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「塔の上のラプンツェル」の日本語吹き替え版について [吹き替えについて]

ディズニー長編アニメーションの記念すべき50作品目となる「塔の上のラプンツェル」。
今作は、久しぶりにディズニーアニメの王道を満喫出来る内容となっています。
ディズニーアニメと言えば、忘れちゃいけないのがミュージカルシーンですよね!。
「塔の上のラプンツェル」も、オープニングから楽しいミュージカルシーンで幕を開け、
全編にわたり見応えのある楽しい音楽シーンが満載です。そのせいもあって、オリジナルキャストの歌声が楽しめる字幕スーパー版を好む方が多いようです。
ですが、ご心配なく。
今作「塔の上のラプンツェル」の日本語吹き替え版は、オリジナル版に負けないぐらい、
素晴らしい出来となっています(^皿^)b。
 
 
「塔の上のラプンツェル」日本語吹き替え版キャスト
  ラプンツェル(マンディ・ムーア)    ....中川翔子(歌:小此木麻里)
  フリン・ライダー(ザッカリー・レヴィ) ....畠中洋
  ゴーテル(ドナ・マーフィ)       ....剣 幸
  スタビントン兄弟(ロン・パールマン)  ....飯島肇
  警備隊長(M・C・ゲイニー)      ....佐山陽規
  ビッグノーズ(ジェフリー・タンバー)  ....石原慎一
  フックハンド(ブラッド・ギャレット)  ....岡田誠
  ショーティー(ポール・F・トンプキンス)....多田野曜平
 
 
『私、ついに外に出たのね!』
明るく健気な主人公ラプンツェルを演じるは、ご存知“しょこたん”こと中川翔子さん。
最初、彼女が主人公ラプンツェルの声に起用されたと聞いた時、正直「また例によって番宣目的のタレント起用か....」とがっかりしましたが、そこはしょこたん、並のアニメおたくとは違うことをきっちりと証明してくれました。
しょこたんの吹き替えは実に誠実で、ラプンツェルの魅力を存分に演じきっていました。過去にもアニメの吹き替えは経験があるとのことでしたが、正直彼女がここまでの演技力を見せてくれるとは思ってもいませんでした。これは嬉しい誤算です。
話によると彼女は声の収録がすべて終わったあとで、前半部分の撮り直しをスタッフに申し出たのだと言います。自身の演技に納得がいかなかったらしいのです。この話だけでも、彼女に対するオイラの中の好感度がぐっとアップです!(^皿^)。
とあるインタビューで彼女は「単純に“カタチ”だけでラプンツェルの強さを表現しても意味がないので、常に『ラプンツェルがどんな思いでいるか?』を考えなきゃダメなんだて思って。」と語っていましたが、まさにその通り!。しょこたん、吹き替えというものがよくわかっています。
よくタレントが吹き替えをすると、決まってするコメントに「画面の口に合わせるのが難しかった」というのがあります。確かに画面上のキャラクターの口にあわせて台詞を喋るというのは難しい。ですが、それは単にテクニカルな問題で、一番重要なことではありません。吹き替えに於いて一番重要なのは、演じるキャラクターを理解し、場面場面での感情を日本語に乗せてきちんと表現することが出来るかどうかなのです。しょこたんは先のインタビューで「自分の声でラプンツェルの魅力を失ってはいけないし、かといってモノマネになってもいけない。また、せっかく自分をキャスティングしてもらったのだから、ある部分では自分らしさを表現することも大事なのでは!?」と、ラプンツェルを演じるにあたってはかなりの葛藤があったそうです。そういう苦心から録り直しを申し出たのだ思いますが、そういった葛藤を経て、演じられたラプンツェルは、非常に素晴らしい吹き替えとなりました。
しょこたんの吹き替えに対する真摯な態度には、本当に感服しました。
しょこたん、グッジョブ!(^皿^)b。
 
