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映画「アベンジャーズ」の日本語吹き替え版について(前編) [吹き替えについて]

 
     『アベンジャーズ』日本語吹き替え版キャスト
       吹き替え翻訳:岸田恵子  吹き替え演出:三好慶一郎
 
   トニー・スターク/アイアンマン        ....藤原啓治
   スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ ....中村悠一
   ブルース・バナー/ハルク           ....宮内敦士
   雷神マイティ・ソー              ....三宅健太
   クリント・バートン/ホークアイ        ....宮迫博之
   ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドゥ   ....米倉涼子
   ニック・フューリー/シールド長官       ....竹中直人
   フィル・コールソン捜査官           ....村治学
   マリア・ヒル捜査官              ....本田貴子
   邪神ロキ/ソーの義弟             ....平川大輔
   ペッパー・ポッツ/トニー・スタークの秘書   ....岡寛恵
   ジャーヴィス/人工知能のコンピューター    ....加瀬康之
   エリック・セルヴィグ博士/宇宙物理学者    ....金子由之
   (ウィキペディア参考)
 
 
『もし地球を滅ぼしたら、必ず復讐(アベンジ)する』
アイアンマンことトニー・スタークを演じるは、藤原啓治さん。
藤原啓治さんによるロバート・ダウニーJr.の吹き替えも、だいぶハマり役となってきました。しかし気のせいかな?、今回の藤原啓治さんの吹き替えは心なしか元気がないように感じました。もちろんお芝居自体そのものは素晴らしかったけれど、どことなくテンションが低いというか元気がないというか。「アイアンマン」の時のトニー・スタークと比較すると、明らかにテンションが低いように感じました。「アイアンマン」のトニー・スタークのテンションを100だとするならば、今回の「アベンジャーズ」のトニー・スタークのテンションは80ぐらい。それぐらい明確なテンションの違いを感じました。
もっとも単にオイラの思い過ごしなのかもしれませんが。
もしくは、トニー・スタークが人間的に成長したってことなのかな?(^皿^;)。
  
『星条旗のデザインは、古臭くないかな?』
キャプテン・アメリカことスティーヴ・ロジャースを演じるは、中村悠一さん。
純粋であるが故に融通の利かない生真面目な兵士スティーヴ・ロジャースの声を、中村悠一さんが好演。青臭い性格であるが故に、軟派なトニー・スタークと何かと衝突してしまうキャップ。しかし、そんな反発しあっていた二人が、お互いを認めあい協力して戦う姿は、実に感動的でかっこいい!。
  
『僕の秘密を教えようか?....いつも怒ってる!』
ハルクことブルース・バナー博士を演じるは、宮内敦士さん。
温厚で紳士的なブルース・バナー博士を演じるマーク・ラファロのソフトな語り口を、吹き替えで忠実に再現されている宮内敦士さんの演技力はさすがです。おせじにもイケメンとは言えないマーク・ラファロですが、宮内敦士さんのかっこいい声が何故かピタリとハマるナイスキャスティングでした。
  
『ロキは復讐したいんだ....この俺に』
雷神ソーを演じるは、三宅健太さん。
クリス・ヘムズワース演じるソーに、三宅健太さんの野性的な声がピタリとハマる。ワイルドでありながら、神としての気品もちゃんと表現しているあたりの演技はさすが!。劇中、その喋り方をトニー・スタークから「シェークスピア劇風か?」とバカにされるソーですが、そんなちょっと浮世離れしているソーを、三宅健太さんは魅力的に演じられていました。
 
『上からの方が、遠くまで見渡せる』
弓の名手ホークアイことクリント・バートンを演じるは、宮迫博之さん。
 
『ロキは、ハルクを目覚めさせる気よ』
女スパイ・ブラック・ウィドゥことナターシャ・ロマノフを演じるは、米倉涼子さん。
   
『現在より、我々は“戦争状態”に入った』
シールド長官ニック・フューリーを演じるは、竹中直人さん。
  
『彼らがまとまるためなら、これぐらいのこと....』
シールド捜査官フィル・コールソンを演じるは、村治学さん。
村治学さんと言えば、米ドラマ「CSI:科学捜査班」でグレッグを演じられていたように、比較的若い優男のキャラクターを得意とされていますが、その村治学さんがフィル・コールソンのようないわゆる“おじさん声”を演じられるようになったのかと、個人的にちょっとしみじみしております。フィル・コールソンの温厚でありながら、静かに闘志を燃やす正義感を丁寧に熱演されていてグッド!。
  
『そのカード、ロッカーに入っていたんですよね?』
シールド捜査官マリア・ヒルを演じるは、本田貴子さん。
こうしたクール・ビューティーの声に、本田貴子さんの声は本当にぴたりとハマります。
本作はマリア・ヒルを演じるコビー・スマルダーズ(美人!)が本当に魅力的でかっこいいのだけれど、それを更に魅力的にしているのが、本田貴子さんの吹き替えです。これぞ正に良質の吹き替え!。
  
『跪くがいい.... 跪けッ!!』
邪神ロキを演じるは、平川大輔さん。
ご存知「ロード・オブ・ザ・リング」のレゴラス(オーランド・ブルーム)の声でお馴染みですね。そんなイケメン声の平川大輔さんによるロキですが、今回はそのかっこ良すぎる声がちょっと裏目に出てしまったようです。別にロキの声がかっこいいのは構わないんだけど、ロキの持つ狡猾で邪悪な雰囲気を今ひとつ表現出来ておらず、その点が残念な部分でした。特にブラック・ウィドゥとの対峙場面では、それが顕著に現われてしまったのが悔やまれます。単刀直入に言うと、ロキを演じたトム・ヒドルストンの演技を踏襲していなかった。基本的に今作でのロキは結構なへなちょこな訳ですが、ナターシャとの場面ではなかなかの迫力を見せるトム・ヒドルストン。そのヒドルストンの迫真の演技をカバーしきれてないのが実に惜しい。
平川大輔さん、もうちょっと頑張って!。
  
『12パーセント、水入らずね』
トニー・スタークの恋人兼秘書のペッパー・ポッツを演じるは、岡寛恵さん。
アメコミ映画ファンには、ご存知「スパイダーマン」のメアリー・ジェーン・ワトソン(キルスティン・ダンスト)の声でお馴染みですね。岡寛恵さんといい、本田貴子さんといい、「アベンジャーズ」には実力派の女性声優陣が揃っていて、本当に嬉しい限り。
余談ですが、エンディングでインタビューに答える女性が出てきますが、その女性の声を担当している声優さんも素晴らしい演技を披露されています。呼吸とか息づかいが向こうの女優さんとぴったりとリンクしていて、これぞ芸術的吹き替え!といったところ。この声優さんはいったい誰なのだろう?....誰か教えて!
今回ペッパー・ポッツ(グゥイネス・パルトロー)はゲスト出演なので、岡寛恵さんご自身も出番はそれほど多くありませんでしたが、お芝居は盤石の出来。「アイアンマン3」での活躍にも期待が高まります。

『トニー様、ミス・ポッツにお繋ぎしますか?』
トニー・スタークの頼れる相棒・人工知能ジャーヴィスの声を演じるは、加瀬康之さん。
人工知能でありながらユーモアのセンスを持ち合わせているジャーヴィスの声を、加瀬康之さんがソフトな語り口で好演。80年代の米ドラマ「ナイトライダー」を見て育った世代には、スタークとジャーヴィスの関係がマイケルとキットの関係を連想させて、思わずニヤリ。上記の台詞はトニー・スタークが核爆弾を搭載したミサイルを、文字通り命がけで処理しようとする際に放つジャーヴィスの心憎いひと言。脇役の人工知能にまで見せ場を作るジョス・ウェドン監督の演出力は本当に最高!。
 
『キューブ自体が、動力源なんです』
宇宙物理学者エリック・セルヴィグ博士を演じるは、金子由之さん。
いわゆる脇役である地味なキャラクターではあるけれど、こうした役をきちんと演じる事が作品にとっては結構重要だったりするものです。いわゆる“博士”のようなキャラクターは専門用語が頻繁に使用されるため、演技に説得力が必要とされる訳ですが、金子由之さんの安定した演技がそれに応え、物語に深みを与えています。
 
