SSブログ
舞台・コンサート ブログトップ
前の10件 | 次の10件

激弾BKYU企画公演「THE JUDGE〜エゴな人々」を観劇する [舞台・コンサート]

激弾BKYUの企画公演「THE JUDGE〜エゴな人々」を観劇しに、中野まで出掛けて参りました。
所属する役者・今村有希さん見たさに去年の春に初めてBKYUさんの舞台を観劇して以来、1年ぶりとなる今回の観劇。前回初めて見た作品は、正直あまりハマれなかったのですが、今回の舞台は実に面白い作品で、ガッツリとハマりました!。
 
「THE JUDGE〜エゴな人々」
作:ブラジリィー・アン・山田(ブラジル)
演出:サカイハルト
 
出演:酒井晴人(コンビニ店長代理)
   今村有希(アルバイト)
   大高健二(謎の人物〜実は本部の人)
   東野醒子(オーナーの奥さん)
   阪本葵(コンビニの隣に住む主婦)
   有友正隆(近所に住む客)
   影山晃子(お客のOL)
   小林博(オーナー)
   蔵重美恵(ゴミを不法投棄する人)
 
 
今回の作品は、とあるコンビニを舞台に、そこへ集う人々によって繰り広げられるドタバタコメディ。今現在コンビニでバイト中なオイラにとっては、まさにタイムリーな舞台なのであります(^皿^)。
前回初めて観劇した作品は“海賊モノ”でその突飛な世界観に今イチのれなかったのですが、今回はオイラが大好きな“市井モノ”ということもあって、すんなりと舞台の世界へと入っていけました。
どの登場人物も魅力的で活き活きとしており、見ていてとっても楽しい作品でした。
 
主演の酒井晴人さんは相変わらず目の下のクマが強烈で一度見たら忘れられない印象的な方です。例えるなら日本版ゲイリー・シニーズといったところでしょうか!?(苦笑)。でもその特徴的なクマが、日々仕事に追われる疲れた店長代理の姿にマッチしていてグッドでした。実は最初、酒井さんのクネクネした独特な動作に違和感を感じておりましたが、見ているうちにそんなことはどうでもよくなりました。小学生の頃の席替えの話には大笑いさせて頂きました。とにかく熱演でした!。
 
今村有希さんは今時の若いアルバイト店員を好演。レジが故障していたため、口で「ピッ、ピッ」と言いながらレジ業務をこなす姿が微笑ましかったです。
 
本部の人間を演じた大高健二さんは、その台詞まわしが実に強烈で可笑しいのなんのって。ああいうのはともすればやりすぎて逆に嫌みになるものだけど、そうならなかったのはひとえに大高さんのキャラクターによるところが大きいですね。それにしてもホント“バカボンのパパ”にそっくりですよ、大高さん(苦笑)。
 
東野醒子さんは上品なオーナーの奥さんを熱演。最初何やら意味ありげに登場したので、てっきり浮気でもしてるのかな?と思っていたら、全然そんなことはなかったですね...失礼しました(苦笑)。
 
阪本葵さんは苦情を言いにやってくるお隣の主婦を好演。攻撃的なキャラクターとかわいいフリルのついたエプロンとのギャップが妙に可笑しかったです。
 
賞味期限切れの弁当を買わされ、そのことでクレームをつけにくる客を演じるは有友正隆さん。発言そのものはまったく正しいのにクレーマー呼ばわりされ、挙げ句の果てにはゲリピーに....悲惨すぎます(苦笑)。それにしても有友さんはホントかっこいい役者さんです。
 
影山晃子さんは、一人暮らしの寂しいOL(ノラ猫しか友達がいない)を好演。最初はそのオドオドした雰囲気から、てっきり“万引き常習犯”なのかと思ってましたが、これまた予想がハズれてました...スミマセン(^皿^)。
 
小林博さんはことなかれ主義のオーナー役を汗だくになりながら熱演。前回初めて見た作品でもそうでしたが、小林さんはこういう“災難巻き込まれ型”のキャラクターが実にピッタリ!です。あんなに「申し訳ございませんッ!」という台詞が似合う人間は「ホテル」の高嶋政伸さん以来ですね(^皿^)。物語終盤、小林さん演じるオーナーがアルバイトの子に向かって『やりたい事を諦めちゃダメなんだッ!」と力説するシーンは舞台中一番グッときて感動したシーンでした。
 
そして、今回オイラのツボに一番ハマったのが蔵重美恵さん演じる不法投棄をする主婦。その挙動不審な様子があまりにもリアルで恐いやら可笑しいやら。前回拝見した舞台では今村さんと母子を演じていた蔵重さん。関西弁を繰り出す明るいおばちゃん役だった前回とは一転、今回の役はそれとはまったく違っていて個人的にはある意味ちょっと衝撃的でした。蔵重さんの芸域の広さを感じてしまいました。
 
   という訳で、今回はそんな蔵重さんのイラストをアップ!
   蔵重さん.jpg
   蔵重さん、サイコーっす!(^皿^)b
 
そうそう!、これにも触れておかねば!。今回の舞台、セットがとても素晴らしかったです。小劇場であんなにセンスのいいセットを見たの、初めてかもです。 
久しぶりに見応えのある舞台で、大いに楽しめた激弾BKYUの公演「THE JUDGE〜エゴな人々」でありました。20日の日曜日までやってるみたいですよ。お近くにお住まいの方は是非劇場へレッツラゴーって事で(^皿^)。

nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

そして、終わったのでござる... [舞台・コンサート]

オイラにとっては1年ぶりであり、そしてたった1日だけの舞台でしたが、ワークショップの発表会を先週の土曜日に無事終えました。今回は初めての時代劇ということもあって、いつも以上に悪戦苦闘の稽古が続いたワークショップでした。
 
オイラが通っているところは基本的に所作事にはとても厳しいところなのですが、今回のお芝居ほどその事の重要性を感じない日はありませんでした。袴(着物)を着ての立ち振る舞い、歩き方、そして殺陣と、現代生活をおくっていてはなかなか実体感することのない動きの中でのお芝居は、想像していたよりも遥かに難しく、改めて時代劇をやるのに所作事は重要だなあ..と痛感したのであります。
 
