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劇団青年座スタジオ公演No.122 『江戸怪奇譚〜ムカサリ』を観劇する [舞台・コンサート]

ヒュー・ジャックマンやラッセル・クロウの日本語吹き替えでお馴染みの山路和弘さんが、ひとり芝居に挑戦するという。これはファンとして見届けねばなるまい!と、山路和弘さんのホームでもある青年座劇場へと行ってきました!(^皿^)
  
        『江戸怪奇譚〜ムカサリ』
    劇団青年座スタジオ公演No.122 2017年 5/25〜28
 
    原作:藤沢文翁
 脚色・演出:金澤菜乃英
    出演:山路和弘
 
【あらすじ】
江戸時代〜
山形の米沢から出てきて材木商の大店として財を成した大黒屋総右衛門。妻を早くに亡くした総右衛門は、男手一つで愛娘お咲を育ててきた。そんなお咲が旗本の次男坊である一馬に見初められ、嫁入りが決まった。感慨もひとしおの総右衛門だったが、一馬の一方的な心変わりで縁談は破綻となってしまう。お咲は傷心の後に自害し、総右衛門は店を畳み山形へと帰るのだった・・・
一方、お咲を捨てた一馬はとある旗本の跡取りとして養子縁組が決まり大喜び。
そんな一馬の身に不思議な現象が起こり始める・・・
 

観劇当日は週末の昼間ということもあり、場内は満員御礼。
開演間近、舞台右袖にある観客席入り口からふらりと登場した山路和弘さん。
着物に羽織姿という出で立ちで登場したそのお姿、相変わらず渋くてかっこいいです。
はにかみながら登場した山路和弘さんは、舞台観劇でのお約束である「携帯など音の出るものは電源OFFに・・・」と、自らお願いするというサービスぶりを発揮。そのまま、舞台中央へと移動した山路和弘さんは、かつて自身が舞台観劇中に携帯の着信音を鳴らしてしまった過去を告白。その事の顛末に場内は爆笑に包まれました。因みに、山路和弘さんの着信音は♪ゼルダの伝説だそうです。実はオイラもガラケー時代、着信音は♪ゼルダの伝説でした。その後、齢60を超えて肉体的な衰えを感じる話だとか、上京したての頃の話など、落語で言う所の枕的トークで場内を温めた後、舞台は静かに幕を開けました。
 
【前半と後半とでスタイルが変わるユニークな舞台】
何もない舞台中央に鎮座した山路和弘さんのひとり芝居は、落語形式でスタート。
もともと原作が落語用に書かれた怪談話らしいので、このスタイルが採用されたと推察されますが、あくまでも落語形式であって、落語そのものではないところがミソです。
まず前半は材木商・総右衛門の視点で物語が語られて行きます。
目に入れても痛くない愛娘・お咲の縁談が唐突に決まり、動揺しながらも同時に嬉しさがこみ上げる総右衛門。お咲の白無垢姿を見た時の万感溢れる思い、そんなお咲に訪れる悲劇に接した際の嗚咽する姿など、父親の娘に対する愛情を時にユーモアたっぷりに、時に情感たっぷりに演じられる山路和宏さんの姿に圧倒されました。
途中、話が脱線してプライベートなことを語り出す山路和宏さんの姿に思わず笑いが起こる場面もありましたが、すぐさま物語の空気感を取り戻すあたりは、さすが演技派・山路和宏!、確かな演技力を実感した瞬間でした。こうして、前半は山路和弘さんの自然体でありながら堅実な演技力を強く感じる事が出来ました。
 
後半は一転、お芝居のスタイルが一変します。
後半は旗本の次男坊・一馬の視点で幕を開けました。悪夢から目が覚めた一馬・・・山路和弘さんはそのまま自然な形で羽織と白足袋を脱ぎ、着物オンリーなお姿に。ここからは舞台全体を使ったお芝居へと移行していきました。
自身にお咲の呪いがかかっている事に気がついた一馬は、その呪いを解く為にお咲の故郷である山形へ向かいます。期日までに呪いを解かなければ死んでしまう一馬は必死です。旅の道中、様々な登場人物を演じる山路和弘さんのユーモアたっぷりなお姿に劇場内では笑いが起こるものの、基本的にはシリアスでサスペンスタッチな場面が続きます。この緩急のつけ方の絶妙さがたまりません。小さな劇場とは言え、舞台上を右へ左へと動き回って山路和弘さんは汗だくの大熱演。舞台スタート前にもうすぐ63歳というお話をされていましたが、そんな歳を感じさせない熱演に、大いに感動を覚えました。
 
