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本当に恐いのは、怪物と人間のどっち?〜「モンスター・ホテル」を鑑賞する [映画鑑賞]

吸血鬼ドラキュラや人造人間フランケンシュタイン、狼男、ミイラ男など、往年のホラー映画キャラクターをはじめ、古今東西様々なモンスター(怪物)たちが大挙して登場するアニメ「モンスター・ホテル」。「モンスター!」と聞いてはじっとしていられないほど怪物大好物のオイラ、早速鑑賞してきました♪(^皿^)。
ぶっちゃけ「メリダ〜」よりもずっと楽しみにしていた作品です!(結局メリダは未見)。
 
 『モンスター・ホテル』( 原題:Hotel Transylvania )
    2012年 アメリカ映画 カラー 1時間32分
 
 監督:ゲンディ・タルタコフスキー
 脚本:ピーター・ベイナム、ロバート・スミゲル
 出演:アダム・サンドラー  ....ドラキュラ/ホテル・トランシルヴァニアの総支配人
    セレーナ・ゴメス   ....メイヴィス/ドラキュラの愛娘、118歳の誕生日が目前
    アンディ・サムバーグ ....ジョナサン/世界中を旅するバックパッカーの青年
    ケヴィン・ジェームス ....フランケンシュタインのフランク/ドラキュラの親友
    スティーヴ・ブシェミ ....狼男のウェイン/子だくさん
    シーロー・グリーン  ....ミイラ男のマレー/陽気な性格
    デヴィッド・スペード ....透明人間のグリフィン/実は赤毛&巻き毛
    他
 
【あらすじ】
人里離れた森の奥深く、モンスターたちにとっての楽園「ホテル・トランシルヴァニア」は今年も盛況だ。そこは人間たちからの迫害を逃れた異形の者たちが、しばしの憩いを求めてやってくる安息の地。総支配人であるドラキュラ(アダム・サンドラー)は、今日もホテルへとやってくるお客様を歓迎しつつ、翌日に控えた愛娘メイヴィス(セレーナ・ゴメス)の118歳の誕生日パーティーの準備に余念がない。だが、思春期を迎えたメイヴィスは、そんな過保護な父親に内心うんざりしているのだった。
そんな時「ホテル・トランシルヴァニア」に招かれざる客がやってくる。偶然このホテルを見つけ、ふらりと立ち寄ったのが、世界中を旅するバックパッカーの青年ジョナサン(アンディ・サムバーグ)だった。過去一度たりとも人間の侵入を許したことがない、安心・安全が売りのホテルにとって、これは一大事!。焦ったドラキュラはなんとかしてジョナサンを追い払おうとするのだが、運悪く愛娘メイヴィスとジョナサンが出会ってしまう。そして二人は互いに“ビビン”とくるものを感じてしまうのだった。
ドラキュラはメイヴィスとジョナサンを引き離そうと悪戦苦闘することになるが....

 
 
なぜ、こんなにも楽しいのだろう!(^皿^)♪。
「モンスター・ホテル」を鑑賞している間、この感覚にずっと包まれていました。
無論オイラの大好きなモンスターたちが大挙して登場(ホントにたくさん!)していたことで見た目に楽しい作品ではありましたが、それとは別のもっと本質的な楽しさがこの作品にはたくさん詰まっていました。
それはいったい何だったのか?....
ズバリ、それは“動き”でした。
キャラクター(絵)が動くという、アニメーションにとってはごく当たり前である楽しさを、この作品では思う存分味わうことが出来ました。昔「トムとジェリー」や「バックス・バニー」といったいわゆるドタバタアニメがありましたが、そのテの作品を見ながら感じていた同じわくわく感を、今作を見ながらずっと感じていました。こんな感覚に陥るのは、本当に久しぶりです。
例えば主人公のドラキュラ。普段はマントを翻しピンと背筋を伸ばした紳士的な立ち振る舞いでいかにもホテル総支配人といったふるまいを見せながら、感情的になると一転、牙をむき出し爪を立て猫背になり、これぞ吸血鬼!といったスタイルに早変わり。足を動かさずスムーズに移動したかと思えば、大股でドカドカと歩いたり。指先で物に触れず操ったり、コウモリに変化したり。総支配人として働く時の仕事の顔と、娘と接する時の親の顔とのギャップがこれまた可笑しい。そんな文字通りアニメ的な動作が緩急をつけながら描写され、それがとても魅力的だったのです。
ゲンディ・タルタコフスキー監督は今作が長編作品デビューとのことですが、過去の仕事を見ると「パワーパフガールズ」や「デクスターラボ」などカートゥーン・ネットワークの2D作品で腕をふるってきた人。なるほど!それで合点がいきました。「モンスター・ホテル」のキャラクターたちは、その姿こそ今流行りのデジタルCGですが、動きそのものは昔ながらのカートゥーン・アニメーションそのものだったのです。思えば昨今のCGアニメは絵ばかりが綺麗になる一方で、モーションに関してはどれも似たり寄ったりの印象が強かったように思います。そこに登場した「モンスター・ホテル」は、アニメーション本来の楽しさに満ちあふれた作品となっていました。
 
娘のことが可愛くて子離れが出来ない(したくない)父親ドラキュラと、未知の世界への憧れを抱く思春期の娘。このあたりの描写は怪物の姿を借りながら、人間の親子間で見られる普遍的な姿を描写しています。また子だくさんの狼男が子供たちのおかげで寝不足気味になる場面や、恐妻家であるフランケンの姿には、共感を覚える人もきっと多いことでしょう。人間から恐れられる存在であるモンスターたちが、実は人間たちを恐れているという設定も面白いし、逆に人間であるジョナサンがドラキュラをはじめとする怪物たちと接していくうちに、自分が抱いていたモンスターたちに対する偏見に気付くという見せ方もうまい。ドラキュラとジョナサンは考え方も価値観もまったく違うため最初は衝突ばかりしているのですが、やがてお互いの素敵な部分を見つけそれを認めあい和解するくだりなどは、オーソドックスではありましたがなかなか感動的でした。
 
アニメーションとして楽しいドタバタ劇や笑えるギャグを盛り込みつつ、ドラマとして見せるところはきっちり見せる、コメディ作品としてのセオリーをちゃんと踏襲している点も見逃せません。主人公のドラキュラがなぜこれほどまでに人間を忌み嫌い恐れるのか?、その理由をジョナサンに切々と話す場面は涙なしでは見られませんでした。
(これが切なくも、とっても美しい場面となっています!)
そして、クライマックスはお約束の大活劇へと突入。派手なカーチェイスあり、そして人間たちとの意外な交流を経て、ついに娘のために命がけの行動をとるドラキュラ。その姿は実に感動的でした。怪物であれ人間であれ、愛する我が子のためならば親はいつだって命を捨てられるのです!。でもそんな感動的な場面にすらギャグをさりげなく盛り込むサービス精神がたまりません(ヴァンパイア作品として人気の「トワイライト」がギャグとしてとりあげられていますが、それは見てのお楽しみ!)。
 
 
「モンスター・ホテル」は、思春期を迎えた娘とのコミュニケーションに悪戦苦闘する父親の姿、自分の知らない世界へと憧れる思春期の少女の葛藤、それまでの価値観が変わる青年の成長と、様々なドラマをギャグやアクションの中にうまく盛り込みつつ、アニメならではの楽しみをこれでもか!と見せつける良質のアニメーション映画です。ディズニーやピクサー、ドリームワークスのアニメ作品とはひと味違うこの作品を、是非多くの方に見て頂きたいと切に思います。オイラはこの週末土曜日にシネコンで2D版を鑑賞してきましたが、観客のあまりの少なさにちょっとビックリ!してしまいました。こんな良作を劇場で見ないなんて、ホントもったいないですよ!。今月はハロウィーンですし、雰囲気を盛り上げるためにも、是非皆さんに鑑賞して頂きたい作品です。
アニメ&怪物好きのオイラが自信を持ってお薦めする「モンスター・ホテル」、是非劇場でご覧下さいッ!(^皿^)/。
 
 
   「ようこそ、ホテル・トランシルヴァニアへ!」 
   ドラキュラ.jpg
   「劇場にて、お待ちしております♪」
  

エンドロールが始まると、登場キャラクターたちが昔ながらの2Dアニメで登場します。
こちらも見ていて楽しいのですが、実はその後が必見!
通常こうした海外アニメ作品では制作の過程でいわゆるコンセプトアート(作品の世界観を描いたもの。例えばドラキュラの城はどういったものなのか?を複数のアーティストが描いて、そうした作品の中から実際に劇中に登場するものを決定していく)というものが描かれるのですが、その素晴らしいアートワークがエンドロールの背景として使用されています。普通こうした画はDVDの特典やアートブックなどでしか目にすることが出来ません。エンドロールとはいえ、こうした画を本編で見られるのはすごく希です。いわゆる背景がメインなのですが、とにかく素晴らしい絵の数々でため息が出るような美しさ。本編のドタバタとは裏腹に、まるで美術館巡りをしているような、そんな感覚に陥ること必至です。
こちらも是非劇場で体験して頂きたいです!。

The Art and Making of Hotel Transylvania

The Art and Making of Hotel Transylvania

  • 作者: Tracey Miller-Zarneke
  • 出版社/メーカー: Titan Books
  • 発売日: 2012/09/25
  • メディア: ハードカバー

もちろん、コレは購入決定!(^皿^)/
....現時点ではサントラ未発売のようだけど、もったいないなあ...
  
今作は日本語吹き替え版のみの上映となっており、残念ながら劇場で英語オリジナル版を楽しむことが出来ませんが、そのぶん吹き替え版は非常に楽しい出来となっています。日本語吹き替え版のレビューは、ソフトが発売された時、改めてとりあげたいと思います。
とにかく山寺宏一さんのお芝居が絶品!(今作ではなんとラップを披露!)。ジョナサンを演じたオリエンタルラジオの藤森慎吾さん(イメージぴったり!)が意外な好演を見せ、川島海荷さん(かわいい!)のメイヴィスもすごく愛らしかったです♪。
  


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日本よ、これが祭りだッ!〜「アベンジャーズ」を鑑賞する [映画鑑賞]

マーベル・コミックス出身のアメコミヒーローが大挙して登場する夢のような映画「アベンジャーズ」を観てきました。実は正直なところ、「アイアンマン」や「キャプテン・アメリカ」にはそれほどハマれなかったオイラ。「マイティ・ソー」に至っては未見という有様です。そんなオイラが何故「アベンジャーズ」を観に行く気になったのか?....その理由はただひとつ!、大好きなハルクを見たかったからなのであります♪。
さあ、果たしてハルクは大暴れするのでしょうか?(^皿^)/。
 
  「アベンジャーズ」(原題:MARVEL'S THE AVENGERS)
       2012年 アメリカ映画 2時間24分
   
 監督/ストーリー/脚本:ジョス・ウェドン
 音楽:アラン・シルヴェストリ
 出演:ロバート・ダウニーJr   .....トニー・スターク/アイアンマン
    クリス・エヴァンス    ....スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ
    マーク・ラファロ     ....ブルース・バナー/ハルク
    クリス・ヘムズワース   ....雷神ソー/アズガルド人
    スカーレット・ヨハンソン ....ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ
    ジェレミー・レナー    ....クリント・バートン/ホークアイ
    トム・ヒドルストン    ....邪神ロキ/ソーの義弟
    クラーク・グレッグ    ....フィル・コールソン/シールド捜査官
    コビー・スマルダーズ   ....マリア・ヒル/同上
    ステラン・スカルスガルド ....エリック・セルヴィグ博士
    サミュエル・L・ジャクソン ....ニック・フューリー/シールド長官
 
【あらすじ】
国際平和維持組織“シールド”の本部は緊張に包まれていた。シールドによって保護、研究をされていた“コズミック・キューブ”が突如パワーを増し始めたからだ。研究に携わるエリック・セルヴィグ博士(ステラン・スカルスガルド)にもその理由がわからないという。このままでは本部自体が危険にさらされると悟ったシールド長官のニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)は、部下のフィル・コールソン(クラーク・グレッグ)やマリア・ヒル(コビー・スマルダーズ)らに基地からの撤退を命じる。そんな時、コズミック・キューブの力を利用して邪神ロキ(トム・ヒドルストン)が突如基地内に現れた。ロキはセルヴィグ博士や彼を護衛していたホークアイことクリント・バートン(ジェレミー・レナー)らを洗脳すると、コズミック・キューブを奪い去ってしまった。邪神ロキによってコズミック・キューブが悪用されれば、この地球は大変なことになる....ニック・フューリーは、かつて模索していた“アベンジャーズ”計画を実行することを決意する....!。
 
