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楽しいタイムトラベルでトラブル発生!?〜『天才犬ピーボ博士のタイムトラベル』を鑑賞する [映画鑑賞]

 
        子供が犬を家族に出来るなら、
     犬が子供を家族に出来ない訳はありません
                〜裁判所、判事の言葉〜
 
    
       『天才犬ピーボ博士のタイムトラベル』
         ( 原題:Mr.PEABODY & SHERMAN )
         2014年 アメリカ映画 カラー 93分
 
  監督:ロブ・ミンコフ(『ライオン・キング』『スチュワート・リトル』)
  脚本:クレイグ・ライト
  音楽:ダニー・エルフマン
 
声の出演:タイ・バーレル(ピーボディ博士/天才実業家にして名士の白犬)
     マックス・チャールズ(シャーマン/ピーボディ博士の養子)
     アリエル・ウィンター(ペニー・ピーターソン/シャーマンの同級生)
     アリソン・ジャニー(ミス・グラニオン/児童安全保護局の職員)
     ローリー・フレイザー(マリー・アントワネット/フランス王妃)
     スタンリー・トゥッチ(レオナルド・ダ・ヴィンチ/伊の天才芸術家)
     パトリック・ウォーバートン(アガメムノン/トロイア戦争の英雄)
     他
 
【あらすじ】
頭脳明晰の天才犬ピーボディ博士は、人間の子であるシャーマンを養子として引き取り、育てている。自身の開発したタイムマシン(通称:モドリン)を駆使して、生の歴史を学ばせながら子育てをするピーボ博士のおかげで、シャーマン少年は賢くすくすくと育っていた。
そして、迎えた小学校入学初日。シャーマンはクラスメイトであるペニーと些細な事でケンカとなり、彼女をケガさせてしまう。学校から通報を受けた児童安全保護局の職員ミス・グラニオンは、犬が人間を育てていることに不快感でいっぱいの人物。ピーボ博士に親としての資格があるのか?、をチェックすると言いだしてきた。ピーボ博士はこの事態を収束させるべく、ペニーとその両親を食事会に招き、関係修復を計ろうとする。だが、シャーマンがピーボ博士のタイムマシンを勝手に使用したことで、ペニーは古代エジプトの地へと居座ってしまった!。困ったシャーマンはピーボ博士とともにペニーを迎えに古代エジプトに向かうのだが、それは波乱の旅の幕開けだった....!
 
(注:以下、映画のストーリーに触れています....ご了承下さい) 
 
【ナメてた映画が、実は傑作だった....!】
眼鏡をかけた少年、彼の世話をする動物キャラ、そしてタイムマシン....と来れば、
日本人なら真っ先に頭に浮かぶのは、『ドラえもん』ですよね♪
でも、実は『Mr.PEABODY & SHERMAN』の方が世に出たのは先だったりします。
原典は1960年代にテレビ放映されていたアニメ『空飛ぶロッキー君』内のワンコーナー。
日本でもNHK他で放送されていたそうですが、年代的にオイラは未見でした。
それ故に、今回のDWAの新作がリメイク作品と聞いてそれほど注目していなかった訳ですが、実際に鑑賞してみたらコレが非常に面白いアニメーション作品となっていました。
 
【ピーボディ博士、華麗に登場!】
オープニング〜ダニー・エルフマン作曲の軽快なBGMにのって、ピーボ博士が登場♪。
彼の自己紹介という形で物語はスタートします。彼のこれまでの経歴や現在の環境が簡潔に語られた後、養子であるシャーマンが登場、ピーボ博士の発明したタイムマシンに乗って、最初(注:映画の中でという意味。二人はすでにこれまで何度も時間旅行している)のタイムトラベルである“フランス革命”の地へと旅立ちます。貴族の扮装をしてベルサイユ宮殿に紛れ込んだ二人は、王妃マリー・アントワネット(ぽっちゃり体型♪)と遭遇、その後民衆の一揆に巻き込まれ、ピーボ博士は哀れ囚われの身となってしまいます。大広場に設けられた処刑場のギロチン台に拘束されたピーボ博士は、心配するシャーマンをよそにどこ吹く風。その類い稀なる頭脳であっという間に危機を回避し、時間旅行を満喫した二人は現代へと戻ってきます。
ここまでのタイムテーブル、わずか10分強!。たったこれだけの短い時間で、登場人物のキャラクターや関係性、物語の世界観などが全て的確に語られ、無駄のない非常に洗練されたオープニングとなっています。実は当初、オイラは“犬が人間の子供を育てている”という突拍子もない設定についていけるのか?という不安があった訳ですが、映画が始まってすぐそんな不安は消し飛んでいました。そして、このOPシークエンスが終わる頃には、すっかり『天才犬ピーボ博士のタイムトラベル』の世界にどっぷりと魅了されていました♪
 