【シンプルだからこそ、光る演出】
脚色・演出を手掛けられたのは、金澤菜乃絵さん。
前半の落語部分も良かったですが、やはり後半部分の演出が素晴らしかったです。
舞台上は段差と傾斜のみというものすごくシンプルな作りでしたが、その分観ている側の想像力が刺激されました。圧巻だったのはクライマックス、荒れ寺での墓掘り場面。
舞台の奥行きと段差・更にスポットライトや音響を巧みに利用して、墓荒らしという禁忌を見事に演出した金澤菜乃絵さん。正にホラー映画などでよく見かけるあの光景をうまく舞台上で再現したなと、ホラー映画好きなオイラは本当に感動しました。
これぞ、THE怪談!・・・です(^皿^)b。
 
【山路和弘さん、最高ーッ!!】
・・・という訳で、約70分の舞台でしたが、山路和弘さんのお芝居の素晴らしさ、人柄の楽しさを存分に満喫出来た舞台でした。舞台が終了し、挨拶に現れた山路和弘さんは、正に精魂尽き果てたというようなお姿。そのやりきった感が、すごく感動的でした。普段洋画の吹き替えで素晴らしい演技を披露される山路和弘さんですが、それも舞台役者としての実力があったればこそ。そんなことを再認識させられた舞台でした。
とにかく、大好きな山路和弘さんの素晴らしいお芝居を70分に渡り堪能出来た、実に贅沢な週末でした。
 
【映画『ローガン』もお忘れなく!】
さて、舞台観劇から数日後・・・・
ヒュー・ジャックマン最新作『ローガン』を観賞して参りました。ヒュー・ジャックマンがウルヴァリン卒業!ということでも話題の本作。老齢となったウルヴァリンを果たして山路和弘さんがどう演じられるのか?興味津々でしたが、こちらも非常に素晴らしい出来栄えでした。一部劇場では日本語吹き替え版も公開されているので、山路和弘ファンは要チェックです!(^皿^)b。
 
  山路和弘さんのハマり役、リヴィアのゲラルト
  ゲラルト(GERALT).jpg
 
『風が唸っている...』
オープンワールドRPGの最高傑作、『ウィッチャー3 ワイルドハント』
主人公ゲラルトを演じる山路和弘さんが、とにかく渋くてかっこいい!
この役に山路和弘さんをキャスティングしてくれたスパイク・チュンソフトのスタッフの皆様、本当にありがとうございます!
余談ですが、このゲームが発売された当時、山路和弘さんはゲラルトと同じように白髪のポニーテール&口髭姿だった。ひょっとして、役作りだったのかな・・・?
もう一つおまけを。このゲームの物語内で、主人公ゲラルトが旅一座に頼まれて舞台に立つという場面があります。実際に舞台役者である山路和弘さんご自身のお姿と見比べながら、大根役者っぷりを披露するゲラルトの姿が、とっても微笑ましかったです♪(^皿^)>
 
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山路和弘さん最近のハマり役と言えば、クリストフ・ヴァルツ。
Q・タランティーノ監督のマカロニウェスタン『ジャンゴ』は、日本語吹き替えのクオリティがとても素晴らしい一品。山路和弘さんのみならず、楠大典さんや屋良有作さん、加瀬康之さんらによるハイクオリティなお芝居を堪能出来ます!
 
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山路和弘さんと言えば、魅力的な悪役!
という訳で、オイラの好きな作品は『ガーディアンズ〜伝説の勇者たち』です。
日本では劇場未公開となったアニメ映画なので、国内では一般的認知度が低い作品ですが、実はとても面白いアニメーション作品で、日本語吹き替えのクオリティがとても高い。山路和弘さんが演じるのは、恐怖を糧とする悪の妖精ブギーマン。邪悪で狡猾なピッチブラック(オリジナル音声は、ジュード・ロウ)を、山路和弘さんがとてもセクシーに演じられています。
 

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