 
いやー、すっごい面白かった!(^口^)/。
それほど期待していなかったこともありますが、まさかこんなに面白い作品に仕上がっていたなんて!....これは嬉しい誤算でした。これまで作られてきた「アイアンマン」をはじめとする各ヒーローの単体作品には、正直あまり魅力を感じていませんでした。ロバート・ダウニーJr.は確かに魅力的だったけれど、物語的には今イチだった「アイアンマン」。ジョー・ジョンストン監督作品ということで期待して見た「キャプテン・アメリカ」にはかなり失望させられました。「マイティ・ソー」に至ってはその世界観に馴染めず、結局未見という有様。そんなキャラクターたちを集めたところで面白い作品になるはずがない!....そんな風に思いつつ見始めた訳ですが、これがどっこい「アベンジャーズ」はどの作品よりも面白い仕上がりとなっていました。これだけ個性的なキャラクターを集めながら、それぞれに見せ場やドラマがあり、物語としてもシリアスすぎず軽すぎもせず。絶妙なバランスで成り立っている見事さ。2時間24分という長さを感じさせないジョス・ウェドン監督の演出は、素晴らしいという他ありません。
 
無論、作品に対していくつかの不満要素はあります。芸人のココリコ田中にしか見えない邪神ロキのヘタレぶり(これはこれで面白くもありましたが)とか、地球を襲うチタウリ星人のパッとしないデザインとか。でも、全体を通して見ればそれは充分許容範囲内です。とにかくそれぞれのヒーローたちがすごく魅力的に描かれていて、その部分に関してはすごく感心しました(ヒーローのみならず、サブキャラたちまでもがすごく魅力的!)。このバランス感覚は、本当に凄い。実際にアメコミの原作を手がけたこともあるジョス・ウェドン監督ならではの力量が見事に発揮されたようです。これまで単体で描かれてきたヒーローたちが遭遇することで起こる化学反応。その結果、各キャラクターの魅力が存分に引き出されるという巧さ。
ジョス・ウェドン....この名前は是非記憶しておいた方がいいですね!。
 
【アイアンマン】
ロバート・ダウニーJr.のアイアンマンは、もはや鉄板。今回も軽口を叩きながら周囲とトラブルを起こしつつ、ドラマとして締めるところはきっちりと締める、実に美味しい役どころ。実際、華のあるロバート・ダウニーJr.が出演してることで、作品に適度な重厚感が出ています(....アイアンマンだけにね!)。
映画登場時、歩きながらアイアンスーツを脱着していくトニー・スタークの姿が、「カリオストロの城」の伯爵を感じさせて思わずニヤリ♪(^皿^)。コンピューターの人工知能“ジャービス”とのやりとりも、懐かしドラマ「ナイトライダー」を感じさせてグッド!。同じ科学者としてブルース・バナー(ハルク)と一番最初に打ち解けるのがトニー・スタークというのも説得力あり。ブルース・バナーを信頼するトニー・スターク、そしてそのトニー・スタークの信頼に答えるクライマックスのハルクの姿が実に感動的。核ミサイルを抱えたまま敵に突っ込む際、恋人のペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロウ)に連絡をとろうとするもののそれが出来ない場面に、男泣き!。
 
【キャプテン・アメリカ】
ジョー・ジョンストン版キャプテン・アメリカは正直微妙な感じだったのですが、今作でのキャップは本当にかっこいい!。当初リニューアルされた衣装デザインがダサいなあと感じていましたが、本編が始まるとそんなことは全くなくて、むしろ生真面目なキャップの性格にマッチした優れたデザインだと感じました。キャップって学生に例えると制服の詰め襟を上まできっちり締めてる優等生タイプ。なので今作の身体にフィットしたユニフォームは、彼のキャラクターをうまく表現していたと思います。ただ「ファースト・アベンジャー」を見た時にも感じたことですが、キャップの超人としての要素がやや薄いかな?とも感じました。円盤投げが巧いだけじゃやはりモノ足りません。もっと通常の人間とは違う超人っぷりを見せて欲しかったです。
チタウリ星人が遂に攻めてきたクライマックス。一般市民を守るため、警察官に対し指示を出すキャップ。だが警察官は「なぜアンタの指示に従わなきゃならないんだ!?」と反発する。そんな警察官に対し、言葉ではなく行動で知らしめるキャップの姿に男泣き!。
因みにキャップとは直接関係ありませんが、映画のラストでキャップに助けられた一般女性がテレビのインタビューに答える場面がありますが、この女優さんがめちゃめちゃ美人でオイラはメロメロでした(^皿^)。
 
【マイティ・ソー】
アベンジャーズの中でも、ある種特殊なキャラクターであるソーを果たして受け入れられるかどうか?が、個人的に唯一の不安要素でしたが、本編が始まったら意外にもすんなり受け入れられました。VSアイアンマンや、VSハルクというドリームマッチを見られるのもソーならでは。特にハルクとの戦いは迫力があって見応え充分。面白かったのは、あれほどの怪力であるハルクがソーの武器である金槌“ムジョルニア”を持ち上げることが出来なかったこと。後に共闘して敵と戦ったあとで「やったな!」と笑うソーに対し、「余計なことすんな!」と言わんばかりにハルクからこづかれる(というか思いっきり殴られる)ソーの姿に、男泣き!。
 
【ハルク】
ある意味今作で最重要キャラとも言えるハルク。まさかハルクがこんなにも恐れられた存在だったなんて驚き!。単なる緑色の巨人とバカにしていけません。今作のハルクは過去最高!との呼び声も高いそうですが、それも納得の大活躍。なにより演じているマーク・ラファロ(ハリウッドの羽場裕一)がいい。過去のハルクは演じたエリック・バナやエドワード・ノートンの影響か、見た目が結構かっこ良かったりしましたが、今作のハルクはマーク・ラファロの顔を下敷きにしているため、容姿が正におっさんそのもの。胸毛もあるし、これぞワイルドなハルクといった趣きでかっこいいったらありゃしません!。これこそ俺たちが見たかったハルクなのだ。ヘリキャリアから墜落しても死なないハルク。チタウリ星人の武器を喰らってもびくともしないハルク。笑ったのは、邪神ロキをフルボッコにする場面。神様もハルクにはかないませんでしたとさ....チャンチャン♪(^皿^)。
という訳で、ほぼ完璧に近いハルクでしたが、唯一残念だったのは、ヘリキャリア船内で遂に変身を遂げる場面。ブルース・バナー博士が変身する原因がちょっと曖昧で説得力に欠けたのが惜しかった。ブルース・バナーの怒りに触れる明確な理由をもっと詳細に描いていれば、ドラマとしてもっと盛り上がったのにと悔やまれました。
キャップの「HULK....SMASH!(ハルク、君は暴れろ!)」の台詞に男泣き!。
 
【ブラック・ウィドウ】
かつて凄腕のスパイだったブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフ。演じるスカーレット・ヨハンソンが、クールビューティな魅力を見せつける。中でも邪神ロキとの対面場面は、これぞ女スパイ!といったしたたかさを見せつけて、貫禄充分。特殊能力は持たないものの、並外れた身体能力でバッタバッタと敵を倒す姿に、男泣き!。
 
【ホークアイ】
近年活躍が目覚ましいジェレミー・レナーが、クールなホークアイを熱演!。
のっけからいきなり敵に寝返る(というか洗脳されちゃう訳だけど)という意外な展開も面白い。このご時世、なんでわざわざ弓を使うのか?は謎だけど、とりあえずかっこいいので許す!(このかっこ良さは、ランボー以来!)。ちゃんと矢が品切れになるのもリアルでいい(LOTRのレゴラスの矢は無限だもんね)。ブラック・ウィドウとの戦いで頭を強打して洗脳が解ける姿に、男泣き!。
 
【ニック・フューリー】
これまで顔見せ程度だったニック・フューリーが、遂に活躍する姿を見せる!。
シールド長官として、アベンジャーズをひとつにまとめるリーダーとして、サミュエル・L・ジャクソンが貫禄たっぷりに演じていて◯!。今作の素晴らしい点は、ニック・フューリーが単なる正義の味方じゃないってところ。四次元キューブを利用して武器を作ってるなんて、いかにもアメリカ人的な発想。そんな社会風刺もちらりと盛り込みつつ、ロケットランチャーをぶっ放す!、そんなニック・フューリーの姿に男泣き!。
 
【フィル・コールソン】
見た目は単なるおっさんだけど、実社会でも得てしてこういった人が実はヤリ手だったりするものだ。そんな縁の下の力持ち的キャラクターを、クラーク・グッレグが好演。ある意味今作に於いて最も重要なキャラとも言えるフィル・コールソン捜査官。そんなフィル・コールソンがとる、とある行動に男泣き!。
 
【マリア・ヒル】
シールドのクールビューティ、マリア・ヒル捜査官。長官ニック・フューリーを的確にサポートする頼れる存在。演じるコビー・スマルダーズが、スカーレット・ヨハンソンとはまた違ったクールビューティさを見せつけてすごく魅力的。文字通り頼れるお姉さん的存在で、個人的にも是非甘えたい女性である。でもコビー・スマルダーズ、実生活では一児の母親なのだとか!。こんなかっこいい人妻はそうはいません。ますます甘えたくなって、男泣き!。
 
【邪神ロキ】
ヘタレっぷりが爆発して、ある意味一番親近感を覚えてしまう邪神ロキ。
演じるトム・ヒドルストンが終始芸人のココリコ田中に見えて、その哀愁感はいっそう増すばかり。でも角の生えた兜とか持ってる杖のデザインとかがめちゃめちゃかっこ良かったりする。義兄ソーとの戦いに於いて、隠し持っていた小っちゃなナイフで反撃するその姿が、いかにも小者的で泣ける。しかも最終的にはハルクにフルボッコにされてKO。そんな姿にジャイアンからボコボコにされるのび太の姿が垣間見えて男泣き!。
 
 
 
映画「アベンジャーズ」は、大作としての派手さを随所に盛り込みつつ、ドラマとしてはしっかりと地に足の着いた見応えのある作品となっていました。ある意味「ダークナイト・ライジング」とは対極に位置する作品ではありますが、決して作品として劣っている訳ではありません。何より何も考えずに楽しむサマームービーとして実に正しい作品であります。各ヒーローの単体作品を事前に見ていればもちろん面白さは増しますが、未見でも全然OK!。とにかく映画ファンなら、このジョス・ウェドン監督の素晴らしい才能に触れておいて損はないと思います。
是非、劇場の大スクリーンで楽しんで下さい!(^皿^)/。
 
 
  「日本よ、これが祭りだッ!」〜by ライムスター宇多丸
 
 
 
四次元キューブの力を利用して、遂に凶悪なチタウリ星人が大挙して地球(というかニューヨーク)に攻めてきた!。迎え撃つ我らがアベンジャーズ。結成には紆余曲折いろいろあったものの、今やひとつにまとまったアベンジャーズの面々。こうなったらもはや敵無しだ。キャップの的確な指示が、メンバーひとりひとりに飛ぶ。
そして最後にキャップは、ハルクにこう告げるのだった....
   「HULK....SMASH!(ハルク....君は暴れろ!)」
    ハルク.jpg
 
....ところで、チタウリ星人がニューヨークに攻めてきた時、地元NYのヒーロー・スパイダーマンはいったい何をやってたの?。まあ、女ったらしのアンドリュー・ガーフィールドのことだから、きっとエマ・ストーンの尻を追っかけていたに違いないな(^皿^)。
  

Avengers

Avengers

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Intrada
  • 発売日: 2012/05/02
  • メディア: CD

「キャプテン・アメリカ」は今イチだったけど、今作では素晴らしいスコアを聴かせてくれるアラン・シルヴェストリ師匠。ここ一番でヒーローファンファーレを響かせるあたりはさすが熟練の腕前!。
  
 
ところで、相も変わらずエンドロールが始まるとすぐ退席するお客さんがいますが、今作でそれをやっちゃうとメチャメチャ損しますよ!。エンドクレジットの途中で続編を匂わせるようなおまけ映像がありますし、エンドクレジットが終わりきった後、更なるオマケ映像が!。これがまためちゃくちゃシュールな映像で爆笑必至。要するに、ヒーローとはいえ基本的に人間だし、激しく動いたあとは当然お腹も減るのです。このセンス、やはりジョス・ウェドン監督は只者じゃない。オイラはこの先もジョス・ウェドンについていきまっすッ!(^皿^)/。
   

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意志は引き継がれ、英雄(ヒーロー)は伝説となる〜「ダークナイト・ライジング」を鑑賞する [映画鑑賞]