 
今回は「アベンジャーズ」の日本語吹き替え版についてです。
この日本語吹き替え版、Amazonのレビューでも散々酷評されていましたが、皆さんはご覧になられたでしょうか?。まずオイラの率直な感想ですが、まずまずの出来だと感じました。もっとも、先にAmazonのレビューに目を通していたので、今回の吹き替え版に対する敷居が低くなっていた感はありますが、それでもそれなりに楽しんで見ることが出来ました。ただ、やはりいわゆる“御三方”の吹き替えは、お世辞にも最高!と言えるレベルではありませんでした。記事を読んで頂ければおわかりなように、今回オイラは敢えてその“御三方”の個々の吹き替えについては一切触れていません。もちろん吹き替えファンとして色々感じることはありましたが、あまりにも語りたい事が多かったため、今回はその点には触れないことにしました。竹中直人さん、米倉涼子さん、宮迫博之さんの吹き替えに関しては、後日〈中編〉にて、たっぷりと触れたいと思います。
 
御三方の吹き替えはいったん横に置いておきまして、今回の吹き替え版に関して個人的に感じたことをいくつか挙げてみたいと思います。あくまでもオイラの個人的な感想です。
 
【ロキの狡猾さと邪悪さ】
まずは、やはり平川大輔さんのロキが、ちょっと残念な出来でした。
コンプレックスを持つソーの弟という側面はそれなりに表現出来てはいたものの、やはりロキの持つ邪悪さや狡猾さの表現という意味では今ひとつの感が強かったです。これはブラック・ウィドウとのやりとりの場面に於けるトム・ヒドルストンの演技と平川大輔さんの演技を見比べて見れば一目瞭然です。平川大輔さんの演技は、はっきり言ってトム・ヒドルストンの演技に迫力負けしているし、それは=ヒドルストンの演技を踏襲出来ていないという事でもあります。このあたりはもっと厳しく演出して欲しかったです。
 
【フィル・コールソンにとってのキャップとは!?】 
気になったのが、フィル・コールソン捜査官のキャプテン・アメリカに対する接し方です。劇中を見ればわかるように、フィル・コールソンにとってキャプテン・アメリカは憧れの存在です。更に見た目はフィル・コールソンの方が年上ですが、実際にはスティーヴ・ロジャースの方がはるかに年上です(だからトニー・スタークはキャップのことを“おじいちゃん”とからかっている)。当然、フィル・コールソンの言葉使いは敬語になって然るべきなのに、そうなっていなかった吹き替え(&字幕)台本にちょっと違和感を覚えました。そういった表現こそが日本語の得意とするべき点だし、吹き替えだからこそ出来る演出だと思うのです。そうした表現がとられていなかった点が残念でした。
 
【“ギャラガ”って知ってますか?】 
トニー・スタークがヘリキャリアに現れる場面で、乗組員のひとりにこう語りかけます〜
「そこ、ギャラガやってるだろ?、バレないと思った?」
“ギャラガ”と聞いてそれが即ゲーム名である事がわかる人は、かなりのゲーム通だと思います。しかしギャラガという名前は、日本に於いて“マリオ”のように一般認知度が高い名前ではありません。“ギャラガ”とはオリジナル音声の直訳ではありますが、ここは意訳して〜
「そこ、TVゲームやってるだろ?、バレないと思った?」
ぐらいで良かったように思います。昨今の吹き替え版はオリジナル言語に忠実に訳さなければならなくなったと聞いていますが、これぐらいの意訳は許容範囲だと思います。
 
【キャップは優等生である】 
一方、「吹き替えだからこそ!」の良い演出もありました。
アベンジャーズの面々が衝突するヘリキャリア内での場面。ニック・フューリーの策に憤りを感じ始めたブルース・バナー博士が無意識にロキの杖を掴んで、現場に緊張感が張りつめます。ここでキャプテン・アメリカがブルース・バナー博士にこう諭します....
 
「バナー博士、杖を置いて」(吹き替え版)
「バナー博士、杖を置け」 (字幕スーパー版)
 
同じ意味の言葉でも、表現方法によってイメージは随分と変わるものです。
字幕スーパー版の台詞だと、キャップがとても高圧的に感じられて、優等生であるキャップのイメージとは随分とかけ離れた印象となっています。一方、吹き替え版の台詞は、キャップの紳士的な部分を的確に表現しており、中村悠一さんのソフトな音声とも相まって、こちらがよりキャップらしい台詞になっていました。わずかな表現の違いですが、キャラクターの性格に関する台詞であり、ここは吹き替え版の方が勝った見事な演出でした。
  
 
今回の「アベンジャーズ」日本語吹き替え版、御三方の吹き替えはともかく、その他の皆さんの吹き替えはそれなりに素晴らしいものでした。しかしながら、演出的に不満を感じる部分もいくつかあり、そういった意味では決してベストではなく、ベターな出来でした。作品自体が素晴らしかっただけに、吹き替え版にもそれに応えるクオリティを期待していたのですが、残念ながら少々不満が残るものとなってしまった「アベンジャーズ」の吹き替え版でした。
次回〈中編〉では、いよいよ御三方(竹中直人さん、米倉涼子さん、宮迫博之さん)の吹き替えについて語りたいと思います(^皿^)
 
 
    本作吹き替え版の最優秀演技賞は、本田貴子さんに決定!
     マリア・ヒル.jpg 
マリア・ヒル捜査官を演じるコビー・スマルダーズが本当にかっこいい今作。
例えば、ロキに操られたホークアイに撃たれそうになった時に見せる前転の力強い美しさ、その後のジープに乗る時の颯爽とした美しさ、撃たれそうになったニック・フューリーをカバーする際の射撃の凛とした美しさ、....etc。そうしたマリア・ヒルのかっこ良さを忠実に再現している本田貴子さんのお芝居が本当に素晴らしい!。マリア・ヒル捜査官はいわゆる脇役ではあるけれど、こうした役を実力派が演じる事で作品全体がしまるという、吹き替えの好例となっています(^皿^)b。

シンドバッド 7つの海の伝説 スペシャル・エディション [DVD]

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藤原啓治さん&宮内敦士さん共演と言えば、忘れちゃいけないこの作品。
お二人を始めとする声優陣の演技が最高に素晴らしい「シンドバッド」。
オイラはこの作品がきっかけで、宮内敦士さんの大ファンになりました。
海外アニメーション作品として日本では今いち知名度の低い今作ですが、実は隠れた名作なので未見の方には是非見て頂きたい一品です。ぶっちゃけ「パイレーツ・オブ・カリビアン」よりも数倍面白い海賊映画です♪(^皿^)
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「ヒックとドラゴン」の日本語吹き替え版について [吹き替えについて]

   『ヒックとドラゴン』日本語吹き替え版キャスト
      吹替翻訳:岸田恵子 吹替演出:清水洋史 久保宗一郎
 
   ヒック/バイキングの少年でトラブルメーカー ....田谷隼
   ストイック/ヒックの父でバイキングの長   ....田中正彦
   ゲップ/ヒックの面倒を見ている鍛冶屋    ....岩崎ひろし
   アスティ/ヒックの幼なじみで勝ち気な少女  ....寿美菜子
   スノット/自信家でうぬぼれ屋の少年     ....浅井孝行
   フィッシュ/ドラゴンに詳しい太っちょの少年 ....宮里駿
   タフ&ラフ/喧嘩が絶えない双子の男女    ....南部雅一(タフ)
                           村田志織(ラフ) 
 
 
ヒック:『今、僕の全部を指差した?』
主人公ヒックを演じるは、田谷隼さん。
父親に認められたくて一人前の立派なたくましいバイキングになりたいと願う一方で、伝説のドラゴン・ナイトフューリーに出会った事でバイキング世界の価値観に疑問を持ち始めるヒックを、田谷隼さんが肩に力の入らない演技で好演。正直なところ、初見ではあまり好感が持てなかったヒックのキャラクターですが、吹き替えで繰り返し見ているうちにだんだん好きになっていったのは、田谷隼さんによる好演の影響が大きかった。
エンディング、ハンディキャップを背負うことになるヒックの姿はアニメ史上最大の衝撃ですが、それよりも更に衝撃的なのは、その事実をすんなり受け入れてしまうヒックの心の強さなのだった。
 
