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アナ雪を超えた!?〜『トロールズ』の日本語吹き替え版について [吹き替えについて]

 
     Hey、諦めないわ、邪魔はさせないわ、
     もし倒されても、立ち上がるから
     Oh、もし間違えても、直せば大丈夫、
     もし倒されても、立ち上がるから!
 
           〜♩Get Back Up Againより(日本語歌詩翻訳:川嶋加奈子)
 
 
    『トロールズ』日本語吹き替え版キャスト
      字幕・吹き替え翻訳:川嶋加奈子 演出:早川陽一
 
 【声の出演】
 ポピー姫      清水理沙
 ペピー王      楠見尚己
 ブランチ      KENN
 ブリジット     まつだ志緒理
 グリスル王子    西谷修一
 初代グリスル王   岩崎ひろし
 シェフ       小宮和枝
 クリーク      古川慎
 ビギー       かぬか光明
 DJスキ       藤田昌代
 クーパー      ??
 ガイ・ダイヤモンド ??
 サテン&シェニール ??
 スミッジ      ??
 クラウド・ガイ   濱野大輝
 ※ごめんなさい、どうしても4人のキャスティングがわからなくて....。
 本多真梨子、堀井千砂、佐藤せつじ、近藤浩徳あたりの方々だと思うんですが....
 もし、ご存知の方がいらしたら、是非教えて下さいッ!
 
 
さて、今回は『トロールズ』の日本語吹き替え版を紹介したいと思います。
良質な吹き替え版を量産し続けているドリームワークスアニメーション作品ですが、
本作もこれまでと同じく素晴らしい日本語吹き替え版となっています!。
 
【川嶋加奈子さんによる素晴らしい翻訳】
本作の翻訳を手がけられたのは、川嶋加奈子さんです。
同じ翻訳でも、字幕スーパー版と吹き替え版とでは作業が微妙に違うため、それぞれ別の人間が担当することが常ですが、本作ではその両方を川嶋加奈子さんが担当されています。それだけでも大変な作業だと思うんですが、そこに加えて本作では劇中歌の翻訳も担当されています。
ミュージカル映画の場合、歌唱場面の吹き替えをどうするのか?という問題が常につきまといます。英語オリジナル版をそのまま流すパターン(主に実写映画の場合)もあれば、日本語歌詞に置き換えるパターン(アニメの場合)もあります。本作は「アナ雪」や「ハッピー・フィート2」などと同じく、ほぼ全ての歌唱場面が日本語吹き替えに翻訳されています。これが実に素晴らしい翻訳となっていて、ちょっと感動しました。
英語圏の歌を日本語に置き換える作業って、本当に難しいと思うんです。歌詞の内容を損なうことなく、メロディやリズムに乗せられる日本語を選択しなければならない....そんな難しい作業を川嶋加奈子さんは見事にこなされていて、その素晴らしい仕事ぶりに対して賞賛の拍手を送りたいです。
 
【チャーミングな清水理沙さん、天使の歌声・KENNさん】
川嶋加奈子さんによる素晴らしい吹き替え翻訳に応えるかのごとく、主演のポピー姫を演じた清水理沙さんとブランチを演じたKENNさんが、素晴らしい吹き替え演技を披露してくれています。
英語オリジナル版も鑑賞しましたが、それと比較しても決して劣らない吹き替え演技は本当に素晴らしいの一言!。清水理沙さん演じるポピーは、本当にチャーミングで魅力的。正に抱きしめたくなる可愛さです。一方、KENNさん演じるブランチも素晴らしい出来栄え。臆病でひねくれ者でありながら、過去のトラウマに苦しむ複雑なキャラクターを、KENNさんが見事に演じられていました。
そして、何よりお二人の劇中歌が最高に素晴らしい!
 
ポピーが歌う曲の中で、特にお気に入りの一曲は、♩Get Back Up Again
「アナ雪」で言うところの♩ありのままで的な楽曲で、仲間を救う旅に出たポピーが様々な困難にあいながらも歩みを進める姿がユーモアたっぷりに描かれています。この場面でのポピーが本当に可愛くて、そのチャーミングさを、清水美砂さんがこれまた魅力たっぷりに演じられており、もうこの場面を見ただけで心を鷲掴みされること間違いなしです。
 
一方、ブランチがクライマックスで歌う♩True Colors は本当に絶品♩
過去に起きた悲しい出来事によって歌うことを封印していたブランチが、落ち込んだポピーを励ますために満を辞して歌うこの場面は、本当に切なく美しい場面となっています。
台詞時は割と低い声のKENNさんですが、歌唱になると一転ハイトーンボイスで歌う姿にびっくり!。劇中でブランチが「僕の歌は天使の歌声だって、おばあちゃんがよく言ってた」と言う台詞がありますが、正にその通りで囁くように歌い上げるその歌声は、天使の歌声そのものでした。オリジナルのジャスティン・ティンバーレイクの歌唱ももちろん素晴らしかったですが、KENNさんの歌声もそれに引けを取らない素晴らしい出来映えでした。
これなら、ジャスティン・ティンバーレイクファンも納得の出来ではないでしょうか?