そんな見事な好演を見せてくれたしょこたんでしたが、残念ながら劇中歌にはノータッチ。
(歌手活動もしている彼女に、歌もまかせて良かったように感じたけれど....)
しょこたんに代わり、歌唱シーンで見事な歌声を披露してくれるのが、小此木麻里さん。
小此木麻里さんは、テレビ、舞台等で活躍をされている女優さんだそうです。
オープニングで披露される「♪自由への扉」は、本当に素晴らしいので必聴です。
英語オリジナル盤と聴き比べてみると、その素晴らしさがよくわかります。
付け加えるならば、英語歌詞を日本語歌詞に見事に訳詞された高橋知伽江さんの功績が大きいことも、ここに記しておきたい。英語の歌を日本語になおすとなかなかしっくりこない場合の方が多いのですが、高橋知伽江さんの訳詞は、本当に素晴らしいです。こうした、いわゆる“縁の下の力持ち”的な人の着実な仕事があって、素晴らしい作品は出来上がるものなのですよ。
 
 
『花粉症かい?、大変だねえ』
ハンサム顔が自慢のプレイボーイな盗賊フリン・ライダーを演じるのは、畠中洋さん。
オイラは畠中洋さんのことはあまり存じ上げなかったのですが、ウィキペディアで調べたら、舞台やミュージカルなどで活躍されている役者さんだそうです。で、この畠中洋さん演じるフリン・ライダーが、これまたピッタリで畠中さんのイケメン声が見事にハマっていました。基本的には陽気で自惚れ屋のフリン・ライダーがふとした瞬間に見せる孤独感を見事に表現されていて素晴らしかったです。また、ラプンツェルとのデュエットでは素敵な歌声を披露されいて、こちらもまた魅力的でした。
ウィキペデイアによると、畠中さんはあまり吹き替えのお仕事はなさってないようですが、これからは是非実写での吹き替えの場でその素晴らしい演技とお声を披露して頂きたいものです。
余談ですが、畠中洋さんはなんとオイラと誕生日が同じでした(^皿^)。
そんな事もあって、ますます親近感が高まった畠中洋さんを、オイラはこれからも応援し続けますヨ♪
 
 
『塔から出たいだなんて、二度と言わないで!』
自分大好き!な超ナルシストである悪女ゴーテル。自分の欲望のためだけにラプンツェルを利用し続ける、そんな邪悪なゴーテルを演じるは元宝塚出身で、舞台やミュージカルで活躍されている女優・剣幸さん。宝塚やミュージカルで活躍されてきただけあって、ゴーテルの歌唱場面はそりゃもうゴージャスで素晴らしいのひと言でした。
ところで、前の記事でも描きましたが、ゴーテルのその容姿からオイラの脳内ではずっと女優の田島令子さんの事をイメージしながら映画を見てました。剣幸さんのお芝居はそれなりに良かったんですが、声質自体がちょっと若いかな?とも思いました。まあ、魔法によってゴーテル自身が若いままなので、声が若くても全然問題はない訳ですが。もし、田島令子さんがゴーテルの吹き替えをされたら、容姿や声質ともにゴーテルのイメージと実にぴったりだと思ったんですがねえ....(^皿^)。
 
 
『ティアラよりもいいもんを見つけたんだろ?』
フリン・ライダーと手を組んで盗賊稼業に精を出す二人組の悪党スタビントン兄弟。
英語版ではヘルボーイことロン・パールマンが演じたこのキャラクターを、日本語版では飯島肇さんが吹き替えをされています。ウィキペディア調べでは主にアニメ方面で活躍されている声優さんのようです。因みにスタビントン兄弟の兄と弟をそれぞれ演じられてるみたいで、なかなか素敵なお声でかっこ良かったです!。
 