ストイック:『お前が息子で、誇りに思う』
ヒックの父親でバイキングの長(カシラ)・ストイックを演じるは、田中正彦さん。
男らしい野太い声がバイキングのリーダーとして実にぴったりな田中正彦さん。その一方で男手ひとつで子育てをする父親の苦悩を親友のゲップに吐露するくだりなどは、等身大の父親像を見事に表現されていて素晴らしい演技でした。
 
ゲップ:『さあ、ドラゴン訓練の開始だッ!』
バイキングの戦士を引退し、今は鍛冶屋を営むゲップを演じるは、岩崎ひろしさん。
岩崎ひろしさんと言えば、台詞の際に時折裏返る高音が特徴的で、それが魅力的でもあり、同時に役によってはマイナスに働くことも多々あるのですが、本作ではその特徴的な声の裏返りも控えめで、押さえたシブい演技が非常によい印象を与えていました。
 
アスティ:『アンタ、お遊びのつもりでやってんの!?』
ヒックが憧れる幼なじみの少女アスティを演じるは、寿美菜子さん。
映画「エンジェル・ウォーズ」で主人公ベイビードールを好演されたのも、記憶に新しい寿美菜子さん。本作ではヒックにライバル心を燃やす勝ち気な性格のアスティを、とても魅力的に演じられています。
 
スノット:『乗ったぜ、この作戦!』
いわゆるいじめっ子キャラクターであるスノットを演じるは、浅井孝行さん。
いじめっ子と言っても、暴力を振るうようなジャイアンタイプなどではなく、どちらかと言えばヒックをちょっと小馬鹿にしているスネ夫タイプである。口は立つけど、そこに実績が伴わない軽い感じを、浅井孝行さんが見事に好演。
 
フィッシュ:『大丈夫だよ....大丈夫の反対』
ドラゴンのデータに詳しい少年フィッシュを演じるは、宮里駿さん。
カードゲームやRPGゲームでも、モンスターのデータにやたらと詳しい人がいますが、フィッシュは正にそのあるある系タイプ。太っちょの見た目通り、おっとりした性格が特徴的なフィッシュを宮里駿さんがユニークに好演。
 
タフ:『目が高いぜ、世界最強の助っ人を選ぶとは!』
ラフ:『アンタ、イカれてる....でも、そこが好き♡』
双子の男女タフ&ラフを演じるは、南部雅一さん&村田志織さん。
双子は映画でもたびたび重宝されるキャラクターですが、本作のタフ&ラフも実に魅力的なキャラクターです。口汚く、口を開けばいつも言い争いをしている兄妹(きょうだい)という設定が秀逸で、登場時間は少ないものの、とても印象が強く残るキャラクターとなっています。見た目は華奢なふたりですが、南部雅一さんと村田志織さんの声がそれにぴったりで、これぞハマり役!。
 
 
 
アニメ映画「ヒックとドラゴン」の日本語吹き替え版は、ここ数年公開された洋画アニメの中では、かなり素晴らしい出来となっています。
その一番の要因は、声のお芝居が全然アニメっぽくないところです。
 
アニメなのに、アニメっぽくない芝居って、一体どういうこと!?
 
そもそもアニメーションというのは、キャラクターの喜怒哀楽の感情が誇張されて描かれています。それが身振り手振りが大きい海外作品なら尚更です。当然、声によるお芝居もその動きにあわせた、やや大袈裟なものとなるのが通例です。昨今タレントさんや俳優さんがアニメの吹き替えに起用されることが珍しくなくなりましたが、その際違和感を感じるケースの場合は、このアニメ独特の大袈裟なお芝居を把握出来てない事例がほとんどです。
(参考例:「アイスエイジ2」の久本雅美さんの演技を見てみよう。ほとんど素のままで喋っているから、絵とお芝居が全然リンクしていない、いわゆる悪例の典型的ケース)
 
しかし、このアニメ独特のお芝居というのは、一方で曲者だったりします。
上記のようにアニメにはアニメならではの独特な台詞まわしがあり、それがアニメを見る楽しさのひとつでもありますが、同時にこれはステレオタイプのお芝居に陥る危険性を孕んでいます。例えば、いわゆる萌え系のキャラクターがいますよね?、お目目ぱっちりの可愛い女の子タイプのキャラです。作品の種類(タイプ)が違うにも関わらず、このタイプのキャラの喋り方が皆一様に似ているのは、この枠にハメて演技がされているからです。こうしたお芝居はマンネリに陥りやすく、演技が記号的になりがちです。だから見ていても演技に新鮮味がなく、お芝居としては面白くありません。あくまでも個人的な意見ではありますが、アニメ作品をメインに活躍されている声優さんのお芝居に、こうした傾向が見られるように感じます。
(この件に関してはいつか別記事をたてようと思っています)
 
しかしながら、本作「ヒックとドラゴン」の日本語吹き替え版にキャスティングされている方々は、ベテランの岩崎ひろしさんや田中正彦さんを除けば、ほぼ若手の皆さんで構成されています。この若手の皆さんによるお芝居が良い意味でアニメ的お芝居に浸食されておらず、とてもナチュラルで自然。それがお芝居としてとても魅力的なものとなっています。
正直、若手の皆さんの演技には未熟さを感じさせる部分がなくはありません。
しかし、それよりも非常にナチュラルな演技の部分を高く評価したい。
 
例えば、主演のヒックを演じた田谷隼さんの演技。
アニメならではの誇張した演技を踏襲しつつ、それが過剰的にならず非常にナチュラル。肩の力が抜けた演技が、ヒックというキャラクターに実にぴったりとマッチしています。他のキャラクターを演じる皆さんもまた同様です。寿美菜子さんのアスティ、浅井孝行さんのスノット、フィッシュの宮里駿さん、タフの南部雅一さん、ラフの村田志織さん、それぞれのキャラクターにぴったりの演技で、見ていて本当に楽しい作品です。
 
 
昨今、洋画アニメには有名人やタレントさんらが起用されることが珍しくなくなりました。ですが、「ヒックとドラゴン」の日本語吹き替え版はそうした風潮に乗ることなく、地味ですが素晴らしく才能のある若手役者さんたちによる素晴らしい吹き替えが堪能出来ます。こうした良質な吹き替え作品に触れることで、日本語によるお芝居の素晴らしさを実感して頂き、吹き替えファンが増えてくれることを切に望みます。
加えて「ヒックとドラゴン」は、非常に優れたアニメーション映画です。
父親ストイックと息子ヒックとの親子愛、ヒックをとりまく仲間たちとの友情(正にドラえもん的展開!)、ドラゴン・トゥースレスとの間で育まれる動物愛、そして宮崎アニメに匹敵する爽快な飛行シーンなど、見応えたっぷりの98分間です。

そんな素晴らしいアニメーション映画「ヒックとドラゴン」を、
是非日本語吹き替え版で楽しんで下さいッ!
 
 
     主人公ヒック
     ヒック.jpg 
英語オリジナル版でヒックを演じるのは、ジェイ・バルチェル。
「ミリオンダラー・ベイビー」や「トロピック・サンダー」とかに出てる役者さんです。
ぶっちゃけ、ジェイ・バルチェルの声はヒックの容姿と比べるとかなり大人の印象(少年の声というよりも青年の声)なので、日本語吹き替え版で見た方がよりしっくりときます。
とにかく、田谷隼さんのお芝居が秀逸です!(^皿^)/



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  • アーティスト: John Powell
  • 出版社/メーカー: Varese Sarabande
  • 発売日: 2010/03/23
  • メディア: CD

ジョン・パウエル師匠の音楽が本当に素晴らしい!(^口^)/
  

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「シュガー・ラッシュ」〜ラルフの声は山寺宏一さん! [吹き替えについて]

ディズニーアニメ最新作「シュガー・ラッシュ」
いよいよ今週末より全国公開となります
そして、主人公ラルフの声を演じるは、
ご存知我らが“山ちゃん”こと、山寺宏一さんです!。
 
