ジェフリー・ディーヴァー著「追撃の森」を読む [BOOK]
リンカーン・ライム・シリーズの第9作目「バーニング・ワイヤー」が、遂に刊行となったジェフリー・ディーヴァー。今回リンカーン・ライムの前に立ちはだかる敵は、電力網を自由自在に操る人物。電力を支配する者が世界を制する....東京電力問題でそのことを嫌が上にも痛切に実体験してきた我々日本人にとって、ある意味とても身近なテーマだとも言える。
シリーズのファンとしては一刻も早く読みたいところだけど、
その前にまずは未読だった久々のノンシリーズ「追撃の森」を読まねばなるまい!。
『 追撃の森 』【 原題:The Bodies Left Behind (置き土産の死体)】
ジェフリー・ディーヴァー 土屋晃=訳
【主な登場人物】
ブリン・マッケンジー ....ウィスコンシン州ケネス群保安官補
トム・ダール ....同上 保安官/ブリンの上司
エマ・フェルドマン ....別荘で夫と共に殺害された弁護士
スティーヴン・フェルドマン ....市の福祉職員でエマの夫
ミシェル ....殺害事件に巻き込まれた女性
グレアム・ボイド ....ブリンの夫/造園師
ハート ....フェルドマン夫妻を襲撃した男
コンプトン・ルイス ....ハートの相棒
スタンレー・マッキンウィッツ....ミルウォーキーの労働組合のボス
ジェイムズ・ジェイソンズ ....マッキンウィッツの部下/弁護士
【あらすじ】
ウィスコンシン州ケネス郡。人里離れた別荘より、保安官事務所に緊急通報が入る。
本部からの命を受けて、保安官補のブリン・マッケンジーは単身別荘を訪れる。そこで彼女が見たものは、殺害されたフェルドマン夫妻の死体だった。そして、夫妻を襲ったと思われる二人組の男たちと遭遇したブリンもまた襲われてしまう。辛くも難を逃れたブリンは、闇の森へと逃走する。そこでブリンはミシェルというひとりの女性と出会う。たまたまフェルドマン夫妻の別荘を訪れていて事件に巻き込まれたという彼女もまた、二人組の追っ手から逃れて森に潜んでいたのだ。ミシェルとともに森の中を逃走するブリン。一方、犯行を知られてしまった二人組の男、ハートとルイスは、彼女たちを殺すべく森へと進入する。
こうして夜の森を舞台に、二人の女たちVS二人の男たちによる追跡劇が始まった....!
ジェフリー・ディーヴァーと言えば、物語のどんでん返しがその代名詞となっていますが、それはこの作品でも健在です。まず前半部分は、保安官補ブリンと殺害犯ハートとの息詰まる追跡劇が見所です。互いに相手を出し抜こうとするブリンとハート。追う者と追われる者とが繰り広げるハラハラドキドキの頭脳戦が展開されます。そして、中盤で遂に顔を合わせて対峙することになるブリンとハート。それまでの過程で相手に対してある種の親近感を抱いている二人のやりとりは中盤最大の見せ場となっています。
ところが、中盤を過ぎたあたりから、物語は意外な方向へと転がり始めます。
ジェフリー・ディーヴァーという作家は、読者の思い込みを利用するのが本当にうまい。今回もその思い込みを見事に利用され、読者が思ってもいなかった方向へと物語は進行します。「またしてもやられた!」という嬉しい驚き。これだからディーヴァー作品はやめられません!。
ブリン保安官補の仕事に対する強い意志を描く一方で、私生活での悩みや葛藤も描かれていて、主人公というキャラクターに厚みを持たせています。また悪役のハートもブリンに負けず劣らず魅力的。この二人の対比が物語を盛り上げます。
作品を読みながら、この作品は是非映画化して欲しい!と強く感じました。
94年の映画「激流」(監督:カーティス・ハンソン、出演:メリル・ストリープ、ケヴィン・ベーコン他)のような、地味だけど良質のサスペンス映画に最近出会えていないような気がします。この「追撃の森」は、是非映像で見てみたい!と思わせてくれる良質のサスペンスでした。
お薦めのサスペンス小説です!(^皿^)/
『追撃の森』ジェフリー・ディーヴァー著

裏稼業の仕事に手を染める男・ハート。自らのことを“職人”と称する彼の計画は、完璧のはずだった。だが、そんな彼の前に保安官補のブリンが立ちはだかる。ことあるごとに裏をかかれるハートは、ブリンに対し憤りを感じつつも、同時に奇妙な親近感を覚えるのだった....