例えば“歩き”に関してですが、以前もここで冗談っぽく書きましたが、普通に歩いてたんじゃ駄目なんです(なんでもオイラは“ピョコピョコ”歩いているらしい)。武士には武士の歩き方が、商人や町人にはそれぞれの歩き方がある訳です。同じ武士でもちゃんとした武士と浪人とじゃまた違ってくるし、ちゃんとした武士でも個々の性格でもまた違ってくる...とにかくこんな単純な動きだけでも細かい制約があるのです。
そうした歩き方を始めとする時代劇特有の立ち振る舞いを崩さないようにと常に意識しながらのお芝居はとにかく大変でした。
 
というのも、お芝居をしているとついつい感情的になってしまい、そういう所作事が頭が飛んじゃうんですよね(苦笑)。その一方で「所作事をちゃんとしなきゃ!」と意識しすぎると肝心のお芝居がおざなりになってしまったりと...両方のバランスをとりつつ両方ともしっかりとやる!..これが本当に難しかったです。
 
わかりやすい例を挙げると、“殺陣”が正にそうでした。
今回初めて殺陣に挑戦しましたが、ほんのちょっとだけだったのにこれほど苦労するとは夢にも思いませんでした。殺陣に於いてはまずその動きが重要視されます。段取りを間違うと美しくないし、何より怪我しちゃいますからね。ただ動きばかりに気をとられちゃうと肝心のお芝居が“段取り芝居”になってしまい、伝えるべきドラマがお客さんには伝わらない。
殺陣師の方に言われたのは「無言で刀を合わせている時だって、心の中ではそれぞれに思いや葛藤があるはず。そういうものをきちんと表現しないと単なるダンスみたいな殺陣になってしまうぞ」という事でした。目から鱗が落ちるような思いでした。殺陣独特の動きの美しさはあると思うんですよ。でもお客さんは動きの美しさを見に来てる訳じゃない、それがあったとしても、それ以上に“ドラマ”を見に来ているんだ!と、その事を再認識させられた言葉でした。
果たしてオイラの殺陣はちゃんとドラマを伝えていただろうか?。一人の女性を愛するあまり不義を働き、そして仇討ちの相手として命を狙われる。死にたくはない!と願うが、結局は討ち取られてしまう...そんな一人の男の思いをきちんと表現出来ていただろうか?...舞台が終わってしまった今、それを知るのは当日会場で舞台を見て下さったお客さんのみが感じられた事ですが、願わくば少しでもそういった思いが伝わってて欲しいなあと思った次第です。(でも友達からは相変わらず“ピョコピョコ”してたって言われたけど...ギャフンッ!)
 
 
とにかく、今回のワークショップでは学ぶ事が多く、また反省する事も多かった日々でした。ここで得た事を少しでも次に活かしていけたらなあ...と、珍しく真面目に考える堀越ヨッシーなのでありました(^皿^)。
 
 
 
 
楽屋にて 

去年に引き続き、素顔は恥ずかしいので...(^皿^;)


nice!(5)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

本番当日でござる [舞台・コンサート]

いよいよ本番当日でござる
 
昨日はゲネプロだったけど、終始グズグズだったでござる
 
「だって殺陣の動きが急遽変更になっちゃうんだもん!」
...などとは言い訳しないのでござる 
 
芝居本来についても未だ反省点のみばかりが浮き彫りになるのでござる
 
それでも本番はやってくるのでござる
 
今日は舞台上で精一杯自分の演じるキャラクターを“生きて”みようと思うのでござる
 
 
 
 
 
 
 
 「行ってくるでござる!」
 
 
 
 
因みに時代劇だからと言ってこんな言葉使いはしないのでござる(^皿^)
あしからずでござる(....まだ言ってる)


nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

文学座公演「ぬけがら」を見る〜紀伊國屋サザンシアター [舞台・コンサート]

文学座の若松泰弘さん出演の舞台「ぬけがら」(作:佃典彦 演出:松本祐子)を観劇してきました。
【キャスト】
男(鈴木卓也)........若松泰弘
父1(鈴木卓二郎・84歳)...飯沼彗
父2(60歳代).....鵜澤秀行
父3(50歳代).....関輝雄
父4(40歳代).....高橋克明
父5(30歳代).....佐藤淳
父6(20歳代).....?橋朋典
女1(鈴木美津子)...山本郁子
女2(田中久恵).....太田志津香
女3(鈴木景子).....添田園子
女4(佐藤理沙).....奥山美代子

 
【あらすじ】
ある夏の日...母親の葬儀をすませた翌日のこと。主人公・鈴木卓也は妻からつきつけられた離婚届に判を押すように迫られている。学生時代の女友達との浮気がばれた上に、人身事故を起こして職場を解雇。おかげで心労が重なった母親は他界してしまった。あらゆるものが失われようとしている今、鈴木に残されたものはと言えば、84歳で認知症の父親だけだった...。
その日の夜..失禁した父親をトイレに連れて行き、そのまま眠りについてしまった卓也が再び目を覚ましたのは深夜だった。気がつけば父親の姿が見あたらない...慌ててトイレに駆け込むと、そこにいた...いや“あった”のは“父親のぬけがら”だった!。驚きのあまり大声を張り上げる卓也...そんな卓也に背後から大声が響いた
「うるさい!、深夜なのに静かにせんかッ!、卓也!」
...そこにいたのは、20歳近く若返った父親だった!。そして、日を追うごとに父親はセミのように脱皮を繰り返し、どんどん若返っていくのだった...。
 