 
予告編で山寺宏一さんがラルフの声を演じられていたので、ほぼ確定だとは思っていましたが、映画史に残る有名な“トイ・ストーリー事件”の件もあるので、正式なアナウンスがされるまでは、ずっとヤキモキしていました。が、ここにきて遂に正式キャスティングがアナウンスされ、無事山寺宏一さんラルフ確定が決定しました。
ファンとしてまずはホッとひと安心です♪。

ぶっちゃけ「シュガー・ラッシュ」に関しては、これまでそれほどの期待感はなかった訳ですが、山寺宏一さんがラルフの声をやるとなれば話は別です。山寺宏一さんご自身もインタビューで仰っていましたが、こうしたいわゆる怪力系のキャラクターを山寺さんが演じられるのは非常に珍しいケースです。そのせいか、収録現場でもいろいろとご苦労があったとのこと。その試行錯誤の結果、果たしてどんなラルフになったのか?、吹き替えファンとしては非常に気になるところです。「モンスター・ホテル」とはまたひと味違った山ちゃんの素晴らしいお芝居を、是非劇場にて堪能してみたいと思います(^皿^)/。 
 
   
    ジャイアン....じゃなくて、主人公ラルフ
    ラルフ.jpg
    ....見れば見るほど、イラストレーターの松下進さんの絵に似てるなあ(^皿^)
  

The Art of Wreck-It Ralph (The Art of Disney)

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  • 作者: Maggie Malone
  • 出版社/メーカー: Chronicle Books
  • 発売日: 2012/11/01
  • メディア: ハードカバー


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映画「レ・ミゼラブル」〜どうなる!?日本語吹き替え問題 [吹き替えについて]

ヴィクトル・ユーゴーの同名小説をミュージカル化した舞台「レ・ミゼラブル」。
それが満を持して遂に実写映画化され、その公開が目前に迫ってきました。
出演はヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイなど、豪華キャスト。予告編ではアン・ハサウェイが見事な歌声を披露していましたね。
「レ・ミゼラブル」と言えば、個人的には1998年にリーアム・ニーソン主演で映画化された「レ・ミゼラブル」が思い浮かぶ訳ですが、残念ながらミュージカルの舞台版は未見です。でも、劇中歌はなぜか知ってたりするんですよね(^皿^)。そんな訳で、是非この機会にミュージカル版「レ・ミゼラブル」に触れてみたいと思っている訳ですが....。
 
 
実は今回の映画化に際し、気になったことがあります。
それは、日本語吹き替え版が果たしてどうなるのか?と言うことです。
ミュージカル映画ということなので、劇中では挿入歌が随所で披露されると思うのですが、吹き替え版でも劇中歌はやはり英語オリジナルのままになるのでしょうか?。ミュージカル「レ・ミゼラブル」は日本でも公演されているので、日本語歌詞に置き換えることも可能だと思うのですが、果たしてどうなりますか?。
 
いやいや!、そんなことよりももっと重要な問題があるのです!!。
オイラが今回の映画化ニュースを聞いて、キャスト陣を知った時、真っ先に頭に思い浮かべたこと....それはヒュー・ジャックマンラッセル・クロウの声をいったい誰が演じるのか?ということでした。なぜそんなことが気になったのか?というと....
 
ヒュー・ジャックマンもラッセル・クロウも、
今や山路和弘さんがフィックスだからです!。
 
ヒュー・ジャックマンと言えば、「X-MEN」シリーズのウルヴァリンや「オーストラリア」、近作「リアル・スティール」など、山路和弘さんの当たり役となっています。
片やラッセル・クロウと言えば、「グラディエーター」や「アメリカン・ギャングスター」「3時10分 決断の時」など、これまた山路和弘さんの当たり役となっています。
今やヒュー・ジャックマンもラッセル・クロウも、山路和弘さんの声なしでは考えられません。それはクリント・イーストウッドの声が山田康雄さんであるように、ジャッキー・チェンの声が石丸博也さんであるように。唯一無二のハマり役なのです。
 
そんな二人が今作ではまさかの共演!。
果たして、山路和弘さんはどちらのお声を演じられるのでしょうか?。
ヒュー・ジャックマン?、それともラッセル・クロウ?。
まさか、ひとり二役とか!?(^皿^;)
....それはそれで面白そうだけど、現実的にはちょっと厳しいかも。
最悪のケースはキャストから山路和弘さんが外れてしまうこと。
それだけは絶対避けて欲しいけど、可能性が0(ゼロ)とも言い難い。
....うーむ、悩ましい問題だッ!
  
 
作品とは直接関係のない、別の視点から非常に気になる映画「レ・ミゼラブル」。
いよいよ今週末より公開です!(^皿^)/。
 
     
    山路和弘さんは、どちらを吹き替えるのかッ!?
     RIMG1818.JPG
  

レ・ミゼラブル [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: Blu-ray
久しぶりに見直してみたくなりました♪(^皿^)
 

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「ダークナイト」日曜洋画劇場版・日本語吹き替えを考察する [吹き替えについて]

テレ朝の「日曜洋画劇場」にて、遂に地上波初放送となった「ダークナイト」。
皆さんはご覧になられましたでしょうか?。地上波放送の宿命でところどころシーンがカットされたのは残念でしたが、それでも全体的にはまずまずだったのではないでしょうか?。
 
さて、今回の放送では「日曜洋画劇場」オリジナルの日本語吹き替え版が制作されました。
吹き替えファンとしては、DVD版吹き替えとの違いを楽しめる絶好の機会です。
その出来は果たしてどうだったでしょうか?。
 
「ダークナイト」日曜洋画劇場版日本語吹き替えキャスト 
  吹き替え用台本翻訳:久保喜昭 演出:鍛冶谷功
 
  クリスチャン・ベール(ブルース・ウェイン/バットマン)  ....藤真秀◯
  ヒース・レジャー(ジョーカー)              ....大塚芳忠△
  アーロン・エッカート(ハーヴィー・デント/トゥーフェイス)....井上和彦△
  マギー・ギレンホール(レイチェル・ドーズ)        ....岡寛恵△
  マイケル・ケイン(執事アルフレッド)           ....糸博◯
  ゲイリー・オールドマン(ゴードン本部長)         ....立木文彦△
  モーガン・フリーマン(ルーシャス・フォックス)      ....坂口芳貞◎
  ネスター・カーポネル(ガルシア市長)           ....江原正士◯
  エリック・ロバーツ(サルバトーレ・マローニ)       ....佐々木勝彦◯
  リッチー・コスター(チェチェン)             ....斎藤志郎◯
  キリアン・マーフィ(ジョナサン・クレイン/スケアクロウ) ....諏訪部順一×
  ジョシュア・ハート(コールマン・リース)         ....村治学◯
  アンソニー・マイケル・ホール(マイク・エンゲル)     ....内田直哉×
  モニーク・ガブリエラ・カーネン(ラミレス刑事)      ....東條加那子◯
  ロン・ディーン(ワーツ刑事)               ....楠見尚己◯
  他
※配役はウィキペディアを参考にさせて頂きました
氏名のあとにある◯、△、×、はお芝居から受けた個人的な印象です
 
 
先日の「インセプション」に引き続き、非常に豪華な配役陣です。
ジョーカー=大塚芳忠さんの読みは見事に的中!、でも残念ながらトゥーフェイス=大塚明夫さんの読みは見事に外れてしまいました(^皿^;)。今回大ファンでもある大塚芳忠さんがジョーカーを演じられるということで、果たしてベテラン大塚芳忠さんがこのジョーカーという役どころをどんな風に料理するのか?、非常に注目して作品を見ていた訳ですが、結論から言うと非常に“残念な出来”となっていました。その件に関しては後述するとしまして、まずは全体的な印象からいきます。 
 
【藤真秀さん】
「タイタンの戦い」でのペルセウス(サム・ワーシントン)の声が実にぴったりだった藤真秀さん。今作でもブルース・ウェインの正義感溢れる声を熱演されていましたが、全体的にはやや力みすぎだった印象を受けました。例えば、ブルース・ウェインとバットマンの演じ分けが今ひとつだったし、もっと言えばブルース・ウェインの外の顔(大富豪の御曹司でプレイボーイ)の部分と内の顔(アルフレッドやルーシャスと接する時に見せる地の顔)の演じ分けがそれほど明確でなかった点が残念でした。
 
