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「レミーのおいしいレストラン」(吹き替え版)を見る [映画鑑賞]

先行ロードショーをやってたので、早々と見て来ました「レミーのおいしいレストラン」。以前ピクサーで「Mr.インクレディブル」を監督したブラッド・バード監督による第2弾。
ブラッド・バード監督は、名作「アイアン・ジャイアント」を世に送り出した事で、アニメファンから崇拝されている方なのであります。

アイアン・ジャイアント 特別版

アイアン・ジャイアント 特別版

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2006/10/06
  • メディア: DVD


宇宙からやってきた謎の巨大鉄ロボットと、母子家庭で育つ少年との、心温まる交流を描いた傑作アニメ。これを見ずして死ぬ事は許されない...未見の人は今すぐ見よ!
  
 
そんなブラッド・バード監督が今回お届けするのは一匹のネズミの物語。
【あらすじ】
フランスの片田舎に住むネズミのレミーは天才的な嗅覚と味覚の持ち主。食べ物を盗んでは食べるというネズミの生活に嫌気が差している彼は、いつの日か自分の手で料理を作ることを夢見ている。そんな彼が尊敬する人物は、パリの街で5つ星レストラン「グストー」を経営する天才シェフ・グストー。彼の著書「誰でも名シェフ」はレミーの心の支えだった。
ある日の事、兄のエミールとともに民家に侵入していたレミーは住人に見つかり逃走、その際家族や群れとはぐれてしまった。下水道に流され、行き着いた先は、なんと憧れの街パリ!、そして目の前には長年夢見ていた高級レストラン「グストー」があった。...レミーは何かに誘われるようにそこへと向かうのだった...。
一方「グストー」の厨房にはさえない男の姿がひとり。名前をリングイニという彼は、母親の紹介状をつてに雑用係として働かせてもらうためにここへとやってきたのだ。ドジな彼はこれまでもあらゆる職場をクビになり、ここでの仕事が最後のチャンスとなっていた。「ここをクビになる訳にはいかない!」..と意気込む彼だったがその行動は空回り。結果スープをこぼすという大失態を犯してしまった!。だが誰も見ていないのを良い事に適当にごまかそうとするリングイニ。
その様子を天井裏から見ていたレミーは思わず叫んだ...「せっかくのスープが台無しだ!」。元来の料理好きが高じてスープを作り直さずにはいられなかったレミーだったが、その一部始終をリングイニに見られてしまった。絶体絶命のピンチ!...だがレミーの作ったスープは美味いと大評判になる。料理長スキナーは疑いの眼差しを向けるが、リングイニがスープを作ったと疑わない厨房唯一の女性シェフ・コレットを始めとするシェフたちはリングイニを絶賛するのだった。納得がいかない料理長スキナーは、自分の目の前で料理を作ってみろと要求してきた。
困惑するリングイニだったが、クビになるのを恐れてネズミがスープを作ったという事実も言えず、結局この“料理好き”のネズミの力を借りて新たな料理を作る事となってしまった。料理が苦手な男と、料理が大好きなネズミとの、奇妙な協力が今始まった...!。
 
 
 
「Mr.インクレディブル」の時もそうでしたが、出来上がった作品がいわゆる“子供向けアニメ”にならないところが、ブラッド・バード監督の魅力のひとつです。そもそも厨房で忌み嫌われる存在であるネズミが料理を作るっていう時点で、すでに普通じゃありません。しかもこのレミーがアニメ調とは言え結構リアルな動きをするので、ネズミが苦手な人は見ていて結構辛いかもしれません。ネズミの大群シーン(うじゃうじゃ出て来ます!)では卒倒するかもしれませんね(苦笑)。
でも、これっておそらく確信犯だと思うのですよ。ぶっちゃけ主人公だし、料理を作る訳だし、更に商業的な事を考えたら容姿をもっと可愛くすることだって出来たはずなんです。それを敢えてああいうリアル系なデザインを選択するところに、ブラッド・バード監督の男意気を感じてしまいます。映画の中での台詞「偉大な料理は、勇気から生まれる」を、そのまんま「偉大な映画は、勇気から生まれる」と置き換えて実践しているかのようです。
 
