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劇団ハートランド第十六回公演「バリカンとダイヤ」を観劇する [舞台・コンサート]

さてさて、9月二本目に観劇した舞台は、劇団ハートランドの作品「バリカンとダイヤ」。
劇団ハートランドの作品を鑑賞するのは、今回で3回目。過去2作品がどれも面白かったので、今回も俄然期待が高まります。非常に楽しみにしていた舞台です!(^皿^)/。
 
  【劇団ハートランド 第十六回公演】
    『バリカンとダイヤ』
 
 作/演出:中島敦彦
   出演:馬場奈津美、矢野陽子、大西多摩恵、田岡美也子、福島まり子、
      小林美江、梶原茉莉、保谷果菜子、伊藤亜沙美、槌谷絵図芽
 
【あらすじ】
石田家の主が亡くなって早数日。妻の智恵子(大西多摩恵)は義姉・多恵子(矢野陽子)の協力もあって無事葬儀を済ませ、ちょっとした安堵を感じていた。が同時に、ここ数日は心にポッカリとしたものを感じながら過ごす日々。そんな彼女のことを心配してちょくちょく顔を出す近所の主婦・フジ子(田岡美也子)に励まされるが、心の隙間は埋まることがない。離婚したばかりの長女・智子(小林美江)、キャリアウーマンの次女・恵子(福島まり子)、そして5年前に実家を出てひとり暮らし中の三女・潤子(馬場奈津美)ら3人姉妹も、そんな母親のことを心配して実家に集まってくる。やがて、妻の知らなかった夫の秘密が赤裸々になるのと時を同じくして、それぞれの娘たちが抱える問題も表面化し始める。
智恵子はそれらに翻弄されることになるのだが....。
 
 
....いやー、面白かった!(^皿^)/
さすが劇団ハートランド、今回も期待を裏切りませんでした。
過去に見た2作「ギラギラの月」「発進、オーライ!」も面白い作品でしたが、今作はそれを上回る内容で大満足な内容でした。セットの配置もコンパクトながら、無駄のない配置で「巧いな」と感じました。
とにかく中島敦彦さんの脚本(ほん)が素晴らしかった!。どこにでもある普通の家庭に巻き起こる騒動を、笑いあり涙ありの盛りだくさんの内容で見せてくれました。オイラはこうした市井の人々を描いたホームドラマが大好きなので、最初から最後まで大いに楽しみながら観劇することが出来ました。
中島敦彦さんが向田邦子的作品を目指して書かれたという今作品。
向田作品にひけをとらない素晴らしい作品に仕上がったと個人的に思います。
 
【大西多摩恵】
主人公・智恵子を演じるは、大西多摩恵さん。
実際智恵子のような境遇の人は、世の中に多いんじゃないだろうか?。ひと世代前のいわゆる夫に尽くして生きてきたような女性。そんな智恵子を大西さんは見事に演じられていました。近所の主婦・フジ子に対して思わず放った言葉「あなたのこと、友達と思ったことないの〜!」には、爆笑させられました(^皿^)。エンディング、夫が残してくれた愛情に溢れた手紙に感動して涙しつつ、同封された貯金通帳の額を思わず数えてしまう、そんな人間臭い描写がたまらなくて大好きッ!。
 
【小林美江】
長女・智子を演じるは、小林美江さん。
シングル・マザーとして思春期の娘の子育てに奮闘する母親としての姿と、新しい恋にときめくひとりの女性としての姿の狭間で葛藤する智恵子を好演。
 
【福島まり子】
次女・恵子を演じるは、福島まり子さん。
キャリアウーマンとして成功した一方で、会社の経営がうまくいかず四苦八苦する恵子。前作「発車、オーライ!」でバイタリティ溢れる関西女性を元気いっぱいに演じていた福島まり子さんが、今作では一転クールなキャリアウーマンである次女を好演。
 
【馬場奈津美】
三女・潤子を演じるは、馬場奈津美さん。
地味な外見の(失礼ッ!)馬場さんにピッタリのキャラクターの三女。多少楽屋オチな感は否めなかったけど、それでも気にならないのは馬場さんの人柄によるものだろう。
あー、同居してたおじさん(演出家)の容姿が気になるッ!(^皿^;)
    
【矢野陽子】
主人公・智恵子の義姉・多恵子を演じる矢野陽子さん。
「あー、こういうおばさんいるいる!」的な演技が素晴らしい。下手をすると嫌みなキャラになりかねない多恵子という人物を、とても可愛らしく演じていらっしゃいました。「嫁ぎ先での居場所がない」と、弱音をポツリと漏らす場面がとても切なかったです。余談ですが、オイラは九州の長崎出身なので、彼女の話す宮崎弁にはすごく親近感を感じながら作品を見る事が出来ました。
   