【井上和彦さん】
ハーヴィー・デントを演じられたのは、こちらもベテランの井上和彦さん。「日曜洋画劇場」では「トランスポーター」のジェイソン・ステイサムの声でお馴染みですが、その声からイメージされるように正義感溢れるデントを実に好演されていました。ですが、デントが暗黒面に堕ちてトゥーフェイスになってからの声にはやや迫力不足を感じてしまいました。例えば、初めてトゥーフェイスがその顔を見せる場面での台詞「いいや、身に染みてないぞ、まだな!」の凄み感が今ひとつだったし、クライマックスでのバットマン、ゴードンとの三つ巴場面でも、デントの悲しみや怒りの感情の表現が今一歩の印象を受けました。もっと凄みを帯びたトゥーフェイスを見せて欲しかったです。
 
【岡寛恵さん】
「スパイダーマン」でのメリー・ジェーン・ワトソン(キルスティン・ダンスト)の声が抜群!だった岡寛恵さん。もちろん今作でもお芝居は抜群に巧かったのですが、ひとつだけ気になった部分がありました。それはレイチェルの地方検事という職業カラーの側面が、今イチ伝わってこなかった点です。犯罪が蔓延するゴッサムシティで検事を務めるということが一体どういうことなのか?、そういう部分をもっと台詞に乗せて欲しかったです。
 
【立木文彦さん】
まず第一にゴードン本部長の声に立木文彦さんの声は若すぎ!、そしてかっこ良すぎです!。画面上のゲイリー・オールドマンの渋さと立木さんの声が全然マッチしてなくて違和感大でした。大体立木文彦さんの声からすると、演じるのはゴードン本部長よりもむしろ黒人マフィアのギャンボルかフェリーの場面で出てく黒人犯罪者の方だと想うんだけど....。
いずれにしても、立木文彦さんに問題があるという訳でありません。単にキャスティングミスということに尽きます。
 
【坂口芳貞さん】
今回の吹き替えで唯一のハマリを見せるのが、ルーシャス・フォックスを演じる坂口芳貞さん。他の作品でもモーガン・フリーマンの声を数多く演じていらっしゃるだけあって、今作でもそのお芝居は盤石。今作で一番安心してみられた配役でした。
 
【糸博さん】
ベテラン糸博さんが、品のある執事アルフレッドを好演。こちらも安定感抜群。
 
他にもガルシア市長を演じた江原正士さんやサルバトーレ・マローニを演じた佐々木勝彦さん、コールマン・リースを演じた村治学さんなどは、いつも通りの安定感でした。
 
 
そして、 
今作の吹き替えで強烈にダメだった人は、以下のお2人です
ダメだった人その1....スケアクロウを演じた諏訪部順一さん。
麻薬の取引現場に現れたスケアクロウ。そこへバットマンが現れるも、偽物だと判明した時に発せられるスケアクロウの台詞〜「本物じゃない!」の、なんと間延びした緊張感のないことか!。こんな能天気な台詞をいう役者も信じられないが、それにOKテイクを出す演出家も信じられない。スケアクロウことジョナサン・クレインにとって、バットマンは恐怖の対象であり、同時に憎むべき存在である。現れたバットマンが偽物だとわかってホッと安堵する気持ちと、本物じゃなかったことに対するある種の失望感(復讐の機会を伺っている)とが入り交じった、複雑な感情があのひと言には込められているのです。にも関わらず、まったく緊張感のない台詞に、思わず毒ガスを噴射してやりたくなりました![爆弾]
 
ダメだった人その2....内田直哉さん。
オイラは内田直哉さんのこと結構大好きなんですが、今作ではダメダメでした。
一番の理由はゴッサムテレビのマイク・エンゲルがジョーカーに拉致されて、その声明文を読まされる場面でのお芝居について。なぜ、あんなに普通な感じで原稿が読めるのでしょうか?....状況を考えたらお芝居として絶対におかしい。考えても見て欲しい、これ以前のシーンで偽バットマンことブライアン・ダグラスが同じような目にあってジョーカーに殺害されています。当然マスコミであるマイク・エンゲルはそのことを知っているはずだし、となれば自身も声明文を読み終えた時点でジョーカーに殺されるかもしれないという恐怖感があるはずです。そんな緊張感の中で原稿を読んだらどうなるか、当然声も震えるだろうし、文章を噛んでしまうかもしれません。しかし、そんなこともなく淡々と原稿を読むエンゲルの姿は、お芝居として完全に間違っていたとしか思えません。
そして、これまたそれにOKテイクを出す演出家が信じられません。
 
 
諏訪部順一さんや内田直哉さんに限らず、今回の日曜洋画劇場版の吹き替えには「それって演出として正しいの?」と感じる場面がたびたびありました。その印象が一番顕著だったのが、誰あろう大塚芳忠さん演じるジョーカーだったのです。
次回は、その大塚芳忠版ジョーカーについてオイラが感じたことを率直に語ります!。
 
 
      「本物じゃないッ!」
      ジョナサン・クレイン.jpg 
       諏訪部順一さんによるスケアクロウ吹き替えの、
       あまりのダメっぷりにこう叫びたくなりました....
 

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祝「ダークナイト」地上波初放送決定!! [吹き替えについて]

先々週の「インセプション」放送に引き続き、
今週は遂に「ダークナイト」まで放送してくれる、実に太っ腹な「日曜洋画劇場」。
7月末公開予定のクリストファー・ノーラン監督最新作「ダークナイト・ライジング」に向けて、ますます気持ちが盛り上がろうってもんです。
だから「日曜洋画劇場」ってば、大好きさ!(^皿^)/。
 
さて、先日放送された「インセプション」は、日曜洋画劇場オリジナルの日本語吹き替え版となっておりました。この流れからすると、今回放送される「ダークナイト」もDVD版とは違う日曜洋画劇場オリジナルの吹き替え版が制作される可能性が非常に高いと思われます。となると、気になるのはやはり「ジョーカーの声を誰がやるのか?」「トゥーフェイスの声を誰がやるのか?」ってことです。
DVD版ではジョーカーを「クレヨンしんちゃん」の父ひろしでお馴染みの藤原啓治さんが、トゥーフェイスを木下浩之さんが、それぞれ熱演されていましたが、果たして「日曜洋画劇場」版吹き替えでは誰が演じるのでしょうか?、実に興味津々です。
という訳で、ここで個人的な願望も含めた吹き替えキャストを大胆予想します!。
 
 
 ジョーカー役....大塚芳忠さん
 トゥーフェイス役....大塚明夫さん
 
 
.....と予想してみました!(^皿^)/。
大塚芳忠さんは先日放送された「シャーロック・ホームズ」や「タイタンの戦い」など、ただいま日曜洋画劇場登板率が非常に高いため、今回も起用される可能性がかなり高いと予想しました。何より大塚芳忠さんファンのオイラが、芳忠さん演じるジョーカーを強く見てみたいと思っています。
一方、大塚明夫さんには是非トゥーフェイスを演じてもらいたい大きな理由があります。それは、その昔アニメ版「バットマン」に於いて大塚明夫さんがトゥーフェイスを演じていたからです。ここはひとつ、アニメだけでなく実写版も制覇して、名実ともにトゥーフェイスになってもらいたいものであります(^皿^)。
 
 
と言う訳で、芳忠&明夫の大塚コンビに是非日曜洋画劇場ヴァージョン「ダークナイト」日本語吹き替え版を盛り上げて欲しいもんであります!。
(無論、この時点でキャスト陣は判明しているのですが、敢えてチェックはしていません。本番までの楽しみにとっておくのです♪)
  
     「この世で最も公平なものは、運だッ!」
     デントを信じてる.jpg
 
「ダークナイト」未見の方は、この機会に是非ッ!(^皿^)/
映画史に残るこの名作を見逃すなッッ!!
  

