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お帰りなさいッ、サム・ライミ!〜ホラー映画「スペル」を観る [映画鑑賞]

“侍ミー”こと、我らがサム・ライミ監督が、ホラー映画に帰って来ました!。
ここ数年は「スパイダーマン」シリーズという大作にかかりっきりだったサム・ライミ。
...が、ここにきて満を持してのホラー作品復帰に、ファンとしては拍手を贈らずにはいられませんッ。
 
サム・ライミ監督と言えば、若い映画ファンにとっては「スパイダーマン」シリーズを大ヒットさせた監督として認知されるところでありましょうが、どっこいオイラ世代の人間にとってはやはり「死霊のはらわた」の監督であり、「ダークマン」なお人なのであります。「XYZマーダーズ」なんてのもありましたな。95年の「クイック&デッド」では、コミック調西部劇で我々を楽しませてくれたサム・ライミ。98年の「シンプル・プラン」や99年の「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」ではホラーだけじゃなくサスペンスやメロドラマも撮れるぜ!ってところを見せつけ、00年には久しぶりのホラー...というよりスリラー映画「ギフト」で、我々の溜飲を少しだけ下げたサム。その後大ヒットした「スパイダーマン」シリーズを手がけることになり、もちろんオイラも「スパイダーマン」シリーズは存分に楽しんだけれど、心のどこかで彼の撮るホラー映画を心待ちにしていました。
 
そんなサム・ライミ監督が遂にと言うか、やっと古巣のホラー映画に帰ってきました!。
今作は企画・脚本も手がけるという気合いの入れようで、嫌が上にも期待せずにはいられません。今作「スペル」のテーマはずばり、“呪い”...ホラー映画の題材としてはあまりにもストレートすぎるテーマに男泣き必至な訳ですが、“侍ミー”な彼が普通のホラー映画を撮る訳がない!。21世紀版「死霊のはらわた」とも言うべき「スペル」は、恐怖と笑いが複雑に絡み合った異色のホラー映画へと仕上がっていたのでありますッ!(^皿^)。

 
「スペル」【原題:DRAG ME TO HELL(私を“地獄”に引きずり込んで)】 
【あらすじ】
銀行で融資係を担当しているクリスティ・ブラウン(アリソン・ローマン)は職場での出世を願うごく普通の銀行員。だが出世するためには、上司に“自分は仕事が出来る人間”だと認めてもらわなければならない。そんな折、ひとりの客がクリスティの前に現れた。ジプシー風の老婆ガーネット夫人(ローナ・レイヴァー)は、住宅ローンの返済を待って欲しいと懇願するが、クリスティは上司へのアピールもあってその願いを断ってしまう。すると「恥をかかされたッ!」と逆ギレした老婆はクリスティへと襲いかかる。いったんは収まったかのように思えた騒動だったが、その夜クリスティを待ち伏せしていたガーナッシュ夫人は再び彼女を急襲し、「ラ・ミ・ア...」と呪いの言葉をかけるのだった。
翌日からクリスティの身の回りで起こる不思議な怪現象。...そう、老婆のかけた呪文(スペル)は“本物”だったのだ!。三日間苦しんだ後、地獄へと引きずり込まれるという呪いを、クリスティは果たして解くことが出来るのだろうか. . . !?。
 
 
いやー、久々に楽しいホラー映画を堪能させて頂きました♪(^皿^)。
作品自体はもちろん“怖い”んだけど、同時にすごくバカバカしいシーンも盛りだくさんで、サム・ライミが普通のセンスの持ち主じゃないって事を改めて再認識しました。このセンスを好きになれるかどうかで、この映画に対する評価も変わってくると思います。ものすごく真面目なホラー映画だと思って観ると、期待外れだろうし何より拍子抜けする事でしょう。でも、彼のファンにとってはこの確信的“外し”がたまらない訳です。
例えば、意味もなく老婆の口からこれでもか!と言わんばかりに溢れ出る謎の緑色の液体。ゲロ(!?)まみれになるクリスティーンは悲惨だけど、見ているコチラは大爆笑。...と言った具合にくだらないギャグがあちらこちらにちりばめられてて、そこだけ観るともう完全にコメディな訳です。でもそれが楽しい(^皿^)。正確に言えばサム・ライミが自身のフィールドであるホラー作品の場で楽しんで仕事をしている(いや、本人はいたって真面目なのかもしれないが)雰囲気がびんびん伝わってきて、それがファンとしてはとっても嬉しいのです。
 