        「ダークナイト・ライジング」 
  (原題:The Dark Knight Rises)2012年アメリカ カラー 165分
   監督/脚本/製作:クリストファー・ノーラン
         脚本:ジョナサン・ノーラン
         原案:デヴィッド・S・ゴイヤー
         音楽:ハンス・ジマー
      
 出演:クリスチャン・ベール     ....ブルース・ウェイン/バットマン
    トム・ハーディ        ....ベイン/凶悪なテロリスト
    アン・ハサウェイ       ....セリーナ・カイル/女泥棒
    ゲイリー・オールドマン    ....ゴードン本部長
    マイケル・ケイン       ....執事アルフレッド・ペニーワース
    ジョセフ・ゴードン=レヴィット....ジョン・ブレイク/警察官
    モーガン・フリーマン     ....ルーシャス・フォックス/ウェイン産業社長
    マリオン・コティヤール    ....ミランダ・テイト/ウェイン産業役員
    他
 
【あらすじ】
ゴッサムシティからバットマンが姿を消して、8年余りが過ぎようとしていた。
光の騎士と呼ばれた地方検事ハーヴィー・デントの没後、彼の名を模したデント法が施行されたおかげで、街の治安は急速に回復していった。一方バットマン稼業を事実上引退したブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)は、心身ともに疲れ果て、今では外界との接触を避け、隠遁生活をおくっていた。そんな彼の前に謎の女性セリーナ・カイル(アン・ハサウェイ)が現れる。プロの泥棒である彼女は、ウェイン邸に忍び込むとブルースの指紋を盗んでいった。彼女の目的はいったい何なのか?、ブルースは彼女の身辺調査を開始する。
一方、平和なゴッサムの街には、再び不穏な空気が漂い始めていた。そのことを誰よりも先に察知したのは、他ならないゴードン本部長(ゲイリー・オールドマン)だった。とある事件の捜査で下水道へと侵入したゴードンは、そこで凶悪なテロリスト・ベイン(トム・ハーディ)の存在を知ることになる。ベインはある恐るべき計画を着々と進行させていたのだった....。
 
 
(※まず最初に断っておきますが、オイラはこのシリーズが大好きだし、何よりバットマンの世界が大好きなので、今回の記事はかなり偏愛に満ちた感想記事になっております)

 
見事なまでの“大団円”!!(^皿^)/。
クリストファー・ノーラン監督によって2005年よりスタートしたバットマン・サーガ。
バットマン誕生の軌跡を描いた「バットマン・ビギンズ」、ヒーローの活躍と転落を描いた「ダークナイト」、そして物語の完結編を描いた今回の「ダークナイト・ライジング」。
クリストファー・ノーラン監督は最終章である今回の「〜ライジズ」で、
見事なまでの着地を見せて、この壮大なサーガに幕を下ろしました。
やはりクリストファー・ノーラン監督は、期待を裏切りませんでした。
 
実は今回映画を観る前から、この物語の終わらせ方について、
オイラはあるひとつの予想と覚悟をしていました。
それは、バットマンが死を迎えて終わるという悲しい結末。
そしてオイラの予想通り、バットマンは見事なまでの死を迎えました。
最後までゴッサムのために生き、ゴッサムのために殉死したバットマン。
その献身的な姿に涙せずにいられる訳がありません。例えそれが両親を殺されたことによるトラウマから生まれた自警団的思想(ヴィジランティズム)によるものであったとしても、その姿には素直に感動せずにはいられませんでした。
8年ぶりにゴッサムの街に姿を現したバットマン。
しかし今や彼は、警察官殺害容疑をかけられた犯罪者。あっという間に大勢の警察官たちに包囲されることになります。挟み撃ちにあい、逃げ場のなくなったバットマンに、追跡用ヘリのサーチライトが照らされます。青い光に照らし出されたその姿のなんと神々しいことか。警察官たちによる憎しみの目線をその背中で受けながら、さっそうと去っていくその姿は、正に暗黒騎士そのものでした。

ゴッサムのためにすべてをかけて殉死したバットマン。
だが、皆さんは「ダークナイト」でのジョーカーの台詞を覚えているだろうか?。
   
まったくお前ってヤツは、本当に持っているらしいな、高潔な精神ってヤツを。
 そのくだらない考えのせいで、お前は絶対に人を殺さない....そうだよな?
 
そう、バットマンは決して人殺しはしない。
それは他者に限った事ではなく、ブルース・ウェイン自身に対しても同じことなのだ。
だからブルース・ウェインは、決して自ら死ぬような行動はとらない。
ブルース・ウェイン自身は、ちゃんと生き延びるのである。
以前のブルースなら殉死することもいとわなかったかもしれない。
だが、ベインによって投獄された奈落の底“ピット”で、ブルースは老医師にこう諭される。
 
お前は死を恐れていない。それが強さだと考えているようだが、それは違う。
 死に対する恐怖を受け入れることで、本当の強さを手に入れられるのだ
 
 
見事、ブルース・ウェインは本当の強さを手に入れる。
死への恐怖を受け入れて、死への恐怖を乗り越えて。
バットマンとしての強さではない、人としての強さを手に入れるのだ。
かつてレイチェル・ドーズはブルースに対してこう言った...
あなたがバットマンを辞められる日が来るとは思えない
だが、ブルース・ウェインは見事に引退することを勇気を持って決意する。
バットマンとして人生をまっとうする道ではなく、ブルース・ウェインというひとりの人間として、人生をまっとうする道を選択するのだ。
核爆弾を積んだ飛行艇バットを操縦するバットマンが、ゴッサムシティから離れながら街を見つめる時の、あの穏やかな表情が切なくてたまらない。バットマンとして全てをやりきった満足感と同時に、愛する街ゴッサムに別れを告げる眼差しでもあったに違いない。
 
本名の方がお似合いですよ、ロビンさん 
ジョセフ・ゴードン=レヴィット演じる警官ジョン・ブレイクについて、いくつかのキーワード(孤児院出身、バットマンの正体を知っている)が判明した時、ハッと気がついた。
そう、彼こそがこの世界に於けるロビンなのだと。ジョン・ブレイク=ロビンは自らの意志でブルースのあとを引き継ぐことを決意する。意志は引き継がれる....荒木飛呂彦先生の描く漫画「ジョジョ」シリーズでも一貫して描かれているテーマだ。
バットマンが去り、新たなバットマンによってその意志が引き継がれる。
こうして、ヒーローは永遠に引き継がれていくのである。
皮肉にも、ラーズ・アル・グールが語った通り、バットマンは“伝説”となったのだ。
 
 
エンディング....
警察署の屋上で自ら破壊したはずのサーチライトが修理されてるのを見つけて、思わず顔がほころぶゴードン本部長の表情がいい。飛行艇バットの自動操縦プログラムが書き換えられていたことに気付いた時のルーシャス・フォックスの「してやられた!」な表情がいい。
なにより、新しい人生をスタートさせたブルース・ウェインを遠くからそっと見つめる執事アルフレッドの優しい眼差しがたまらない。
バットマンの後を引き継いだブレイクには、この先幾多の困難が待ち受けているかもしれない。だが、心配は無用だ。なぜなら、彼がブルース・ウェインの意志を引き継いだように、いつの日かゴードン本部長の意志を引き継ぐ者、ルーシャス・フォックスの意志を引き継ぐ者らが必ず現れるはずだからだ。
ブレイクの背中から、希望という名の光がまぶしく輝いて見えた。
ジョン・ブレイクもまた“RISE”して終わる結末が素晴らしい。
 
前作「ダークナイト」と比較してうんぬん....という話をよく耳にする。
今作のベインと前作のジョーカーを比較して語る人がいる。
だが、そんなことははっきり言って無意味だ。
描いているテーマが違うのだから、内容もキャラも違って当然だ。
確かにヒース・レジャーの演じたジョーカーは、最高だった。だが、トム・ハーディがヒースの芝居に負けていただろうか?。“目は口ほどに物を言う”の言葉通り、トム・ハーディは単なる邪悪な男ではない複雑な性格のベインを、目だけで見事に体現していた。クライマックスで流すベインの涙がその全てを象徴していた。ヒース同様、トム・ハーディの演技もまた賞賛されて然るべきだ。
ミシェル・ファイファー版キャットウーマンと必ず比較されるという大きなリスクを負ってまで今作への出演を決めたアン・ハサウェイの勇気も多いに評価したい。
見事、彼女は魅力的なセリーナ・カイルを演じてくれた。
確かに、核の描き方に関しては問題があるだろう。これまでのアメリカ映画がそうであったように、今作もまた核の描き方はいかにも表面的な描写だ。原子力発電所の危機的状況を目の当たりにしてしまった現在の日本人が、その点について鼻白む気持ちはなんとなく理解出来る。
だが、勘違いしないで欲しい、この作品は別に核の恐怖がメインテーマではない。
これは、ひとりの男が幾多の苦難を乗り越えて、やがて再生する物語。
その点に関してだけは、はっきりとこう断言出来る....
 
間違いなく“傑作”である!と。
 
 
映画評論家や他人がどう言おうと、関係ない。
クリストファー・ノーラン監督による、この壮大なバットマンシリーズは、
オイラにとって、マスターピースです!!(^口^)/。
 
 
 
     「... WHO ARE YOU?(... お前は、誰だ!? )」
     ダークナイトの伝説.jpg
「 I AM .... BATMAN!( 俺は .... 闇の騎士バットマンだ!)」
  

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オリンピックよりも、「ダークナイト・ライジング」! [映画鑑賞]

「ダークナイト・ライジング」、観てきました!。
見終わっての第一印象は、とにかく感無量!ってことでした。
始まって早々ゴードン本部長の複雑な心中に泣き、執事アルフレッドのブルースに対する想いに泣き、そしてどん底から這い上がるブルース・ウェインの姿に涙する....とにかく泣きっぱなしの165分間でした。この壮大な物語の結末を、クリストファー・ノーラン監督は巧くまとめたなと、今は満足感でいっぱいです。早速この感動を皆さんにもお伝えせねば!と思ったのですが、いかんせん今ちょっと感動しすぎてて、冷静に文章が書けそうにありません(^皿^)。もう少しして気持ちが落ち着いたら、改めて鑑賞記事を書きたいと思います。とりあえず、吹き替え版を観て、そして、もう一度オリジナル版を観に行く予定です。
 
さあ、オリンピックなんか見てる場合じゃないですよ。
(いや、オリンピックももちろん感動的ですが....)
今すぐ劇場に「ダークナイト・ライジング」を観に行きましょう!!。
 
      201207031046000.jpg
 伝説が、壮絶に、終わってしまいました....グスン(T皿T)
  

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違う意味でアメージング!〜「アメイジング・スパイダーマン」を鑑賞する [映画鑑賞]

今夏は、アメコミ映画が続々公開ってことで、非常に嬉しい限り(^皿^)♪。
もちろん、オイラ的大本命は「ダークナイト・ライジング」な訳ですが、
その前にまず、新生スパイダーマンの活躍を見ておかねば!という訳で、
話題作「アメイジング・スパイダーマン」を見てきました!。
 
「アメイジング・スパイダーマン」(原題:THE AMAZING SPIDER-MAN」
  2012年アメリカ映画 カラー 136分
  監督:マーク・ウェブ(「500日のサマー」)
  原案:スタン・リー
  音楽:ジェームズ・ホーナー
  出演:アンドリュー・ガーフィールド(ピーター・パーカー/スパイダーマン)
     エマ・ストーン(グエン・ステイシー/ピーターの同級生)
     リース・イーヴァンス(カーティス・コナーズ博士)
     デニス・リアリー(ジョージ・ステイシー警部/グエンの父親)
     キャンベル・スコット(リチャード・パーカー/ピーターの父親)
     イルファン・カーン(ラーサ博士/オズ・コープ社の重役)
     マーティン・シーン(ベン伯父さん)
     サリー・フィールド(メイ伯母さん)
     他
 
【あらすじ】
幼い頃、両親が謎の失踪をとげた過去を持つピーター・パーカー(アンドリュー・ガーフィールド)は現在高校生。優しい伯父夫婦のもとで成長したピーターだったが、その心にはいつも両親への強い思いがあった。ある日のこと、ピーターは地下室で父のものと思われるバッグを発見する。それは父リチャード(キャンベル・スコット)が失踪当日に所持していたものだった。バッグの中には謎の数式が書かれた書類と、父の同僚で優秀な片腕の科学者カート・コナーズ博士(リース・イーヴァンス)の写真があった。両親の失踪について博士が何かを知っているかもしれないと考えたピーターは、博士が勤めるオズ・コープ社を訪れる。博士の研究室ではクラスメイトのグエン・ステーシー(エマ・ストーン)がインターンとして働いていた。身分を偽りオズ・コープ社へと潜入したピーターだったが、とある一室で一匹のクモに噛まれてしまう。それはオズ・コープ社が社運をかけて開発していた特別な蜘蛛だった。
やがて、ピーターの身体にはある異変が起き始める....!
 