あー、こちらも気になります!(^皿^)♪
シリーズのファンとしては一刻も早く読みたいところだけど、
その前にまずは未読だった久々のノンシリーズ「追撃の森」を読まねばなるまい!。
『 追撃の森 』【 原題:The Bodies Left Behind (置き土産の死体)】
ジェフリー・ディーヴァー 土屋晃=訳
【主な登場人物】
ブリン・マッケンジー ....ウィスコンシン州ケネス群保安官補
トム・ダール ....同上 保安官/ブリンの上司
エマ・フェルドマン ....別荘で夫と共に殺害された弁護士
スティーヴン・フェルドマン ....市の福祉職員でエマの夫
ミシェル ....殺害事件に巻き込まれた女性
グレアム・ボイド ....ブリンの夫/造園師
ハート ....フェルドマン夫妻を襲撃した男
コンプトン・ルイス ....ハートの相棒
スタンレー・マッキンウィッツ....ミルウォーキーの労働組合のボス
ジェイムズ・ジェイソンズ ....マッキンウィッツの部下/弁護士
【あらすじ】
ウィスコンシン州ケネス郡。人里離れた別荘より、保安官事務所に緊急通報が入る。
本部からの命を受けて、保安官補のブリン・マッケンジーは単身別荘を訪れる。そこで彼女が見たものは、殺害されたフェルドマン夫妻の死体だった。そして、夫妻を襲ったと思われる二人組の男たちと遭遇したブリンもまた襲われてしまう。辛くも難を逃れたブリンは、闇の森へと逃走する。そこでブリンはミシェルというひとりの女性と出会う。たまたまフェルドマン夫妻の別荘を訪れていて事件に巻き込まれたという彼女もまた、二人組の追っ手から逃れて森に潜んでいたのだ。ミシェルとともに森の中を逃走するブリン。一方、犯行を知られてしまった二人組の男、ハートとルイスは、彼女たちを殺すべく森へと進入する。
こうして夜の森を舞台に、二人の女たちVS二人の男たちによる追跡劇が始まった....!
ジェフリー・ディーヴァーと言えば、物語のどんでん返しがその代名詞となっていますが、それはこの作品でも健在です。まず前半部分は、保安官補ブリンと殺害犯ハートとの息詰まる追跡劇が見所です。互いに相手を出し抜こうとするブリンとハート。追う者と追われる者とが繰り広げるハラハラドキドキの頭脳戦が展開されます。そして、中盤で遂に顔を合わせて対峙することになるブリンとハート。それまでの過程で相手に対してある種の親近感を抱いている二人のやりとりは中盤最大の見せ場となっています。
ところが、中盤を過ぎたあたりから、物語は意外な方向へと転がり始めます。
ジェフリー・ディーヴァーという作家は、読者の思い込みを利用するのが本当にうまい。今回もその思い込みを見事に利用され、読者が思ってもいなかった方向へと物語は進行します。「またしてもやられた!」という嬉しい驚き。これだからディーヴァー作品はやめられません!。
ブリン保安官補の仕事に対する強い意志を描く一方で、私生活での悩みや葛藤も描かれていて、主人公というキャラクターに厚みを持たせています。また悪役のハートもブリンに負けず劣らず魅力的。この二人の対比が物語を盛り上げます。
作品を読みながら、この作品は是非映画化して欲しい!と強く感じました。
94年の映画「激流」(監督:カーティス・ハンソン、出演:メリル・ストリープ、ケヴィン・ベーコン他)のような、地味だけど良質のサスペンス映画に最近出会えていないような気がします。この「追撃の森」は、是非映像で見てみたい!と思わせてくれる良質のサスペンスでした。
お薦めのサスペンス小説です!(^皿^)/
『追撃の森』ジェフリー・ディーヴァー著

裏稼業の仕事に手を染める男・ハート。自らのことを“職人”と称する彼の計画は、完璧のはずだった。だが、そんな彼の前に保安官補のブリンが立ちはだかる。ことあるごとに裏をかかれるハートは、ブリンに対し憤りを感じつつも、同時に奇妙な親近感を覚えるのだった....
あー、こちらも気になります!(^皿^)♪
2013-03-13 09:00
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