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「インセプション」の日本語吹き替え版(DVD編)について [吹き替えについて]

先日、日曜洋画劇場で「インセプション」が放送されました。
劇場公開当時、オイラはなんとなく劇場スルーしてしまったのですが、その後DVDで作品を見て、そのことをすごく後悔したという、思い出深い作品です(^皿^)。
さて、今回放送された「インセプション」は、DVDに収録されていたものとは違う、日曜洋画劇場オリジナルの吹き替え版でした。吹き替えファンとしては、ひとつの作品を様々な吹き替えで鑑賞出来ることはとても嬉しいのですが、残念ながら今回の日曜洋画劇場版吹き替えは、正直満足のいく出来ではありませんでした。その件に関しては後述するとしまして、まずはDVD版の日本語吹き替えについて語ります。
 
「インセプション」日本語吹き替え版キャスト(DVD編)
  レオナルド・ディカプリオ    ....内田夕夜
  マリオン・コティヤール     ....五十嵐麗
  ジョセフ・ゴードン=レヴィット ....土田大
  エレン・ペイジ         ....冠野智美
  トム・ハーディ         ....咲野俊介
  ディリープ・ラオ        ....木村雅史
  キリアン・マーフィー      ....三木眞一郎
  トム・ベレンジャー       ....石塚運昇
  ピート・ポスルスウェイト    ....丸山詠二
  マイケル・ケイン        ....小川真司
  他
  
  
「君は、本物のモルじゃない」
今や眉間の皺がすっかりトレードマークとなったレオナルド・ディカプリオ。
その吹き替え担当は、内田夕夜さん。最近では「X-MEN ファースト・ジェネレーション」でのジェームズ・マカヴォイの吹き替えが記憶に新しい。ハリウッドのトップスターであるレオナルド・ディカプリオですが、その吹き替えは未だフィックスが決定しておらず、これまでも様々な役者さんが声をアテています。その中でも内田夕夜さんの声はかなりハマっているのではないでしょうか?。今作の吹き替えを見ていると、そんなことを強く感じます。秀逸なのは、愛妻モルが自殺しようとする場面で必死の説得を試みるシーン。ここでのディカプリオとのリンクぶりは、本当に素晴らしいのひと言!。でも、ひと言だけ....時々台詞に出てくる“ホテル(HOTEL)”という言葉が“ホタル(蛍)”に聞こえる箇所あり。コレがなきゃ完璧だったのに〜!(^皿^;)
 
「あなたは、列車を待っている....」
コブの亡くなった愛妻で、夢の中に度々登場しコブを悩ませる存在のモルを演じるは、
フランス人女優のマリオン・コティヤール。
その吹き替え担当は、五十嵐麗さん。ウィキペディアによれば、海外ドラマの吹き替えが多い方です。大きな瞳が特徴的で、かつ妖艶な雰囲気を醸し出すモルを、ちょっと低めのセクシーな声で演じる五十嵐さんの演技が素晴らしい。マリオン・コティヤールにホントぴったりでした。
 
「現実の5分が、夢では1時間だ」
コブの頼れる相棒・アーサーを演じるは、
「500日のサマー」のジョセフ・ゴードン=レヴィット。
その吹き替え担当は、土田大さん。ピクサーのCGアニメ「カーズ」のマックウィーン役でお馴染みですね。コブを的確にサポートし、時には叱咤もするこのスマートで頼れる相棒役を、土田大さんが好演。
 
「コブは潜在意識の中に大きな問題を抱えているわ!」
夢の世界を設計する大学生アリアドネを演じるは、「ジュノ」のエレン・ペイジ。
吹き替え担当は、冠野智美さん。勝ち気な性格のアリアドネを冠野智美さんが好演。
 
「インセプションは、やっかいだぞ」
夢の世界での変装を得意とする偽造師イームスを演じるは、
「ダークナイト・ライジズ」でのベイン役に期待が高まるトム・ハーディ。
その吹き替え担当は、咲野俊介さん。洋画や海外ドラマの吹き替えではもうお馴染みの役者さん。モンバサでの胡散臭い登場から始まり、後半頼れる活躍を見せるイームスを、咲野俊介さんが好演。
 
「夢を重ねすぎると、不安定になるぞ」
夢を見るための睡眠薬を作る調合師ユスフを演じるのは、ディリープ・ラオ。
その吹き替え担当は、木村雅史さん。低い声がなかなか魅力的な役者さんで、ユスフの声にぴったりでした。
 
「ここは....夢の中なのか?」
インセプションの対象となるロバート・フィッシャーを演じるは、
ご存知“スケアクロウ”こと、キリアン・マーフィー。
その吹き替え担当は、三木眞一郎さん。内田夕夜さんと同じく、こちらも「X-MEN ファースト・ジェネレーション」でのマグニートー役の好演が記憶に新しい。マイケル・ファスベンダーを演じた時の力強さとは違い、今作では父親からの愛に飢えているロバートの揺れ動く微妙な感情を、三木さんが見事に演じられていました。役によってこうも演技が違うとは....正に素晴らしいのひと言!。
 
「あの遺言は、父親からの挑戦状なんだ」
フィッシャーグループの乗っ取りを画策するピーター・ブラウニングを演じるは、
今やすっかり太ってしまった“山猫”こと、トム・ベレンジャー。
その吹き替え担当は、ベテラン石塚運昇さん。「CSI:マイアミ」のホレイショ・ケインでお馴染みの石塚運昇さん。一般的には午後の紅茶のCMナレーションと言えばわかるでしょうか?。その独特の低い声で、ブラウニングを貫禄たっぷりに演じられています。
 
「現実と向き合うんだ、いいな?」
コブにとっては大学の恩師であり義父でもあるマイルス教授を演じるは、
いまやノーラン作品の常連となった御大マイケル・ケイン。
その吹き替え担当は、こちらもベテランの小川真司さん。クリストファー・ノーラン監督作品出演のマイケル・ケインの声はすべて小川真司さんが担当しており、こういった統一はファンとしては実に嬉しい限り。マイケル・ケインからにじみ出る独特の品の良さに、小川真司さんのお声が実にぴったり!。
 
 
【まとめ】 
という訳で、「インセプション」の日本語吹き替え版(DVD&BD編)は、非常にクオリティの高い素晴らしいものとなっています。「インセプション」は、これぞクリストファー・ノーラン監督!といったものを感じさせる、実にややこしい物語が展開します。こういった作品こそ字幕版よりも日本語版でじっくりと堪能したいものです。
日本語吹き替え版での鑑賞を強くお薦めします!(^皿^)/。
 
    苦悩する男、トム・コブ 
    トム・コブ.jpg

インセプション [Blu-ray]

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無論、渡辺謙によるケン・ワタナベの吹き替えも、素晴らしい出来です!(笑)
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3月18日(日)は、大塚芳忠さん祭りだ、ワッショイ! [吹き替えについて]

大塚芳忠ファンにとって、3月18日は忘れられない日となった!(^U^)。
   
まず18:00、日本テレビからスタート。
報道番組「バンキシャ!」内にて、ナレーションを堪能する。
報道番組らしい渋いナレーションが、かっこいい。
 ↓
19:00、フジテレビに移動。
バラエティ番組「アカン警察」内にて、再びナレーションを堪能。
こちらはバラエティ番組らしく、軽妙な語り口が魅力的。
 ↓ 
21:00、テレビ朝日に移動。
本日のメインイベント。「日曜洋画劇場」にて「シャーロック・ホームズ」のロバート・ダウニー・Jr.の吹き替えを堪能する(因みに、今回の日本語吹き替え版は日曜洋画劇場オリジナルで、DVDの吹き替え版とは異なっている)。大塚芳忠さんによるロバート・ダウニー・Jr.の吹き替えは初体験であったが、なかなかハマっていてかっこ良かった♪。
余談だが、ジュード・ロウの声を吹き替えていた堀内賢雄さんは、その昔トミー・リー・ジョーンズ主演の「追跡者」(98)という作品で、ロバート・ダウニー・Jr.の声を吹き替えていた過去がある。つまり、今回の吹き替え版はロバート・ダウニー・Jr.の吹き替え新旧対決の構図もあった訳だ。そんな事に思いを馳せながら作品を見ると、吹き替えもまた違った面白さがあるのです(^皿^)。
ひと昔前なら、今作のような悪役キャラを演じていたのは、間違いなく大塚芳忠さんだったに違いない(知的な悪役もまた、大塚芳忠さんの得意とするところなのだ!)。
まったくいい時代になったものである。
 
