映画「ダークナイト」字幕/吹き替えの誤訳に、気がついた!? [吹き替えについて]
先日、こんな本を買いまして。
別に英語の勉強をしようって訳でもないんですが、立ち読みしてたらなんだか興味深い内容だったので思わず購入してしまいました。劇中の英語台詞とその訳がほぼ網羅してあり、日常生活におけるお決まりのフレーズなど解説が詳細で英語の勉強にはもってこいです。
でもそれより、オイラ的にはアメリカ文化に関する解説とか作品に対するトリビア(OPに登場するピエロ強盗団それぞれの名称とか)の方が読み応えがあって、より深く映画の世界を知ることが出来ました。
ご存知のように、オイラは映画を見る際、断然日本語吹き替え派な訳ですが、当然字幕には字幕の良さがあります。例えば、今作でいうとマフィアのひとり(ヒゲの人=通称チェチェン)の台詞が良い例です。この本の解説によれば、彼の話す英語は文法的にちょこちょこ間違っているとのこと。つまり、間違った文法で話す英語によって、彼が外国人であるということがより強調されている訳です。
でも、これが日本語吹き替えになるとそういう部分はなくなってしまいます。もちろん、吹き替えには吹き替えの良さがあって、「じゃあ、日本語に置き換えた時、その外国人的ニュアンスをどう出していくか?、それよりもマフィア的な側面を出した方がいいんじゃないか?」といったような試みが、演出家さんや役者さんによって検討され、それが日本語の台詞となっていく訳です。オイラはその過程が好きで、字幕と吹き替えを比較して「なるほど、あの英語台詞が、日本語だとこういう風になるのか!」みたいなことを感じながら見ると、吹き替えもまたより味わい深いものとなる訳です。
さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本題。
この本を読みながら、映画「ダークナイト」を見ていたら、ソフトの翻訳(字幕&吹き替え)が間違っていた部分を発見してしまいました。それは瀕死の重傷を負い入院しているハーヴィー・デントと、看護士に扮装したジョーカーが対峙する場面です。
この場面でジョーカーがハーヴィー・デントにこう語りかけます....
「....I'm an agent of chaos. Oh, and you know the thing about chaos? It's fair」
「....俺は“混沌の案内人”さ。混沌の本質が何かは知ってるよな?、それは公平なことだ」
ところが、劇中では日本語字幕スーパー、日本語吹き替え版ともに最後の台詞Fair(公平)がFear(恐怖)と訳されていました。
Fair(公平)とFear(恐怖)....確かに似てるケドさ(^皿^)。
因みに英語の字幕スーパーはどうなっているのだろう?と思い、確認してみたら、そちらの方はFairと表記されていました。更にヒース・レジャーの発音を改めて聴き直してみたら、こちらは「ベアー」と聞こえました....熊!?(苦笑)。
本来、日本語吹き替え版の制作には英文の台本から翻訳すると聞いたことがあります。
本国アメリカで発売されたシナリオ本に於いても、やはり問題の部分はFear(恐怖)ではなくFair(公平)と表記してありました。そもそもジョーカー台詞後のハーヴィー・デントの行動(ジョーカー殺害をコインで決める)を見れば、それがFear(恐怖)ではなく、Fair(公平)だということが一目瞭然だと思うのですが、なぜこんなイージーミスが起こってしまったのか?、とても不思議ですね。
確かに、生死をコインで決めるというのは、“恐怖”ではありますけど。
因みに字幕の翻訳は石田泰子さん、吹き替え翻訳は久保喜昭さんです。
実は日本語吹き替え版では、別の面白い現象が見られる箇所があるのですが、
それはまた別の機会に記事にしたいと思います(^皿^)。
さあ、あなたも今すぐ「ダークナイト」を引っ張りだしてきて、この台詞部分を是非確認してみて下さいッ!。
「この世界で賢く生きるためには、ルールを無視することだ」
こちらのシナリオ本でも問題の部分はFear(恐怖)ではなく、Fair(公平)と表記されています
ダークナイト (名作映画完全セリフ集スクリーンプレイ・シリーズ)
- 作者:
- 出版社/メーカー: フォーイン スクリーンプレイ事業部
- 発売日: 2010/07
- メディア: 単行本