ピクサーのCG技術のレベルには毎回驚かされますが、今回の「レミーのおいしいレストラン」では“肌の質感”がとんでもない事になってますね。いわゆる本物の人間の肌とは違う質感を敢えて追求してるって感じです。マニアックな話で恐縮ですが、人形制作などに使われる“スカルピー”っていう粘土があります。ほのかな光沢と若干の透明感があり、指で触れると柔らかい素材の粘土なのですが、その質感にすごく似ていたように感じました。料理評論家のイゴーなんて青白い指先がまるで人形のようです。つまり、この映画はCGというハイテク技術を使用したクレイアニメなんだと思います。ニック・パークの「ウォレス&グルミット」やティム・バートンの「コープス・ブライド」とはひと味違った趣きがこの映画にはありますね。
 
キャラクターデザインもオイラ好みです。ネズミのデザインもさることながら、極端にディフォルメされた人物のデザインがとっても好きです。伝説のシェフ・グストーの首の下のたぷたぷ感や、厨房で働く唯一の女性シェフ・コレットの唇のぷにぷに感、料理評論家イゴーのガイコツのようなスタイル、...など、ラクガキストとしてはこういうデザインのキャラクター画が描けたらなあって、すごく憧れちゃいました。
 
子供向けアニメではないため、物語的には地味な感は否めません。もちろん楽しいシーンもありますが、さして劇的な事が起こる訳でもありません。でも、映画の中に出てくる料理同様、良質な作品であることに変わりはありません。料理好きの方や、フェレットやハムスターなどネズミ系動物が好きな方、あるいは「ちょっとパリの空気を感じたくなった」って方は、この夏、劇場へ足を運ばれてはいかがでしょうか?。
 
オイラのお薦め度〜☆☆☆★★(5点満点)
オイラの場合、高級レストラン自体に馴染みがないんでこの点数。グルメな方には楽しんで頂けると思います。「ラタトゥーユ」って食べた事がないけど、一度は体験してみたいな♪。


鼻がでかいリングイニに、思わず親しみを感じてしまうオイラ(^皿^)
 
 
【おまけ】
今回も本編が始まる前に短編が上映されます...「リフテッド」です。
とある一軒家に忍び寄る謎の巨大な円盤。住人は熟睡中で気付いていない。そのすきに住人を誘拐しようと画策するエイリアンだったが、どうも上手くいかない。理由は簡単...操作方法に不慣れだったのだ。何度もトライしては失敗する新人エイリアン。その様子を厳しくチェックするベテランエイリアン。そして、ついに住人を家の外に運び出す事に成功!...喜ぶ新人エイリアンだったが....!?。
おそらくゲームセンターのクレーンゲーム(ってアメリカにもあるのかな?)をヒントに作られたと思われるこの短編。この先のオチは是非劇場で確認して下さい!。
 
 
...あ、吹き替えに関して語るスペースがなくなってしまった!。
それは次回って事で!。


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うつぼ

今日の王様のブランチで大分宣伝していたのですっかり観たくなっています。バラエティに富んだ登場人物がうまく絡み合っているようで、大人向きというのが気に入りましたしね。しかし、ヨッシーさんの記事を読むと字幕にしようか吹替えにしようか迷うところでございます。。。
by うつぼ (2007-07-28 19:58) 

堀越ヨッシー

うつぼさん、こんにちは。
吹き替え派のオイラとしてはもちろん吹き替えをお薦めしたいところですが、字幕でも充分楽しめると思いますよ。グルメなうつぼさんには楽しんで頂ける映画だと思います。少なくとも「オープン・シーズン」よりは面白いです!(苦笑)。
by 堀越ヨッシー (2007-07-28 20:13) 

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