 
監督は「500日のサマー」が好評だった、マーク・ウェブ。
「キック・アス」のマシュー・ボーンといい、
最近はこのパターン(小作品をヒットさせる→大作の監督に抜擢!)が多いですね。
サム・ライミ監督の「スパイダーマン3」の公開が2007年だったから、わずか5年でのリブート(再起動)にライミのシリーズファンとしては「いくらなんでも早すぎだよ!」との思いが強かった訳ですが....。
今回「アメイジング〜」の製作決定を聞いた時、「はは〜ん、コレはバットマンと同じことをやろうとしてるな」と思ったのは、オイラだけではなかったはずです。かつてティム・バートン監督やジョエル・シューマッカー監督がバットマンの世界をコミック調で描いたのに対して、新たなシリーズを監督することになったクリストファー・ノーラン監督は、徹底したリアリズムを追求して作品を見事にリブート(再起動)させました。
どうやら、それと同じ手法を「スパイダーマン」でもやろうという訳です。
果たして、その試みは成功したでしょうか?。
 
結論からいうと、マーク・ウェブ監督の演出は、なかなか好印象でした。
全体的にとても丁寧に作品を語っていたように思います。例えば、ピーターがスパイダーマンになっていく過程を、今作ではかなり懇切丁寧に描いています。「別にそこまでしなくてもいいよ」と見ているこちらが思うくらいの親切な語り口。それでいてダレることのない演出は、さすがだなと感じました。中でもピーターがスケボーをやりながら、徐々にスパイダーマンとしての身体的能力を身に付けていくくだりは、なかなか素敵な映像となっていました。
 
「アメコミ映画完全ガイド」(洋泉社)内でも、杉山すぴ豊さんが仰っていましたが、今回のスパイダーマンはいわゆる“見得(みえ)”のポーズが抜群にかっこいいです。ウェブ・アクションで振り子の動作をする際、次のクモの糸を発射する時、一瞬スパイダーマンが空中で無重力になる場面があるのですが、その瞬間のポージングが実に美しい!。例えるなら、スノーボードのハーフパイプでボーダーが空中でアクションをキメる場面と似ています。なるほど、ピーターはスケボーをやりながらスパイダーマンアクションを身に付けていく訳で、すごく道理に叶っていたなと。
 
さて、今回ピーターの前に立ちはだかる怪人は、トカゲ人間リザードです。
リザードへと変身するカート・コナーズは、サム・ライミ監督の前シリーズにもちらりと登場していただけに、満を持しての登場となります。そのカート・コナーズ博士ですが、このテの映画にありがちなマッド・サイエンティストではなく、高い倫理観を持った科学者として描かれていたのも好印象でした(それだけに、後半突然NY市民をトカゲに変えてやる!みたいな展開になったのが残念でした)。当初公開されたリザードの画像を見た時は、その微妙なデザインに一抹の不安を感じた訳ですが、実際に動いている映像は思ったより悪くありませんでした。
(リザードに関しては、改めて別記事を立てる予定!)
 
ピーターとグエンの恋愛模様は正直コテコテのメロドラマで、見ているこちら側が赤面してしまうほどのこっ恥ずかしい展開でしたが、青春ものとしては決して間違ってはいなかったと思います。エマ・ストーン演じるグエンはぶっちゃけインテリジェンスを感じさせるキャラクターとは言えませんでしたが、ミニスカート&ニーソックスは、なかなかに魅力的でした(アレは絶対確信犯!)。
 
と言う訳で、ドラマ的にも映像的にも、
なかなか見応えがあった今回の「アメイジング・スパイダーマン」。
本来ならば、当然作品自体を気に入って然るべきところですが....
実はそう簡単にはいきません。
唐突ですが、オイラはここではっきりと断言させていただきます。
 
今作「アメイジング・スパイダーマン」は、最低の作品でした!
 
意外に思われるかもしれませんが、実際にそうなのです。
マーク・ウェブ監督の演出はそれなりに素晴らしかったですし、キャスト陣もなかなかに魅力的でした。それなのに、なぜこの作品が最低なのでしょう?。
その大きな理由が、今作でのピーター・パーカーの描き方にあります。
では、その点をじっくり検証していきましょう。
 
【ビジュアルについて】
今作のピーター・パーカーは、長身のイケメンです。勉強もそれなりに出来ますし、スケボーを乗り回す点から見ても、決して運動神経が悪い訳ではありません。悪友フラッシュにちょっかいを出されたりしますが、かといっていじめられっ子という訳でもありません(その証拠にピーターはフラッシュに対して、いじめはやめろみたいな発言を面と向かって言える強さがある。そもそも180センチもある長身のピーターは、見た目からしていじめられっ子には見えない)。おしゃれなケータイを持ってる点やスパイダーマンの衣装を簡単に手に入れられる点から見ても、お金に困ってる風でもありません。
という訳で、今作のピーター・パーカーは、いわゆる原作のイメージとはかなりかけはなれた人物像となっていました。元々スパイダーマンが“親愛なる隣人”なのは、どこにでもいるさえない普通の男子が特殊能力を持ってヒーローになるという部分に、多くのファン(それもまた普通の人たち)が共感を覚えたのです。しかし、イケメン(美男子)という世の中にはごく限られた人間が特殊能力を得てスーパーヒーローへとなることに、果たして同性が共感を覚えるでしょうか?。
この作品は男性よりも女性の観客を意識して作られていることは、まず間違いないでしょう。
 
【人間性について】
今回のピーター・パーカーは、驚くべきことに映画が始まって早々グエンと恋仲になります。サム・ライミ版ピーターのように女性に奥手という訳ではありません。でも、今作のピーターは先述したようにイケメンなのだからこれも仕方ありません。それだけだったらまだ許せたのです。ところが、なんとこ今作のピーター・パーカー、自分がスパイダーマンであることを、あっさりとグエンに告白してしまうのです!。下世話な言い方をするならば、自分がスパイダーマンであることを、自分の恋愛にちゃっかり利用しちゃうのです。確かに現代っ子的と言えば、そうなのかもしれません。しかしながら、やはりその恋愛行動を優先させるピーターの姿には、共感が覚えにくいものがありました。
 
【ヒーローとしての責任放棄!】
映画のクライマックス、カート・コナーズ博士の変身した姿、リザードと、オズ・コープ社の頂上で死闘を繰り広げたスパイダーマン。なんとか勝利をものにしたスパイダーマンでしたが、大きな代償を支払うことになります。スパイダーマンを手助けしていたグエンの父ジョージが、リザードの手にかかり絶命してしまうのです。この戦いの直前、スパイダーマンの正体がピーター・パーカーだと知ったジョージは、薄れゆく意識の中でピーターにこう語りかけます....
「私は君のことを誤解していたようだ。この街に君は必要な男だ。だが、約束してくれ....娘のグエンだけは危険に巻き込まないようにと....」
涙ながらにその誓いを約束するピーターの腕の中で、ジョージは息をひきとります。
 
後日、ピーターの自宅を訪ねたグエンは、ピーターにこう語りかけます....
「なぜ、あなたは父親の葬儀に来てくれなかったの?」
そのグエンの問いかけに、ピーターはうまく返答することが出来ません。なぜならグエンの父ジョージと交わした誓いがあったからです。グエンのことを愛するあまり、ピーターは逆にグエンとの接触を避けていたのです。そんなピーターの気持ちを察したのか、グエンもまたピーターと距離を保つようになっていきます。
 
さらに後日.....学校でのこと。
相変わらず、ピーターとグエンとの間には、微妙な距離感があります。
授業が始まり、グエンの後ろに着席したピーター。
そして、独り言のようにこうつぶやくのです....
守れない約束もあるよね
その台詞を耳にして、思わず笑みがこぼれるグエン。
....THE END(終わり)
 
 
終わりじゃねーよッ!!(怒)
 
な....なんと、このピーター・パーカー、グエンの父ジョージとの間に交わした遺言とも言うべき誓いを、あっさりと破ってしまう暴挙に出るのです。ヒーローとしての責任感より、個人的な恋愛事情を優先させてしまう人間性。果たして、彼はヒーローに適した人間だと言えるでしょうか?。
 
さて、ここで今作のピーター・パーカー像について整理しましょう。
 1、長身のイケメンで、
 2、勉強が出来て、
 3、スケボーなんておしゃれなものを嗜んで、
 4、小銭もそれなりに持っていて、
 5、学園一の秀才である美しい女性と仲良くなって、
 6、その彼女に自分がスパイダーマンであることをあっさり白状して、
 7、それを個人的な恋愛に利用して、
 8、それでいてベン伯父さんを殺した犯人はほったらかしで、
 9、コナーズ博士が変身してしまうきっかけを与えた張本人であり、
 10、そして、グエンの父と交わした死の誓いをいとも簡単に破る男
 
とまあ、ざっとこんな感じになる訳ですが、
ぶっちゃけ、1〜8までは別にどうでもいいのです。問題なのは、9、10、です。
ここで注目すべき点は、コナーズ博士が化け物になってしまうきっかけを与えたのが、ピーター自身であるということです。ピーターが父の残した数式をコナーズ博士に教えなければ研究が進むこともなかったし、自身で人体実験をすることもなかったでしょう。怪人リザードとなったコナーズ博士の手によって殺されたグエンの父ジョージは、言うなれば間接的にピーターに殺されたといっても過言ではありません。つまりジョージの死に対する責任が、ピーターにはあるのです。だからこそ、ジョージとピーターとの間に交わされた約束はとても大きいものであるはずですし、ピーターは命がけでその約束を守る責任があるのです。
「スパイダーマン」の物語の中で一貫して伝えられてきたこと...
 
【大いなる力には、大いなる責任が伴う】
 
グエンの父ジョージとの間に交わされる約束は、正にピーターがヒーローとしての大きな責任を背負う場面であり、作品の中で一番琴線に触れる場面でもあります。にも関わらず、エンディングでこの約束をあっさり破ってしまうピーター。ヒーローとしての責任を放棄する暴挙とも言えるこのひと言を、なぜマーク・ウェブ監督は挿入したのでしょう?。オイラにはその意図がさっぱり理解出来ません。よくハリウッド映画界では、映画公開前に試写を行い、その反応によって結末を変更したりする場合があると耳にしたことがあります。ひょっとするとあのエンディングも、そうした経緯で作られたものなのではないか?、そんな風に勘ぐりたくなるほど、マーク・ウェブ監督らしくない、お粗末な演出だったように思います。とにかくオイラはそれまでそれなりに感動しながら作品を鑑賞していましたが、あのひと言によって、それまでの感動が一瞬にして吹き飛んでしまいました。


AMAZINGの意味を辞書で調べたら【驚くほどの〜、あきれるほどの〜、】とありました。
なるほど、確かに今作「アメイジング・スパイダーマン」は、あきれるほどの失望に陥った、まさかの作品となりました。「アメイジング〜」は、シリーズ化されるとのことですが、オイラ的にはかなり続編を観るテンションが下がりまくった結末でした。
ただ、そうは言ってもやはり気になるグリーン・ゴブリンの存在。
ヴィラン好きとしては、今後の動向に一応は注目はしておこうと感じた「アメイジング・スパイダーマン」でありました。
 
 

     スパイダーマン、登る!.jpg 
今作のスパイダーマンは、ビジュアルがとにかくかっこいいッ!。
CG技術の発達はもちろんだけれど、それよりもポージングなどの画作りのセンスが秀逸。ジェームズ・ホーナー師匠の音楽も素晴らしかった。それだけに、やはり最後のひと言は、余計だったなあ。あのひと言を許容出来るかどうか?で、作品に対する評価も変わってくると思います。
オイラは、残念ながら「ダメ!」でした(^〜^;)。

Amazing Spider-Man

Amazing Spider-Man

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony Classics
  • 発売日: 2012/07/03
  • メディア: CD

御大ジェームズ・ホーナー師匠が、ベテランらしい仕事を見せつける今作のスコア。
実に素晴らしい音楽の数々、さすがです♪。
もちろん、ジェームズ・ホーナーコレクション入り決定!(^皿^)
  

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人生という名の旅を続けよう〜「ファミリー・ツリー」を鑑賞する [映画鑑賞]

「ジョージ・クルーニーって、本当にいい役者になったなあ」
     
     クルーニー.jpg
     似てなくてごめんよ、クルーニー。オイラの画力じゃコレが限界ッ![あせあせ(飛び散る汗)]
 
 
「ファミリー・ツリー」【原題:The Descendants(子孫、末裔の意)】
  監督:アレクサンダー・ペイン
  原作:カウイ・ハート・ヘミングス
  出演:ジョージ・クルーニー
     シャイリーン・ウッドリー
     アマラ・ミラー
     ニック・クラウス
     ボー・ブリッジス
     ロバート・フォスター
     ジュディ・グリア
     マシュー・リラード
     他
  
  

「サイドウェイ」(04)のアレクサンダー・ペイン監督、実に7年ぶりとなる新作は、ハワイを舞台にしたとある家族の物語。弁護士であるマット・キング(ジョージ・クルーニー)は、先祖代々伝わる広大な土地の売買に頭を悩ませていた。土地を売買すれば自分をはじめ親族に莫大な資産が手に入るが、その一方で手つかずの大自然は失われてしまう....そんなジレンマを抱えるマットだったが、そこへ更なる問題がふりかかる。愛する妻が不慮の事故で昏睡状態へと陥ってしまったのだ。これまで仕事にかまけて家庭を顧みなかったマットは、妻の看病をしながらこれまでの自分の行動を反省し、より妻への愛情を深くするのだった。だが、マットは長女から驚くべき話を聞かされる。それは妻が浮気をし、尚かつ離婚を考えていたという事実だった。想像もしていなかった長女の告白に狼狽えるマットだったが、浮気相手が誰なのか?が気になって仕方がない。
こうしてマットは長女とともに浮気相手を探し出す旅に出る....
 