 
【感想とか】
久しぶりに見応えのある面白い舞台を見たなー!..というのが率直な感想です。認知症の父親が脱皮を繰り返しながらどんどん若返っていくというシュールな展開がユニーク。様々な年代(60歳代〜20歳代)の父親と息子の交流が実にユーモラスに描かれていて、それが見ていてすごく面白かった。
最初の60代や50代の父親っていうのは、主人公もまだ父親としての記憶が残っているから、お互いが対峙してる時はしっかり“親と子”の関係なんだけど、これがやがて40代、30代となってくるとその関係に微妙なズレが生じてくる。同世代にまで若返った40代の父親(まだ息子が生まれていない時代の父親)が息子を見ながら言う台詞「お前が俺の息子だなんて今いちリアリティがないんだよなあ」に思わず苦笑い。無論それは息子側も同じな訳で、自分の知っている父親像とは似ても似つかない男(チンピラ遊び人風)にとまどうのである。そのズレが傍から見ていてなんとも可笑しいのだ。やがて、これが更に自分より年下の30代になり、果ては20歳代となっていく...そこに存在する父親はもはや自分の知らない父親だ。...もし自分だったらどうする!?...そう考えただけでもドキドキする展開。
 
終盤にそれぞれの父親が一堂に会して食事をするシーンがあるんだけど、これが実に圧巻だった。ちゃぶ台を囲んで冷や麦を全員で食べるシーン...「おい、七味をとってくれ!」「俺に命令するな!」「俺が俺に命令して何が悪い!」「お前が辛いものをとり過ぎたから俺は手術するハメになったんだぞ!」「おいコラお前、一人で食い過ぎだろ!」「自分は若い分たくさん食べなければならないのです!」「配給世代だ、勘弁してやれ!」...などと言った台詞のやりとりが絶妙の間で繰り広げられるのがとにかく可笑しい!。そして、そのやりとりを傍から唖然として見つめる主人公の姿....笑わずにはいられません。
この場面を見ていて、昔「ドラえもん」に似たようなシチュエーションがあった事を思い出しました。のび太の宿題を手伝うハメになったドラえもんが未来の自分(2時間後、4時間後..etc)を現代に連れてきて大勢で宿題にとりかかるというシーン。大勢の自分と悪戦苦闘しながら宿題にとりかかるドラえもんの姿が可笑しかったけど、それに似た感じでした。
 
台詞のやりとりと言えば主人公・鈴木卓也を演じる若松泰弘さんとその妻を演じる山下郁子さんによる夫婦のやりとりもまた、見ていて気持ちが良かった。若松さん曰く「彼女とは何度も芝居で組んでるので、お互いに呼吸があうんだよね」と仰ってましたが、まさにその空気感が舞台上から伝わってくるようでした。山下郁子さんの台詞がすごく自然体で上手いなーと感心してしまいました。あと彼女が酔っぱらって踊るシーンがあるのですが、それがまたチャーミングで魅力的でした♪。
 
 
舞台のエンディング...亡くなった妻を追うかのように亡くなった父・卓二郎。そして主人公・卓也は妻から突き出された離婚届けに判を押す。妻は家を出て行き、ただ一人部屋に残された卓也。窓から差し込む夕日を眺めながら、ポツリとひと言...
「夏は終わった...」
そして、ちらかった部屋を片付け始めるのだった...
 
 
何故だろう...
この短い台詞に胸がキューンとなって、熱いものがこみ上げてきた。
両親はともに亡くなり、妻は家を出ていった...それだけ見るとすごく悲しい状況下なのだけど、でもそれだけではない主人公の姿がそこにはあった。悲しみを背負いながらも、それでも前を向いて歩き出そうとしている主人公の姿に希望の光を見たからかもしれない。主人公もまた己の殻を破って“脱皮”したのだ。主人公が見た夕日はきっと希望の光に溢れた陽の光だったに違いない。
 
シュールな設定でありながら、全編笑いに包まれ、親と子のやり取りに共感し、そして最後はなんとも言えないような気持ち良さを感じて終了した舞台でした。是非たくさんの人に見て欲しい舞台です!。

 
 
 
父親が、どんどん若返っていく...

様々な父親=役者さんと若松さんとのやりとりが楽しい舞台。中でもとりわけ40代の父親を演じられた高橋克明さんとの絡みは最高だった。台詞のやりとりが自然な舞台は、見ていて気持ちがいい!。
 

ぬけがら

ぬけがら

  • 作者: 佃 典彦
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 単行本


改めて本を読み直してみたい

 
追記...どうやらテレビ中継があるらしい。
劇場に行けない人にも是非テレビで見て欲しい舞台です!。


nice!(2)  コメント(9)  トラックバック(1) 
共通テーマ:演劇

舞台「五ヶ瀬村大字三カ所下ル」を見る〜東京ロックンパラダイス [舞台・コンサート]

知り合いの役者さんから「今度、客演するんで見に来て下さいよ〜」と、お誘いメールがきたので、その彼が出演してる舞台を見てきました。
  
東京ロックンパラダイス本公演「五ヶ瀬村大字三カ所下ル」〜新宿シアターブラッツ
   
東京ロックンパラダイスは俳優・布施博さんが主催の劇団(..なのかな!?、実は詳しいことはよく知らないんだよね...苦笑)。今回の舞台が21公演目だそうです。
 
【あらすじ】
田舎で一人暮らしをする父親が行方不明と聞いて集まってきた息子たち。離婚歴4回の長男(不二家勤務)、キャリアウーマンの長女(独身)、証券会社に務める次男とその妻、東京で役者をやりながらフリーター生活をおくる三男、そしてオカマの四男。父親の事を報せてきたのは、訳あって父親と同居している長男と幼なじみの女性だ。父親のことを心配しながらも久しぶりにあった兄弟たちは懐かしい昔話にはなをさかしていた。そんな折り、同居女性の同級生が父親から預かったという遺書を携えやってきた。遺書には預金の全てを同居する女性に譲り渡すという。それを聞いて憤慨する兄弟たち。果たして、父親の意図とは...?!
 