さて、その悪役を演じていたのが、「日曜洋画劇場」内のナレーションでお馴染み、“スネーク”こと大塚明夫さんだった。大塚明夫さんによる吹き替えはもちろん素晴らしかったが、もしこれが山寺宏一さんだったら?と、ふと思わずにはいられなかった。そしたら「フルハウス」メンバー3人が再結集した吹き替え版として貴重な素材となったのに!と、ちょっと残念だった。無論、そんなことを思いながらテレビを見ていたのは、日本中でオイラだけだったかもしれないけど....(^皿^;)。
 
 
という訳で、たっぷり5時間ぶっ通しで大塚芳忠さんを楽しめた3月18日なのでありました!(^皿^)/。
 
 
     「ワトソン君、どうやら事件のようだよ」
     ホームズ.jpg
ガイ・リッチー版シャーロック・ホームズは、それまでのホームズ像とは違うキャラクターをクリエイトして描き、結果的に成功したようだけど、大塚芳忠さんの声は誰もがイメージするこれまでのホームズ像の方がしっくりくる感じですね♪

  

シャーロック・ホームズ [DVD]

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劇場版&DVDでロバート・ダウニー・Jr.の声を吹き替えを担当していたのは、ご存知“クレしんパパ”こと、藤原啓治さん。確か「アイアンマン」も藤原さんだったっけ?。こちらもまた雰囲気バッチリ!。
  

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『洋画 じわり字幕離れ』〜朝日新聞2012年1月16日付け記事を読みながら思ったこと [吹き替えについて]

朝日新聞2012年1月16日朝刊の記事によると、洋画から字幕が減りつつあるのだという。衛星放送の映画専門チャンネルや、大手シネコンで、吹き替え版の占有率が増えているそうなのだ。確かに、以前に比べると劇場で吹き替え版を目にする機会は多くなったように感じます。
 
記事によれば、字幕離れの原因に以下のような理由が挙げられている。
 1、衛星放送など自宅鑑賞の場合、字幕だと“ながら視聴”が出来ない
 2、映画館の場合、作品のスタイルが変化(映像の切り替わるテンポが早い、など)したことや、昨今流行りの3D映画の影響。
また現在公開中の「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」を例に出し、1作目、2作目が字幕版オンリーだったのに対し、3作目では25%、4作目では実に44パーセントが吹き替え版の上映だというデータも記載されていた。
(因みに「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」の日本語吹き替え版はとても素晴らしい出来なので、オイラ的には吹き替え版での鑑賞を強くお薦めします!)
 
これは周知の事実だけれど、字幕版がこれほど愛される国は日本くらいで、海外では外国の作品が吹き替えで上映されることの方が多い。記事ではそのことにも触れていて、英語圏ではないイタリアでは98%、フランスでは90%が吹き替えで上映されているというデータも掲載されていた。
 
更に記事では、吹き替え版の普及により、いわゆるタレント起用による映画宣伝という手法が定着したことにも触れている。「ナルニア国物語」に起用された元宝塚出身の大物女優や、「ハッピー・フィート」に起用されたジャニーズのアイドルや人気子役、そして2月公開の新作「TIME/タイム」では時代を反映してか、AKB48の某メンバーが起用されたことなどが記載されていた。
 
映画ジャーナリストの大高宏雄さんは記事の最後をこう締めくくっています。
「外国俳優の個性を大事にし、作品のオリジナル性を受け入れるのが字幕文化だった。以前はあった洋画への敬意が、薄れてきているのではないか」
(前半部分はなんとも大袈裟な解釈で賛同出来ないけど、後半部分に関しては同意見)
 
  
 
さて、洋画における日本語吹き替え版の素晴らしさを、このブログに於いて地味〜に訴え続けているオイラとしては、吹き替え版普及のニュースは大変喜ばしい出来事だと受け止めています。例えば、現在公開中の「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」の日本語吹き替え版をご覧になられた方が「吹き替え版で映画を見るのも、結構いいわね」と、吹き替え版に対して好印象を持って頂けたなら、こんなに嬉しいことはありません。
 
一方で、この状況を諸手を挙げて喜んでばかりもいられません。何故なら記事に挙げられていたように、いわゆる“タレント起用問題”が存在するからです。
オイラは基本的に吹き替え版へのタレント起用は反対ですが、だからといって100パーセント反対!っていう訳じゃありません。実際タレントさんが吹き替えをして面白くなった例はたくさんあるからです。
最近だと「塔の上のラプンツェル」でラプンツェルを演じた中川翔子さんは素晴らしかったし、「カーズ」でメーターを演じた山口智光さんも良かった。「Mr.インクレディブル」で悪役を演じた宮迫博之さん、「モンスターズ・インク」の田中光さん、「シュレック・フォーエバー」の劇団ひとりさんなど、素晴らしい演技を披露される方も決して珍しくありません(吹き替えと言っても、実写映画の吹き替えとアニメの吹き替えでは、基本的にオイラの中では若干解釈が違うのですが、それはまた別の機会に語りたいと思います)。プロの役者さんでない方々(特に芸人さん)が、役者顔負けの演技を披露するケースは多々あるので、一概にタレント起用反対!と言うつもりはないのです。
ただ一般論で言えば、いわゆるタレントさんが起用されたことで吹き替えのクオリティが下がったケースは過去に何度もありました。だから映画の宣伝は重要なことだけれど、そのために吹き替えというものを安易に利用して欲しくないと強く思うのです。
 
映画は商品です。だからそれを売らんとする気持ちはよく理解出来ます。
ただ昨今の吹き替え版へのタレント起用は、宣伝目的が最優先され、作品そのものに対する敬意や愛情が感じられないのです。
本来日本語吹き替え版の制作は、海外の役者さんが精魂込めて演じているそのお芝居を、同じ(或いはそれ以上の)クオリティの日本語に置き換える作業のはずです。にも関わらず、宣伝目的を優先させ、売れっ子で知名度はあるけれど演技が未熟なタレントを起用することは、オリジナル版に対しての冒涜とは言えないでしょうか?。映画業界で働きながら、映画に対する愛情のない人たちがいる....そのことにものすごく憤りを感じます。タレントさんたちは、そういう人たちの犠牲になっているに過ぎません。彼(彼女)らもまた、ある意味被害者なのです。
 
歌に例えてみれば、よくわかると思います。
海外ですごくヒットした素晴らしい洋楽があるとします。それを日本語に置き換えて歌を出すことにしました。実力派シンガーがそれをオリジナル版に負けないような歌唱力で歌ったとしたら、オリジナル版のファンの方もきっと納得するでしょう。しかし、それをもし歌唱力が未熟なタレントが歌ったとしたらどうでしょう?。オリジナル曲のファンならきっと「冒涜だ!」と憤りを感じるはずです。何故ならそこにオリジナル版への敬意が感じられないからです。
そして、同じようなことが吹き替えに於いても、未だ平然と行われている現実。
宣伝は大事です。でも何よりも大事な事は、まず作品に対して敬意を払うことです。
 
オイラは日本語吹き替え版を愛してやまない人間ですが、それ以上に映画そのものを愛しています。そんな映画に対して業界で働きながら作品を傷つけても平気な人たちが存在する....そのことが本当に許せません。そういう人たちのおかげで、吹き替え版に偏見を持つ人が生まれるとしたら、こんなに悲しいことはありません。
 
さて記事が長くなってきたので、今回はここまで。
次回の記事では、オイラが最近出会ったいわゆる“ダメだった吹き替え版”をいくつか例に挙げて、どこが悪かったのか?について、またまた熱く語りたいと思います(^皿^)。
  

 
「映画業界で働きながら、映画愛のないヤツらがいる....
 そんなヤツは、このバズ・ライトイヤーが許さんッ!」
        201201222134000.jpg
  

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「アーサー・クリスマスの大冒険」の日本語吹き替え版について [吹き替えについて]

今年も20億個のプレゼントを無事に届け終えて、ひと安心のサンタクロース20世。
だけど、手違いでたった1個だけプレゼントが未配達だったことが判明する。
サンタクロース家の次男で末っ子のアーサーは、周囲の反対も聞かず、プレゼントを送り届ける決意をする。心は優しいけれど、何をやってもドジばかりのアーサー。
果たして彼は無事にプレゼントを届けられるのだろうか?。
クリスマスイヴの一夜に巻き起こるドタバタ劇を楽しく、そして感動的に描いた今作。
劇場公開版は日本語吹き替え版オンリーなので、字幕派の人たちは少々不満かもしれませんが、吹き替えそのものはすごくよく出来ているので、どうかご心配なく!。
 