別に英語の勉強をしようって訳でもないんですが、立ち読みしてたらなんだか興味深い内容だったので思わず購入してしまいました。劇中の英語台詞とその訳がほぼ網羅してあり、日常生活におけるお決まりのフレーズなど解説が詳細で英語の勉強にはもってこいです。
でもそれより、オイラ的にはアメリカ文化に関する解説とか作品に対するトリビア(OPに登場するピエロ強盗団それぞれの名称とか)の方が読み応えがあって、より深く映画の世界を知ることが出来ました。
ご存知のように、オイラは映画を見る際、断然日本語吹き替え派な訳ですが、当然字幕には字幕の良さがあります。例えば、今作でいうとマフィアのひとり(ヒゲの人=通称チェチェン)の台詞が良い例です。この本の解説によれば、彼の話す英語は文法的にちょこちょこ間違っているとのこと。つまり、間違った文法で話す英語によって、彼が外国人であるということがより強調されている訳です。
でも、これが日本語吹き替えになるとそういう部分はなくなってしまいます。もちろん、吹き替えには吹き替えの良さがあって、「じゃあ、日本語に置き換えた時、その外国人的ニュアンスをどう出していくか?、それよりもマフィア的な側面を出した方がいいんじゃないか?」といったような試みが、演出家さんや役者さんによって検討され、それが日本語の台詞となっていく訳です。オイラはその過程が好きで、字幕と吹き替えを比較して「なるほど、あの英語台詞が、日本語だとこういう風になるのか!」みたいなことを感じながら見ると、吹き替えもまたより味わい深いものとなる訳です。
さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本題。
この本を読みながら、映画「ダークナイト」を見ていたら、ソフトの翻訳(字幕&吹き替え)が間違っていた部分を発見してしまいました。それは瀕死の重傷を負い入院しているハーヴィー・デントと、看護士に扮装したジョーカーが対峙する場面です。
この場面でジョーカーがハーヴィー・デントにこう語りかけます....
「....I'm an agent of chaos. Oh, and you know the thing about chaos? It's fair」
「....俺は“混沌の案内人”さ。混沌の本質が何かは知ってるよな?、それは公平なことだ」
ところが、劇中では日本語字幕スーパー、日本語吹き替え版ともに最後の台詞Fair(公平)がFear(恐怖)と訳されていました。
Fair(公平)とFear(恐怖)....確かに似てるケドさ(^皿^)。
因みに英語の字幕スーパーはどうなっているのだろう?と思い、確認してみたら、そちらの方はFairと表記されていました。更にヒース・レジャーの発音を改めて聴き直してみたら、こちらは「ベアー」と聞こえました....熊!?(苦笑)。
本来、日本語吹き替え版の制作には英文の台本から翻訳すると聞いたことがあります。
本国アメリカで発売されたシナリオ本に於いても、やはり問題の部分はFear(恐怖)ではなくFair(公平)と表記してありました。そもそもジョーカー台詞後のハーヴィー・デントの行動(ジョーカー殺害をコインで決める)を見れば、それがFear(恐怖)ではなく、Fair(公平)だということが一目瞭然だと思うのですが、なぜこんなイージーミスが起こってしまったのか?、とても不思議ですね。
確かに、生死をコインで決めるというのは、“恐怖”ではありますけど。
因みに字幕の翻訳は石田泰子さん、吹き替え翻訳は久保喜昭さんです。
実は日本語吹き替え版では、別の面白い現象が見られる箇所があるのですが、
それはまた別の機会に記事にしたいと思います(^皿^)。
さあ、あなたも今すぐ「ダークナイト」を引っ張りだしてきて、この台詞部分を是非確認してみて下さいッ!。
「この世界で賢く生きるためには、ルールを無視することだ」
The Dark Knight: Featuring Production Art and Full Shooting Script
- 作者: Craig Byrne
- 出版社/メーカー: Rizzoli Universe Promotional Books
- 発売日: 2012/06/19
- メディア: ハードカバー
こちらのシナリオ本でも問題の部分はFear(恐怖)ではなく、Fair(公平)と表記されています
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