舞台開幕早々から、テンポのいい台詞のやりとりが心地いい。とにかく出演者が喋りまくるのだ...これは見ていて素直に凄いッ!と思った。
オイラはてっきり布施博さんは出ないものとばかり思っていたが、どっこい主催の布施さんご自身も舞台に出演されてました。布施さんのお芝居はテレビ等、映像でしか拝見したことがなかったので、そんな布施さんがこんな小劇場でお芝居をされていること自体に、ちょっと感動したオイラ。何より布施さんご自身が楽しんでお芝居されている雰囲気がひしひしと伝わってきた。前半のとあるシーンで台詞を噛んだ布施さん...思わず自分でも笑ってらっしゃったけど、これはご愛嬌(笑)。後半にステテコ姿で「♪ミルキーはママの味ィ〜」と、酔っぱらって歌い踊るシーンには、思わず爆笑してしまいました。
 
図らずも多額の遺産が舞い込む事になり苦悩する主人公の女性を演じられた井上和子さんが素晴らしい。深夜、父親の遺書を持って来た弁護士の同級生(古谷浩子さん)と二人っきりで語り合うシーンがとっても素敵でした。ああいう普通に会話するっていう芝居が、実はとっても難しかったりするんだよね。そういった意味でも、個人的に一番印象的なシーンでした。
 
印象的と言えば、この舞台ではとにかくケンカになるシーンが多い(苦笑)。兄弟でちょっと揉めだすと即ケンカが始まる。シバキ合うのは普通で、お茶のかけあいに始まり、末は食卓のみそ汁が飛ぶ始末。しかもこれ、みんな本物!...出演者みなビショビショになりながらの大熱演!。オイラはこういうリアルって大好き!、これもまた小劇場での舞台の魅力ですね。可笑しかったのが乱闘シーンでオカマの四男(岩田ひろゆきさん)が長男演じる布施さんに思いっきり蹴りを入れてたところ。「オカマをなめんなよ、コノヤロー」と、布施さんのケツに蹴りを入れてる岩田くんに思わず爆笑したオイラです(笑)。
でも、そんな乱闘シーンを見ながらちょっと懐かしくなったりしました。オイラん家も兄弟が多かったので喧嘩は日常茶飯事でした。そんなガキの頃を思い出してちょっとノスタルジックな気分に浸りました。
 
父親の遺産をめぐって争う兄弟たちが、やがて昔仲が良かった頃のような家族の絆を取り戻す...そんな物語でした。1時間40分の舞台でしたが、とっても濃密で、楽しく、なおかつ素敵な舞台でした。次回の公演も見に行ってみようかな?..そう思わせてくれる東京ロックンパラダイスの舞台でありました。
 
  
  
オカマの四男を演じた岩田ひろゆきくん。
舞台中ずっと誰かに似てるなーと思ってたら、ようやく気付いた!...「ドラゴンボール」に出てくるギニュー特戦隊のリクームだッ!(笑)。

もともとガタイの良い岩田くんがオカマをやると、いろんな意味で迫力があったよ。...しかし、まさかスキンヘッドだったとは...。パンツにティッシュが挟まってたのは、ちょっと悪ノリしすぎだよ(苦笑)。

(注)知らない方のために...これがリクーム


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

舞台「1999.9年の夏休み」を見る〜吉祥寺シアター [舞台・コンサート]

アロッタファジャイナ第8回公演「1999.9年の夏休み」という舞台を、先日観劇してきました。
映画「1999年の夏休み」(金子修介監督作品)を舞台用にアレンジした作品です。映画では少年の役を女性が演じるということで当時話題となった作品らしいのですが、残念ながらオイラは未見です(当時まだ“水原理絵”という名前だった深津絵里が出ているそうな)。

1999年の夏休み

1999年の夏休み

  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • 発売日: 2001/08/22
  • メディア: DVD


 
今回の舞台版も映画と同様、メインの少年たちをオスカーの若手女優陣ら(須藤温子、橋本愛美、阪田瑞穂、本田有花)が体当たりで演じています。
実は...恥ずかしながらオイラこと堀越ヨッシーは、須藤温子さんのファンでありまして...(^皿^)エヘヘ。彼女が昔「おはスタ」や渡辺徹と一緒にゲーム番組の司会をやってる頃からファンだったのです(..ま、もっともファンといってもオイラの場合、テレビで見かける程度のものでしたが)。
数日前たまたま、彼女が舞台に出演中という話を耳にしました。公演してる劇場が吉祥寺シアターというところで、オイラの住んでる地域から割と近くの劇場だった事と、テレビだけでなく一度生の舞台も見てみたいなという思いから、急遽観劇してみることにしました。
観劇当日、劇場で当日券を購入。当日券だからどうせ後ろの方だろうなあ...なんて思ってたら、な、なんと!、一番前の席をゲット!...一体どういうシステムでチケトを販売してるんだ!?..などと不思議に思いつつも、心の中では「ラッキー♪」と喜ぶオイラなのでした。
吉祥寺シアターという劇場には今回初めて足を運びましたが、すっごく綺麗な劇場で、座席も全て段差があったので舞台上がすごく見やすい劇場でした。
 
さて、舞台ですが...正直、物語自体にはさして感動はありませんでした。過去と現在の話が交互に行ったり来たりとややこしい展開な点や、やたらと状況説明や感想台詞が多い脚本で、個人的にはあまり好みの舞台ではありませんでした。...まあ、この辺は嗜好の問題なので、なんとも...。でも、決して舞台がつまらなかったという訳ではない事はここに記しておきます。
脚本はとりあえず置いといて、舞台装置がシンプルなのは好感が持てました。
少年たちの着ている制服の衣装もおしゃれで素敵でした。でもそのせいで、どうしても“少年”というよりは、“少女”に見えてしまうのが痛し痒しで辛いところでしたね。少年役を演じる若手女優陣の皆さんは、一応髪をアップにしたり、男言葉で喋ったりとそれなりに頑張ってましたが、いかんせんもともとみんな可愛い顔立ち(さすがオスカー!)なうえに、声質自体も高音だから、ビジュアル的にはどうしても美少女にしか見えないのですよ。
とは言え、“女性が男性を演じる”という難しい役どころを須藤温子さんをはじめ、皆さん(橋本愛美さんも、阪田瑞穂さんも、本田有花さんも、安川結花さんも)一生懸命演じられてましたね。その情熱だけは舞台上からひしひしと伝わってきました。
 
