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青年座セレクション Vol.3「ほととぎす・ほととぎす」を観劇する [舞台・コンサート]

久しぶりに、劇団青年座の舞台を観劇。
今回の舞台は過去に上演された作品の中から抜粋したものを再演する、青年座セレクションシリーズの第3回目。徳富蘆花作の小説「不如帰(ほととぎす)」を軸に、小説の元になったという家族と、その小説の劇中劇とが交差する人間模様が描かれます。
 
青年座セレクション Vol.3「ほととぎす・ほととぎす」
 作:宮本研
演出:須藤黄英
出演:山野史人、高松潤、片岡富枝、魏涼子、野々村のん、黒崎照、高橋幸子
【あらすじ】
時は明治時代。男女の悲恋を描いた小説「不如帰」が大ヒットし、それが舞台化されることとなった。モデルとなった軍人の片岡中将一家の心中は穏やかではない。何故なら小説の物語は、現実での出来事をかなり脚色した物語となっていたからだ。だが、好奇心も手伝って一家は舞台を観に行くことになった。舞台で繰り広げられるフィクションの世界を大いに楽しんだ片岡中将一家であったが、現実の世界では隠されたある計画が、着々と進行しつつあった....。
青年座のブログにて、舞台上の画像が公開されています♪)
 
 
小説「不如帰」は、不治の病に犯されたヒロイン・浪子と、若き青年将校・武男との悲恋を描いた物語で、明治時代に出版されベストセラーとなった作品だそうです。過去に何度も舞台化されているそうなんですが、オイラは教養がないので、そのあたりについてはまったく知りませんでした。例えるなら、今でいうところの昼ドラみたいな物語だったようです。
舞台ではそのモデルとなった軍人一家と、小説の世界を描いた劇中劇とが交互に展開していき、その対比が実に面白く描かれていました。ところが、中盤を過ぎたあたりからそれまでのにぎやかだった空気が一変し、何やらあやしげな雰囲気が漂い始めます。そしてクライマックス、唐突に訪れる大どんでん返しに、意表を突かれてしまいました。
 
ほととぎすとは、劇中劇で不治の病である肺結核に犯された浪子のこと(咳で口中が血で赤く染まる姿が、同じく口の中が赤いホトトギスに似ていることからの例え)ですが、実は現実世界にももうひとり別の“ほととぎす”な女性がいたというお話。敢えて物語のネタばれは書きませんが、クライマックスのまさかの大どんでん返しには、ほんとに意表を突かれました。と言うか、大どんでん返しそのものというより、そこへと至る展開があまりにも早すぎてそのことに唖然としてしまったのです。
「えっ!?、ここでもうそんな展開になるの!?」
....と驚いているうちに作品は終了。まさにキツネにつままれたような気持ちで終劇を迎えてしまいました。元々短い作品(台本)であったらしいのですが、それにあわせて上演時間も80分間という、かなり短い作品でした。正直もう少し長くてもいいかな?と感じた「ほととぎす・ほととぎす」でありました。
復讐は、やはり蜜の味なのでしょうかね?(^皿^)
 
 
中将婦人を演じた魏涼子さんが、凛とした美しさと、内に秘めたる信念とを見事に演じられていました。作品の途中で、夫である片岡中将(山野史人)が「女に戦争は出来ない」と、女性を見下した発言をした際、アメリカで教育を受けた中将婦人がどうして反論しないのかな?と不思議だった訳ですが、なるほど裏でそんなことを実行しようとしていたのか!という事がわかり、その謎が解けました。クライマックスでの鬼気迫る演技は、とても迫力がありました。韓国ドラマなどでも吹き替えを担当されているだけあって、声の通りもすごく良かったです♪。カッと目を見開いた時の表情もたまりませんでした(^皿^)。
 
語り部的な役回りであったお幾を演じた野々村のんさんの、飄々とした演技も良かったな。
タレ目なのんさんが、とってもチャーミングでした(^皿^)。
 
不治の病にかかった浪子を演じた高橋幸子さんが、妙に艶っぽくて個人的にはグッとくるものがありました。病気の女性って、何故にこんなにもエロチックに映るものなのでしょうか?(^皿^)。こういうのって、男だけが感じるものなのでしょうかね。
 
特に、吹き替え好きのオイラが一番グッときたのは、やはり片岡富枝さんです!。
片岡富枝さんと言えば、日本語吹き替え界において「おばさん声をやらせたら右に出る者はいない!」とオイラが勝手に思ってるほどのおひとりなのであります。
今作でも劇中劇では病気の浪子をいびる義母を憎たらしく演じる一方、モデルとなった人物を演じる時は一転、気弱ですぐ泣く女性をこれまた魅力的に演じられていました。
 
 
「病気持ちを嫁にくれるなんて、まったくなんて不運なんだい!」
      中将湯.jpg
劇中劇では肺結核を患う浪子に対して冷たく接する武男の母であったが、現実の世界ではまったく違う姿を見せる。舞台を見た義母は「私はあんなにひどい母親ではありません〜!」と、中将婦人の前で泣き崩れるのであった。
 
 

 
コラテラル スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • メディア: Blu-ray

舞台を見た日、偶然自宅で「コラテラル」のDVDを見てたら、片岡富枝さんが吹き替えで登場♪。演じるは、ジェイミー・フォックス演じるタクシー運転手マックスの母親役。正にぴったりな配役でした!(^皿^)。
 

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