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劇団ハートランド第14回公演「ギラギラの月」を観劇する〜下北沢 ザ・スズナリ [舞台・コンサート]

知り合いが舞台に出るってんで、久しぶりに下北沢へ。
物語は、なんでも女流漫画家の卵たちの話だという。こりゃあ、かつて一度でも漫画家になることを夢見た人間としては、なんとも興味をそそられる内容であります。
楽しみ楽しみ!(^皿^)♪
 
劇団ハートランド第14回公演「ギラギラの月」〜下北沢 ザ・スズナリ
作・演出:中島淳彦
出演:高橋亜矢子、馬場奈津美、梶原茉莉、ふるたこうこ、多崎オリエ、金房実加、花澄、伊藤亜沙美、槌谷絵図芽、and 東てる美
 
【あらすじ】
大泉学園に“大泉サロン”と呼ばれる下宿宿があった。そこには、将来漫画家になることを夢見る女性たちが集って、互いにしのぎを削っていた。そんなある日のこと、激しい雨が降る中、下宿宿にひとりの女性が飛び込んで来た。女の手には“白いヘルメット”と“謎の大きなバッグ”。手塚と名のるその女性は漫画家になることを夢見て、ここ大泉サロンを尋ねてきたのだという。不審に思いながらもとりあえず下宿に住まわせることにした住人たち。
一方、時期を同じくしてラジオからは府中で“三億円”が強奪されたというニュースが流れてきた。犯人は白バイ警官に変装していたという。「そう言えば、手塚も白いヘルメットを持っていなかった?」....挙動不審な佇まい、そして白いヘルメットと謎のボストンバッグ。住人たちは手塚が三億円を強奪した犯人なのではないか?と疑い始める....
 
 
今回の舞台は再演らしいのですが、率直な感想として非常に面白い舞台でした。
物語の基本的なベースは、下宿宿に暮らす女性漫画家の卵たちが繰り広げる悲喜こもごものドラマ。地に足のついた演出は見応えがあり、安心して舞台の世界へ没頭出来ました。そこに三億円事件の犯人とおぼしき謎の女性が絡んでくることで、ドラマはサスペンス風味やコメディ風味の味付けが付け加えられ、小劇場作品としては異例のエンターティメント作品に仕上がっておりましたですよ。
 
若手女優陣に交じって抜群の存在感を見せる東てる美さんが素晴らしい。
時代に取り残されたひと昔前の漫画家(かつて水木しげる先生もやられていた貸し本作歌という設定で、作風も怪奇風味)を文字通り熱演されておりました。東さん演じる山本がドラマのクライマックスで吐露する心の叫びは、そのまま共演している若手女優陣に向けられて発せられたメッセージのようでもあり、胸が熱くなる思いでした。
 
どのキャスト陣もそれぞれにハマり役で魅力的でしたが、個人的にお気に入りだったのは若手雑誌編集者・磯谷を演じられた伊藤亜沙美さん。引っ込み思案の性格のようでいて、自分の意見はしっかりと主張するそのギャップが面白かった。黒メガネ姿もすごく似合っていました。
それと、漫画家の卵・山西を演じられた田崎オリエさんも良かった。ああいう素直じゃない尖ったキャラクターって嫌いじゃない。連載が決まった萩野に対して内心悔しさいっぱいでありながらも友達として「おめでとう」とひとこと言う時の表情がたまらなかった。
 
エンディングのキャスト紹介時のダンスも楽しくて、実に大満足な2時間の舞台でした。
劇場(こや)の大小は関係ない。
良い舞台を見たあとは、幸せな気分になれますな♪(^皿^)。
 
 
劇団ハートランド主宰の高橋亜矢子さん演じる萩野素子のモデルは、もちろん萩尾望都さん
     ギラギラの月.jpg
小さい劇場ながら凝ったセットや、ちゃんと描いてある原稿など、かゆいところに手が届く配慮がポイント高し!。 
 
 
さて、概ね満足のいく舞台ではありましたが、もちろん不満な点がなかった訳じゃない。
個人的に気になった点をいくつかピックアップ。
1:一階のひと部屋が舞台の中心。そのまわりをぐるりと一周出来るような作りになっていましたが、アレはむしろ一周出来ない作りの方がかえって役者陣の動きが制限されて面白くなったのでは?と感じました。
2:漫画家のひとり・萩野を演じた高橋亜矢子さんの髪型がすごく気になった。というのも、彼女の前髪が常に目とカブっており、お芝居の最中、彼女の目の動きがよく見えなかったからだ。“目は口ほどに物を言う”と言います。そのあたりの細かい配慮がちょっと欲しかったですね。
 
劇団ハートランドの次回作は来年5月とのこと。
こちらは新作だそうで、今から楽しみですね♪(^皿^)/
 
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