだっ子のようなキャラクターを劇団ひとりさんは魅力的かつ楽しさいっぱいで見事に演じきられていました。本職の芸でも、様々なキャラクターを演じることが多い劇団ひとりさんですが、その芸人としてのスキルが遺憾なく発揮されていた、素晴らしい吹き替えでした。ある意味、大袈裟な芝居が求められるアニメーションだからこそ、劇団ひとりさんの芸が見事にハマった....そんな印象を受けました。
(余談ですが、アニメの吹き替えが上手く出来たからと言って、実写の吹き替えも同じように出来るか?と言えばさにあらず。吹き替え芝居とはそんなに簡単なものではありません。わかりやすい例を挙げると「カーズ」でメーターを演じたぐっさんこと山口智光さんがいい例。ぐっさん演じるメーターは最高に素晴らしかったけど、同じくぐっさんが吹き替えを担当した「ジョニー・イングリッシュ」は、そりゃもうもの凄く“寒い”ことになっています。コメディ映画だから吹き替えにも売れっ子の芸人さんを!....という制作サイドの安直な発想が、そこに伺い知れます。しかし、吹き替えの中でもかなり難しい部類に入るコメディの吹き替えを演じるには、よほどの実力がないと演じきるのはまず難しい。芸達者で知られるぐっさんでありますが、そんな山口智光さんの力をもってしても実写の吹き替えを演じるのは難しいという訳です。なぜならそこには役者としてのスキルが求められるから。「声優を目指す者は、声優である前に、いち役者であれ!」....今は亡き野沢那智さんの言葉が胸に響きますね。
もっとも「ジョニー・イングリッシュ」が面白い映画かどうか!?は、また別の話ではありますが....)
 
アニメに限らず、このテの作品に於いて、魅力的な悪役というのは必要不可欠。
そういった意味では、劇団ひとりさんの吹き替えは「Mr.インクレディブル」で悪役を演じた宮迫博之さんに匹敵する高レベルの出来映えで、映画の面白さアップ!に確実に貢献しているといっても過言ではありません。
劇団ひとりさんの芸人としてスキルを考えると、まだまだこの先も様々なアニメ作品で吹き替えを見せてくれる可能性が高いです。だが果たして、実写作品の吹き替えでも同じようなクオリティのお芝居を見せることが出来るのか!?、吹き替えファンとしては興味が尽きません。
これからも要チェックな人物ですね♪(^皿^)。
 
 
     「うーん、ボクって天才♪」
     ランプルスティルスキン.jpg 
ランプルスティルスキンによる“遠い遠い国乗っ取り”計画は、成功まであと一歩のところまで来ていた。だがその思惑も、怪物シュレックがフィオナ姫を救出したことで破綻してしまう。それ以来、不遇の生活をおくってきたランプルスティルスキン。だが、そんな彼に再び再起のチャンスが訪れる。その機会を与えることになるのは、誰あろうシュレックそのものだった....!
 
劇団ひとりさんの吹き替えは、系統で言うとばいきんまんやフリーザの声で知られる中尾隆聖さんに似ている....と、個人的には思っています。中尾隆聖さんと言えば「あしたのジョー2」世代にはカーロス・リベラの声でお馴染みですけど、そう考えると劇団ひとりさんの声も案外“外人声”にぴったりとハマるかも。 
ところで、劇団ひとりさんと言えば、奥さんであるタレントの大沢あかねさんも「シュレック3」で吹き替えに参加されている。ということは、夫婦揃って「シュレック」シリーズの吹き替えに参加したことになるのだな。うーん、それって、何かすごい♪(^皿^)
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「シュレック フォーエバー」の日本語吹き替え版について〜喋って歌って!山ちゃんドンキー編 [吹き替えについて]

「シュッレク フォーエバー」の日本語吹き替えについて、熱く熱く語るこのコーナー。
今回は、ご存知声優界の至宝・山寺宏一さん演じるお喋りロバのドンキーについて熱く語りまっす♪(^皿^)。
 