これまで数々の映画でかっこいい男を演じてきたジョージ・クルーニーが、
はじめて等身大の男を演じていることが話題の今作。
確かに、この作品での彼はダサい。信じていた妻には浮気をされ、娘たちには振り回されっぱなしで、義父からは事故のことを責められる始末。かろうじてお腹は出ていないものの、白髪の交じった眉毛や、アロハシャツをきっちりズボンに入れるスタイルなどは、正に中年オヤジそのもの。娘から妻の浮気を知らされた時、それを確かめるべく一目散へと友人のもとへ駆け寄る時のマヌケな走りっぷりといったらない。浮気相手を見つけた時も声をかける勇気もなく、ただあとを尾行する小心者ぶり。
これまで見た事のないジョージ・クルーニーの姿が、そこにはありました。
 
それでもやっぱり、ジョージ・クルーニーはかっこ良かった!。
友人夫妻から妻の浮気が事実だったことを知らされたマットが、ひとり橋の上で涙する時の背中からにじみ出る哀愁がたまらなく切ない。男たるもの、人前で泣いたりはしないのだ。或いは義父から「妻の事故の原因はお前にある」となじられた時も、反論したい気持ちをぐっと我慢して耐える姿が愛おしい。男たるもの、言い訳なんてしないのだ。そして極めつけは、クライマックスの妻との別れのキス。これは映画史に残る美しいキスシーンだと言いきってしまおう。ジョージ・クルーニーの眼から流れ落ちるひと筋の涙....これまでの妻に対する愛憎入り乱れる複雑な感情が、すぅーっと浄化されたような、そんな美しい場面でした。久しぶりに魂が揺さぶられる思いにかられました。
 
ジョージ・クルーニーの名演が光る一方、同じく素晴らしい演技を披露していたのが、長女アレクサンドラ役のシャイリーン・ウッドリー。見た目も美形(ビキニ、バンザイ!)だけど、思春期特有の不安定な姿を、とてもフレッシュに演じていました。最初は反抗的だった彼女が、徐々に父親に対して心を開いていく姿も素敵でした。
 
次女スコッティを演じたアマラ・ミラーも、すごく良かった。イメージとしてはディズニーの「リロ&スティッチ」のリロそのまんまだったけど、等身大の無邪気な感じが可愛らしくてたまらなかった。
 
母親役のパトリシア・ヘイスティに関してもひと言だけ。
出演場面はほぼ寝たきりのシーンなので、演技うんぬんはさておき、そのリアルな描写ぶりが印象的でした。例えば、映画の前半と後半では明らかにやつれかたが違っていて、それが病人としてとてもリアルでした。或いは、口端の汚れだったり、人工呼吸器をつけるため喉にあけた穴にかぶせたガーゼが汚れている感じとか、そういった細かな描写がとてもリアルで、それが看病の大変さを間接的に伝える見事なスパイスとなっていました。
   
そして、忘れちゃいけない長女のボーイフレンド・シド役のニック・クラウス!。
最初はオツムの弱い今風の青年という姿で笑わせてくれますが、単にそれだけの描写で終わらせないところがアレクサンダー・ペイン監督の素敵なところ。深夜マットと語り合う姿は、男同士の会話で素敵だし、クライマックスで病室を浮気相手の妻が訪れた際、さりげなく次女スコッティを外へと連れ出し、大人同士を二人っきりにする配慮をみせる憎らしさ。気がつけば、自身の中でとっても魅力的なキャラクターへと変貌しておりました。
 
 
アレクサンダー・ペイン監督が一貫して描いているのが、人間の持つ多面性。
今作の登場人物を見ていると、どんな人間にもいろんな面があって、決して単純ではないということを改めて考えさせられます。親と子、男と女、友人関係など、人と人がつき合うということは、ややこしいし、面倒臭い面も大いにあるけど、同時に素晴らしいものもたくさん得られる....そんなメッセージが伝わってきました。
 
 
エンディングが、これまた印象的で素敵でした。
母親が入院中に使用していたブランケット(ハワイアンキルト)に身を包み、テレビを見ている父娘3人。アイスクリームを分け合いながら食べる親子の姿が微笑ましい。だけど、3人の表情に笑みはない。見ている番組は、ドキュメンタリー映画「皇帝ペンギン」だそうだ。真剣な表情でテレビの画面を見つめる姿に、映画のナレーションがカブります。それがこれからの人生も決して楽にはいかないであろう事を暗示しているようで、とても深い余韻の残るエンディングでした。
 
 
どんな人間だって、人生という旅は大変な道のりだ。
ひょっとすると、嬉しいこと、楽しいことより、辛いこと、苦しいことの方が多いのかもしれません。それでも歩まずにはいられないのが、これまた人生なのですな。
たかが人生、されど人生。
折り返し地点はとっくに過ぎたけど、まだまだ人生という名の旅は続きます(^皿^)。
   

Descendants

Descendants

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Masterworks
  • 発売日: 2011/11/15
  • メディア: CD

全編に流れるハワイアンが、実に心地いい。
日曜日とかに、聞きたくなる1枚。

サイドウェイ [Blu-ray]

サイドウェイ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: Blu-ray

久しぶりに、見たくなった♪(^皿^)
  

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「タイタンの逆襲」を鑑賞する [映画鑑賞]

2010年に公開されたファンタジー映画「タイタンの戦い」(監督:ルイ・ルテリエ)。
その続編である「タイタンの逆襲」(監督:ジョナサン・リーベスマン)を見てきました。前作はリメイク作品だったけど、今作は完全オリジナル作品です。ファンタジークリーチャー好きとしては「ドラマは二の次!、とにかくかっこいい怪物が見たい!」との思いで劇場へと向かったのでありますが.....

 
「タイタンの逆襲」(原題:WRATH OF THE TITANS)99分
 監督:ジョナサン・リーベスマン
 音楽:ハビエル・ナバレテ
 出演:サム・ワーシントン  ....ペルセウス
    レイフ・ファインズ  ....冥界の王ハデス
    リーアム・ニーソン  ....全能の神ゼウス
    ロザムンド・パイク  ....アンドロメダ姫
    ビル・ナイ      ....火と鍛冶の神ヘパイストス
    エドガー・ラミレス  ....軍神アレス
    トビー・ケベル    ....ポセイドンの息子アゲノール
    ダニー・ヒューストン ....海神ポセイドン
    他
 
【あらすじ】
全能の神ゼウスと人間との間に生まれたペルセウスが海獣クラーケンを倒してから、早10年あまりが過ぎようとしていた。父ゼウスの誘いを断り、人間界で暮らすことを選択したペルセウスは、亡き妻イオの残したひとり息子ヘレイオスとともに、漁村でひっそりと暮らしていた。そんなある日の事、ペルセウスの前に父ゼウスが再び現れる。ゼウスの父でもある巨神クロノスが幽閉されているタルタロスの牢獄が崩壊しつつあるというのだ。もしクロノスが地上に復活すれば、人間どころか神でさえも無事ではいられない。ゼウスは牢獄修復のためペルセウスに助力を求めるが、未だ父ゼウスに対して複雑な感情を抱くペルセウスは、この申し出を断ってしまう。だがその結果、地上にも徐々にその影響が出始める。ペルセウスの住む漁村に突如双頭の怪物キメラが現れたのだ。一度は戦うことを封印したペルセウスだったが、愛する息子を守るため、かつて父ゼウスから贈られた剣を再び手にして戦うことを決意する....!
 
 
面白いッ!、面白いじゃないかッ!!(^皿^)/
前作「タイタンの戦い」より、確実に面白い作品へと仕上がっておりました。
正直「怪物さえ見られればそれで良し!」と、ドラマの部分にはほとんど期待していなかった訳ですが、いやはやジョナサン・リーベスマン監督、なかなかの演出を見せてくれました。
「インクレディブル・ハルク」のルイ・ルテリエ監督が手がけた前作「タイタンの戦い」は、リーアム・ニーソン演じるゼウスの金ピカ鎧や、ブラをつけたおしゃれなメデューサなど、神話の世界を描きながらも、全体的にどこか浮ついた感が否めなかった訳ですが、今作「タイタンの逆襲」はガラリと趣きを変えています。
それは、オープニングから顕著に表れています。
冒頭、ペルセウスはさびれた漁村でひっそりと暮らしています。愛するひとり息子とともに穏やかな生活をおくるペルセウスの様子が静かに描かれていきます。BGMとかが一切かからないこの静かな映像が、ドラマとして地に足の着いた空気を漂わせ、非常に雰囲気の良い始まりとなっています。
 
やがて、ゼウスの息子である軍神アレスの裏切りにより、ゼウスは囚われの身となってしまいます。ゼウスの息子であるアレスは、自分よりもペルセウスに対して愛情をそそぐゼウスのことが許せず、同じくゼウスのことを恨んでいるハデスと手を組み、クロノス側へと寝返ってしまいます。囚われの身となったゼウスの力は巨神クロノスへと注ぎ込まれ、封印されていたクロノスは徐々に力を取り戻し始めます。ゼウス弱体化の影響は、やがて人間界にも魔物の出現という形で現れます。ペルセウスの住む漁村に突如飛来した火の玉。そこから双頭の怪物キメラが現れ、村で暴れ始めるのです。
穏やかなオープニングから一転、ここから迫力ある映像を次々と見せてくれるジョナサン・リーベスマン監督。演出として実に巧いなと感じた点は、これみよがしにCG製の怪物を見せない演出でした。例えば、漁村を襲うキメラは通りを縦横無尽に駆け抜けながら破壊の限りを尽くしますが、その全体像がなかなか画面には映りません。鍛冶の神ヘパイストスが住むケール島に登場する巨人サイクロプスも、登場時は木々の間からの木漏れ日にシルエットが見えるのみで、その全貌がなかなか見えません。こうした演出が怪物に対する恐怖感をあおる良い演出となっていました(怪物に関しては、改めて別記事を立てる予定です!)。
 
それにしても、前作では青二才感たっぷりだったサム・ワーシントンでしたが、今作ではなかなかのタフガイぶりを見せてくれます。ボウズ頭からクリクリヘアーにチェンジした外見もなかなか様になっており、終始ドロだらけで砂埃にまみれた姿が、なかなかにワイルドでかっこ良かったです。「サム・ワーシントンって、こんなに魅力的だったっけ?」と、その意外な成長ぶりに嬉しさを禁じ得ませんでした。体を張ったアクションも素晴らしかったですが、一方ドラマの部分でもなかなか素晴らしい演技を見せてくれたサム・ワーシントン。父親ゼウスに対する複雑な愛情であったり、息子ヘレイオスに対する父親としての愛情であったりと、なかなかの熱演を見せてくれました。サム・ワーシントンの評価がオイラの中でちょっとあがった今作でした。
 
ドラマと言えば、リーアム・ニーソンとレイフ・ファインズの二人を忘れてはいけません。ご存知「シンドラーのリスト」コンビでありますが、前作は二人の名優としての良さが出ていたとはおせじにも言えない内容でした。でも、今作では二人の兄弟の確執や愛憎劇がなかなかドラマチックに描かれており、ドラマとして重厚感を与えていました。特にレイフ・ファインズの演技は素晴らしいのひと言。弟ゼウスに冥界へと追放されて恨みを募らせる一方で、兄として弟をおもう心も完全には失ってはおらず、そうした複雑な心情を見事に演じきっていました。ゼウスもハデスも神様なのに心は妙に人間臭くて、そこが見ていて面白かったです(^皿^)。
 
