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反旗を翻す時が遂にきた!〜「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」を鑑賞する [映画鑑賞]

映画「猿の惑星」(1968)と言えば、オイラが子供の頃などはしょっちゅうテレビで放映していたので、とても馴染みのある作品でした。当時は人間と猿の立場が逆転したSF世界を純粋に楽しんだりしていたものですが、やがて大人になるにつれて、実は猿が日本人や黒人のメタファーなんだということを知り、「なるほど映画というものは、そういう見方をすることも出来るんだ!」ということを教えてくれた作品でもあります。
そんな「猿の惑星」の世界が、現代に甦ります!。
「なぜ人類は地球の支配権を猿に譲ることになってしまったのか?」その顛末が描かれるのが、今作「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」です。猿好きのオイラとしては、「キングコング」以来の映像が見られるかも!?と、期待感でワクワクです♪。
果たして、作品の出来やいかに....?。
(今記事は、作品の内容に思いっきり触れています....注意!)
 
「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」カラー/106分
監督:ルパート・ワイアット
音楽:パトリック・ドイル
出演:ジェームズ・フランコ、フリーダ・ピント、ジョン・リスゴー、トム・フェルトン、ブライアン・コックス、and アンディ・サーキス 他
【あらすじ】
製薬会社の研究所に勤めるウィル(ジェームズ・フランコ)は、アルツハイマー病の回復に役立つ新薬の開発に取り組んでいた。研究者としての熱意はもちろんだが、何よりアルツハイマー病に冒された父チャールズ(ジョン・リスゴー)を助けたい一心が、彼の原動力だった。ある日、研究中の新薬が飛躍的な効果を発揮することが判明する。喜ぶウィルだったが、臨床実験中だったチンパンジーが突如研究所内で大暴れし、警備員に射殺されてしまった。ウィルは事態の責任を取らされ、研究は中止となってしまう。だが、その一方で奇跡は起こる。射殺されたチンパンジーは妊娠しており、その子は親の賢い遺伝子を受け継いでいたのだ。“シーザー”と名付けられたそのチンパンジーは、ウィルとともに生活をしながら成長していき、やがて手話さえもこなすほどの賢い猿となっていた....。
一方、新薬を投与された父チャールズは、いったんは回復を見せたものの、病が再発してしまう。近所を徘徊して隣人とトラブルを起こしたチャールズを助けたい一心で、シーザーは隣人を傷つけてしまい、結果的に保護施設送りとなってしまった。そこでシーザーは、自分と同じ猿が飼育員によって虐待されている事実を知ることになり....。
 
 
 
監督のルパート・ワイアットは今作が長編としては2作目とのことですが、なかなかどうして堅実な演出を見せてくれます。なによりこの壮大な物語をわずか106分でまとめてしまうその手腕には、素直に脱帽するしかありません。近年、このテの大作は2時間超えが当たり前のようになっていますが、今作においてルパート・ワイアット監督は非常にシャープな演出が光り、最初から最後までだれることなく、一気呵成に物語が進んでいきます。それでいて見せるべきドラマ部分とアクション部分とが絶妙なバランスで組み立てられていて、非常に見応えのある作品となっていました。
 
注目だったCG製の猿たちの映像も、当初こそそういう意識で見ていましたが、途中からはそんな意識もなくなり、まさにそこに実在するキャラクターとして、確かな存在感を示していました。ジェームズ・キャメロンやピーター・ジャクソンを例に挙げるまでもなく、こうした映像を撮る作家には、ある種のセンスが要求される訳ですが、ルパート・ワイアット監督はその部分でも非凡な才能を見せてくれました。デジタル技術を駆使した映像を確かな演出力で見せるルパート・ワイアット監督、この先非常に注目すべき監督だと感じました。
 
 
物語の中盤、霊長類保護施設内。
虐待を続ける飼育員(「ハリポタ」でお馴染みのトム・フェルトンが、実に憎たらしい役を好演していてグッド!)と、施設内で遂に対峙することになるシーザー。スタンガン仕様の警棒を突きつけ「檻の中に戻れ!」と叫びながら攻撃してくる飼育員。が、次の瞬間、飼育員の手を掴んだシーザーは、万感の思いを込めてこう叫びます....
 
 
NO!(嫌だ!)
 