今回の舞台は、舞台そのものというよりは、須藤温子さんをはじめとする若い役者さんたちがひたむきに芝居をしてるその姿に感動を覚えた舞台でした。こういう舞台を見るのもたまにはいいかな?..なんて思ったり。とりあえず“可愛い女性が大好き”なオイラとしては、たくさんの美しい女性が見られてその点だけは大満足な舞台「1999.9年の夏休み」でありました(←結局オチはそれかいッ!)。
 
 
須藤温子さんもいまや22歳...しばらく見ない間にすっかり大人の女性になられてました。でも童顔だから少年役が結構似合ってた(苦笑)。そんな彼女の姿を見ながら、時の流れの早さにしみじみとするオイラなのでありました。
 
「あの小さかった温っちゃんが、すっかり大人の女性じゃのう...(しみじみ)」

「こらーっ!、しみじみしてる場合かーッ、おっさん!。お前も頑張らんかいッ!!」
 
 
...はいはい、地味ィ〜に頑張ってますよっと(←本当か!?)
 
そんな訳で、舞台を見たらなんだか美少女(←オイラが一番苦手なラクガキ)を描きたくなってきました。オイラの中で今美少女と言えば、もちろんこの人!...Mさん(仮名)。
「2年生になって忙しいみたいだけど、勉強頑張れよ〜、Mリコ(苦笑)」

 
 
おまけ
舞台「1999.9年の夏休み」には、映画版には出てこないオリジナルキャラがいる...それがナース軍団だ!。とってもセクシーな看護婦軍団にオイラはメロメロ♪。中でも一番小柄な看護婦を演じてた滝野裕美さんがキュートで、めちゃめちゃ可愛かった♡。ナース滝野裕美に萌えつつも、「男はやっぱり制服姿の女性に弱いのね」と、己の男の性(さが)にちょっと泣けてくるオイラなのでありました。
 

 
【本日のありがた〜いお言葉】
「わかっちゃいるけど、やめられない」...by植木等


nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

激弾BKYU舞台「HELP ME!」、ここが面白かった [舞台・コンサート]

【前回・前々回の記事のあらすじ】
激弾BKYUの舞台を初めて鑑賞したオイラ。当初の期待とは裏腹に初BKYU鑑賞は違和感を感じる事が多い舞台となりました。そんな訳で前記事はかなり辛口な内容となりましたが、もちろん楽しめた部分もたくさんありました。今回はそんな部分をピックアップします。
 
【塩原美鈴さん演じる“カオリ”はとってもかわいい女性♪】
今回の舞台の登場人物でオイラが一番魅力的だなと感じたのは、主人公コーイチの恋人であるカオリ(演じるは、塩原美鈴さん)。カオリはいわゆる天然系の女性で、その言動や行動にコーイチは振り回される事になるんだけど、その様子が傍から見ていてとっても微笑ましかったです。コーイチもカオリを前にした時の台詞はとっても自然で、二人のやりとりのシーンはオイラも違和感なく感情移入して見る事が出来ました。
途中、カオリが突然ミュージカル口調になる演出にも個人的には大笑いしてしまいました。こういう演出、嫌いじゃないです。カオリのキャラ、芝居が過剰になり過ぎるとクドくて嫌みになるところだけど、その手前で踏みとどまった芝居をしてた塩原美鈴さんが素晴らしい。オイラは舞台を見ながら「なんでコーイチはこんな素敵な女性と結婚する事に躊躇してるんだろう?、オイラだったらこんな可愛らしい女性が相手なら即結婚しちゃうけど」って思ってました(苦笑)。
 
 
【生きてる台詞のやりとりは見ていて気持ちがいい】
今村有希さん演じるサチと、その母親タミーを演じた蔵重美恵さんとの間で交わされる会話が楽しい。二人とも何故か関西弁だ(苦笑)。確か今村さんは関西出身だし、おそらく蔵重さんもそうなのだろう..そんな二人の間で交わされる会話は“生きて”いた。生きた台詞だから、見ていて気持ちがいい。自然体だから、見ているこちらは違和感なくすんなりと舞台の世界へと入っていける...オイラが見たいのはこういう芝居なのだ。
タミーは典型的な関西のオバチャン風で、サチは目をクリクリさせて本音をズバッと言うかわいい女の子。この魅力的なキャラクター2人がコーイチの頭の中だけの存在とは実にもったいない。願わくば、コーイチが現実世界に戻った時、この二人もなんらかの形で現実世界に存在する人物として描いて欲しかった。
 
 
さて...ここまで良かった部分を述べてきましたが、最後にどうしても腑に落ちなかった演出があったので、その事について書きたいと思います。
それは、物語中盤だったと思いますが、海賊船が地上を暴走するシーンです。
コーイチの舵取りで地上を爆走する海賊船。信号機をなぎ倒し、車を吹き飛ばして暴走する海賊船。だが、ふいに急ブレーキをかけるコーイチ!..目の前にいるのは恋人のカオリだ。カオリはお婆さんの手をとり横断歩道を渡ろうとしている。そこで海賊たちはそんな彼女に対してエールをおくるのだった...。
そのシーンでの事です。海賊船上にいたクッフ船長の影(演じるは、作・演出を手がける酒井晴人さん)が突然船から降りてきてカオリの横に陣取ったかと思うと、そのままお婆さんを演じたのです。会場からはその様子に笑い声も起きました。でも、オイラはそれを見て思わず心の中で叫んだのです...
「何してくれてんだよッ!!!!(怒)」
...それは紛れも無く怒りの感情でした。どうしてオイラがそのシーンを見てキレたのか?...それはオイラの中にあった“想像力”を踏みにじられたからです。
 