 
とにかく、全編にわたって素晴らしい吹き替えが楽しめる「塔の上のラプンツェル」。
3D上映のせいもあって、吹き替え版の方を見る機会の方が多いと思います。
「私、吹き替え版って苦手なのよねえ」
と、仰る字幕スーパー版支持者の方の意見も、もちろん理解出来ます。
オリジナルキャストであるマンディ・ムーアやドナ・マーフィの歌声は確かに素晴らしいです(特にドナ・マーフィの歌う♪Mother Knows Bestは絶品!)。
でも、今作「塔の上のラプンツェル」日本語吹き替え版はオリジナルの良さを決して損なうことなく、かつ素晴らしい日本語のお芝居が堪能出来ます。それだけはこのオイラが保証します!。日本語のミュージカルだなんて....そんなネガティブな偏見は捨てて、是非この機会に「塔の上のラプンツェル」の吹き替え版を体験してみて下さい。
中川翔子さんのひたむきで誠実な吹き替えを、畠中洋さんのクールでかっこいい吹き替えを、小此木麻里さんや剣幸さんらの素敵な歌声を、是非劇場で楽しんで下さい!。
 
 
      警備隊長の愛馬、マキシマス
      マキシマス.jpg
盗賊フリン・ライダー捕縛に並々ならない執念を見せる馬のマキシマス。
時に狩猟犬のような嗅覚でフリン・ライダーを追いつめ、時に剣を持ち(というか、口にくわえて)勇猛果敢に一戦交える、まさにその名の通り剣闘士のような活躍を見せてくれます。
そんな勇ましいマキシマスだけど、純粋なラプンツェルの前では従順なペットのようになってしまうのでありました。動物を意のままに操る能力は、ディズニープリンセスが持つ伝統技なのであります♪(^皿^)。

塔の上のラプンツェル オリジナル・サウンドトラック

塔の上のラプンツェル オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: WALT DISNEY RECORDS
  • 発売日: 2011/03/09
  • メディア: CD


歌はもちろんだけど、スコアも素晴らしいアラン・メンケン師匠、さすがです!
国内盤には小此木麻里さんが歌う日本語バージョンも収録されているので、
オリジナルのマンディ・ムーアの歌声と聴き比べてみて下さい♪。
  

The Art of 塔の上のラプンツェル(ジ・アート・オブ 塔の上のラプンツェル)

The Art of 塔の上のラプンツェル(ジ・アート・オブ 塔の上のラプンツェル)

  • 作者: ジェフ・カーティ
  • 出版社/メーカー: ボーンデジタル
  • 発売日: 2014/10/02
  • メディア: 大型本
映画公開から数年後....
ここにきて、なぜか国内版アートブックが発売になりました♪
オイラは、洋書版買っちゃったけどね....(^皿^;)
  


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コメント 4

chawan

はじめまして!畠中さんのお名前でここにたどり着きました。
私は舞台で活躍されている畠中さんの大ファンで、ラプンツェルは当然畠中さんの声と歌を目当てに行ったのですが、映像の美しさ、物語の持つ力にグイグイ引き込まれてしまいましたよ!
ナレーションも畠中さんだったので、最初から最後まで大満足でした。
中川さんもまさにラプンツェルにピッタリで吹替がお上手だなあと思っていたのですが、こちらを読ませていただいて彼女の決意や葛藤や努力を知ってかなり感動してます。
ミュージカルの舞台で活躍されている方々が吹替をされているのでディズニーならではのミュージカル仕立てのシーンが本当に生き生きと楽しかったです。
機会があったら是非畠中さんの舞台もご覧になってください! 6月からの舞台「太平洋女曲」には小此木さんも出演されるんですよ。
「ハタ坊の会」で検索していただければファンサイトでスケジュールなどもご覧になれます!…と、ちゃっかり宣伝。\(//∇//)\
しかしゴーテルが田島令子さんと言うのは「なるほど!」でした。私は小原乃梨子さんもありかなーと思ったのですが、それではドロンジョさまと被っちゃうし。(笑)
楽しくて濃い感想を読ませていただいたらまた見たくなりました。マキシマスにも会いたいし!
ちなみに畠中さんは「魔法にかけられて」のエドワード王子の吹替も担当されています。ディズニーって吹替も本家の審査があると聞いているので、畠中さんの声と演技はディズニー側でも評価高いのかも!と思ってます。(ファンバカ?)
長々と失礼しましたー!

by chawan (2011-04-02 11:59) 

