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声優・山寺宏一さんが、吠えた! [吹き替えについて]

オイラが兄貴と崇め、尊敬してやまない声優の山寺宏一さんがついに吠えた!。
自身がナビゲーターを務める「HOLLYWOOD EXPRESS」(WOWOWにて毎週土曜日PM7:30より放送)という番組のブログ内にて、映画やアニメなどの日本語吹き替えにタレントを起用する昨今の現状について異議を唱える旨のコメントを寄せていた。
http://hollywood-express.cocolog-nifty.com/blog/ 
記事の中で名指しこそはしていなかったが、きっかけとなったのは最近吹き替えファンの間で物議を醸している「ザ・シンプソンズ問題」(注1)のようだ。
誰しもが「おかしい!」と思っている昨今の吹き替えをとりまく現状について、現場の第一線で活躍している山寺さんが発言されたことの意味は大きいと思う。少なからずなんらかの影響はあるはずだ。現場に投じられた一石は静かに、そして確実な波紋となって広がりを見せるだろう。
 
山寺さん自身、業界で働く声優の一人として、本来ならばこのような趣旨の発言をするのは避けたかったはずだ。何故なら、下手をすると自身の首をも締めかねない行為になるからだ。そこを敢えて問題提起した山寺さんの勇気に尊敬の念を払いたい。見た目は“もじゃメガネ”な物腰の柔らかい温厚な人物に見えるけど、その中には“タイラー・ダーデン(注2)”ばりの熱い血潮が流れているのだ。山寺宏一...戦う男である。
 
何より嬉しいのは、山寺さんが“見る側”の視点から問題提起をしているということ。それはすなわち、山寺さんがファンを大事にしているという事に他ならない。
記事を読んでいただくとわかるが、山寺さんは決してタレント起用を100%否定されている訳ではない(それはオイラも同じ)。映画を宣伝することは大事な事だし、商売なのだから儲けてナンボ...という事もあるだろう。しかし、今回の「ザ・シンプソンズ」映画版のように、映画になったからと言って、それまでの声優陣からタレントに総取っ替えというのは、あまりにもファンをバカにしているのではないのか?。いや、長年にわたりテレビ番組で声を努めてきた声優さんたちに対しても失礼な話だ。山寺さんの憤りはもっともである。
無論、吹き替えに起用されたタレントさんたちが、それまで声を担当されてた声優さんたちよりも上手く(あるいは同等のレベルで)演じてくれるなら、見る側としてはまだ多少は許せる。でもそれはきっと不可能だろう(発表されたキャスティングを見れば、それは一目瞭然)。以前にも記事に書いたが、それほど吹き替えの仕事というのはハイレベルな技術を要する仕事なのだ。トコロジョージやワダアキコ(←コレ論外)、ロンブーアツシ、ベッキーにそれが出来るはずもない。
 
オイラも一吹き替えファンとして、現在の吹き替えに於ける悲惨な状況には苦汁をなめてきました。何よりも悲しいのは、下手なタレントを起用した吹き替えがDVDとして永遠に残ってしまう事(具体例→「101」に於けるヤマダクニコ、米ドラマ「スーパー・ナチュラル」に於けるジチョーカチョーのイノウエ)。オイラがビル・ゲイツ並に資産があったら版権を買い取って今すぐ吹き替えを撮り直したいって思う作品が山ほどあります。
しかしながら今回、尊敬する山寺宏一さんと同じ思いでいたことに、オイラは素直に喜びを感じてしまいました。それでこそ、オイラの大好きな“山ちゃん”です!。
断言!...オイラは一生、山寺宏一さんについて行きますッ!!...ワン!ワン!(アンパンマンのチーズの声で)。みんなも山寺さんのあとについて来いッ!。
 
 
 
   「あなた、吹き替えを変更しましたね...     ドーーーンッ!」
   
 
 
 
注1〜「ザ・シンプソンズ」問題
アメリカの人気アニメ番組「ザ・シンプソンズ」がこの度映画化され、日本でも公開される事となった。それに伴い日本語吹き替え版も製作されることになった訳だが、なんと製作サイドはそれまで長年テレビで吹き替えを担当されていた声優さんたちを外し、タレントを起用するという暴挙にうってでた。これには日本国内のシンプソンズファンから大ブーイング!、ミクシィなど、ネットでは反対運動が起きている。
そりゃそうだろう、考えてみて欲しい...もし「ドラえもん」が映画化されたからと言って、ドラえもんの声にタレントを起用したらどうなる?...日本中で大暴動が起きるよ。
因みに、一家の主であるホーマー・シンプソンの声を演じるは、ご存知声優界のベテラン・大平透さん。「ガッチャマン」の南部博士、「ハクション大魔王」の魔王、「笑うセールスマン」の喪黒福造など、アニメを見て育った人間ならその声を知らない人はいないというほどの声優界の大御所。また映画「スター・ウォーズ」のダース・ベイダーの吹き替え者としても有名。すなわち、タツノコプロのアニメで育った世代の人間や、「スター・ウォーズ」ファンは、足を向けて寝られない御仁なのである。
 
注2〜タイラー・ダーデン
ご存知、男の中の男映画「ファイト・クラブ」(デヴィッド・フィンチャー監督)に出てくるブラッド・ピット扮するキャラクター。ブラピを吹き替えすることの多い山寺さんですが、このDVDでもブラピを担当。かっこいい声の演技に刮目せよ!。 