 
この瞬間、オイラの涙腺は完全に崩壊しました...(^皿^)。
号泣ですよ、大号泣!
ここで泣けないヤツとは、絶対トモダチにはなれません。
虐げられ続けたシーザーが、遂に立ち上がり行動を起こすその姿に、オイラはただただ感動し、ひたすらシーザーを応援するのでありました。
そして、ここから物語は怒濤のごとく進んでいきます。施設内を脱走したシーザーたち猿軍団は、まず研究所を襲撃。実験台となっている猿たちを救出します。次に向かったのが動物園。同じく捕われの身だった猿たちを解放します。そして、最終的にシーザーが目指した場所は、かつてウィルが連れて行ってくれた森林公園。ゴールデンゲート・ブリッジのその先に目指す場所があります。この橋を舞台にして、人間VS猿の激しい戦いが繰り広げられることになります。果たして、シーザーは安住の地である森林公園に辿り着けることが出来るのでしょうか?。その結果は、是非皆さんご自身の目で確かめて下さい(注目はゴリラです!、ゴリラに泣かされます!)。
 
 
人類の驕りに警鐘を鳴らす「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」。
科学とはいったい何なのか?、人は他の動物とどう接するべきなのか?、....など、作品を見たあとで、とにかくいろんなことを考えさせられる今作。この秋、というか人間なら絶対観ておかなくてはならない大注目の映画です。
猿好きのオイラも自信を持ってお薦め出来る作品です。是非劇場へ!。
  
 
 「シーザーのだんな、人間なんてとっととやっつけてしまいましょーぜ!」
 シーザーとオイラ.jpg
 
パトリック・ドイル/オリジナル・サウンドトラック 『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』

パトリック・ドイル/オリジナル・サウンドトラック 『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • 発売日: 2011/09/28
  • メディア: CD
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パトリック・ドイルの音楽、良かったな。
これはオイラのコレクション入り決定!(^皿^)。
 
 
ところで、映画の性質上、どうしてもシーザーばかりに目が行きがちだけど、やはり御大ジョン・リスゴーの名演にも触れておかねばなりません。久しぶりにそのお姿をスクリーン上で拝見したけど、やはり彼は名優ですね!。アルツハイマー病に冒されたキャラクターを見事に演じきっていました。猿、ジョン・リスゴーと言えば、ハートフル・コメディの傑作「ハリーとヘンダースン一家」が思い起こされる訳ですが、何故だかこの作品いっこうにソフト化される気配がありません。何か権利問題でもあるのでしょうか?。とにかくこの名作コメディを早くソフト化して欲しいです。もちろん、その時は青野武さんによる吹き替え版を収録して下さいな♪(^皿^)。
  
 
それから、これはまったくの余談ですが。
プログラムに森の中でショットガンを構えるブライアン・コックスのスチール写真が載っていたんですが、劇中ではそのシーンがありませんでした。恐らく想像するに、子供をシーザーに殺された保護施設所長(ブライアン・コックス)が、仇を討とうとする場面がクライマックスにあったのではないでしょうか?。結局ばっさりカットされた(ルパート・ワイアット監督のその潔さにも拍手!)んだと思いますが、このあたりはソフト化された時にディレクターズカット版として復活してもいいかも!?。
   

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青山実花

私も予告を観た時から、
ジョン・リスゴーの演技が楽しみの一つでした。
 
私が彼の映画で一番印象に残っているのは、
「ガープの世界」でのオカマ役です。
地味だけれど、
とてもいい俳優さんですね。
by 青山実花 (2011-10-12 14:21) 

堀越ヨッシー

青山実花さん、こんにちは。
ガープの世界!....って、実はまだ観たことがないんですよね(^皿^)。
オイラにとってリスゴーと言えば、上記の「ハリーとヘンダースン一家」と、あとは映画版「トワイライトゾーン」で演じた飛行機恐怖症の男ですね。そう、地味なんだけど、すごくいい俳優さんです。「猿の惑星」では、目が良かったですね。あの遠くを見ているような目が。
by 堀越ヨッシー (2011-10-13 07:21) 

ジジョ

ヨッシーさん猿好きなんですねw
じゃ、この映画はたまらないですねーー。猿いっぱい♪
この映画106分だったなんておどろき☆
ほんと、デキル監督ですね〜。
by ジジョ (2011-10-25 13:48) 

堀越ヨッシー

ジジョさん、こんにちは。
猿好きとしては、正にお腹いっぱいな作品でした(^皿^)。
もちろん、ツッコミどころも満載な作品でしたが、ルパート・ワイアット監督の演出は、やはり素晴らしかったですね!。
by 堀越ヨッシー (2011-10-26 07:21) 

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