「アーサー・クリスマスの大冒険」日本語吹き替え版キャスト
  アーサー         ....ウエンツ瑛士
  スティーブ        ....大塚芳忠
  サンタクロース20世    ....石田圭祐
  おじいちゃん       ....緒方賢一
  サンタクロース夫人    ....小宮和枝
  妖精エルフのブライオニー ....瑚海みどり
  グエン          ....佐々木りお
 
 
「待っててね、グエン!」
主人公アーサーの声を担当するのは、タレントのウエンツ瑛士さん。
まるでアーサーを実写化したような容姿のウエンツ瑛士さんが好演されています。
テレビなどでマルチな活躍を見せるウェンツ瑛士さんですが、吹き替えにおいてもその才能がいかんなく発揮されていました。なにより、ウェンツさんの人柄がよくにじみ出ていた吹き替えだったように思います。オリジナル音声のジェームズ・マカヴォイ版と是非聴き比べてみたいです♪。
オイラは以前このブログで、彼が演じた実写版の鬼太郎について、辛口コメントをしたことがありますが、今作の吹き替えに関しては素晴らしい出来だったと言わざるを得ません。
ウェンツ瑛士さん、グッジョブ!(^皿^)b。
 
「たった一個の配達ミスぐらい...許容範囲だろう」
サンタクロース家の長男で、現在のハイテク配達システムを考案したのが何より自慢のスティーブ(あごヒゲがツリー型なのが笑えます)。決して顔には出さないが、次期サンタクロース就任が待ち遠しくてたまらない、そんなスティーブを演じるは、オイラが大ファンの大塚芳忠さん!。
そもそもオイラがこの作品を劇場に観に行こうと思った理由は2つ。ひとつは製作が「ウォレスとグルミット」のアードマン・スタジオだったこと。もうひとつは、大塚芳忠さんが吹き替えに参加されていたこと!(^皿^)。
大塚芳忠さんはどんなキャラクターでも演じられる、優れた俳優さんだと思うのですが、今作でもサンタクロース事業をクールにこなすスティーブを魅力的に演じられています。頑固者のおじいちゃんといつも喧嘩をしているそのやりとりや、アーサーが巻き起こす騒動によって普段冷静なスティーブがどんどん慌てふためいていく過程が、とっても面白かったです。でも、最後には兄としての優しさをきっちりと見せるあたりを、渋い演技で決めてくれる大塚芳忠さん、さすがでした!。大塚芳忠さんの吹き替えを堪能するだけでも、この作品は見る価値あり!です(^皿^)/。
 
「わしだって、まだまだやれるんじゃ!」
先代のサンタクロース19世であるおじいちゃんを演じるのは、ベテランの緒方賢一さん。
テレビアニメ「忍者ハットリくん」世代のオイラは、未だにオガケンさんの声を聴くと、シシ丸の顔が浮かんでしまうんだワン♪。今では引退生活をおくるおじいちゃんだけど、実は現役としてまだまだやれるってことを皆に自慢したくてたまらない、そんな頑固者のおじいちゃんを、緒方賢一さんがとてもユーモラスに演じられています。基本的にコメディリリーフなおじいちゃんだけど、愛用のソリ“イヴ”との別れの場面には、思わずホロリとさせられました。あとおじいちゃんと一緒に引退生活をおくる老トナカイを、クライマックスでさりげなく活躍させる脚本の巧さがグッドです♪。
 
「引退したら、私はいったい何をすればいい?」
現在のサンタクロース20世を演じるは、石田圭祐さん。「スパイダーマン3」でサンドマンこと、フリント・マルコ(トーマス・ヘイデン・チャーチ)の声を演じてらっしゃいましたね。低い声がなかなか魅力的な文学座の役者さんです。今作では優柔不断なサンタクロース20世を、品良く演じていらっしゃいます。
 
「愛してるわ、マルコム」
おっとりした性格で、常に陰で夫を支えるサンタクロース夫人を演じるは、ベテランの小宮和枝さん。アニメや吹き替えなどではすっかりお馴染みのテアトルエコーの役者さんです。最近ではそのお声の雰囲気からしっかり者の年配女性を演じられることが多いようです。今作でのサンタクロース夫人は、感情の起伏が少ないおっとりとした性格の女性ですが、こちらも石田圭祐さんと同じく上品な感じが実に良い雰囲気を醸し出されていました。
 
「あー!、せっかく綺麗にラッピングしたのにッ!」
ラッピング部門に所属する妖精エルフで、アーサーの冒険に同行するブライオニーを演じるのは瑚海みどりさん。瑚海と書いて“さんごうみ”と読むそうです。オイラは吹き替えでは初めて耳にする方でしたが、声の感じがすごく心地良い役者さん。しっかり者で少年っぽい可愛らしさの声がブライオニーにぴったりで、実に魅力的でした。
さて、前記事でブライオニーのことをゲイキャラだとずっと思っていたオイラでしたが、その理由のひとつが瑚海みどりさんのお声にありました。瑚海みどりさんのお声が少年っぽいのと、ブライオニーのオカマみたいな容姿(まゆにピアス、刈り上げ髪型がまるで加藤登紀子みたい)から、てっきりオイラはゲイだとばかり思っていた訳ですが、結果としてブライオニーは女性でした(苦笑)。ブライオニーは全編を通していわゆる女性言葉では台詞を喋ってないんですよね。それも女性に見えなかった一因かもしれません。サブキャラとして実に魅力的なブライオニーを、瑚海みどりさんがとてもチャーミングに演じられています。
 
「サンタさんのお家は、どうしてグーグルアースに載ってないんですか?」
全世界の子供たちの中で、唯一プレゼントを忘れられてしまった不幸な女の子グエン。
サンタクロースを信じ、プレゼントが届くのを心待ちにしている、そんな健気なグエンを演じるは、佐々木りおちゃん。皆さん、覚えていますか?、昨年のサッカーWC招致活動で、「マイ・ネーム・イズ・リオ・ササキー!」と、その可愛さで全世界のお父さんの心を鷲掴みにした子役の佐々木りおちゃんのことを。あれ以来、オイラはすっかり佐々木りおちゃんの大ファンなのであります!(^皿^)/記事にもしたもんね。
....あ、言っときますけど、オイラはロリコンじゃないですよ、念のため(苦笑)。
今作でも、そのりおちゃんの可愛さがそのまんま演技に反映されていて、グエンの健気な魅力を見事に演じきっていました。さすが天才子役!、くれぐれも芦田愛菜ちゃんみたいにはならないで欲しいと、強く思うのでありました。
 
 
 
ファミリー映画であることや、3D上映がメインであることも手伝って、どうやら劇場公開版は日本語吹き替え版オンリーのようです。そのことについて字幕派の方は多少不満かもしれませんが、作品を楽しむという点に関しては、吹き替え版でもまったく問題ありません。今作の吹き替え版はとても良く出来ていますので、是非毛嫌いせずに劇場鑑賞して下さい。
 
いよいよ、12月に入りましたね。今年も残すところあと一ヶ月。
この映画を見て、クリスマス気分を盛り上げてみては如何でしょうか?。
 
 
 
どんな物も、テープ3切れで綺麗にラッピングしてみせます!」
      ブライオニー.jpg 
      瑚海みどりさんの声がとにかく可愛い!、ブライオニー♪(^皿^) 
 
 
The Art & Making of Arthur Christmas: An Inside Look at Behind-the-Scenes Artwork with Filmmaker Commentary

The Art & Making of Arthur Christmas: An Inside Look at Behind-the-Scenes Artwork with Filmmaker Commentary

  • 作者: Aardman Animation
  • 出版社/メーカー: Newmarket Press
  • 発売日: 2011/11/29
  • メディア: ハードカバー

本編とは直接関係ないんだけど、例えばトナカイだったり途中で出てくるライオンだったりと、動物のデザインがとても良かったんで、目下のところコレを購入しようかどうか検討中....
  

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