以前記事にも書きましたが、ひと昔前エディ・マーフィーの吹き替えと言えば、富山敬さんだったり下条アトムさんだったりした訳ですが(富山バージョンも下条バージョンも、オイラはどちらも好き♪)、今やそれは山寺宏一さんしか考えられないほど、山寺さんによるエディ・マーフィーの吹き替えは絶品であり、唯一無二の存在となりました。
今やエディ・マーフィーがアニメ声優を勤めた作品と言えばこの「シュレック」シリーズが真っ先に思い浮かぶ訳ですが、98年のディズニーアニメ「ムーラン」のことを忘れてはいけません。主人公ムーランを影から支える龍の守護神ムシューを、エディ・マーフィーはお得意のマシンガントークで魅力的に演じていました。もちろん、その日本語吹き替えを担当したのは山寺宏一さん。エディ・マーフィーに負けず劣らずのお喋りで楽しい吹き替え芝居を見せてくれました。「シュレック」のお喋りドンキーは、正にこの龍のムシューの流れを受け継ぐ(というか、キャラ設定がほとんど同じ)キャラクターです。
 
これまでもそうでしたが、映画の中のドンキー(エディ・マーフィー)はとにかく喋りまくり、歌いまくります。これはエディ・マーフィーがかつてスタンダップ・コメディアンだった頃のスキルが存分に発揮されています。そのスキルを吹き替えの場において、これまた存分に発揮するのが山寺宏一さん。お喋りも然ることながら、歌もめっぽう上手いのはあまりにも有名です。つい最近もテレビのバラエティ番組で尾崎豊の替え歌を抜群の歌唱力で熱唱する山寺宏一さんのお姿を拝見しましたが、そのスキルを今回の吹き替え版でも堪能することが出来ます。
 
 
しかしオイラは、敢えて声を大にして言いたい。
山寺宏一さんの、真の魅力はそこではないと。
エディ・マーフィーに負けず劣らずのマシンガン・トークであったり、抜群の歌唱力であったりと、ついつい派手な部分に目を奪われがちですが、実は山寺さんの本当の魅力は何気ないシーンで見せる確かな演技力にこそあるのです!(←ここ力説!)。
 
映画の中盤あたりでこんな場面があります。
パラレルワールドに送り込まれたシュレックは、ランプルスティルスキンの手下である魔女軍団に捕まってしまいます。そこで初めて親友であるドンキーと出会うシュレック。シュレックはランプルスティルスキンの城から脱出する際、一緒にドンキーを救い出します。しかし、パラレルワールドの住人は誰一人としてシュレックのことを記憶していません。それは大親友であるドンキーもまた然り。せっかく助け出したのに、ドンキーはシュレックのことを「怪物だ!」と恐れて、彼のもとから逃げ出してしまいます。その姿を見て思わず涙するシュレック。そんなシュレックの姿を物陰から見ていたドンキーはそっと近寄り、ポツリと呟きます....
 
「怪物が泣くところなんて、初めて見た.....」
 
このたった一行の台詞に、思わず涙してしまうオイラ。
こういう一見すると何気ないような台詞に、きっちりと情感を込めて演技出来る山寺宏一さんに、オイラは役者としての凄さを感じてしまうのです。だからこそ、たったこの一行の台詞が、心の琴線に触れて涙してしまうのです。
 
コメディ映画でも、シリアス映画でも、アクション映画でも、とにかくなんでもござれのオールマイティな活躍を見せる声優・山寺宏一さん。オリジナルにも勝るとも劣らない軽妙なマシンガントークであったり、あるいは抜群の歌唱力であったりと、そのスキルの高さには目を見張るものがありますが、一番高いスキルは、実は確かなお芝居力にあるんだという事を改めて再認識させられた「シュレック フォーエバー」なのでありました(^皿^)。
やっぱり、山寺宏一さんは、声優界の至宝ですッ!(^皿^)/