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うつぼ

そんなひどいことが現実に起きるんですか。。。 ビックリですね。
よくテレビ放映時とDVD化で声優が変わるというは聞いたことがありますが、長年放送されていた番組を映画化で総とっかえというのはあまりにも配慮がないですね。しかも全員タレントというのは声優を生業としている人達に対してあまりにも失礼ではないかと思いますね。それで動員をかけたいのかもしれませんが見る側の気持ちを考えていないということでしょう。山寺さんも言いたくないことを今回断腸の思いで言ったのでしょうが、これで少しでも配給側が馬鹿な事をしてしいまったと気づいてほしいものですね。
by うつぼ (2007-09-02 20:22) 

Catcat44

ヨッシーさん、こんばんわ!
早速、山寺さんのコメントも読みに行きました。
この件に関しては、少なからず痛い目に合っているワタクシですが、当の声優さんからの発言というのは、常々そう思っている一視聴者からしても、心強いものだと感じました。
本来なら、配給サイドと声優さんというのは、日本語で分かりやすく視聴者を楽しませるとか、原典や原典で演じている俳優さんに対する敬意とか、共通する目的があるはずです。それをふまえて素晴しい吹き替えがつけば、視聴者としても嬉しい限りなのですが。
プロの声優さんは、それを分かってらして仕事をされているはずなので、ぽっと出のタレントが吹き替えのお仕事をもらったとしたら、できる自信がなければ、断って頂くのも、一つの選択肢として欲しいものです。長年、同じキャラクターの声優をしていらっしゃる方にも、プロとしてのプライドがあるでしょうし。
こういう意見が、もっと早く力を持つ時代がきていたなら・・・残念です。
ちなみに、井上氏の吹き替え、大分慣れてしまいました。慣れとは怖いです。セカンドシーズンは、どなたかに指導を受けた跡が感じられるので、少しマトモに近づきましたが。
by Catcat44 (2007-09-02 21:35) 

f57y

初めまして。f57yという者です。
以前からこのブログを拝見させてもらっていたのですが、初めてコメントします。
山寺さんのコメント読んできました。
彼のような本職の方がああいった意見を言ってくれてすごく嬉しいです。
私も最近の傾向には嫌気がさしていたところだったので…。
最近のアニメ映画の声はほとんどが芸能人と言っても過言ではないですよね。
アニメ映画では飽き足らず(?)洋画の吹き替えにまでその傾向は広まってきています。
中には上手な方もいてイメージに合っていることもありますが、そういうことは少ない気がします…。
この傾向がこれ以上広まらないことを願います。
by f57y (2007-09-03 02:26) 

堀越ヨッシー

引き続き、うつぼさん、どーもです。
「ハクション大魔王」の最終回で号泣したオイラにとって、大平透さんは特別な存在ですね。シンプソンズのホーマーにしても、これぞ!というくらい大平さんの声はピッタリだったので、今回の変更は残念でなりません。変更を決定した連中には、吹き替えに対する愛情がこれっぽちも感じられず、それが悔しいです。
by 堀越ヨッシー (2007-09-03 15:33) 

堀越ヨッシー

LICCAさん、こんにちは。
慣れちゃいましたか、イノウエに(苦笑)...ま、そんなもんですけどね。そういや、オイラがこの間久々に見たエピソードにジカチョーのコーモトも吹き替えに参加してましたね。なんだか下手だったのですぐに気がつきましたよ(^皿^)。
by 堀越ヨッシー (2007-09-03 15:36) 

堀越ヨッシー

f57yさん、はじめまして。
ご訪問&初コメント、ありがとうございます。
仰る通り、タレントや俳優を起用していいものが出来る例は少ないですね。オイラが成功したなって思えるのは、例えば「カーズ」での山口“ぐっさん”智充さんや、「Mr.インクレディブル」での雨あがり・宮追さん...あたりでしょうか?。「Mr.インクレディブル」なんかは主演の三浦友和さんや黒木瞳さんも声の芝居上手かったですね。
逆にひどかった例を挙げると....たくさんありすぎてキリがありません(苦笑)が、敢えてピックアップするならば、以前フジテレビで放送された際に吹き替えされた「バック・トウ・ザ・フューチャー」での織田裕二&三宅裕司コンビとか、「タイタニック」妻夫木聡&竹内結子などが挙げられます。これらはオイラの中で別の意味で伝説となっています(^皿^)。
by 堀越ヨッシー (2007-09-03 15:52) 

コッスン

ヨッシーさん、吹き替え詳しいですねー。
私も一人だけこだわりがあります。
ブルース・ウィリスの声は荻島慎一さんしかないと思ってたのに
映画の吹き替えは、たぶん1回もやってないんじゃないでしょうか。
慣れというか、荻島版を何年も毎週聞いていたので
映画も荻島さんで見たかったです。
やっぱ、最初の聞きなれた人がいいです。
ルーク・ペリーは小杉さんがやってると思いますので。
by コッスン (2009-04-25 19:04) 

堀越ヨッシー

コッスンさん、こんにちは。
別にそんなに詳しくないですよ、ただただ吹き替えが好きなだけでして。
現に荻島真一さんのこと知らなかったですし(^皿^;)。荻島さんは「こちらブルームーン探偵社」で声を担当されてたんですね。オイラはそのドラマ自体を見たことがないので、荻島さんにはそんなに思い入れはないんですけど、オイラ的には「日曜洋画劇場」でダイハードの吹き替えをやられた野沢那智さん版が好きですね。

by 堀越ヨッシー (2009-04-26 09:41) 

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