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劇団青年座第212回公演『UNIQUE NESS』を観劇する〜青年座劇場 [舞台・コンサート]

 
            劇団青年座第212回公演
          Act3D 〜役者企画 夏の咲宴〜
            『 UNIQUE NESS 』
            8月1日〜10日 青年座劇場
 
          作・演出=早川康介(劇団ガバメンツ)
 
 出演=山野史人  ....ディヴィッド・グレイ(ハロルドの親戚のおじさん)
    嶋崎伸夫  ....マイク・ウェザレル(ネッシーの写真を撮った男)
    大家仁志  ....ハロルド・グレイ(主人公)
    小豆畑雅一 ....ヒュー・グランズマン(ネス湖でホテルを経営する男)
    高松潤   ....ウォルター・クレイグ(ハンナの婚約者で動物学者)
    津田真澄  ....フローレンス・グレイ(ディヴィッドの妻)
    森脇由紀  ....ミセス・マクノートン(グレイ家に仕えるハウスキーパー)
    遠藤好   ...アン・ランズベリー(ハロルドの別れた妻)
    万善香織  ....ケイト・トンプソン(ミス・ネッシーコンテスト優勝者)
    高橋幸子  ....リサ・ブライアント(ハロルドの愛人)
    橘あんり  ....ハンナ・グレイ(ハロルドの義妹)
   
    ギター演奏=福島大
 
【あらすじ】
舞台は1980年代のイギリス、ロンドン....
20世紀最大のミステリーと言われるネス湖のネッシー
その写真を撮ったと言われている外科医の亡き後、
人々の注目は、撮影に同伴していたもう一人の男....
ハロルド・グレイ(大家仁志)に集まる
時代の寵児となったハロルドだったが、今は病床にいて死期が間近に迫っていた
そんなハロルドの元へ、集まってくる様々な人たち
親戚夫婦、別れた元妻、愛人、友人知人....
ハロルドを中心に、それぞれの人生が明らかとなっていくが....
 
 
久しぶりに劇団青年座の舞台を鑑賞しました。
今回は劇団創立60周年記念公演のひとつとして企画された作品。
演技部に所属する役者さんたちで「こういう作品をやりたい!」という声のもと、
企画された三作品のうちのひとつです。
作・演出は大阪を中心に活動している劇団ガバメンツの早川康介さん。
ネッシーという誰もが知っているミステリアスな題材を元に、
それに翻弄される人々をちょっとシニカルな笑いを織り交ぜながら
悲喜こもごもを描いた作品でした。
単刀直入に言って、すっごく面白かったです!(^皿^)/
変な言い方だけど、主人公が最後まで“嫌なヤツ”なのが、すごく好感が持てました。
ハロルドは本当に嫌なヤツなんだけど、同時にとっても可哀想なキャラクターでもあります。ハロルドのそうした弱い部分であったり、また人として良い部分などがちらっと垣間見える瞬間....そんな演出が素晴らしかったです。
本作は贅沢にもギター演奏による生BGMだったのですが、
福島大さんの奏でるギターの音色が本当に心地良かったです。
本作のサントラが欲しくなりました♪(^皿^)
以下は、各キャストの感想です♪
 
【山野史人さん】
我らがビルボ・バギンズ!でお馴染みの山野史人さん(^皿^)/
もちろん、マーティン・フリーマンの方ではなくイアン・ホルムの方ですよ♪
そんな山野史人さんが演じるは、ハロルドにとって親戚の伯父にあたるディヴィッド
入院中のハロルドを見舞う一方で、実はハロルドの遺産を狙っているという設定
紳士的な佇まい(そして、ちょっと助平♪)がとっても素敵でした
 
【嶋崎伸夫さん】
猟師で、実はネッシーの写真を撮った張本人であるマイク・ウェザレル
オイラは青年座の舞台で嶋崎伸夫さんを拝見するの、今回が初めてかもしれない
たっぷりと生えたあご髭が、雰囲気抜群で声も凄く良かった
ただ、ちょっと台詞が聞きとりづらい場面も正直あったかな....(^皿^;)
ハロルドとロシアンルーレット対決する場面は、なかなかの緊張感でした
 
【大家仁志さん】
本作の主人公、ハロルド・グレイを演じるは、大家仁志さん
大家仁志さんの顔立ちが、大好きなんですよ、オイラは♪
いちラクガキストとして、ものすごく描きたくなるタイプのお顔
あの胡散臭い感じ(もちろん褒め言葉ですよ!)が、とっても大好きなのです
本作の主人公ハロルドは、とっても屈折した心の持ち主
他人を不愉快にさせて、それを喜んでるときの大家さんの表情がたまらなかった♪
他人を困らせる事で、自分の存在感を感じて喜ぶという、とんでもないハロルドですが、
そうすることでしか自分自身の存在感を感じることが出来ないハロルドの切なさを
大家仁志さんが熱演されていました♪
 
【小豆畑雅一さん】
ネス湖の湖畔でホテルを経営する男、ヒュー・グランズマン
ハロルドたちがネッシーの写真を撮ったおかげで、
ネッシー目的の観光客が増え、喜ぶグランズマンでしたが、
その写真の真偽が囁かれはじめ、内心気が気ではない....という役どころです
ヒュー・グランズマンはハロルドの友達を公言していますが、
本心は別のところにあって....という胡散臭いキャラクターであります
そんなヒュー・グランズマンを小豆畑雅一さんが金髪で好演されています♪
見所はやっぱり愛犬と戯れる場面でしょうか?
ここでの小豆畑雅一さんのひとり芝居は爆笑ものなので必見です!(^皿^)
※オイラの個人的な想像だけど、あの場面は毎回やることが違うアドリブなのでは....!?
因みに、オイラが見た回では愛犬と戯れながら、最終的には腕相撲をするという展開に....
こういうバカバカしいの、嫌いじゃないです(笑)