 
 
    
    「♪ずいずいずっころば〜し、ごまみそ〜ずいッ!」
      ドンキー.jpg
“もうひとつの世界”で魔女軍団にコキ使われているドンキーは、今日もBGM付きのロバとして馬車を引かされている。その中でなぜか童謡「♪ずいずいずっころばし」を歌う山寺宏一さん。こういった遊びが日本語吹き替え版の楽しいところであります♪(^皿^)。
ところで、オリジナルのエディ・マーフィーはその時一体何を歌っていたのでしょうか?。
 
 

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オイラも好きなディズニーアニメ「ムーラン」
こちらでも山寺宏一さんによる楽しい吹き替えが楽しめます♪ 
 


山寺宏一さんの役者としてのスキルの高さが伺える一品。
山寺さん演じるエオメル(カール・アーバン)のかっこ良さを、是非見て欲しい!


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そして山ちゃんと言えば、ブラッド・ピット!。
中でもこの「ファイト・クラブ」は、神の領域に達したと言っても過言ではない素晴らしい出来で、見たらきっとびっくりすると思う。平田広明さんのエドワート・ノートンとともに、その超絶吹き替えを楽しもう!。
 
次回は、劇団ひとりさんによるランプルスティルスキンについて熱く語ります!(^皿^)
  

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「シュレック フォーエバー」の日本語吹き替え版について〜浜ちゃんシュレックの魅力編 [吹き替えについて]

シリーズ最終作にして、シリーズ最高の感動を呼ぶ「シュレック・フォーエバー」。
今回はお約束の日本語吹き替え版について、熱く語りたいと思いまっす!(^皿^)。
 
「シュレック・フォーエバー」日本語吹き替え版キャスト
 シュレック(マイク・マイヤーズ)     ....濵田雅功
 フィオナ姫(キャメロン・ディアス)    ....藤原紀香
 ドンキー(エディ・マーフィー)      ....山寺宏一
 長靴を履いた猫(アントニオ・バンデラス) ....竹中直人
 ランプルスティルスキン(ウォルト・ドーン)....劇団ひとり
 ブローガン(ジョン・ハム)        ....玄田哲章
 ハロルド国王(ジョン・クリース)     ....青野武
 リリアン王妃(ジュリー・アンドリュース) ....沢田敏子
 赤ずきんの狼               ....内海賢二
 魔法の鏡                 ....稲葉実
 ピノキオ                 ....飛田辰男
 クッキーマン               ....結城飛呂
 
 
第一作目が公開されたのが今から約10年前。それから今回の第4作目まで、シリーズを通して吹き替えを担当するメンバーに変更がないのは、真に喜ばしいことであります♪。ハロルド国王役の青野武さんが病気だと伺っていたので、ひょっとしてキャスティングに変更があるのでは!?と心配していましたが、無事収録に参加されていたのが一番嬉しかった。
青野武さん、くれぐれもお身体を大切になさって下さいッ!。
メインキャストの声優陣がスター揃いなので、ついついそちらに目が行きがちだけど、内海賢二さんだったり、稲葉実さんだったりと、脇を固める声優陣に超実力派の方々がいらっしゃる事を忘れてはならない。今作では更にシュワちゃんの吹き替えでお馴染みの玄田哲章さんが参加。シュレックが存在しない“もうひとつの世界”でフィオナ姫をサポートする部下ブローガンをかっこ良く演じられています。こういう骨太な役柄は玄田哲章さんにホントぴったり!(^皿^)。
 
