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激弾BKYU公演「HELP ME」を見る〜中野 ザ・ポケット [舞台・コンサート]

昨年...客演として出演されてた舞台を見て以来、すっかりファンとなってしまった今村有希さん。そんな彼女が所属する劇団「激弾BKYU」の本公演〜「HELP ME! 大人になるためのたったひとつの方法」(3/20〜25)を観劇するため、去る3月某日、中野まで出掛けてきました。
中野と言えば、去年初めて今村さんの舞台を見たのも中野の小劇場でした。そんな事を懐かしく思い出しながら今回の劇場である“中野 ザ・ポケット”に到着。小綺麗な劇場で完成してまだ新しい感じ。今回も今村さんにかなり良い席を確保して頂いた事に感謝しつつ劇場内へ。
 
中に入るとまず、ステージ上に作り上げられた凝ったセットに目がいきました。今回の物語は「ピーターパン」を題材にしたものらしく、ステージ上には海賊船のセットが作られていました。小劇場での舞台とは思えないその出来の良さに驚くと同時に、舞台への期待感が高まるオイラです。
 
舞台開始15分前...突然キャストの3人(有友正隆さん、大高健二さん、小林博さん)がステージ上へと現れました。3人はラップ調の歌で開演前の諸注意を説明するパフォーマンスを披露。携帯の電源は切っておいてね、とか、トイレの場所はどこそこですよ、とか、演出上スモークがたくさん出るけど煙たかったらゴメンね、とか、スピーカーの近くの席に座ってる人突然大きい音が出たりしてビックリするかもしれないけどゴメンね、とか、後方の方から声が聞こえるかもしれないけど演出だから気にしないでね、とか...etc。3人のパフォーマンスに会場はアットホームな雰囲気に包まれました。いいな、この雰囲気...期待はますます高まります。
 
いよいよ舞台開演! 
【あらすじ】 
緑色の服を着たピーターパンならぬ、パーターピンに連れてこられた主人公コーイチ。クッフ船長へとなりすましたパーターピンは、大人の想像の国“エバーランド”を目指しているという。訳もわからず乗組員の一人として加入させられたコーイチだったが、なにはともあれ、海賊たちと共にコーイチの冒険が始まった!
 
開始早々、海賊たちの豪華な衣装に目を奪われる。セットといい、衣装といい、凝りに凝った舞台となりそうだ。キャストの面々も個性的な役者さんたちばかり...期待感はますます高まる一方。この先どんな展開が待ち受けているのか、ワクワクするオイラ。
 
舞台開始から約30分経過...おかしい。何かがおかしい。未だ舞台の世界に引き込まれないオイラがいる。何故だろう?...心の中はモヤモヤしつつ鑑賞してる。
 
舞台中盤...今村有希さん登場。今回の今村さんの役どころは父親を捜して旅をする母娘(おやこ)の娘サチ。明るいキャラクターが今村さんのパーソナリティと重なって好感大。
 
「うちなー、おとんを捜しておかんと旅してんねん」
 
母親役の蔵重美恵さんとの間で交わされる関西弁の台詞のやりとりが場内の笑いを誘う。今村さん演じるサチの魅力は、そのまま今村さんの魅力でもある。
...しかしながら未だ舞台の世界には入り込めないオイラ。...どうしてだ!?
 
物語も終盤...恐れていた事が起きた...夢オチだ!
【夢オチとは...?】
禁断の書、パンドラの箱、究極魔法の意。
物語作りに於いて禁じ手とされている手法。これを使えばどんなハチャメチャな物語も丸く収まってしまうという恐るべき力を持った魔法。物語を創作していった最後の段階で収拾が付かなくなった時によく利用される。主人公がハッと目が覚めて「...な〜んだ、いろいろあったけど結局夢だったのか」のひと言で全てが解決してしまう万能魔法。究極魔法であるが故に、己の身を滅ぼす事もあるので取り扱いには慎重にも慎重をきたす必要性がある。おそらく作家としては一生に一度しか使用出来ない(してはいけない)魔法であろう。
                 〜民明書房刊「究極魔法・その秘密に迫る」より
 
 
...全ての出来事はコーイチの夢だった事が発覚。...そっかー、夢オチを使っちゃうのかー...使っちゃうのかー..ちゃうのか...のかー...かー... ...
そう思った瞬間、オイラの中でテンションが一気に急降下した。
 
そして、舞台は終了しました。
...結局オイラは最後まで舞台の世界に入り込めないまま、終わりを迎えてしまいました。こんなはずじゃなかったのに...そう思いながら会場を去るオイラ。
帰りの電車の中でずっと考えていました...「何故オイラは今回、舞台の世界に入り込めなかったのだろう!?』と。家に着いてからもずっとその事が頭をよぎります。そうして出た結論は...
 
次回の記事でまとめてみたいと思います。とりあえず今回はここまで。
 


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コメント 4

frog

…。
夢オチと幽霊オチは泣いちゃいますよね…
それに準じるのは記憶喪失オチ?
ちなみに自分のことを「うち」と呼ぶ関西女性はイメージ以上に少ないと思われます。
by frog (2007-03-28 02:26) 

堀越ヨッシー

frogさん、こんにちは。
一応今村さんの名誉のために言っておきますが、今村さんも母親役の役者さんも関西出身なので、関西弁の台詞自体はすごく自然でした。「うち」って書いたのはあくまでもオイラのイメージで、実際の台詞はこうじゃなかったかもしれません。
...でも、夢オチにはさすがに萎えました。せめてアナザーワールドの出来事にするとか、決着点に余地はあったと思うんですけどね。
因みに、frogさんは自分の事を何て呼ぶんですか?(笑)。
by 堀越ヨッシー (2007-03-28 06:52) 

うつぼ

夢オチという手法なんですか。
夢オチというと、昔試写会と劇場チケットをもらってエミリオ・エステベス監督主演(&共演が当時恋人だったデミ・ムーア)の「ウィズダム」という映画を思い出します。現代版「明日に向かって撃て」と聞いて期待したのに夢オチで、でもチケットもらっちゃったし暇だから、と、結局3回も観てしまい、モヤモヤが異様に増幅したのを覚えています。(笑)
by うつぼ (2007-03-28 22:55) 

堀越ヨッシー

うつぼさん、こんにちは。
エミリオ・エステベス!...懐かしい響きです(笑)。最近見ないなあ..って思ってたら、なんだか監督業やってるらしいですよ。久々に見た彼は、年をとってますますオヤジのマーティン・シーンにそっくりな容姿でした。
by 堀越ヨッシー (2007-03-30 08:14) 

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