【子育ては、やっぱり大変....!?】
シャーマンは小学校入学を迎えます。ピーボ博士とともに幼い頃から勉強三昧のシャーマンはとても優秀で、授業でもその成果を発揮します。その結果、意図せずして同級生であるペニーのプライドを傷つけることとなってしまったシャーマンは、昼食の時間にペニーから嫌がらせを受けます。親のことをバカにされて怒ったシャーマンは彼女に噛みついてケガをさせてしまい、その結果、児童安全保護局に通報されてしまいます。保護局のミス・グラニオン(本作に於ける“悪役”的キャラクター)はピーボ博士(=犬)が人間の子供を育てていることを快く思っておらず、この事象をきっかけにシャーマンとピーボ博士を引き離そうと画策します。ピーボ博士はケンカの原因が自分だったことをシャーマンから聞き、ショックを受けます。壁にかかった思い出の写真の数々を見ながら、これまでの出来事を回想するピーボ博士。ジョン・レノンの名曲♪ビューティフル・ボーイに乗せて、二人の過去が甦ります。歴史上の人物(ライト兄弟、ゴッホ、ベートーヴェン..etc)と触れ合う様子は実に微笑ましい場面です。しかし、この回想場面の最後で実はシャーマン少年が“捨て子”だったことを我々は知る事になります。時間軸を遡りながら、ほのぼのさせておいてからの切ない場面を見せるという憎い演出に、見事泣かされてしまったオイラでした。
 
【タイムトラベルで、トラブル発生!】
シャーマンとペニーを仲直りさせるため、食事会を開催したピーボ博士でしたが、ピーボ博士とペニーの両親が談笑している間、シャーマンはペニーと二人だけで時間旅行に出掛けます。古代エジプトの地で若きファラオ王に見初められたペニーは、セレブ結婚を大喜び!。困ったシャーマンはペニーを助け出すため、ピーボ博士に救いを求めます。という訳で、古代エジプトに乗り込んだ二人でしたが、あえなく囚われの身に。そしてお約束のインディ・ジョーンズ的展開がありつつ、なんとかペニーを救い出したピーボ博士とシャーマンは現代へ戻ろうとしますが、タイムマシンを乱用したせいでまさかのエネルギー切れ。ピーボ博士はエネルギーを入手すべく、ワープの途中で友達の所へ立ち寄ることにします。
それが伊の芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチです。
 
【シャーマンとペニーのロマンティックな大空デート♪
ピーボ博士がレオナルド・ダ・ヴィンチの元を訪れると、彼はいま正に名画モナ・リザを製作中♪。すでにピーボ博士と知り合いとなっていた(笑)ダ・ヴィンチは博士の協力依頼を快諾、二人でタイムマシンのエネルギーを作る機械の製作にとりかかります。その間、シャーマンとペニーはダ・ヴィンチの工房を探索、そこで空飛ぶ機械(グライダー)を発見します。ペニーの強引さに負けて、シャーマンは空飛ぶ機械(グライダー)に乗って大空へと飛び出します。夕日を背景にフィレンツェの街を空飛ぶ機械(グライダー)で滑空する映像はダイナミックで迫力満点!、そしてこれを機にすっかり仲良くなったシャーマンとペニー。登場時には憎らしいキャラだったペニーが、この頃にはとってもキュートで魅力的な女の子になっていて、このあたりの演出も非常に巧みです。しかし、結局空飛ぶ機械(グライダー)は墜落。空飛ぶ機械(グライダー)が滑空する姿を目の当たりにしたダ・ヴィンチは感動で大喜びでしたが、ピーボ博士は歴史的遺産を破壊したシャーマンを叱責します。
結果、父と子の関係に微妙な暗雲が立ちこめ始めます。
 
【トロイア戦争で、父(ピーボ)と子(シャーマン)の戦争も勃発!?】
ダ・ヴィンチに別れを告げ、現代へと戻ろうする3人でしたが、ピーボ博士から怒られてばっかりのシャーマンは不機嫌気味。更に自身が保護施設に送られるかもしれないという事実を知らされ、更にピーボ博士に対し不満を募らせるシャーマン。更に更に!タイミングが悪くワープ中にブラックホールと遭遇!。緊急回避の過程でタイムマシンはまたまた別の時代へと不時着することになります。その場所は紀元前のトロイア戦争。そこで出会った屈強な兵士アガメムノンとなぜか意気投合してしまうシャーマン(笑)。ピーボ博士に自分のことを認めてもらいたいシャーマンは、戦争に参加するといって聞きません。しかし、子供が何かを出来る訳もなく、結局危険にさらされたシャーマンはピーボ博士に助け出されますが、その代わりにピーボ博士は命を落としてしまいます。
まさかの展開!!....どうする!?、シャーマン!? 
 