堀越ヨッシー

chawanさん、はじめまして!(^口^)。
ご訪問&コメント、ありがとうございます。
 
畠中洋さん演じるフリン・ライダーは、本当に魅力的なキャラクターでしたね。お声自体もすごく好みでしたが、何より本当に演技が素晴らしかったです。舞台での畠中洋さんも、機会があれば是非拝見したいですね。「魔法にかけられて」は未見なので、こちらも機会があればそのうち見たいと思っています。
 
ゴーテルの声に小原乃梨子さんですか!....なるほど、確かにそれも有りですね。小原さんは有名な“悪女”ですしね(笑)。
 
余談ですが、ディズニーの吹き替え審査が厳しいというのは、ある種の都市伝説だと思いますよ。だって、過去の作品を見れば「えーっ!?」と思うような吹き替えキャスティングも結構ありますしね。大抵は“大人の事情”で決まることの方が多いと思います。
すみません....ディズニーなのに「夢のない話」をしちゃって。
 
熱きコメント、ありがとうございました♪。
by 堀越ヨッシー (2011-04-03 09:28) 

まろ

はじめましてこんにちは!
7歳男子と5歳女子、二児の母になって初めてディズニーアニメにはまった者です(笑)

大掃除を邪魔されない対策として、遅ればせながらTSUTAYAで借りたラプンツェルのとりこになり、検索しているうちにこちらにたどり着き、
ヨッシーさんのブログ興味深く拝見しました♪

しょこたん、私もさすがアニメにたくさん触れてきている人だな~と思いました。
吹き替えのとき注意すべき息づかいみたいなのが身についてるというか。
他のタレント吹き替えでは、最近だと北川景子さんとかにも同じことを感じました(北川さんは吹き替えではいいのに実際の演技は??だけど)。

おそらく、過去のタレント吹き替えの悪評から学んだことも多いのでしょう(笑)
クレバーですしね、しょこたん。北川さんもだけど。

ディズニーのアニメの日本語吹き替えには、おっしゃる通り“大人の事情”、、あると思います(笑)。
ジャ○ーズ事務所やA○B48系を使っていたことをみても明らかですもんね。
(少年期のヘラクレスの歌唱部分の日本語吹き替えには耳を覆いたくなりました…)

マスコミに注目させるのもプロモーションや興業収入上大切なことだし、
私は役にハマってればアイドルだろうがお笑い芸人だろうが何でもいいんですけど……
要は『なめたやっつけ仕事するな、真面目にやれ!』って感じです。

その点、しょこたんは立派でしたね。彼女の真面目な姿勢、リスペクトを感じました。

歌唱力はアイドルの中では上手い程度かと思うので、スコア的に音程を取るのや譜割りが難しい歌だし、小此木さんで正解かと思います(笑)
しょこたん、ごめんね><
とにかく私の鑑賞はひねくれてるので、ディズニーさんに怒られそうですが、
生来俗っぽい人間なんで
『しょこたんのお母様も強烈なひとだしな~~しょこたんがまつげエクステしてることが気に食わなくて彼女が寝てる間にまつげエクステを根こそぎ切っちゃうんだもんな~~でも未だにお母様と一緒に住んでるしなぁ、しょこたん……ラプンツェルと同じで共依存?』
とかなんとか考えながらラプンツェルを観てしまいました。
……純粋に楽しんでる子どもたちよ、ごめん。。お母さん汚れちまったよ。。。

ではでは、長々と失礼しました~
また遊びに来させてください!
by まろ (2013-12-30 13:58) 

堀越ヨッシー

まろさん、はじめまして。
ご訪問&コメント、ありがとうございます。
 
ミュージカルの日本語吹き替えは普通歌唱場面は英語オリジナルを活かしたりするものですが、「塔の上のラプンツェル」はそこをうまく日本語に置き換えてあり、その点がとても素晴らしかったですね。声を演じた役者陣もさることながら、訳を手がけられた高橋知伽江さんの功績が本当に大きいと思います。
内容自体はやや高学年向きなので、お子さんには「シュガー・ラッシュ」の方をお薦めします。
by 堀越ヨッシー (2013-12-31 13:48) 

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