オイラは基本的に3D映画には反対のスタンスなんですが、この作品のクライマックス、巨神クロノスが登場してからの一大スペクタル映像は、そんなアンチなオイラでも3D映像で見てみたいと思わせる映像でした。巨大なクロノスが振り回す腕から放たれる無数の溶岩。ペガサスに騎乗したペルセウスがそれをかき分けながらクロノスへと近づいていく場面は、2D映像で見ていてもなかなかの迫力でした。3D映像もシーンを選んで視聴出来たらいいのになあ。
 
全体的になかなか面白かった「タイタンの逆襲」でしたが、もちろん不満に感じる部分もありました。例えば、ゼウスとハデスの確執が描かれる一方で、もうひとりの兄弟である海神ポセイドンがやや“蚊帳の外”的存在であったこと。ゼウスとハデスは最終的に協力して巨神クロノスを倒そうとするのですが、出来ればそこにポセイドンもいて欲しかった。ゼウスが雷を、ポセイドンが水を、ハデスが風を、というふうに各自が得意の分野を用いて、それを合体させた複合技で巨神クロノスに立ち向かうといったスペクタルな映像を見たかったです。それとミノタウルス....これに関しては別記事を立てる予定ですが、ちょっとオイラが期待していたものとは違っていて残念でした。海神ポセイドンの息子で、ペルセウスと同じく半神半人であるアゲノール。「プリンス・オブ・ペルシャ」での好演も記憶に新しいトビー・ケベルですが、今作でもなかなかチャーミングなキャラクターを演じています。それだけに同じ半神半人であるペルセウスとの間に芽生える友情をもうちょっと丁寧に描いてくれたなら....と思わずにはいられませんでした。
 
 
前作「タイタンの戦い」よりも数倍面白くなっている「タイタンの逆襲」。
無論つっこみたくなるような部分もたくさんあります(アンドロメダ王女のキャラクターが180度変わってるとか、ペルセウスとアレスの戦いはプロレスそのものだとか)が、それでもそれらは許容範囲。全体的には大いに満足いく作品となっていました。
ゼウスとペルセウスの父子関係、ペルセウスの息子に対する惜しみない愛情、ハデスのゼウスに対する複雑な思い、そして軍神アレスのペルセウスに対する嫉妬など、複雑な人間模様(神様だけど)を描きつつ、迫力のある映像がテンコ盛りの今作。特にクライマックスの巨神クロノス登場場面は見応えがあり、これは映画館じゃないと体験出来ない迫力ですね。
ゴールデン・ウィークは、是非劇場で「タイタンの逆襲」を鑑賞して下さい。
お薦めの作品です!(^皿^)/。
 
 
 
     成長したな、サム・ワーシントン
     ペルセウス.jpg 
 
     汗と泥と埃にまみれての熱演がかっこいいサム・ワーシントン。
     登場人物たちの衣装の素晴らしさも、要必見です!。
 

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ここはバスルーム!?、いえバルスームです!〜「ジョン・カーター」を鑑賞する [映画鑑賞]

SFファンタジーの古典である「火星のプリンセス」(エドガー・ライス・バローズ著)が、ディズニー生誕110周年記念作品として、実写映画化されました。監督はピクサーの「ファインディング・ニモ」で知られるアンドリュー・スタントン。今回が実写映画初挑戦とのことです。SFファンタジー好きとしては、予告編の段階でかなりワクワクしながら公開を待っていた訳ですが、そんな気持ちに水をさすかのように聞こえてきた「歴史に残る興行収入大赤字!」のニュース。
....なんだかとっても嫌な予感がしますケド(^皿^;)
 
「ジョン・カーター」(原題:John Carter)133分
 監督:アンドリュー・スタントン
 原作:エドガー・ライス・バロウ「火星のプリンセス」
 音楽:マイケル・ジアッキーノ
 出演:テイラー・キッチュ   ....ジョン・カーター(元軍人で冒険家&資産家)
    リン・コリンズ     ....デジャー・ソリス(ヘリウム国のお姫様)
    キーラン・ハインズ   ....タルドス・モルス(ヘリウム国王)
    ジェームズ・ピュアホイ ....カントス・カン(プリンセスに仕える提督)
    
    ウィレム・デフォー   ....タルス・タルカス(緑色人 サーク族の長)
    トーマス・H・チャーチ ....タル・ハジュス(緑色人 サーク族の暴君)
    サマンサ・モートン   ....ソラ(サーク族の若き女 カーターの世話をする)
    
    ドミニク・ウェスト   ....サブ・サン(ヘリウム国と対立するゾダンガ国の王)
    
    マーク・ストロング   ....マタイ・シャン(サーン族 不思議な力を操る)
    他
 
【あらすじ】
1881年、若きE・R・バローズ青年は、一通の電報を受け取った。それは親しくしていた伯父ジョン・カーター氏からのものだった。伯父は南北戦争に参加した後、探検家として世界各地を巡り、莫大な財を築いていた。早速伯父の自宅を尋ねるバローズ青年だったが、すでに伯父は他界したあとであった。バローズ青年は伯父の弁護士から莫大な遺産を贈与する旨の遺言書と一冊の日記を受け取った。「なぜ僕が....!?」戸惑いながらも、とりあえず日記に目を通すことにしたバローズ青年。そこには彼の想像を絶する驚くべき内容が記されていた。
ジョン・カーター氏が記したもの....それは彼の火星における冒険譚であった!
 
 
 ....うーむ、微妙でした(^皿^;)
今回鑑賞前から「歴史に残る大赤字!」といった作品に対する悪評を聞いていたので、「それなら出来るだけ良い所を見つけてやろう!」という意気込みで鑑賞していた訳ですが、そうした思いでいればいるほど目についたのは悪いところばかり。オイラのようなSFファンタジー好きの人間から見ても微妙に感じるのだから、普通の方なら尚更だったと思います。なぜ、こんなにもつまらない作品になってしまったのでしょう?。
検証も兼ねての感想です(さあ、今回の記事も長いよ、準備はいいかい?)。
 
 
【1、アンドリュー・スタントン監督のお粗末な演出力】
映画の冒頭、南北戦争の英雄だったジョン・カーターは、愛する妻子を失い、そのショックから軍人を引退して金塊探しに明け暮れています。そこに現れた現役軍人に軍隊復帰を強要される場面でのこと。会話の途中で何度も脱走しようとするジョン・カーターの様子にまず興醒め。「....何これ!?、ドリフのコント!?」あまりにも間抜けな演出に冒頭から呆れる展開に。嫌な予感がしたのも束の間、似たような演出が続きます。ジョン・カーターが火星に到着し、そこでの重力に戸惑う場面。何度も何度も転倒するジョン・カーターの様子に失笑。おまけにBGMに変なバレエみたいな音楽がかかり、間抜けさ倍増。火星の重力は地球とは違うということよりも、ジョン・カーターが間抜けなバカにしか見えない演出にまたまた興醒めした訳です。
例えば、氷の上を歩こうとして滑って転んだら、次からは慎重に歩こうとするじゃないですか?。それが普通だし、知恵がある人間なら絶対そうするはずですよね。にも関わらず、ジョン・カーターは何度も何度も転倒するんだよね。だからバカにしか見えない。このシーンは火星の重力が地球とは違うということを表現しつつ、同時にジョン・カーターがこの星で凄い能力を身につけたことを見せるとても重要な場面。もしオイラが監督なら、2、3度転倒させたあとでジョン・カーターに垂直飛びをさせます。そうすることでジョン・カーターがこの星でもの凄い跳躍力を身に付けたことを見せられるし、垂直飛びをしながら火星の環境になれていく過程も見せることが出来ます。それを通りかかったサーク族に目撃されて....という展開が普通だと思うんですけど。
あと、クライマックスでの大白猿との戦いシーンでもお粗末な演出が見られます。通常こういった場面ではタメの演出がとても重要。闘技場に放り込まれたジョン・カーターと傷ついたタルス・タルカスの二人。今二人は正に処刑されようとしています。ゲージが開けられ、そこから何やら恐ろしげな生物のシルエットが。出るぞ、出るぞ....と焦らしてバーン!と白大猿が登場....というのが演出としての定石。ところがアンドリュー・スタントン監督はあっさりと大白猿(ホワイト・エイプ)を登場させるという暴挙にうってでます。観客にハラハラドキドキを感じさせるタメ演出がないから、結果的に大白猿(ホワイト・エイプ)の恐怖感も半減。せっかく大白猿のCG映像はよく出来てたし、クライマックスの見せ場のひとつだったのに、とても残念なシーンとなっていました。
これらのお粗末演出はほんの一部であり、とにかく全編にわたりアンドリュー・スタントン監督のお粗末演出が目立った今作でした。
 
【2、火星バルスームの世界観について】
SFやファンタジョー映画の醍醐味は、なんといっても空想上の世界を目に出来ることにあります。今作でも火星バルスームの世界が魅力的に描かれています。ロケーションとデジタルCGをうまく組み合わせた火星の大地は赤々と広大でとても壮観だし、手が4本ある緑色人や火星に生息する生物など、CG映像もなかなかよく出来ていました。その一方で、地球人と外見がそっくりな赤色人の描き方には不満が残るものがありました。
例えば、対立するヘリウム国とゾダンガ国の人間の描き方。はっきり言って見た目どっちがどっちだかよくわかりません。要するにどっちも衣装が似ていて区別しにくいのです。無論アンドリュー・スタントン監督もそう感じたのか、見た目にわかりやすいようにと“ヘリウム=青、ゾダンガ=赤”と色分けしていました。ただそれはそれであまりにも記号的であり、お粗末感たっぷり。平和を愛する国ヘリウムと軍事国家であるゾダンガ、文化が違えば衣装も違ってくる訳で、そういったものを的確に衣装に反映して欲しかったです。
更に奇異に感じたのは、ヘリウム国やゾダンガ国といったいわゆる赤色人のビジュアルがあまりにも地球人と変わらなかったことです。確かに原作でも赤色人は地球人にそっくりということになっていますが、もう少し異星人の感じを出しても良かったように思います。というのも、本来火星にやってきたジョン・カーターの方が異形でよそものあるはずなのに、赤色人が地球人にそっくりなためにその印象がとても薄くなっていたからです。バルスームには手が4本で緑の肌をしたいかにも宇宙人といった外見の緑色人が出てきますが、赤色人も容姿は人間そっくりでも構わないから、せめて肌色などは明らかに地球人とは違う赤い肌をしていても良かったように感じました。
それとこれも文化の話になってしまいますが、砂漠の民で文化レベルが低いサーク族が銃を持っているのに対し、文明や科学が進んだヘリウム国やゾダンガ国の人間が剣で戦っているという矛盾。このあたりの世界観にも違和感を感じました。まあ、そういう世界なのです!....と言われれば、返す言葉もないんですけど。
 
【3、ミスキャスト勢揃い!】
普通どんな作品でもミスキャストだと感じられる俳優はひとりかふたりですけど、今作「ジョン・カーター」では、見事なまでにミスキャストが揃っています。
【ジョン・カーター】
演じるテイラー・キッチュはそれなりにかっこいいけど、総じて可もなく不可もなくといったところ。良く言えば普通だし、悪く言えば主役としての華がない印象。
【デジャー・ソリス】
はい、まずひとり目のミスキャスト、リン・コリンズ。原作では絶世の美女とされているヘリウム王国のお姫様デジャー・ソリス。そんなキャラクターをリン・コリンズが演じてるってだけでかなり無理がありますが、それよりも問題なのは映画版デジャー・ソリスがお姫様というよりアマゾネス(女戦士)の側面が強調されていたことです。これはディズニーがアニメとかでもよくやるパターンで、古典的な女性像を現代的にアレンジするという手法。恐らく【女性=男に守られるか弱い存在】といった原作の古典的思想みたいなものを打ち消したかったと推察されますが、これがものの見事に失敗しています。デジャー・ソリスがアマゾネス化したことで、お姫様(プリンセス)が持つ知性だとか気品といったものがほとんど感じられないキャラクターになっていました。そんな見た目も振る舞いもアマゾネスなリン・コリンズが、一転「政略結婚なんて嫌よ!」みたいな乙女な一面を見せたりするもんだから、余計にアンバランスなキャラクターになっていました(原作では民を守るために自ら政略結婚に踏み切るというのに!)。本来ならばお姫様の持つ高潔な精神とかそういった内面での強さを見せるべきキャラクターなのに、アンドリュー・スタントン監督は、剣を持って戦うという外見的に強い女性として描いてしまったのです。強さの意味をはき違えたスタントン監督....バカです!。
【カントス・カン】
ヘリウム王国の提督にして、デジャー・ソリスに仕える忠実な僕(しもべ)。演じるは、ジェームズ・ピュアホイ。だけど、どう見ても彼の顔はユダ(裏切り者)系の顔なんだよね。これはもう演技力がどうこうという話じゃなく、持って生まれたものだからどうしようもない。何よりその顔のおかげで優れた軍人に見えなかったのが致命傷でした。
【タルドス・モルス】
ヘリウム王国の皇帝にして、デジャー・ソリスの父親。演じるは、キーラン・ハインズ。王様としての威厳とか重厚感まるで無し。見た目単なるおっちゃんでしかない。王様なら髭は必須でしょ!。
【サブ・サン】
ヘリウム王国を支配せんと企むゾダンガ王国の若き皇帝。演じるは、ドミニク・ウエスト。なんかもうオイラには彼がジャン=クロード・バンダムにしか見えなくて、全編にわたってB級感たっぷりでした。悪役としてもものすごく中途半端なキャラクターでした。
【マタイ・シャン】
サーン族のひとり。演じるは、「シャーロック・ホームズ」での悪役も記憶に新しいマーク・ストロング。コイツに関しては後述。
 