さて、今回いい機会なので、シュレック役に漫才師でタレントのダウンタウン濵田雅功さんが起用されたことについて、オイラなりの見解を少しだけ語りたいと思います。
多くの映画ファンの賢明な方がそうであるように、オイラもまた安易に“吹き替えにタレントを起用する”のには、反対のスタンスです。でも、これは正確な表現ではありません。正しく言い換えると“お芝居が出来ない”タレントを吹き替えに起用することが反対なのです。
ただ、どんな物事にも例外はあるもので、オイラの場合、多少お芝居が下手だとしても、それを補うだけの別の魅力があれば、そういう吹き替えがあってもいいというスタンスです。
一例を挙げると、例えば所ジョージさん。オイラは所さんの演じるバズ・ライトイヤーは好きじゃないけど、コメディドラマで演じるアレフの吹き替えは大好きです。何故ならバズと違い、アレフには所ジョージさんの魅力がにじみ出ているからです。
そして、濱田雅功さん演じるシュレックにも似たものを感じます。
 
はっきり言って浜ちゃんはお芝居が上手い方ではありません(実際にドラマとかをやられているのに、大変失礼な言い方ではありますが)。だから今シリーズで吹き替えに参加している他のメンバーと比較すると、吹き替え芝居もそんなに上手い方ではありません。それなのに、何故だか浜ちゃん演じるシュレックは、魅力に溢れています。それは何故なのか!?....それはシュレックを通して浜ちゃんの魅力がにじみでているからです。
テレビタレントの濱田さんはツッコミという役割もあって、粗野で乱暴なイメージがあります。シュレックもまた同じ。怪物である彼は人間から凶暴なイメージで恐れられています。またバラエティ番組で濱田さんが放屁する場面をよく見かけたりしますが、そんなところも似ていますね(笑)。しかし、シュレックが実は怪物という外見的イメージとはかけはなれた穏やかな性格であるように、恐らく濱田さんも一般の人が持つイメージとその中身とはだいぶ違うのでないでしょうか?。濱田さん演じるシュレックを見ていると、そんな想像をしてしまうのです。
先日行われた記者会見で濱田さんは「この10年間、シュレックの声は自分が演じて本当に正しかったのだろうか?と自問自答していました。やっとその悩みから解放されます(笑)」というような主旨の発言をされていましたが、こういう真摯で謙虚な姿勢がシュレックを通して垣間見えるからこそ、濱田さん演じるシュレックはオイラにとって魅力的に映るのです。
おそらく、濱田さんが別のアニメキャラクターを演じてもこうはいかないと思います。シュレックだったからこそ、濱田さんの声がぴったりと収まり、その魅力が存分に開花したと、オイラは感じています。
 
そして吹き替え版シュレックの、もうひとつの大きな魅力が“関西弁”です。
怪物シュレックが関西弁を喋ることに「そんなバカな!」と眉を潜める方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、オイラはちょっと解釈が違います。オイラは濱田さんシュレックの喋る台詞を、関西弁というよりむしろ方言という意味合いで捉えています。つまり、シュレックが方言=即ち地方の言葉を喋ることで、彼が都会に暮らしているようなキャラクターなどではなく、静かな僻地でのどかに暮らすキャラクターであるということを、うまく表現しているなと感じた訳です。だから極論を言えば、秋田弁でもいいし、博多弁でもいい。ただ、それだと一般的に台詞が伝わりづらい(苦笑)。ですから、関西弁を採用したのはある意味正解だったと思います。英語オリジナルのマイク・マイヤーズが別になまって喋っている訳ではないと思いますが、こういう解釈をして遊べるところが日本語吹き替えの魅力でもあるのです。そんな訳で、濱田さんの関西弁&素朴な喋り方で演じられるシュレックは、英語オリジナルのマイク・マイヤーズ版とはまた違った魅力を醸し出しています。
 
余談ですが、日本語吹き替えの世界に於いて、方言というのは実に楽しい表現方法です♪。
例えば、オールドファンには懐かしいテレビドラマ「特攻野郎Aチーム」では変装の名人であるハンニバルが変装をすると、なぜだか羽佐間道夫さんの台詞が方言になるんですよね。これはもう完全に羽佐間さんによるお遊び(笑)。でも、そういう遊びの部分があるからこそ日本語吹き替えは楽しい。もちろん、お芝居がちゃんと出来るって前提の話ではありますけどね。
 