お二人の歌に共通して言えることは、ただ歌が巧いだけでなく、台詞をきちんと感じさせる歌唱だという点です。つまり、感情のほとばしりをメロディに乗せて台詞を語っているということがひしひしと伝わってくる歌唱なのです。
とかくミュージカル映画の歌は“歌ってます”感が強くなりがちです。歌い手の歌唱力が凄ければ凄いほど、その感が強くにじみ出ます。もちろん、それはそれで魅力的なのですが、その一方で演じ手の“私って、歌巧いでしょ?”感が出てしまうマイナス面があるのもまた事実。本作の歌唱場面にはそうしたマイナス要素が少なく、清水理沙さんやKENNさんの歌声が台詞のごとく耳に届くのが、すごく心地よかったです。
 
【脇を固める、実力派!】
主演のお二人が素晴らしい演技&歌声を披露される一方で、
脇を固める役者さんたちも素晴らしい演技を披露されています。
 
まずはご存知、岩崎ひろしさん。DWAの過去作『ターボ』での好演が未だ記憶に新しい岩崎ひろしさんが、本作ではチョイ役ながら、初代グリスル王を貫禄たっぷりに演じられています。ベルゲンは基本的に皆歯並びが悪いのですが、岩崎ひろしさん演じるグリスル王はそれに加えて、若干アゴがしゃくれ気味なキャラクターです。その“しゃくれ”感を岩崎ひろしさんは喋り方で見事に表現されています。こうした職人芸に出会うと本当に嬉しさを感じずには入られません。岩崎ひろしさん、あっぱれ!です。
 
グリスル王子への片思いに悩む王宮の雑用係ブリジットを演じるは、まつだ志緒理さん。
ブリジットはグリスル王と逆で、出っ歯のキャラクター。その“出っ歯”感を、これまた見事に台詞で表現するまつだ志緒理さんの演技が素晴らしい。ライオネル・リッチーの名曲♩ハローを歌ったり、スパイスガールズばりのラップを披露したりと、まつだ志緒理さんも清水理沙さんやKENNさんに負けない歌唱を披露してくれています♩
 
世間知らずのベルゲン王子を演じるは、西谷修一さん。
やんちゃな性格だけど、実は素直で優しいベルゲン王子。
そんな王子を、西谷修一さんがとても可愛くユーモラスに演じられています♩
 
本作のヴィランである王宮専属料理人シェフを演じるは、小宮和枝さん。
岩崎ひろしさんと同じく、こちらもベテランの安定感を感じさせる名演技を披露。
邪悪な性格のシェフを、小宮和枝さんが魅力たっぷりに演じられています。
 
物語の途中で登場する謎のキャラクター、クラウド・ガイを演じるは、濱野大輝さん。
低いイケメンボイスがとてもかっこいい濱野大輝さん。エキセントリックだけど、どこか憎めないキャラクターを、濱野大輝さんがユーモラスに演じられています。どこかで聴いたことがある声?だと思っていたら、「モンスター・ホテル」でハエ男の声を演じていた方だったんですね!。

【「トロールズ」は「アナ雪」を超えた!?】
ここ最近のミュージカル・アニメの傑作といえば、誰しもがディズニーの「アナと雪の女王」を挙げることでしょう。もちろんそれには異論ありませんが、「アナ雪」or「トロールズ」のどちらが好きか?と問われれば、迷わず「トロールズ」と即答したい!。それぐらいお気に入りの作品となりました。
「アナ雪」は正にディズニー的な正統派のミュージカル作品ですが、オイラは「トロールズ」のようにちょっと王道から外れた作品の方が好みです。これは「シュレック」シリーズがそうであるように、ドリームワークス・アニメーション作品全体に流れるスピリッツのようなものです。
ディズニーアニメのように美人やイケメンキャラクターが出てくるような作品よりも、DWA作品のようにビジュアルがちょっとイケてなくて、性格にも難あり....そんなキャラクターたちによる物語の方が断然好みです。そんなキャラクターたちが時にふざけて、時に毒を吐きながら笑わせる。そうした流れを経てこちらの意表をつく感動的な結末が待っている....そんな作品を世に送り出し続けているDWA。本作も正にその本流に乗った作品でした♩。
 
【名曲♩ハローを日本語で聴ける幸せ】
それにしても、まさかライオネル・リッチーの名曲♩ハローを日本語歌詞で聴ける日が来るとは夢にも思いませんでした。残念ながら劇中で流れるのはほんの少しなのですが、それでもやっぱり日本語歌詞でこの名曲を聴けるなんて、なんという嬉しさ!。ここはひとつ、川嶋加奈子さんに全歌詞を翻訳して頂きたいです。それを持って、カラオケで熱唱したい!....そんなことを切に願っているのはオイラだけでしょうか?(苦笑)。
川嶋加奈子さん、是非よろしくお願いします!(^口^)
 
【幸せは与えられるものじゃない、感じるものなんだ!】
「アナと雪の女王」を見た人は、日本中にたくさんいると思います。
逆に「トロールズ」を見た人は、日本中にどれくらいいるでしょうか?
「アナ雪」は見たけど「トロールズ」は見ていない....って言うか、そんな作品知らないッ!
そんな人たちにこそ、是非見て欲しい「トロールズ」。「こんな素敵なミュージカルアニメが存在してたんだ!」と、嬉しい驚きに包まれる事でしょう。
そんな素敵な体験をする絶好のチャンスですヨ。
知られざるミュージカルアニメの大傑作「トロールズ」を、是非日本語吹き替え版で堪能して下さいませ!
 

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安価版が発売されたので、この機会に是非!

トロールズ みんなのハッピーホリデー! [DVD]

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  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • メディア: DVD
こちらはテレビ用に製作されたスピンオフ作品♩
さすがにクオリティは映画より落ちますが、結構面白い内容です

トロールズ オリジナル・サウンドトラック

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/11/02
  • メディア: CD
映画は未公開なのに、なぜかサントラ盤は国内版が発売されているという不思議
おそらくジャスティン・ティンバーレイク人気によるものだと思う訳ですが、せっかく国内盤を販売するのであれば、ボーナストラックとして清水理沙さんやKENNさんによる日本語版も収録して欲しかった!
 
 


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