【タイムトラベル的面白さ、爆発!】
途方に暮れるシャーマンでしたが、妙案を思いつきます。
「ピーボ博士を助けられるのは、ピーボ博士しかいない!」
シャーマンはペニーとともに現代に戻り、現代のピーボ博士に助けを求めます。しかし、それはタイムトラベルの絶対破ってはいけないルール(〜即ち“自分の存在する時間にタイムトラベルしてはいけない”)を破るものでした。ここから、バック・トゥ・ザ・フューチャー的面白さが加速していきます。現代に戻ったシャーマンは、運悪くもう一人の自分と遭遇、更には過去から戻ってきたシャーマン博士(実は生きていた!....笑)も、もう一人の自分と遭遇してしまいます。更にタイミング悪くそこに児童安全保護局のグラニオンが登場!、皆が混乱する中、ピーボ博士とシャーマンはもう一人の自分と合体してしまいます。混乱を生じさせたピーボ博士に親の資格がないと判断したグラニオンは無理矢理シャーマンを連れ出そうとしますが、怒ったピーボ博士はグラニオンに噛みつき、結果警察に通報されてしまいます。一方、二人がタイムトラベルの規則を破ったことで、空間に歪みが生じ、ニューヨークの街に巨大な時空の裂け目が発生!、そこから、過去の偉人たちが次々とニューヨークの街へとやってくるという異常事態に街はパニック状態!(まるで『アベンジャーズ』状態だ!)。ピーボ博士は事態を解決すべく、過去に戻って時空の歪みを正そうと試みますが裂け目のせいで上手くいきません。そこにグラニオンが再び登場、ピーボ博士は警察に連行されそうになります。
引き離されそうになるピーボ博士とシャーマン。果たして、ピーボ博士とシャーマンは親子の絆を取り戻せるのでしょうか?、そして、大混乱に陥ったニューヨークの街は平穏を取り戻せるのでしょうか?。その結末は是非、皆さんの目で確かめて下さい。いかにも“アメリカ”的なオチと爽やかな感動が待ち受けるクライマックスを是非お楽しみ下さい♪
 
【あらゆる魅力が満載の映画♪】
正直なところ、この作品、SFタイムトラベルものとしてはツッコミどころ満載です。
が、そうしたツッコミは野暮です。そもそも、主人公が人間の言葉を喋る犬な訳ですから、他の事にツッコミを入れる意味がありません。主人公が犬という設定は確かに奇抜で、全体的にコメディ作品ではありますが、実は描かれるテーマは真面目そのものです。
ズバリ!「血のつながりのない者同士は、果たして家族になれるのか?」です。
そうした深いテーマを縦軸にして、そこにシャーマンの成長物語を絡め、さらにSF的楽しさを盛り込んだ快作です。とにかく、クレイグ・ライトの脚本が素晴らしいです。そして、美術デザインの美しさにも魅了されました。
 
世界的に有名な“白い犬”と言えば、真っ先に頭に思い浮かぶのは、スヌーピーですよね?。もちろん、スヌーピーも可愛いし、映画版ドラえもんも楽しいかもしれませんが、是非騙されたと思って一度『天才犬ピーボ博士のタイムトラベル』を鑑賞してみて下さい。そうすれば、きっとアナタもオイラのようにピーボ博士の魅力にどっぷりとハマるはずです。
超お薦めの作品です!(^皿^)/
 
 
  Mr.PEABODY
  ピーボ博士(Mr.PEABODY).jpg 
頭脳明晰な天才犬、ピーボ博士
子犬の時点で、すでにプラトンの哲学書を熟読していたピーボ博士
その後、知識の探究を極め、ハーバード大学を首席で卒業
でも、ピーボ博士は単に“賢い”だけじゃありません!
スポーツ万能だし、料理もプロ級の腕前♪
更にありとあらゆる楽器を弾きこなせる音楽家の才能もある、正に天才
加えて、発明家として業績のある実業家なので、超大金持ち!
そんな、すべてを手に入れたピーボ博士が唯一持てなかったもの....それが家族
という訳で、捨て子だったシャーマン君と運命的な出会いをしたピーボ博士は、自分が持てなかったもの(=家庭)をシャーマン君に与えたいという一心で、彼を養子にするのでした
....って、設定が泣けるぜ、チキショーッ!(T皿T)

天才犬ピーボ博士のタイムトラベル 2枚組ブルーレイ&DVD(初回生産限定) [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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歴史上の偉人がたくさん出演する本作
アナタは果たして何人わかるかな?
 


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