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真実の愛で、凍った心を溶かせ!〜『アナと雪の女王』を鑑賞する [映画鑑賞]

 
          ディズニー創立90周年記念作品 
           『アナと雪の女王』
            ( 原題:FROZEN )
       2013年 アメリカ映画 カラー作品 1時間42分

    監督:クリス・バック 
       ジェニファー・リー
 製作総指揮:ジョン・ラセター
    脚本:ジェニファー・リー
    音楽:クリストフ・ベック
  劇中歌曲:クリステン・アンダーソン=ロペス
       ロバート・ロペス
 
  出演:イディナ・メンゼル   ....エルサ/アレンデール王国家の長女
     クリステン・ベル    ....アナ/アレンデール王国家の次女
     ジョナサン・グロフ   ....クリストフ/氷を売って生計を立てる山男
     サンティノ・フォンタナ ....ハンス王子/アナにひと目惚れし、求婚する
     ジョシュ・ギャッド   ....オラフ/エルサが作り出した生きた雪だるま
     アラン・テュディック  ....ウェーゼルトン伯爵/強欲な貴族
 
 【あらすじ】
アレンデール王国に住む国王の娘たち、エルサとアナの姉妹。
触れたものを凍らせる事が出来る能力を持って生まれたエルサは、幼い頃その能力のせいで妹アナを傷つけてしまう。そのことがトラウマとなったエルサは能力を封印し、それまで仲良しだった妹とは距離を置きながら、ひと目を遠ざけるようにして生きてきた。
だが、成人となったエルサ(イディナ・メンゼル)は、王位を継ぐ戴冠式のため、公の場に出ることを余儀なくされる。一方、アナ(クリステン・ベル)は、久々に城で開催される華やかなパーティーに大喜び。その席で南国からやってきたハンス王子(サンティノ・フォンタナ)と意気投合したアナは、ハンス王子との結婚を誓う。アナの突然の結婚宣言に驚いたエルサはアナと口論となり、感情的になったエルサは抑えていた能力を公衆の面前で思わず披露してしまった。長年秘密にしてきた能力を知られてしまったエルサは、そのまま城をあとにして、北の山へと立ち去った。と同時にアレンデール王国は、凍てついた冬の季節に包まれてしまった。
妹のアナは、アレンデール王国を救うため、姉エルサを追って北の雪山へと向かう....!
 
 
これぞ王道ミュージカル!!!
前前作『塔の上のラプンツェル』も素晴らしいミュージカル・アニメーションでしたが、
今作『アナと雪の女王』は、更にそれの上をいく王道中の王道ミュージカルでした。
ここまで正当派のミュージカルを見せられたら、もはや降参するしかありません。
ここにはっきりと断言します!....
傑作『レ・ミゼラブル』を完全に越えました!(^皿^)
 
映画公開前からイディナ・メンゼルが歌う劇中歌 ♪Let it go が話題となっていましたが、
それ以外にも素晴らしい楽曲が目白押しで音楽劇として非常に楽しめました。
 ・エルサとアナのキャラクターの対比を見事に描いた秀作:♪生まれてはじめて、
 ・アナとハンス王子が恋に落ちるロマンティクなナンバー:♪とびら開けて、
 ・雪だるまのオラフが大好きな夏を歌う愉快な:♪あこがれの夏、
 ・トロル族がクリストフを褒め讃える:♪愛さえあれば
....などなど、実にバラエティに富んだ楽曲が満載で、
どれもミュージカルシーンとして見応えがありました。
 
それでも、やはり特筆すべきは♪レット・イット・ゴーの場面でしょう。
幼い頃、自身の能力で妹を誤って傷つけてしまったエルサは、大人になった今でもその能力に脅えながら暮らしています。しかしながら、その一方でそれが自分らしくない姿だということもわかっています。妹と口論したことで、その能力を公のものとした彼女は、遂に本来の自分自身を取り戻します。エルサが「♪ありのままでいいの」と歌いながら氷の架け橋を駆け上がる場面は、その本来の自分自身を取り戻した喜びに満ちあふれていて、見るものに最高のカタルシスを味あわせてくれます。
恥ずかしながらこの場面でオイラは号泣してしまいました(^皿^;)>。
  
一方ミュージカル場面と並行して描かれるドラマ部分も、実にしっかりとしたものでした。
 妹を守るため、本来の自分をずっと抑え続けてきた姉エルサ
 ある時期から距離をおくようになった姉に対して、不満と寂しさを持ち続けていた妹アナ
そんな二人の葛藤や複雑な想いが、実にドラマチックに描かれます。
自分自身を取り戻して“雪の女王”となったエルサですが、その城は殺風景で寒々としています。それは単に氷で覆われているからではなく、エルサの孤独を象徴しているからです。
本来の自分=輝きを取り戻したはずなのに、孤独というエルサの姿が切なさを誘います。
一方、アナは冒険を通して色んなことを学びます。活発な女の子として描かれるアナは、正にディズニーヒロインの正当派で、応援したくなる魅力に溢れています。そんなアナと行動をともにすることになる山男クリストフもまた、素敵なナイスガイとして描かれています。個人的には外見をもう少しいかつい感じにして欲しかった感もありましたが、無骨な感じはよく出ていました。
 
今回珍しくヴィラン(悪役)らしいヴィランがいなかったので、物語がどんな風に展開していくのか?興味津々だった訳ですが、まさかアイツがあんなに悪いヤツだっただなんて!というネタばらしも意外性に富んでいて良かったです。
あんなドロドロした人間臭い悪役は、ディズニー史上初めてかもしれません(苦笑)。
 