【高松潤さん】
ネッシーの写真をめぐり、ハロルドと激しく対立する動物学者のウォルター・クレイグ
その一方で、ハロルドの義妹ハンナと恋仲という役どころです
今回、色んな場面で災難にあい続けるウォルターを、高松潤さんが好演♪
突然、ビンタされたり、無理矢理ロシアンルーレットに参加させられたりと、
散々な目に遭うウォルター....ご愁傷様でした(^皿^)
 
【津田真澄さん】
グレイ家の遺産を虎視眈々と狙うディヴィッドの妻フローレンスを演じる津田真澄さん
津田真澄さんの声がね、もー大好きなんですよ、オイラは♪(^皿^)
最初はディヴィッド主導で遺産を狙っていると思いきや、実は奥さんの方が熱心だった....!
というオチで、いつの世も逞しいのは女性だと痛感させられます
貧しい生活から抜け出したい一心の、フローレンスの心の叫びが印象的でしたヨ
 
【森脇由紀さん】
グレイ家に長年仕える給仕ミセス・マクノートン
メイドとして優秀なのか?、はたまた役立たずなのか?...そのさじ加減が絶妙であります
その過去も謎に満ちあふれており、とてもミステリアス
こういうキャラクター、大好きです♪
下手をすればとてもマンガちっくになってしまうキャラクターを
森脇由紀さんが、とってもチャーミングに演じられています♪
本作のミス・ユニークネスは、森脇由紀さんで決定!(^皿^)/
 
【遠藤好さん】
ハロルドの別れた妻、アン・ランズベリー
ハロルドと別れた後は、娼婦に身を落としながらも一人娘を懸命に育てる逞しいアンを、
遠藤好さんが力強く演じられています
ハロルドとの仲が幸せだった頃のキャピキャピ感(めっちゃ可愛い好さん♪)と、
その後のすさんだ生活とのギャップを、見事に演じ分ける遠藤好さんが素晴らしいです
 
【万善香織さん】
ミス・ネッシーコンテストで優勝したことで、
その後の人生が大きく変わってしまったケイト・トンプソン
顔全体を包帯で覆って登場する姿は、インパクト大で爆笑モノ(^皿^)
演じる万善香織さんは、オイラの大好きな実力派の役者さんですが、
こうしたエキセントリックなキャラクターを演じさせたら、本当に巧いです♪
本作のベスト名台詞は....
『この季節のテムズ川を甘く見ちゃダメよ!』....です♪
 
【高橋幸子さん】
まずは、この企画を立ち上げてくれた高橋幸子さんに感謝!(^口^)/
オイラは劇団ガバメンツのことも早川康介さんの事もこれまで存じ上げませんでしたが、
本作に触れて、一気に早川康介さんのファンになりました♪
今回のコラボは素晴らしい科学反応を生み出したと思います
 
さて、そんな高橋幸子さんが演じるのは、ハロルドの元愛人リサ
....で、高橋幸子さんがこれまた実に色っぽい女性なのであった
あの艶っぽさが愛人役にぴったり!....とか言うと本人に怒られそうだけど、
あのセクシーさならハロルドじゃなくても恋に落ちるのも致し方ない....と、
妙に納得するオイラなのでありました(....って、単にオイラがスケベなだけか!?)

【橘あんりさん】
ハロルドの義妹で、本作のストーリーテラーでもあるハンナ
憎まれ口を叩き、例え皆に嫌われようとも、そんなハロルドのことを愛してやまない
健気な妹役を、橘あんりさんが好演
エンディングでネッシーについて語り合う兄妹の姿が、とっても感動的でした♪
 
 
タイトル通り、物語もユニークならば、登場人物もユニーク、
何より劇団青年座でこうした作品が見られるのもまた実にユニーク!
....という訳で、是非是非多くの方に見て頂きたい面白いユニークな作品です
8月10日(日)まで公演していますので、暑さをしのぎに
青年座劇場まで足を運んだりするのもいいんじゃないでしょうか?(^皿^)/
 
 
      本作のベスト・アクトレス賞は、森脇由紀さんで♪
      ミセス・マクノートン.jpg
劇中、様々な表情を見せるミセス・マクノートン
中でも、一瞬だけど“五獣の拳”鶴の舞いを見せる場面が、個人的にツボにハマった♪
台詞はなかったけど、きっと彼女ならこう言ったに違いない....
「昔、少林寺拳法をかじったことがあるもので....」 (^皿^)/
   
 
      『トカゲ顔って、言わないで!』
      ケイト・トンプソン.jpg
オープニング、まるで“透明人間”のような出で立ちで登場する万善香織さん
顔全体を覆う包帯にサングラス、そしてトレンチコート....正に透明人間!(笑)
素顔になってからも、喜怒哀楽の激しい演技で楽しませてくれた万善香織さん
劇中では美人でもないのに、ミスコンテストで優勝してしまった....という設定のため、
やれ「ブス!」だの、「トカゲ顔!」だのと、散々な言われっぷりでしたが、
オイラは万善香織さんの“トカゲ顔”が大好きなのである♪
(....って、フォローになってないか....汗)
劇中で着ていた水色のトレンチコートが、おしゃれですっごくかっこ良かった!
 
万善香織さんは、出産、育児を経て、今回久しぶりの舞台復帰とのことでしたが、
これからも応援し続けたい魅力的な役者さんであります!(^皿^)
 

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