だからこそ、エンディングはハッピーに終わらせて欲しかった!、とも思う。
でも、そう一筋縄でいかないところもまたサム・ライミ的なのであります。バッドエンディングの後味の悪さには、もはや苦笑いするしかありません[あせあせ(飛び散る汗)]
ホラー映画の定番とも言うべき終わり方を見せる今作「スペル」。もちろん確信犯だってことはわかってはいるんだけど、あまりにもクリスティが可哀想で泣けてきます。だってクリスティ、とってもいい子だもん。もちろんクリスティのとった行動にも否はあっただろうし、お婆さんが怒る気持ちもわからないではないけど、“呪い”をかけられるほどのものじゃない。パンフレットにも書いてありましたが、そもそもクリスティが犯した罪と受ける罰のアンバランスさが、なんとも言えない消化不良感を感じさせるのであります。まあ、その“理不尽さ”もまた恐怖のひとつでもある訳ですが。
 
つまるところこの映画、ホラー映画ではあるけれど、“呪い”そのものの怖さを描いてるんじゃなくて、“逆ギレする人”の怖さを描いた作品だなと強く感じます。逆ギレする人って、本当に迷惑ですよね(誰だって大なり小なりそのテの人に迷惑したって経験があると思います)。逆ギレする人に理屈は通じません。だから問題を解決しようにも事がどんどん大きくなっていって結局収拾がつかなくなってしまう...そんなケースも珍しくありません。そういう種の方々には関わらないのが一番なんだけど、なかなかそうも上手くはいかないのがこれまた人生なのでありますね。
そう考えると、この種の“恐怖(ホラー)”は映画というフィクションの中だけではなく、現実の世界でも案外身近に存在するのかもしれません。
出来ることならそういう人たちとはかかわり合いになりたくないですね。
特に、呪いをかけてくるような人たちとは!(^皿^;)
 
 
 
地獄に引きずり込まれる! . . . の図
地獄行き決定.jpg 
 
サントラ好きとして、音楽を担当したクリストファー・ヤングについて少しだけ。
C・ヤングは「ギフト」や「スパイダーマン2」の追加音楽、「スパイダーマン3」の音楽でも、サム・ライミとコンビを組んでいます。最近の作品では「スパイダーマン3」での音楽が印象深い。サンドマン誕生の場面に流れる切なくも美しいメロディが秀逸でした。オイラはダニー・エルフマンの大ファンなので「スパイダーマン」の音楽と言えばやはり彼のメロディが頭に思い浮かぶ訳だけど、クリストファー・ヤングが作曲した「3」の音楽もまた素晴らしかった事をここに記しておきたい(「3」のサントラが現時点では発売されていないのがとても不思議だし残念!)。
もちろん今作「スペル」でも弦楽器を多用した、なかなか聴き応えのある音楽を提供してくれています。クリストファー・ヤング、グッジョブ!(^皿^)b♪。

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コメント 2

dorothy

「死霊のはらわた」は絶対無理!と思って観てません。
でも「ダークマン」「シンプルプラン」「ギフト」そして「スパイダーマン」は大好き、
それとジャスティン・ロングLOVE!なのでこれは観ようと思ってるんですが、
予告編だけで相当びびりまくっています。こんな私でも大丈夫でしょうか?
by dorothy (2009-11-18 02:42) 

堀越ヨッシー

dorothyさん、こんにちは。
いわゆる“スプラッター”描写はほとんどないので、そういう部分では安心して見られると思います。何よりギャグネタはdorothyさんのツボにハマると思いますよ(^皿^)。
ジャスティン・ロングはすごい好青年として描かれているので、ファンなら「こんな恋人が欲しいッ!」と思われるんじゃないでしょうか?。もちろんオイラは健気なアリソン・ローマンに終始メロメロ♡でした(^皿^)。
是非、劇場で楽しんで下さい♪
by 堀越ヨッシー (2009-11-18 07:42) 

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