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劇団印象・第19回公演『グローバル ベイビー ファクトリー』を観劇する〜調布市せんがわ劇場 [舞台・コンサート]

 
          劇団印象 -indian elephant- 第19回公演
      『グローバル ベイビー ファクトリー』
     2014年 3月26日(水)〜30日(日) 調布市せんがわ劇場
           
              作・演出:鈴木アツト
 
  【出演】
  小山萌子 ....河野砂子
  井口恭子 ....砂子の母親/デサイ(インド人医師)
  難波真奈美....権藤宣子(コーディネーター)
  広田豹  ....砂子の父親/柳生(カメラマン)
  水谷圭見 ....ナジマ・ヴァクラ(代理母)
  鈴木智久 ....芦田潤一(砂子の夫)
  橘麦   ....チクワハンペン(精子)/砦那智(砂子の親友)
  滝香織  ....河野礁子(砂子の妹)/インディラ(デサイ医師の助手)
  中島由貴 ....スキヤキ(精子)
  山村茉莉乃....クジャク(卵子)/アヌーバ(ナジマの幼い娘)
  今村有希 ....ミソスープ(精子)/エステティシャン/スマン・ヴォーラ(代理母)
  中原瑞紀 ....オニギリ(精子)/アニラ・マクヴァナ(代理母)
  平岩久資 ....マルバニ(ナジマの夫)/実況の男/産婦人科医
  田村往子 ....ルビナ・ラクダワラ(代理母)
 
 【あらすじ】
独身生活を満喫するアラフォーの河野砂子(小山萌子)は、家族からのプレッシャーもあり、お見合いをすることになった。お見合い相手の芦田潤一(鈴木智久)と思いがけず意気投合した砂子は、そのまま潤一と結婚、幸せな新婚生活をおくっていた。
だがある日のこと、妊娠の兆候を感じて産婦人科へと向かった砂子は、その場で子宮頸癌という予期せぬ宣告を受けることになる。幸いにも発見が早かったため、手術は無事に成功したが、子宮を全摘出してしまった砂子は赤ちゃんが産めない身体となってしまった。
子宮を失ってしまったことで、子どものことをより強く欲することになった砂子は、散々考えぬいた挙げ句、代理出産という道を選択する。外国人向けの代理出産を扱うクリニックがインドにあると知った砂子は、一路インドへと向かう....
 
 
代理出産を扱った物語。
現在でも賛否両論ある、この難しい問題をどう舞台化するのか?、非常に興味がありましたが、なかなか見応えのあるドラマとなっていました。デリケートなテーマを、時にシリアスに、時にユーモラスに描く、鈴木アツトさんの脚本・演出が素晴らしかったです。さくさくテンポよく進む物語の展開(場面展開が非常にスマート)も、見ていて心地良かったです。
テーマがテーマだけに、シリアスな場面も多かった訳ですが、その一方でエンターティメント色あふれる場面もバランスよく配置されており、見た目にも楽しい舞台となっていました。このあたりのバランス感覚が絶妙でした。
 
個人的には、代理出産というものに対して非常に否定的な立場ですが、そんなオイラでも主人公・砂子には素直に感情移入出来ました。当事者にならなければわからないこともあるだろうし、なにより男性と女性とでは、出産に対する思いもまた大いに違うんだろうなあということを、強く感じながらの観劇となりました。決して特定の価値観を押しつけるような物語になっておらず、様々な人のそれぞれの視点をきちんと描いていた点も素晴らしかったです。
 
主人公の砂子を演じた小山萌子さんを始め、芸達者な役者陣たちも魅力的でした。
圧倒的に女性陣の役者が多い中、男性陣の役者さんたちの好演が光ります。
カメラマン柳生を演じた広田豹さんの胡散臭い感じは最高、
ナジマの夫を演じた平岩久資さんの、ダメさ加減が絶妙、
そして、砂子の夫・潤一を演じる鈴木智久さんの好人物ぶりが実に爽やかでした。
 
見終わった後「この作品、高校とか教育の場で公演したらいいのに!」と感じました。
決して性教育を扱った物語ではないけれど、今の若い世代の子たちに見て欲しいなと、なんとなく感じた次第です。
久しぶりに良い作品に巡り会えたなと感じた、
劇団印象の舞台『グローバル ベイビー ファクトリー』でありました。
 
 
     『さあ、外界(そと)の世界へ、飛び出そう!』
     精子くん.jpg
 オープニングから登場し、その後も物語の随所で登場する精子たち4人(匹!?)
 卵子も登場しますが、そちらは仏像っぽかったかな?(^皿^)
 衣装も可愛かったけど、何より可笑しかったのは精子同士で“死”について語り合う場面
  
  「オレ、外の世界に出たら“死んじゃう”よ!」
  「いや、オレたち“死なない”よ」
  「....なんで!?」
  「だってオレたち、“生きてない”から、ただのタンパク質だから!」
  「そっかー、それを聞いて安心したー(^皿^)/」
  「さあ、外の世界に飛び出そう!」
  
精子くんたちが、ティッシュうんぬんの話をするところがありますが、それを聞きながら何となく申し訳ない気持ちになったオイラなのでありました(^皿^;)>....カタジケナイ
  

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ユッキー

ご来場ご観劇下さいまして誠にありがとうございました。
シリアスな作品ながらもお楽しみ頂けましたこととても嬉しく思います。
今回のイラストもcuteに描いて下さり感謝感激デス!!
ありがとうございます!!
by ユッキー (2014-04-05 01:04) 

堀越ヨッシー

ユッキー様、こんにちは。
難しいテーマの作品ではありましたが、非常に楽しんで観劇することが出来ました。シリアスなドラマ部分、見た目に楽しい精子くんたちの様子など、バラエティに富んだ作品で、大いに満足して劇場をあとにさせて頂きました。
これからも、ご活躍応援しております♪(^皿^)/。
by 堀越ヨッシー (2014-04-05 07:11) 

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