もちろん、アニメーションとしての楽しさもきっちり描かれています。
今回コメディリリーフとして登場するのが雪だるまのオラフです。
実は映画を見る前、このオラフのデザインが今イチだなあと個人的に感じていたのですが、実際にはとてもチャーミングなキャラクターで、やはりこういうキャラを描かせるとディズニーは巧いなと痛感しました。日本語吹き替え版ではピエール瀧さんの好演が強く印象に残りました。
また、クリストフの相棒・トナカイのスヴェンがかっこ良かった!。
スヴェンは言うなれば、『〜ラプンツェル』に於けるマキシマスのような立ち位置。
アナを救うため、クリストフとともに猛吹雪の中を疾走する姿は本当にかっこ良かったです。
 
 
本作は、正にディズニーの王道を行く作品となっていますが、実は要所要所でその王道を外しています。それが、小さな驚きでもあり、また現代的とも言えます。
物語のネタばれになるので敢えて詳しくは書きませんが、クライマックスで描かれるいわゆる“真実の愛”というのが、我々観客が期待・想像していたものとは違う形で披露されます。オイラはその展開を見て思わず「そうきたか!」と唸ってしまいました。この結末には賛否両論あるかもしれませんが、個人的には満足しました。悪役の最期もこれまでのディズニーヴィランとは明らかに違う末路である点も、今風と言えるかもしれません。
いずれにしても、このあたりは是非皆さんご自身の目で確かめて頂きたいです。
 
 
『塔の上のラプンツェル』を超え、そしてあの『レ・ミゼラブル』を超えた!と言っても決して過言ではない、ミュージカル・アニメーションの最高傑作『アナと雪の女王』。
字幕スーパー版ももちろん素晴らしいですけど、日本語吹き替え版もかなり素敵な仕上がりになっていますので、お好きな方でご鑑賞下さい。
超お薦めの作品ですッ!(^皿^)/
 
 
     『運命の人に出会えるかも♪』
     アナ.jpg
     恋に恋するお年頃のアナ 神田沙也加さんの好演が光ります
     松たか子さんの歌にばかり注目が集まっていますが、
     もちろん神田沙也加さんの歌声も、素晴らしいです!
     冒頭の♪生まれてはじめてのアナが、本当に魅力的でチャーミング
     のむらさんも仰ってたように、戴冠式の朝の寝ぼけた姿が実に愛らしい
     ボサボサの髪の毛、そして....よだれ!(^皿^)
     あの姿で、女性観客の親近感をガッチリ掴むことに成功したのは確実
     もちろん、オイラもそのひとりです♪(^U^)
 


ディズニー アナと雪の女王 ビジュアルガイド

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/03/14
  • メディア: 単行本
本作を見たら、欲しくなる一冊
映画のデザイン画や、豊富な本編写真、充実したインタビュー記事など、読み応えあり
これで、日本語吹き替え版キャストのインタビューが掲載されていたら完璧だったのに...
 
 

ガーディアンズ 伝説の勇者たち [DVD]

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  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • メディア: DVD
『アナと雪の女王』に於ける、雪や氷の表現に感動した方は、
是非こちらのアニメーションも見て頂きたい!
『アナと雪の女王』に負けず劣らず、雪や氷の表現が素晴らしい作品です
ミュージカルでは決してないけれど、お薦めの作品です!
  
 
【もうひと言だけ言わせて!】
オイラが大ヒットしたミュージカル映画『レ・ミゼラブル』を今イチ好きになれなかったのは、その全編が歌で構成されていたからです。ミュージカル映画に於ける歌唱場面は、キャラクターの心情を“歌”で表現しただけであって、別に本当に歌っている訳ではありません。だからこそ台詞劇の部分がベースで、その先に歌があるべきなのです。
 
本作『アナと雪の女王』では、それを象徴した場面が見られます。
それが、イディナ・メンゼルや松たか子さんの歌唱パフォーマンスですっかり有名になった♪Let it goの場面です。
ここでのシーンを注意深く見て下さい。
この♪Let it goの場面に於ける一連のシークエンス、一見するとエルサがずっと歌いっぱなしのように見えますが、実はエルサが歌を歌ってない部分があります。エルサが氷の架け橋をかける部分です。手から放たれた冷気により階段の一端が出来る場面で、歌曲は流れていますが、実際にはエルサは歌っておらず、その自身の能力に感動する表情をしています。
これがミュージカルに於ける、歌唱場面の正しい演出方法なのです。
 歌ってるけど、実際には歌っていない
 実際には歌ってないけど、映像では歌っている
この両方の側面を映し出してこそ、ミュージカル映画の歌唱場面は引き立つのです!。
 
映画『レ・ミゼラブル』の音楽は確かに素晴らしいものでした。
ですが、あれを“ミュージカル映画”と呼ぶにはいささか抵抗を感じます。
あれはミュージカル映画というより、レ・ミゼラブル歌謡ショーでした。
片や『アナと雪の女王』は音楽だけでなく、台詞劇も素晴らしく、尚かつアニメーションとしての楽しさも兼ね備えていました。そういった意味でも、本作はミュージカル映画として『レ・ミゼラブル』を超えたと言っても決して過言ではないと思います(^皿^)。
  

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non_0101

う~ん、ますます観たくなってしまいます~
きっと日本語吹き替え版にもチャレンジしに行きます~☆
by non_0101 (2014-03-24 23:25) 

堀越ヨッシー

non_0101さん、こんにちは。
歌だけでなく、お芝居の方も素晴らしいので、機会があれば是非吹き替え版も体験してみて下さい♪
あー、オイラももう一度鑑賞したいです!(^皿^)/
by 堀越ヨッシー (2014-03-28 12:56) 

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