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ダークファンタジーの傑作!〜「コララインとボタンの魔女」を観る [映画鑑賞]

知る人ぞ知るヘンリー・セリック監督の、実に8年ぶりとなる新作長編人形アニメーション「コララインとボタンの魔女」が、遂に日本でも劇場公開となりました。一時は未公開のままDVDスルーか!?という最悪のシナリオも囁かれていましたが、無事日本でも劇場公開されたということで、まずはホッとひと安心しているところです。
人形アニメ大好き!なオイラは、今回かなりの高い期待値でこの作品を観ることになりました。更に今回、ついにオイラも3D映像というものを初体験して参りました。その件に関しては後述すると致しまして、まずは作品の感想からです!。
 
【あらすじ】
コララインは好奇心旺盛な11歳の女の子。新しい町に越してきたばかりで、いまだ学校には馴染めず寂しい思いをしている。かまって欲しいのに、両親ときたら仕事に夢中でコララインのことはほったらかしだ。そんな不機嫌な日々を過ごしていたある日の事、コララインは引っ越してきたばかりの家で“小さな鍵付きのドア”を見つける。興味津々でその扉を開け、通路を潜り抜けると、そこはもうひとつの世界....美しい庭、美味しい料理、そして優しい両親!、そこはコララインが理想とする世界だった。ただひとつ違っていたのは、そこの住人の目が“ボタン”だった事。やがて“ボタンの目をしたママ”が、コララインにこう囁きかける . . . . 「あなたも、こっちの世界にいらっしゃい」
何かがおかしいと感じ始めたコラライン。だが“邪悪なもの”のたくらみは、確実にコララインの周囲を覆い始めていた . . . .
 
 
「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」や「ジャイアント・ピーチ」などで知られる、今や人形アニメーション界の巨匠ヘンリー・セリック監督による今作は、過去の作品同様セリック監督の世界観が色濃くにじみ出た、いい意味で非常にアクの強いダーク・ファンタジーとなっていました。
ニール・ゲイマンによる原作は未読なので、そちらとの比較は解りかねますが、「かいじゅうたちのいるところ」のスパイク・ジョーンズと同様、今作「コラライン」もヘンリー・セリック監督の持つ独特な個性が、存分に発揮されていた作品だったと思います。ポップな世界とダークな世界が入り交じった独特の世界観は存分に魅力的だし、人形アニメというアナログ技術を駆使しつつも、同時にデジタル技術も巧みに取り入れられており、新旧の技術が融合されて出来上がった映像は、まさに“魔法”といっても良いでしょう。
 
以前の記事にも書きましたが、今作には日本人イラストレーターの上杉忠弘さんが、コンセプトアートとして作品作りに参加されています。その上杉忠弘さんの世界観とヘンリー・セリック監督との世界観が見事に融合していて、セットだったり(コララインの家、最高!)、衣装だったり(コララインのセーター!)、小物だったり(蟷螂の乗り物、乗りたい! 昆虫の椅子、座りたい!)と、美術関係の素晴らしさには、本当に感動しました。
(パンフレットにそのアートが少しだけ載っていますが、本当に素晴らしい!)
 
登場人物も、魅力的です。
主人公のコララインは、いかにも現代っ子で元気いっぱいなのだけど、同時に少女期の持つ繊細さも表現されていて、上手いなあと思いました。
映画オリジナルのキャラだという、近所に住む少年ワイビーがこれまた魅力的。猫背でいつもオドオドしてるんだけど、その一方で独自の世界観を持っていて(自転車にマスク姿で乗ってる時が、最高にかっこいい!)、ナメクジを使って遊ぶ場面などは、少年時によく見られる良い意味でのおバカな部分を見事に表現していて、すごくチャーミングでした(...あー、男の子って、ホントにおバカ)。
コララインを陰で手助けする黒ネコも、かっこいい。人形アニメーションとは思えない滑らかな動きには、本当に感動しました。
とにかくキャラクターデザインが個人的にはツボにハマりまくりで、そんな魅力的な人形たちが動く様は、観ていて本当に楽しかった!。こういう気分を味わったのは、本当に久しぶりです。 
  
「かいじゅうたちのいるところ」を観た時も感じたことですが、ファンタジー世界を描くならそれが大人向けであろうが子供向けであろうが、“恐怖”というものをしっかり描くことが重要だと再認識しました。以前我が国にも「まんが日本昔ばなし」という、“羊の皮を被った狼”的ダークファンタジーの傑作アニメがありましたが、ああいうのを子供の時にしっかりと見せといた方がいいと強く感じます。ジブリアニメなんかを見せるより、はるかに教育的効果があると思います。
 
 
今作「コララインとボタンの魔女」は、是非小学生の子供たちに観てもらいたい作品です。
オイラがかつて子供時代に「まんが日本昔ばなし」を見て感じた同じような恐怖を、是非この作品から感じ取って欲しいと思う。もちろん、その恐怖に打ち勝つ勇気も同時に学んで欲しい。この傑作を劇場で観るのは今しかないヨ!。今すぐお父さんお母さんにおねだりして、「この映画を観に連れてって!」と、駄々をこねよう!。
遠い将来、君たちにとってきっと代え難い財産になること必至だヨ!(^皿^)。
 
 

    「やあ、もうひとつの“Yoshi's Styleへようこそ♪』 
     ボタンヨッシー.jpg
 
次回の記事では、お約束の日本語吹き替え版について、そして自身初体験となった3D映像についての感想を語りたいと思います。
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