カオリが袖口から舞台上へと登場した時、カオリはお婆さんの手をひいていました。このシーンではお婆さん役の役者さんはいません。だから舞台上にはカオリ演じる塩原美鈴さんが想像力で創りだした“お婆さん”が存在しています。役者は例えそこに存在しないものでも想像力を駆使して創りだす事が出来るのです(もちろん役者の力量によって創りだせるものは限定されますが)。カオリ演じる塩原さんは確かにそこに“お婆さん”を創りだしていました。そしてその様子を見て観客のオイラたちもその場に想像上の“お婆さん”を創りだす事が出来るのです。もちろんオイラも想像してそこにお婆さんを創りだしました。役者・塩原さんの創りだしたお婆さん像とオイラが創りだしたお婆さん像とは必ずしも100パーセント一致はしないかもしれないけど、少なくともあの時あの舞台上には塩原さんとオイラが創りだしたお婆さんが確かに存在していたのだ!。なのに、影を演じた酒井さんは横からひょいと出て来てお婆さんになりすました...それが許せなかったのです...「ちょっと待てよ!」と。「オイラと塩原さんが創りだしたお婆さんはどこへ行っちゃったんだよ!」と。
 
舞台を見る大きな楽しみのひとつに“想像力”というのがあると思います。想像力を使うから舞台上に作られたセットが大海原に浮かぶ大きな海賊船に見えてくる訳だし、衣装を着た役者さんたちも“海賊”に見えてくる。その場にないものだって見えてくる...想像力の力は絶大です。
酒井さんはご自身のホームページ上で「役者は観客が創りだす想像力の手助けが出来るような芝居をしなくちゃいけない」という意味合いのコメントをされていましたが、果たして今回の演出はその趣旨にそったものだったのでしょうか?。オイラはこの演出に関して、自分が創り出した想像の産物を足蹴にされた気がして、とっても不愉快でした。塩原さんはこの演出をどう思ったのだろう?...同じ役者として聞いてみたいものです。
 
 
【最後に...】
今回初めて激弾BKYUさんの舞台を観劇させて頂きましたが、正直個人的にはあまり好きなタイプの舞台ではありませんでした。むろん、これはあくまでもオイラいち個人の意見であって、「今回の舞台、楽しかったです!」って人もたくさんいるだろうし、「感動しました!」って人もたくさんいらっしゃる事と思います。
ただオイラが舞台を見ながら感じた事は、親子の葛藤だとか、恋人との関係に踏ん切りがつかない男の話とかを作品にするのに、別にファンタジーの力を借りなくてもいいんじゃないか?って事です。もっと正攻法で真正面からどうどうと取り組んだ作品が見てみたいです。
それと、楽しい舞台にしようって意気込みはひしひしと感じましたが、それとウケ狙いの演出は別物だと思います。もちろん笑いのハードルは人それぞれでしょうけど。
今回、会場にてアンケートを出せなかったので、このような形で舞台の感想を述べさせて頂きました。生意気と感じられた部分も多々あったかとは思いますが、いつわりなき正直な感想を書いたつもりです。そのことをご理解頂ければ幸いです。
 
ともかく、激弾BKYUの役者さん、そしてスタッフの皆さん、舞台公演本当にお疲れ様でした。秋の次回作も楽しみにしています。
..という訳で、全3回にわたってお送りしてきた激弾BKYU舞台「HELP ME!」観劇リポートは、今回にて終了です。かなり独断と偏見に満ちた長記事となってしまいましたが、貴重な時間を割いて読んで下さった皆様、ありがとうございました。
 
〜おまけ〜
激弾BKYU弾長にして、作・演出も手がける酒井晴人さん

タイツ姿に、男の哀愁を感じました。


nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

激弾BKYUの舞台「HELP ME!」を見て、いろいろ考えた [舞台・コンサート]

【前回のあらすじ】
今村有希さんが所属する劇団「激弾BKYU」の舞台を見るため、中野を訪れたオイラ。凝った舞台装置、豪華な衣装、個性的な役者の皆さん...開演前の高まる期待感とは裏腹に、上演まもなくから舞台との距離を感じていくオイラ。一体なぜオイラは劇弾BKYUの創りだした世界にとけ込めなかったのか!?...その原因を考える。
 
 
オイラがいち観客として舞台で見たいもの...それはもうひとえに“人間ドラマ”に他なりません。舞台上で役者の皆さんが演じる人物の生き様を通して、自分の人生を振り返ったり、また登場人物に自分を重ねあわせ一喜一憂するのが、舞台の醍醐味だとオイラは思っています。
そのためにはまず、登場人物に対して感情移入出来る部分を見つけだす必要があります。そこでオイラは登場人物を観察しながらまずその部分を探し出す作業に入ります...と言っても別に複雑な作業ではなく、要は共感できる部分があればいいんです。登場人物たちに対して何かひとつでも同じ共通認識を感じた瞬間、感情移入が始まり、舞台への世界へと入っていけるのです。
 
 
【予定調和の行動に違和感を感じる】
物語冒頭...主人公コーイチはパーターピン(クッフ船長)に半ば強引に乗組員にさせられる。まわりには海賊たち...訳がわからないままコーイチは仕方なくメンバーに加わる事に...
 
皆さんは“海賊”と聞いてまず何を連想しますか?。最近だとジョニー・デップの影響でジャック・スパロウの事を思い浮かべるかもしれませんね。でもオイラがまず感じる感覚はそういった呑気な感覚ではなく、まず間違いなく“恐怖”です。海賊=強盗団ですからね、そりゃまず第一に身の危険を感じますよ。一刻も早くこの場から逃げ出したいと思う。ところが主人公コーイチにはそれがない。オイラがコーイチの立場だったらこう思うこう感じるって事を彼はいっこうに表現してくれません...ジレンマを感じました。
もちろんそれなりの反応はしてました。でも、少なくてもオイラが見る限り切迫した印象はほとんど感じなかった。つまりリアクションが“リアル”じゃないのです。予定調和内の行動(アクション)だからハラハラドキドキもない。彼から緊迫した雰囲気を感じないから、目の前の海賊も恐くない。恐くないからリアルじゃない。リアルじゃないから、目の前の人達がいつまでたっても“海賊っぽい”人達にしか見えない。酷な言い方をすれば“海賊のコスプレをした人達”を前に物語が進んで行く...そんな感じでしょうか。“演じています”というフィルターが外れない舞台...舞台と自分との間に見えない壁が存在しつづけます。
舞台上に“リアル”を感じた時にはじめて、見てる人は舞台の世界へと入って行けるし、その世界を“現実”として受け入れられる...オイラはそう思うのですよ。
 