【田岡美也子】
主人公・智恵子のことを何かと世話する主婦・フジ子を演じる田岡美也子さん。
「もー、絶対アテ書きだな!」と思わせるキャラクターで、バイタリティー溢れるキャラクターの存在感は群を抜いてピカイチ!。智恵子に「あなたのこと、友達と思ったことがないの〜!」と衝撃告白をされても、「やっと本音で語れるようになったわね、これからが始まりよ!」と、あくまでもポジティブシンキングな場面には、笑いながらもちょっと感動してしまました(^皿^)。
    
【保谷果菜子】
石田家の主が通っていたマッサージ店で働く中国人を演じる保谷果菜子さん。
最初は「いわゆるいかがわしいマッサージ店で働く女性なのかな?」と思わせて、実は違うということがわかり、俄然愛らしくなってくるキャラクター・林(リン)を保谷果菜子さんが好演。カタコト日本語に加え、昔の工藤静香を思わせるくるるんモミアゲ姿が愛らしい♪。石田家の娘たちとケンカになる場面では、突然台詞が「ナニスルカー、ブレイモノー!」と時代劇調になるのが面白かったッス(^皿^)。
 
【梶原茉莉】
フジ子が連れてくる化粧品セールスレディを演じる梶原恵里さん。
お決まりのフレーズ「貴女とのご縁を大切にする....」という台詞が可笑しくてたまらなかった。

【伊藤亜沙美】
謎の新興宗教に所属する江木俊子を演じる伊藤亜沙美さん。
就職活動をしている女子大生のような地味な服装に、首からぶら下げている小瓶(ネックレスにするには大きすぎ!)が、なんとも可笑しい。伊藤亜沙美さんは過去作品でも面白いキャラクターを演じられていて、個人的にはすごく記憶に残る役者さんだったのですが、今作でも実にユニークなキャラクターを演じられていました。オドオドした姿で登場したのも束の間、自身が所属する宗教団体の歌を歌う場面では一転、満面の笑みで力強い歌声を披露。このギャップがたまらなく好き!。終演後、ちょっとお会いする機会があったので「伊藤さんのお芝居、最高でした!」と声をかけたら「顔芸です、すみませんッ!」と謙遜されていました。いやいや、なかなか素敵な顔芸でしたよ。
 
【槌谷絵図芽】
石田家長女・智子のひとり娘を演じる槌谷絵図芽さん。
ハートランドの過去作ではボーイッシュなキャラを演じられていた槌谷さんですが、今作では思春期を迎えた女子中学生を好演されていました。もともと童顔の彼女なので、制服姿が実にぴったり!。「あと5年は中学生役が出来るネ!」と言ったら、苦笑いしていました(^皿^)。
 
 
基本、舞台作品は一度しか見に行きませんが(主に経済的理由で)、今作「バリカンとダイヤ」はもう一回観たい!と思わせてくれる素晴らしい舞台でした。「是非、再演をッ!」と、つよく願わずにはいられない「バリカンとダイヤ」でありました(^皿^)V。
これからも劇団ハートランドからは目が離せません。来年の作品も、楽しみだ〜!(^U^)♪
  
  
オイラのお気に入り、伊藤亜沙美さん
いとうあさみさん.jpg 
オドオドしながら八の字眉で口を尖らせて入場してくる登場場面でもうすでにかなり笑えるのだけど、一転自身の所属する宗教団体の話になるととたんに饒舌になる変化ぶりがたまらない。後半の方で、この伊藤さん演じる江木、梶原さん演じるセールスレディ、保谷さん演じるマッサージ師ら面識のない3人が石田家で鉢合わせになる場面があるのですが、あの居心地の悪さ感といったらなかった。台詞に頼らず空気感だけで笑わせる中島脚本、最高。
ああいうのがコメディだよなあ(^皿^)。
 
ところで、劇団の主催者である高橋亜矢子さんが今作には出演されていなかったので、何でだろう?と思っていたら、なんと高橋さん今年始めにお子さんを出産されていたとのこと!。僭越ながらおめでとうございまっす!(^口^)/
  
【2015年1月追記】
な....、なんと!、2015年3月に再演決定ッ!!
前回、観劇出来なかった方は、この機会に是非是非ッッ!!!
もちろん、オイラも再び観に行く予定です♪(^皿^) 

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