そういった意味では、ドンキーを演じた山寺宏一さんがまさにそうです。という訳で、次回は山寺宏一さん演じるドンキーについて熱く語りたいと思いまっす!(^皿^)/。
 
 
     「かなわんなー、ドンキー♪」 
     シュレック.jpg
   
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大好きだった野沢那智さんを偲ぶ [吹き替えについて]

俳優・野沢那智さんとの初めての出会いは、果たしていつだったのだろうか?。
改めて遠い記憶をさかのぼってみたが、なぜか思い出せない。
洋画の吹き替えだったかもしれないし、アニメだったのかもしれない。
気がつけばそこに野沢さんがいて、そしてオイラはファンになっていた。
 
幼少の頃、オイラにとって映画とはテレビから流れるものだった。
映画館なんてハイカラなものは、オイラが育った九州のヘンピな田舎町にはなかったからだ。テレビで放送される映画は吹き替えであり、それをオイラは当然のように楽しんでいた。中学生の頃になるとビデオが普及し始め、それに伴いレンタルビデオが流行り始めた。そしてそれまであまり馴染みのなかった字幕スーパーというものに触れる。
それでもテレビで映画が放送されれば、やはりそちらを好んで見ていた。
 
高校卒業後、東京に出て来ると映画館というものがより身近な存在となった。
やがて映画館で洋画を観るようになると、吹き替えよりも字幕スーパー版の方を好むようなる。英語に対する憧れや、役者本人の声が聞きたくて....というのが理由だった。戸田奈津子さんや岡枝慎二さんなどによる字幕意訳の素晴らしさに触れたせいもあるかもしれない。とにかく20代前半は字幕スーパー版ばかりを好んで見ていた。
やがてDVDが普及し始めると、字幕・吹き替えの両方で映画を楽しむようになった。その結果、改めて日本語吹き替えの素晴らしさというものに気付く事になる。
「この英語のニュアンスを日本語ではこう演じるのか!」
「まるで本当に日本語を喋っているようだ!」
英語オリジナル版を見たあとで優秀な吹き替え版を鑑賞すると、改めてそんな新鮮な驚きに包まれた。今では可能であれば初見はまず吹き替えで!....それぐらい日本語吹き替えを愛してやまないようになった。
 
今日のようにオイラが吹き替えを愛して止まないようになった原因には、間違いなく幼少の頃から少年期に出会ったたくさんの素晴らしい吹き替えにその一因がある。そして、それは今に繋がっている。
    刑事コロンボ」の小池朝雄さん。
   「007」シリーズは若山弦蔵さんに広川太一郎さん。
    シャーロック・ホームズ」は露口茂さん。
    チャールトン・ヘストンは納屋悟朗さん。
    シルヴェスター・スタローンは羽佐間道夫さん
    「スーパーマン」「ナイトライダー」の佐々木功さん。
    クリント・イーストウッドの山田康雄さん。
    マイケル・ダグラスは小川真司さん、ドナルド・サザーランドは家弓家正さん。
    シュワちゃんは玄田哲章さん、ダース・ベイダーは大平透さん。
    メル・ギブソンは磯部勉さん、ジム・キャリーは山寺宏一さん。
    トム・ハンクスは江原正士さん、エディ・マーフィーは富山敬さん。
    M・J・フォックスは三ツ矢雄二さん、クリストファー・ロイドは穂積隆信さん。
    J・ゴールドブラムは大塚芳忠さん、ウェズリー・スナイプスは大塚明夫さん。
    ケビン・コスナーは津嘉山正種さん、ミッキー・ロークは安原義人さん。
    トム・クルーズは鈴置洋孝さん、チャーリー・シーンは堀内賢雄さん。
    ジョニー・デップは平田広明さん、ジョージ・クルーニーは小山力也さん。
    クリスチャン・ベールは檀臣幸さん、
    ....etc。好きな人を挙げればキリがない。
 