【笑いとは何か!?..を考える】
物語冒頭...パーターピンが緑色のタイツ姿で現れる。ピッチピチだ..当然局部はもっこりとしている。それを意識してか会場からは笑い声も聞かれた。でもそんな一部の客に対してオイラは思った...「何がおかしいの?」って。別におかしくないじゃん、タイツ姿。それがこのキャラの、この世界における格好だとしたら普通でしょ?って。
でも、もしこれが演出側の意図(見た目で笑わそうとする安易な演出)だったとしたら?...余計に笑えない。
今回の舞台を見ていて、時々こうした瞬間に出くわした。演出側の「はい、ここ笑うところですよ」といったあからさまな意図が透けて見える演出だ。オイラはこれがダメなのだ。これを感じた瞬間にサーッと引いてしまう。
例えば、バカボンのパパそっくりな格好をして出てくる人がいる。確かにそっくりだった。でもそれって作品にとって本当に必要な事だったの?って思う。
体育会系の海賊がかけ声をかける時にいう台詞「ウォン・ビン!、ウォン・ビン!」...安易すぎるし、笑えない。
主人公コーイチが全裸になるシーンでなげかけられた「お前、裸になるの好きだなあ」という内輪受けと見られる台詞など...etc。
演者が“今面白い事をやってる”とか面白い台詞を言って観客を笑わせてやるぜ”といった意識を持って芝居をすると、たいてい面白くなかったり、いわゆるスベったりします。
 
最初のタイツの話に戻るけど、仮にあれで笑いをとれたとして、それは正解なの!?って思う。例えるなら「スーパーマン」の中でクリストファー・リーヴのタイツ姿を笑うようなものですよ。でも誰もスーパーマンのタイツ姿を笑うものはいない。何故ならC・リーヴがスーパーマンという役をきちんと演じているから。
パーターピンのタイツ姿を笑われるって事は、言葉を言い換えれば役をきちんと演じきれてないって事じゃないの?。因みにオイラは下ネタも下品なギャグも好きですよ。だから局部をもっこりさせて笑いをとるっていうギャグ自体は嫌いじゃない(ドリフ世代だし)。だから、コメディアンとしては正解なのかもしれないけど、役者としてはあそこで笑われるってことはある意味不正解だと思いますね。タイツ姿で笑いが起こるって事は、海賊の格好をしている時に(似合ってないよと)笑いが起こるのと同じ意味合いですからね。
 
 
....うーむ、ちょっと辛口でしょうか?。
またまた記事が長くなりそうなので、とりあえず今回はここまでにします。
今回はネガティヴな内容ばかりになったので、次回は一転、オイラが舞台を見て面白かったところなどを記事にしたいと思います。
そして、オイラが今回舞台を鑑賞していてどうしても納得が出来なかったある演出部分について書きたいと思っています。
 
                   〜続く〜

おまけ〜激弾BKYUのちょっと気になるこの役者さん
有友正隆(ありともまさたか)さん

パーターピンとクッフ船長の二役をこなす有友さん。存在感で言えば舞台一だったかも。いかついお顔(失礼)と裏腹に、芝居ではかなりひょうきんな表情を見せてくれました。そのギャップがとっても魅力的でした。
ご自身は役者業の他に、バンド活動もされてるとの事です。

 


nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

激弾BKYU公演「HELP ME」を見る〜中野 ザ・ポケット [舞台・コンサート]

昨年...客演として出演されてた舞台を見て以来、すっかりファンとなってしまった今村有希さん。そんな彼女が所属する劇団「激弾BKYU」の本公演〜「HELP ME! 大人になるためのたったひとつの方法」(3/20〜25)を観劇するため、去る3月某日、中野まで出掛けてきました。
中野と言えば、去年初めて今村さんの舞台を見たのも中野の小劇場でした。そんな事を懐かしく思い出しながら今回の劇場である“中野 ザ・ポケット”に到着。小綺麗な劇場で完成してまだ新しい感じ。今回も今村さんにかなり良い席を確保して頂いた事に感謝しつつ劇場内へ。
 
中に入るとまず、ステージ上に作り上げられた凝ったセットに目がいきました。今回の物語は「ピーターパン」を題材にしたものらしく、ステージ上には海賊船のセットが作られていました。小劇場での舞台とは思えないその出来の良さに驚くと同時に、舞台への期待感が高まるオイラです。
 
舞台開始15分前...突然キャストの3人(有友正隆さん、大高健二さん、小林博さん)がステージ上へと現れました。3人はラップ調の歌で開演前の諸注意を説明するパフォーマンスを披露。携帯の電源は切っておいてね、とか、トイレの場所はどこそこですよ、とか、演出上スモークがたくさん出るけど煙たかったらゴメンね、とか、スピーカーの近くの席に座ってる人突然大きい音が出たりしてビックリするかもしれないけどゴメンね、とか、後方の方から声が聞こえるかもしれないけど演出だから気にしないでね、とか...etc。3人のパフォーマンスに会場はアットホームな雰囲気に包まれました。いいな、この雰囲気...期待はますます高まります。
 
いよいよ舞台開演! 
【あらすじ】 
緑色の服を着たピーターパンならぬ、パーターピンに連れてこられた主人公コーイチ。クッフ船長へとなりすましたパーターピンは、大人の想像の国“エバーランド”を目指しているという。訳もわからず乗組員の一人として加入させられたコーイチだったが、なにはともあれ、海賊たちと共にコーイチの冒険が始まった!
 