....といった具合に、今作はミスキャストのオンパレードでした(もちろん、あくまでもオイラの独断と偏見でありますが)。例えば、緑色人で心優しきソラの声を演じているのが、「マイノリティ・リポート」のサマンサ・モートンなのですが、むしろ彼女の方がデジャー・ソリス役にぴったりなのでは!?と感じました。確かに彼女のルックスも絶世の美女か?と言われれば疑問ですけど、それでもお姫様の気品とか知性といったものはサマンサ・モートンの方がしっくりきたような気がします。何よりウィレム・デフォーが声のみの出演ってのが実にもったいない!。
 
【4、意味不明なサーン族】
この作品をつまらないものにしている最大の理由は、このサーン族にあります。
一応プログラムに紹介されていたキャラクター説明をここに書きますね。
 
宇宙で最も進化した存在であるサーン族の教皇。ゾダンガ王国の皇帝サブ・サンに未来的な武器を与え、彼の野心を操ってバルスームの、ひいては全宇宙の支配を企む
 
はい、これを踏まえて言わせてもらいますけど....アンタ、バカだろ!?
そもそも、この作品の中でマタイ・シャン率いるサーン族がいったい何をしたかったのか?、がさっぱり理解出来ません。全宇宙の支配を企むならさっさとやればいいのに、なんでわざわざゾダンガとヘリウムを仲違いさせて....と、そんな面倒なことをやっているのでしょうか?....ヒマつぶしか?。
例えば、マタイ・シャンの前にジョン・カーターが姿を表した時の彼の台詞が実にマヌケ。
 
「アイツはいったい何者だ!?、正体を突き止めろ!」
 
....アンタ、全宇宙の支配を企んでるのに、火星人と地球人の区別もつかないのか!。
そもそも、教皇という最高地位の人間自ら戦の前線に出てきている点ですでにおかしいのですが、更に輪をかけているのがこのサーン族、身を守る術を何も身に付けてないという無防備ぶり。そのくせめちゃくちゃ弱い!。地球の古典的武器である銃の弾丸一発で死んじゃうという貧弱さなのです。こんなにひ弱な宇宙人は「インディペンデンス・デイ」でウィル・スミスに殴られてKOされたエイリアン以来ですよ、ホント。
そして、サーン族に関してアンドリュー・スタントン監督が最後の最後でまたまた間抜けな演出を見せてくれました。地球に戻ってからもサーン族に監視されていたジョン・カーター。彼は見事にサーン族の裏をかき、火星に戻るために必要なメダルを入手します。ジョン・カーターの放った弾丸によって絶命するサーン族。実はサーン族というのは瞬時に姿を変えられる能力を持っていて、カーターを監視していたこのサーン族も地球人に姿を変えていたので、てっきり死んだあとに姿がサーン族に戻るだろうと思っていたのです。いや、映画館にいた全員がきっとそう思っていたはずです。ところがこのサーン族、死んだあとも地球人の姿のままでいるのです。
 
....それじゃ、ダメじゃんッ!!
 
なぜなら、そのサーン族の変身がとけることで、それを目撃したバローズ青年がジョン・カーターの記した日記の荒唐無稽な内容を信じるきっかけとなるからです。もし、バローズ青年が日記を読んだだけでその内容を鵜呑みにして信じたら、それこそ間抜けでバカな人間ですよ。バローズ青年にサーン族を目撃させることで初めて「カーターおじさんの話は、本当だったんだ!」と日記の内容を信じさせることが出来るのに、それをさせなかったアンドリュー・スタントン監督の罪は非常に重いです。

 
 
....とまあ、ここまで散々悪評を書いてきましたが、もちろんいいところもありました。
例えば、ジョン・カーターが凶暴なワフーン族に襲撃された時のこと。デジャー・ソリスを逃がすために単身戦う場面は、ワフーン族と戦いながら、その昔愛する妻子を救えなかった過去がフラッシュバックするとても感動的な演出。今作で唯一琴線に触れた感動シーンでした。
それと、やはりなんといってもジョン・カーターになつく忠犬ウーラ!。とても犬とは呼べない風貌ですが、しぐさや佇まいがもう犬そのもの。最初はカーターの見張り役として登場するも、ジョン・カーターに助けられたことで彼になつくことになるウーラ。原作でもかなりの忠犬ぶりを発揮していましたが、映画版でもそれは同じ。後半では彼の命を救う大活躍を見せてくれます。このあたりはさすがアニメーション監督だけあって、見せ方が巧かったですね。
  
 
という訳で、大赤字なのも納得な出来の「ジョン・カーター」でありました。
アニメ出身で実写初挑戦といえば、先の「MI4/ゴースト・プロトコル」での成功が記憶に新しいブラッド・バート監督が頭に浮かぶですが、アンドリュー・スタントン監督には実写を撮る才能はないなってことがはっきりと露見した今作でありました。例えば、タルス・タルカスとの友情とか、デジャー・ソリスとのロマンスとか、もっと丁寧に描いていれば物語としてもっと盛り上がったのに、と大変悔やまれる内容でした。
今作、一応シリーズ化も考えられているとのことですが、今回の赤字問題によって続編の制作はかなり厳しいのではないでしょうか?。ただ映像的には惹かれるものもあったので、続編を見たい気持ちは大いにあります。でも、その時は是非アンドリュー・スタントン監督以外の人でお願いします!。
 
 
  バルスーム(火星)のぶさかわ犬“わさお”こと、ウーラ
  ウーラ.jpg 
蛙のような顔でつぶらな瞳、でかい口の中に無数に並ぶ牙、そして、そこから出てくる紫色の舌。ずんぐりした体型とは裏腹に、無数の足を動かしての高速移動など、とにかく魅力的。同時期公開の「アーティスト」にもかわいいワンちゃんが出るらしいが、オイラ的にはウーラの方が断然お気に入りです(^皿^)♪。
 

John Carter

John Carter

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Walt Disney Records
  • 発売日: 2012/03/06
  • メディア: CD

今やすっかり売れっ子となったマイケル・ジアッキーノ師匠。
でも今作では光るモノがなかったなあ。
やっぱりこのテの映画にヒーロー・ファンファーレは欠かせない。
そういったわかりやすく、血湧き肉踊るようなメロディがなかったのが、残念。
 
 

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かっこいいとは、こういうことさ!〜「ドライヴ」を鑑賞する [映画鑑賞]

ライアン・ゴズリング主演の映画「ドライヴ」を見てきました。
雑誌「映画秘宝」で、町山智浩さんも推してた作品。
監督も主演俳優も初だけど、これは非常に楽しみです!(^皿^)。
 
「ドライヴ」(原題:Drive)100分
 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
 原作:ジェイムズ・サリス
 出演:ライアン・ゴズリング
    キャリー・マリガン
    アルバート・ブルックス
    ブライアン・クランストン
    クリスティナ・ヘンドリックス
    ロン・パールマン
    オスカー・アイザック
    他
 
【あらすじ】
主人公の男(ライアン・ゴズリング)は、車の整備工場で働いている。昼間は映画の撮影でカースタントをこなし、夜は強盗の逃走を手助けするという2重生活を送っていた。
ある日のこと、男は同じアパートに住むアイリーン(キャリー・マリガン)と知り合いになる。アイリーンの夫は刑務所に服役中で、彼女はひとり息子とともにひっそりと暮らしていた。そんな彼女に好意を抱き、徐々に親しくなっていく男とアイリーン。だが、彼女の夫であるスタンダード(オスカー・アイザック)が出所してきたことで、二人の関係は微妙に変化していく。スタンダードは妻子のために更正しようとしていたが、借金のせいで昔の仲間から強盗を強要される。アイリーンのことを大切に思う男は、スタンダードの強盗を手助けしてやることにする。計画は完璧、とある質屋への強盗作戦は成功したかに思われた。
だが、この強盗計画には、ある陰謀が隠されていた....
  
 
 
面白い!(^皿^)/
前評判通り、非常に面白い作品でした。100分という短い作品ではありましたが、ニコラス・ウィンディング・レフン監督の演出は小気味良く、最初から最後までぐいぐいと作品に引き込まれました。
主演のライアン・ゴズリングをはじめとする魅力的なキャスト陣、説明過多にならないレフン監督の演出、それらがうまく化学反応を起こし、見応えにある作品に仕上がっていました。
ライアン・ゴズリングを見るのは今回が初めてでしたが、最初から最後まで彼演じるドライバーに魅了されっ放しでした。あの流し目のかっこ良さと言ったら!。
アイリーンを演じたキャリー・マリガンも良かった。幼い子供を抱えて懸命に生活している健気な感じが、とてもよく出ていたように思います。原作ではラテン系のキャラクターだったらしいのですが、キャリー・マリガンをキャスティングして、結果成功したように思います。彼女の童顔が若くして結婚してしまった幼さの残るアイリーンを、より的確に表現出来ていたように感じました。
アイリーンの夫であるスタンダードを演じたオスカー・アイザックも、出番は僅かながら印象的な人物でした。登場してきた時はいわゆるダメ夫なのかな?とも思いましたが、妻子を愛し、更正しようとしている人物を好演していました。当初彼があの「エンジェル・ウォーズ」のブルーだとは気付かず、そのあまりの違いにビックリした次第です。「ロビン・フッド」を見た時も彼だとは気付かなかったし、出る作品ごとに顔が違うカメレオン役者ですね。
その他、脇を固める役者陣も曲者揃いで、アルバート・ブルックス(トワイライト・ゾーンのオープニング!)やロン・パールマン(ヘル・ボーイ!)、ブライアン・クランストンなど、渋いおじさん連中もそれぞれ良い持ち味を醸し出していました。
個人的には、スタンダードと共に強盗をするブランチ役のクリスティナ・ヘンドリックスにメロメロでした。キャリー・マリガンのような童顔も嫌いじゃないですが、オイラはやっぱりクリスティナ・ヘンドリックスのような大人の色香が漂う女性の方が個人的に好み♡。あの全身から漂うフェロモンは、ちょっと尋常じゃなかったです。あんな豊満なボディラインをしてる女優は、日本にはまずいないので、終始オイラはデヘヘと顔がニヤけていた次第です(^皿^)。
 
 
さて、映画秘宝でも町山智浩さんが仰っていたように、この作品は良い意味で説明的な演出が極力排除された演出になっています。主人公の名前が最初から最後までわからない点にそれは象徴されていますが、つまり、見ている方がいろいろと想像出来る作りになっているのです。
それは、オープニングから顕著です。
強盗の逃走を手助けする仕事を生業としている主人公の様子から、ドラマは幕を開けます。車を使って警察から逃走すると聞いて、てっきり「ワイルド・スピード」のような派手なカーチェイスが展開するのかと思いきや、警察無線を頼りに追跡の裏をかきつつ、地味〜に逃走する主人公の狡猾な様子がじっくりと描かれます。このオープニングで主人公であるドライバーがいったいどんな人物なのか?を想像出来る憎い演出になっています。監督曰く、冒頭のシーンはチェス対決をイメージして演出されたとのことですが、なるほど警察と主人公との間で繰り広げられる頭脳戦が、ハラハラドキドキの緊張感をもって描かれています。ただ、なぜ彼がそんな仕事をしているのか?については、作中では一切語られることはありません。それが良い意味で、主人公をとてもミステリアスな存在にし、かつ魅力的にしています。
 