 
そして、アラン・ドロン、アル・パチーノ、ブルース・ウィリスの吹き替えと言えば、野沢那智さんでした。
一番有名なのはやはりアラン・ドロンなのだろうけど、世代的にオイラはアラン・ドロンの映画はほとんど見たことがないので、やはりアル・パチーノやブルース・ウィリスでの吹き替えが印象深い。あとはロバート・レッドフォード。そしてなんといっても「スター・ウォーズ」ファンにはC-3POの声で馴染みが深い。
アニメだと「クレヨンしんちゃん」の映画版で最初に悪役を演じたのが野沢那智さんだった。「Dr.スランプ」ではDr.マシリトをユーモラスに演じ、「スペースアドベンチャー・コブラ」では主役のコブラをセクシー&タフに演じられ、その芸域の広さを見せつけられた。近年ではドラマ「刑事ナッシュ・ブリッジス」に於けるドン・ジョンソンの吹き替えがとにかく秀逸でした。
あるいは、ラジオに於けるディスクジョッキーとしてのお姿を思い浮かべる方も多いかもしれません。残念ながらオイラはそちらの方は未体験であり、今となってはその事を只々後悔するばかりです。

野沢那智さんの魅力について語れば、まずはその声自体の響きの心地良さにある。
だけど、それ自体は持って生まれた天性ものだし、声優界にはそういう人は多い。
本当に特筆すべき点は、やはり卓越されたその演技力にあると思う。
書籍「とり・みきの映画吹替王」の中で野沢那智さんは自身の吹き替えについてこう仰っています〜
もとの役者さんが日本語だったらこう演じて欲しいだろうという演技をする
また、当たり役となったアル・パチーノの吹き替えについては〜
彼の吹き替えは本当に難しい。彼に“お前にこの芝居が出来るのか?”と言われているような気がする
と仰っています。また以前にも記事に書きましたが、とあるトーク番組で収録現場に遅刻してくる理由について〜
収録前に皆で談笑するのが苦手だから。せっかく役作りして現場に来てるのに、お喋りなんかしていたらそれが崩れてしまう。それが嫌なんだ
と仰っていました。お芝居についてある意味不器用であり、ある意味ストイックでもあった野沢那智さん。そんな過程を経て、あのクールで、タフで、セクシーで、茶目っ気のある素晴らしいお芝居は作り出されていったのですね。
そんな野沢那智さんのお芝居に、今日まで魅了され続けてきたオイラ。
 
 
そんな大好きだった野沢那智さんが、30日肺ガンにより永眠されました。享年72歳。
長年数多くの吹き替えで映画ファンを楽しませてきた野沢那智さん。
いち映画ファンとして、いち吹き替えファンとして、
そのことに心から感謝の意をのべずにはいられません。
野沢那智さん、今まで本当にお疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
心よりご冥福をお祈り致します。
 
     
      オイラはこれからも永遠にあなたのファンです!
      野沢那智さん.jpg 
 

刑事ナッシュ・ブリッジス シーズン1 [DVD]

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野沢那智さんの吹き替えを挙げたらキリがない。
が、この「刑事ナッシュ・ブリッジス」の吹き替えは、特にお薦め!。
野沢那智さんのあらゆる魅力が詰まっているファン必見の作品。
 
 
   テレビ朝日は追悼番組として、「ダイ・ハード」を放送すべし!
   ダイハード2.jpg
 
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A・パチーノ本人の芝居を観たあとで、野沢那智さんによる声のお芝居を見比べてみよう。
そうすれば野沢那智さんの凄さがわかるはず。
 
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例え同じ声の人が吹き替えても、アル・パチーノとロバート・レッドフォードではこんなにも違うんだということをきっと感じる事が出来るはず。

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