開始早々、海賊たちの豪華な衣装に目を奪われる。セットといい、衣装といい、凝りに凝った舞台となりそうだ。キャストの面々も個性的な役者さんたちばかり...期待感はますます高まる一方。この先どんな展開が待ち受けているのか、ワクワクするオイラ。
 
舞台開始から約30分経過...おかしい。何かがおかしい。未だ舞台の世界に引き込まれないオイラがいる。何故だろう?...心の中はモヤモヤしつつ鑑賞してる。
 
舞台中盤...今村有希さん登場。今回の今村さんの役どころは父親を捜して旅をする母娘(おやこ)の娘サチ。明るいキャラクターが今村さんのパーソナリティと重なって好感大。
 
「うちなー、おとんを捜しておかんと旅してんねん」
 
母親役の蔵重美恵さんとの間で交わされる関西弁の台詞のやりとりが場内の笑いを誘う。今村さん演じるサチの魅力は、そのまま今村さんの魅力でもある。
...しかしながら未だ舞台の世界には入り込めないオイラ。...どうしてだ!?
 
物語も終盤...恐れていた事が起きた...夢オチだ!
【夢オチとは...?】
禁断の書、パンドラの箱、究極魔法の意。
物語作りに於いて禁じ手とされている手法。これを使えばどんなハチャメチャな物語も丸く収まってしまうという恐るべき力を持った魔法。物語を創作していった最後の段階で収拾が付かなくなった時によく利用される。主人公がハッと目が覚めて「...な〜んだ、いろいろあったけど結局夢だったのか」のひと言で全てが解決してしまう万能魔法。究極魔法であるが故に、己の身を滅ぼす事もあるので取り扱いには慎重にも慎重をきたす必要性がある。おそらく作家としては一生に一度しか使用出来ない(してはいけない)魔法であろう。
                 〜民明書房刊「究極魔法・その秘密に迫る」より
 
 
...全ての出来事はコーイチの夢だった事が発覚。...そっかー、夢オチを使っちゃうのかー...使っちゃうのかー..ちゃうのか...のかー...かー... ...
そう思った瞬間、オイラの中でテンションが一気に急降下した。
 
そして、舞台は終了しました。
...結局オイラは最後まで舞台の世界に入り込めないまま、終わりを迎えてしまいました。こんなはずじゃなかったのに...そう思いながら会場を去るオイラ。
帰りの電車の中でずっと考えていました...「何故オイラは今回、舞台の世界に入り込めなかったのだろう!?』と。家に着いてからもずっとその事が頭をよぎります。そうして出た結論は...
 
次回の記事でまとめてみたいと思います。とりあえず今回はここまで。
 


nice!(3)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

地人会第104回公演「ブルーストッキングの女たち」を見る [舞台・コンサート]

新宿・紀伊國屋ホールにて上演中(3月9日〜21日)の舞台「ブルーストッキングの女たち」(宮本研/作 木村光一/演出)を見てきました。
 
【あらすじ】 
大正時代、女性の解放を目指して雑誌「青鞜」を発行した平塚らいてう(かとうかず子)。そんな彼女を慕って九州から上京してきた伊藤野枝(純名りさ)。女学校時代の教師・辻潤(中村彰男)のもとに転がり込んだ彼女はそのまま辻と結婚、子ももうけるが、後に知りあう無政府主義運動家の大杉栄(上杉祥三)と恋におち、辻と子供を捨て大杉の元へ。平塚から「青鞜社」を譲り受けた野枝は大杉とともに活動を活発化させるのだが、時ならぬ関東大震災の影響で、二人は悲劇を迎えることとなる...。
 
20年前に上演された「ブルーストッキングの女たち」の再演だそうです。休憩をはさんで約3時間ちょっとの舞台でしたが、なかなか面白かったです。正直、学の無いオイラは舞台を見ながら大正時代の出来事にこんな事があったんだなあ...と思いながら見てました。
 
紀伊國屋ホールって今回初めて足を運びましたが、なかなかクラシックな趣きの劇場でした。壁はベニヤ板風でなんだか変なオブジェが飾ってあるユニークな劇場でした。セットが180度転換する時に、仕掛けがゴロゴロと音をたてる様は、劇場の年代を感じさせました。
 
で、ここからが本題。
今回なぜこの舞台を見に行ったのかというと、去年から今年あたまにかけてのワークショップで講師をして頂いた文学座の若松泰弘さんがこの舞台に出演されてたから。オイラは若松さんの出てる舞台をまだ一度も見たことがなかったので、この機会に見ておかなければ!と、劇場に足を運んだのでありました。
劇場に着いて早速パンフを購入。稽古場風景の写真が掲載されてたので、「どれどれ」と若松さんの姿を捜せど見つからず。「あれ!?、おっかしいなあ..」と、よくよく見たら...いましたよ!若松さん。長かった髪をバッサリ短く刈り上げて、ヒゲを生やし眼鏡をかけた若松さん。以前講師をして頂いた時とは全然違う容姿だったので、最初は気がつきませんでした(苦笑)。
  
顔見知りということで、多少ひいき目で見てたのかもしれませんが、それでも初めて若松さんの芝居を見た率直な感想はというと...やっぱり巧いッ!!。若松さんが出てるシーンではストーリーそっちのけで若松さんの一挙手一投足をじっと見てました。台詞を言ってる時よりも、台詞を聴いてる時の芝居はどうなのか?..とか、台詞のキャッチボールはどうなのか?..とか、そういうところばかり見てました。すごく勉強になったでございます、若松センセー(敢えてセンセーと呼ばせて頂きたいッ!)
 
 
無政府主義を貫く大杉栄と行動を共にする荒畑寒村役の若松泰弘さん

芝居中、眼鏡をなおす仕草が稽古場で講師をして頂いてたときのそれと同じでちょっと可笑しかったです。
 
 
それと、神近市子役の加藤忍さん(スターダス・21)が素晴らしかった。
【神近市子は大杉栄の思想に共感し、それとともに恋心を抱くようになる。しかし、後に出会う伊藤野枝に大杉が惚れたことに嫉妬心を燃やし、「私だけを愛して!」と、大杉を短刀で襲い重傷を負わせ刑務所行きとなる...】
登場シーンでは凛としていて清々しい市子が、大杉に惚れた事によっていい意味でも悪い意味でもだんだんと女性らしくなっていく姿を好演されてました。


nice!(3)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇
前の10件 | 次の10件 舞台・コンサート ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。