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満月の夜は気をつけろ!〜「ウルフマン」を観る [映画鑑賞]

ベニチオ・デル・トロが製作・主演を兼ねたホラー映画「ウルフマン」を、ようやく観て参りました。ホラー&モンスター映画ファンとしては、やはり外せない今作。今週の平日に観に行ったんですが、公開3週目を迎え、すっかり上映回数も少なくなっており、近所のシネコンでは早朝と夜の2回しか上映していません。もちろんオイラは平日の夜に鑑賞した訳ですが、劇場内はお客さんが少ない少ない!(オイラを含めてたったの5人)。「やっぱりこのテの映画は一般受けしないのかなー」....とか少々ブルーになりつつも、個人的には意気揚々と鑑賞したのでありました。
 
【あらすじ】
舞台俳優のローレンス・タルボット(ベニチオ・デル・トロ)は、兄が行方不明になったとの報を聞き、25年ぶりに生まれ故郷であるブラックムーア村へと帰郷する。だが、そこで彼を待ち受けていたのは疎遠となっていた父のジョン(アンソニー・ホプキンス)の冷たい出迎えと、兄の死という悲しい出来事だった。悲しみにくれる兄の美しい妻グエン(エミリー・ブラント)に対して、ローレンスは兄の死の原因を追求すると誓う。
遺品の中に不思議なメダルを見つけたローレンスは、それが兄の死と何か関係があると感じ、メダルを売ったという流浪民のキャンプを訪れる。そこに“満月の夜に現れる”という伝説の殺人鬼が現れた。キャンプで無差別殺人をひきおこす謎の殺人鬼に、ローレンスもまた襲撃され瀕死の重傷を負ってしまう。が、不思議なことにその傷は数日で回復してしまうのだった。一方、キャンプで起こった連続殺人を調査するためロンドンからやってきたアバライン警部(ヒューゴ・ウィーヴィング)は、ローレンスに疑惑の目を向ける。それは村人もまた同じだった。
そして、また満月の夜がやってきた。するとローレンスの肉体がそれに呼応するかのように反応し変化し始めた....!
 
 
物語自体については特に可もなく不可もない、極めてオーソドックスな作りでした。
ただ、父と息子の確執の構図が今ひとつ伝わりにくい点が気になりました。母の死をきっかけに父を遠ざけることになった息子の気持ちは理解出来ますが、その息子をなぜ父が冷遇するのかが今ひとつ釈然としません。まあ殺人を目撃されたから....という部分に於いてはなんとなく理解出来ますが、父親像はもっとシンプルな方が良かったかもしれません。名優アンソニー・ホプキンスが頼んでもいないのに無理矢理複雑なキャラに仕上げたような気がしてなりません。その結果ラストで対決することになる父と息子の構図にも今イチ盛り上がりに欠けました。
 
今作はオリジナル版よりも時代設定を古くしてあります。そのことでより作品のテイストにマッチした雰囲気を醸し出すことには成功したようです。全体的に灰色がかった映像は、ホラー映画にベストマッチだし、雰囲気抜群でした。なんだか「スリーピー・ホロウ」みたいだなあ....と漠然と感じていたら、プロダクション・デザインが同じ人でした(^皿^)。
 
 
さて、懸案だった狼男のビジュアルですが、これはもう大満足の出来でした。
オリジナル版であるロン・チャーニーJr.版狼男に敬意を払いつつ、独自の味付けを施されたリック・ベイカー版狼男2010は、非常に凶悪な顔つきが魅力的なモンスターとなっていました(どなただったか、ブログで「チューバッカみたい♪」と書いてましたが、確かにそんな風に見えなくもありませんが...[あせあせ(飛び散る汗)])。
変身シーンや変身後の動き(四つん這いで走る!)などにはCGも利用されていますが、全体的にCG映像は極力抑えられており、基本的にはデル・トロ自ら演じる狼男がメインとなっています。
余談ですが、「アリス・イン・ワンダーランド」でマッド・ハッターを演じるジョニー・デップの奇抜なメイクについて。あのメイクも基本的には特殊メイクが用いられていますが、その一方で実はデップの目をデジタル技術で少しだけ大きくしているとの事。今作「ウルフマン」でも似たような技術が用いられているそうです。これまで特殊メイクと言えばカツラをしたり、顔にピースをはめたり、コンタクトをしたり、入れ歯をしたりと、アナログなイメージが強かった訳ですが、これからはそれ+デジタル技術というスタイルが定着するかもしれません。
それでも、やっぱりアナログ技術はなくなってほしくないなあ...と切に思うのであります。
 
作品を観ていて意外だったのは、思いのほかバイオレンス描写が激しかったこと。
手足はもげるは、生首は飛ぶは、内蔵は飛び出すはで、そのテの映像が苦手な方にはちと辛いかもしれません。でも、ジョー・ジョンストン監督は「オリジナルに敬意を払うなら、残酷である必要があると思った。作品に必要だと思われるバイオレンスなら、ボクは躊躇しないで入れるよ」と語っています。ジョー、ジョンストン、その姿勢グッジョブ!(^皿^)b。でもジョー・ジョンストン監督、ちとやりすぎたらしく結果的に残酷描写をいくつかカットしたそうです(苦笑)。そのあたりはDVD化された時、復活させてくれる事を切に希望したいッ!。
 
個人的には、ヒロイン役の未亡人グエンを演じるエミリー・ブラントの美しさに、終始メロメロ[黒ハート]でした(^皿^)エヘヘ。
ローレンスが幻想の中で垣間見るグエンの裸体(背中越しだけど)の気品溢れるエロティックさといったら!。その画はまるで絵画のようでした。
....それにしても、男はどうして未亡人にこれほどまでの魅力を感じてしまうのでしょう?。
 
【まとめ】 
現代に甦った古典ホラー「ウルフマン」は、ちょっとだけバイオレンス描写に溢れたホラー映画となっています。そのテの映像が苦手な方もいらっしゃるでしょうが、全体的に雰囲気抜群だし、ベニチオ・デル・トロ演じる狼男は一見の価値あり!だと思います。
是非、食わず嫌いせずに鑑賞されることをお薦めします!(^皿^)。
 
 
     満月にむかって吠えるッ!
     ウルフマン2010.jpg
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dorothy

これ観たかったんですが、かな〜り残酷描写だということで怯んでしまって、
結局パスしてしまいました。早送り出来る状況になってから観たいと思ってますw
ヨッシーさん作の狼男、カッコイイ!
by dorothy (2010-05-17 01:33) 

堀越ヨッシー

dorothyさん、こんにちは。
オイラは全然平気なんですが(苦笑)、確かに一般的にはちょっと敬遠されるレベルの残酷描写かもしれませんね。でも、ロケーションとかは雰囲気抜群なので、レンタルが始まったら是非鑑賞してみて下さい。ベニチオ・デル・トロの流し目演技も満載です♪。
本編の狼男は、オイラの描く狼男よりも1兆倍カッコイイです!(^皿^)。
by 堀越ヨッシー (2010-05-17 10:38) 

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