アイリーンの前では紳士的で優しいドライバーですが、強盗の手助けをしていることに象徴されるように、ドライバーには闇の部分があります。そのドライバーの中に潜む暗黒面(ダークサイド)もまた、レフン監督は憎い演出できっちりと見せています。質屋への強盗計画が失敗し、スタンダードは殺され、主人公は窮地に陥ります。自分がハメられたと悟ったドライバーは、おもむろに皮手袋をはめると、作戦に加わったブランチを拷問して真相を突き止めようとします。その時の姿に、アイリーンの前で見せる紳士的な姿は微塵もありません。例え相手が女性であったとしても、暴力を振るうことを躊躇しない主人公の闇の部分が垣間見えるいい場面です。また、この直後襲ってきた刺客を返り討ちにした時も、相手の返り血を顔いっぱいに浴びながらも、表情一つ変えない主人公の姿に、彼が只物ではないことを感じることが出来ます。特に圧巻なのが、後半アイリーンに魔の手が迫った時のことです。エレベーター内で、主人公とアイリーン、そして刺客の3人きりになる場面があります。主人公はおもむろにアイリーンをキスをすると(この場面が、すごくロマンティク!)、次の瞬間刺客を襲い、やっつけてしまいます。実はこの作品、バイオレンス描写がけっこう凄まじくて、かなりグロい描写もあるのですが、ここの場面では一転それを見せない演出がとられています。刺客を叩きのめすと、ドライバーは執拗に刺客を踏み続けますが、その様子が主人公の足下からあおりで撮られており、刺客の姿は映ることがありません。にも関わらず、この場面は非常にバイオレンス色の強いものとなっています。それは音(サウンド)のおかげです。ひたすら踏み続けるドライバーの狂気の表情だけがスクリーン上に映し出され、刺客を踏み続ける鈍い音だけが響き渡る(途中で頭蓋骨が砕け、脳みそが潰れる音がする...うわわっ!)....バイオレンス描写の演出ひとつとっても、レフン監督は巧みな手法を見せてくれます。
 
 
ただ、作品を見ていて?な部分が2つだけありました。
ひとつ目は、主人公がロン・パールマン演じるニーノを襲撃する場面。主人公は映画のカースタントで使用した撮影用のマスクを被りニーノを襲うのですが、なぜこのマスクを使用したのか?が、よくわかりませんでした。当初、自分の正体がバレないように被ったのかな?とも思いましたが、実際にニーノを襲った場所は人気のない海岸であり、そうなるとマスクを被る必然性もなかったのでは?と感じました。何か他に意味があったのでしょうか?。
 
2つ目はラストです。
作品全体を通してみれば、主人公のドライバーがこれまで普通の人生を歩んできた訳ではないことは、容易に想像出来ます。にも関わらず、アルバート・ブルックス演じるバーニーと対峙したドライバーは、いとも簡単に彼に襲われ、ナイフで刺されてしまいます。バーニーがドライバーを殺そうとしていることは明白であり、当然ドライバーもそのことに気付いていたはずなのに、なぜこうも簡単に刺されてしまったのでしょうか?。
ただ、この点に関してはある程度想像は出来ます。
一連の陰謀に関わった全ての人間が死んでしまえば、アイリーンへの危険は消え去ってしまう....そう考えたドライバーは、バーニーを殺し、自らも死ぬことでアイリーンを守ろうとしたのではないでしょうか?。ところが、映画はドライバーが死んで終わり....という風にはなりません。腹部を刺されたドライバーは、ひと息つくとおもむろに車のエンジンをかけ、走り去って終わります。
死ぬつもりだったドライバーは、アイリーンへの想いが断ち切れず彼女の元へと向かったのでしょうか?。それとも、彼女のことを思い、別の地へと旅立ったのでしょうか?。ドライバーが刺された時、思わず心の中で「死なないで!」と思っていたオイラは、この余韻を残したエンディングに救われたような気がしました。
でも、現実は甘くありません。
きっと主人公はどこかで息絶えてしまうのだろうなあ....そんなことを感じつつも、僅かな望みを持たずにはいられない、そんな魅力的な主人公にどっぷり浸った100分間でした。
 
 
映画「ドライヴ」は、この春イチ押しの作品です。 
劇場で、是非鑑賞して下さい!(^皿^)/  
 
      
    
      「 ....5分間だけ待つ 」
      ライアン・ゴズリング.jpg 
      流し目がいちいちカッコいいぜ、ライアン・ゴズリング!(^皿^)
  

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「映画秘宝2011年度ベスト&トホホ10!!」と自身が2011年度劇場で見た映画 [映画鑑賞]

おー!、映画秘宝3月号の表紙は、バットマンじゃないですかッ!(^口^)/。
やっぱりカッコいいなー、バットマンは♪
でも残念ながら、関連記事はごくわずか....「ダークナイト・ライジズ」続報を待つ!。
 
さて本題。
「映画秘宝」恒例のベスト&トホホ10ですが、2011年度は以下のようになりました。
【2011年ベスト10】
 1、ピラニア3D
 2、宇宙人ポール
 3、猿の惑星:創世記(ジェネシス)
 4、X-MENファースト・ジェネレーション
 5、冷たい熱帯魚
 6、ブラック・スワン
 7、電人ザボーガ
 8、ソーシャル・ネットワーク
 9、アジョシ
 10、監督失格
 
【2011年トホホ10】
 1、SUPER8/スーパーエイト
 2、エンジェル・ウォーズ
 3、世界侵略:ロサンゼルス決戦
 4、ワイルド7
 5、モンスターズ/地球外生命体
 6、スコット・ピルグリム VS 邪悪な元カレ軍団
 7、カウボーイ&エイリアン、タンタンの冒険〜ユニコーン号の秘密(同票)
 9、スカイラインー征服ー、ツーリスト、ハンナ、わさお、一命、(同票)
   
  
相変わらず映画秘宝らしい選出(^皿^;)>
ベスト1が「ピラニア3D」ってのが、いやはや何とも。ワーストで1、2、となった作品は、それぞれ皆の期待値が高かった分、落胆度も大きかったのだと思う。個人的には「スーパーエイト」は未見だから何も言えないけど、「エンジェル・ウォーズ」に関してはまあまあ楽しめました。
因みに、ベスト10の中でオイラが見たのは「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」と「X-MEN/ファースト・ジェネレーション」だけでした。「ピラニア3D」は面白そうだったけど、個人的にアンチ3D映画宣言中なので劇場鑑賞はパス。「宇宙人ポール」は現在公開中なので、チャンスがあれば見に行きたいと思案中だけど、果たしてどうなるか。「冷たい熱帯魚」は各方面から面白い!との声を聞くけど、個人的にひっかかるものが特にないので、今後も見そうにない。「ブラック・スワン」は化け物に変身するN・ポートマンを見たかったけれど、結局未見になってしまった。「電人ザボーガー」はオリジナルのテレビ作品に特に思い入れもないのでパス。「ソーシャル・ネットワーク」は大好きなフィンチャー監督作品だったけれど、描かれてる人たちにまったく興味がなかったのでパス。「アジョシ」にはひかれるものがあったけど、イケメンが強くちゃあ何の面白みもないよね(ソン・ガンホ主演だったら間違いなく劇場に見に行ったと思う)。「監督失格」も各方面から賞賛の声を耳にするドキュメンタリー作品だけど、うーん....。
 
 
さて、映画秘宝のベスト&トホホを読みながら、「はて、オイラは2011年にどれだけの映画を劇場で見たんだっけ?」と気になり、改めて調べてみることにしました。
以下がオイラが2011年に劇場で見た作品です(鑑賞順)。
 
 1、スプライス
 2、エンジェル・ウォーズ
 3、イリュージョニスト
 4、トゥルー・グリット
 5、塔の上のラプンツェル
 6、X-MEN ファースト・ジェネレーション
 7、メアリー&マックス
 8、モールス
 9、ランゴ
 10、猿の惑星:創世記(ジェネシス)
 11、アーサー・クリスマスの大冒険
 12、ハッピー・フィート2〜踊るペンギンレスキュー隊
 13、リアル・スティール
 14、ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル
 
 
という訳で、2011年に劇場で見た本数は、全14作品でした。 
月に一度は劇場鑑賞するというノルマはなんとかクリア出来たみたいです。
それにしても、こうして改めて自分が見た映画をずらーっと並べてみると、自身の傾向というか趣味思考がはっきりして、興味深い。....っていうか、ちょっと恥ずかしい。だって、大人のドラマが一本も入ってないんだもん。40歳を越えても、好きな映画は中学生が見て喜ぶような作品ばかりという、精神年齢の低さにギャフンです(^皿^;)。
  
さて、オイラも自身が見た作品を面白かった順に並べようと思ったですが、これはこれで悩むものですね。面白かった作品に優劣をつけるのは、本当に難しいです。でも、つまらなかった作品だけは、はっきりと断言できます。「ハッピー・フィート2」「イリュージョニスト」「リアル・スティール」の3作品です。「HF2」は、物語が本当につまらなかったし、「イリュージョニスト」もアニメとしての画(え)は本当に素晴らしかったけど、こちらも物語にはちっとも感情移入が出来ませんでした。「リアル・スティール」も、親子ドラマとしてはかなり弱かった。
 
結局のところ、面白かったかどうかは、物語や描かれる世界にどれだけ没頭出来たかどうかで決まるんですよね。そういった意味では「猿の惑星:創世記」は、時間(とき)の経つのも忘れてドラマに没頭出来ました。「X-MEN」も登場人物の多さというハンデがありながら、きっちりとドラマを見せることが出来た良品。「塔の上のラプンツェル」はディズニーアニメ久々の快作。このところディズニーは、セルアニメかデジタルアニメかで悩んでたみたいだけど、「ラプンツェル」はその方向性のひとつを示した転機となる作品だと思う。泣く映画=良い映画だとは思いませんが、「メアリー&マックス」には、本当に泣かされた。まさか人形アニメであそこまで泣かされるとは思ってもみなかった。リメイク作品でありながら健闘したのは「モールス」。想像していたより悪くなかった。クロエ・モレッツも可愛かったし(結局そこか!)。可愛かったと言えば、「エンジェル・ウォーズ」のエミリー・ブラウニングも可愛かった♡。誰かも言ってたけど、なるほどアレはザック・スナイダー版「カッコーの巣の上で」だったんですね。西部劇好きとしては「トゥルー・グリット」と「ランゴ」はともに楽しめた。「トゥルー・グリット」は最初ものすごくたいくつなんだけど、旅に出てからは見応えあり。「ランゴ」は日本語吹き替え版を早く観てみたい。どこかのバカ知事がNHKの大河ドラマに対して「汚い」とクレームをつけたそうだが、本来時代劇とは汚いものなのだ。「トゥルー・グリット」も「ランゴ」もその汚さを見事に表現してた。「スプライス」は一般受けしないであろうSF映画だったけど、フランケンシュタイン的物語は個人的に楽しめた。「アーサー・クリスマスの大冒険」は、とても楽しいアニメーション。毎年クリスマスになると見たくなること必至。「MI:ゴースト・プロトコル」もエンターティメント作品として一級品。アニメだけでなく実写も撮れることを証明したブラッド・バード監督。でもアニメにもまた戻ってきて欲しい!。そして、なんだかんだ言ってもやっぱりトム・クルーズはカッコいいのであった。

 
さて、今年2012年ですが、個人的にはやはり夏公開予定のクリストファー・ノーラン監督作品「ダークナイト・ライジング」が非常に楽しみです。バットマン好きとして、バットマン・サーガの結末をこの目でしっかりと見届けたいと思います。近場だとD・フィンチャー監督初のリメイク作品となる「ドラゴン・タトゥーの女」が気になります(辰年だしね!)。一方ファンタジー好きとしては、「ホビットの冒険」も気になるところ。果たして今年公開されるのかな?。リニューアルするのがちと早いような気もしますが、新「スパイダーマン」も気になります。ピクサー新作のアニメ「メリダとトトロの森」....じゃなかった「ブレイブ」(絶対原題の方がいいッ!)も楽しみです。
....って、やはり今年も映画の趣味嗜好は変わりそうもありませんッ!(^皿^)。
 
果たして、今年は何本の作品を劇場で見られるのか?。
そして、今年も引き続き『アンチ3D映画!』宣言は継続していく所存です(^皿^)/。
NO MOVIE, NO LIFE!(^皿^)/   
 
 
      「うぉー、チューバッカー!」
      チューバッカー!.jpg
      このギャグを知ってる人とは、友達になれる....!(^皿^)
  

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