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再起動!...「ダイ・ハード4.0」を見る [映画鑑賞]

「あの男、再起動!」
...って事で、見て来ました!「ダイ・ハード4.0」。
前作「ダイ・ハード3」から12年...久しぶりにジョン・マックレーン刑事がスクリーンに帰ってきた。今回の敵はサイバーテロ集団...通信や金融システムを麻痺させ、混乱に乗じてある犯罪を犯そうとしている彼らの前に立ちはだかるのは、ご存知“ツイてない男”ことジョン・マックレーン刑事!。携帯電話さえも満足に使えないアナログ人間の彼が、ふとしたきっかけで知りあったハッカー青年と供に、巨大な悪に立ち向かう!。
 
シリーズを手がけてたジョン・マクティアナン監督からバトンタッチされたのは新鋭レン・ワイズマン監督(「アンダーワールド」)。映画冒頭から緊迫感漂う銃撃シーンで始まり、あとはもうひたすら迫力あるアクションシーンの連続!。銃撃戦や肉弾戦はもちろんのこと、カーチェイスあり、エレベーターアクションあり(ジュラシック・パーク」で似たようなシーンを見た)、トレーラーでの暴走あり(「ターミネーター」で似たようなシーンを見た)、果ては戦闘機に飛び乗る超人ぶりを発揮する(「トゥルー・ライズ」で似たようなシーンを見た)など、いつかどこかで見たようなアクションシーンが満載なのであります(苦笑)。
レン・ワイズマン監督のアクションシーンの演出は素晴らしいです。だけど、その一方でドラマの部分が希薄になった感は否めない。それに、ここまでしつこくアクションシーンばかりを見せられると、かえってリアリティがなくなってしまうのも正直なところ。車をヘリコプターにぶつけるまでは良しとしても、戦闘機のシーンはいくらなんでもやりすぎ。
とは言え、頭をからっぽにして楽しめるという点については申し分のない出来。音のいい劇場で見ると迫力満点で楽しめると思います!。
オイラのお薦め度〜☆☆☆★★
オイラは初代「ダイ・ハード」に結構思い入れがあるので星3つとちと辛口採点。そうでない人にとっては充分星4ついけるでしょう。是非劇場で楽しんで欲しい作品。

お約束のランニングシャツ姿が見られず、ちょっと残念... 
 
時々テレビで見かけるブルース・ウィリスのそっくりさん(もちろん日本人。しかもガリガリ..笑)。見るたび「似てねーなー」と思ってたけど、こうしてブルースがスキンヘッドにしたら案外似てるよーな気がしてきた...(^皿^)
 
ここから先はマニアックゾーン(^曲^)。
けっこう長い記事なので、興味とお時間のある方のみどうぞ♪

 
【「ダイ・ハード4.0」は“ダイ・ハード”なのか...!?】
思えば「ダイ・ハード」の面白さというのは、それまでスタローンやシュワルツェネッガーらが創りだしたヒーロー物とは一線を画すものだった。見栄えのぱっとしない普通の中年刑事が、敵にやられそうになりながらそれでも持ち前のガッツで危機を回避し悪と戦う...そんな像(スタイル)が観客の共感を呼んだはずだった。
だが今回の「ダイ・ハード4.0」に於けるジョン・マックレーン刑事は、もはや不死身の超人と化してしまった。「4.0」での彼はまさに“アンブレイカブル”な刑事...そんな彼の姿には一作目の時のような共感を得ることが出来なかった。
これってトム・クルーズの「ミッション・インポッシブル」とちょっと似てる。元々スパイ映画だったはずなのに、気がつけばいつのまにやらその続編はトムの“オレ様”アクション映画に変わってた。
「ダイ・ハード4.0」もまた然り。何の説明もなくヘリの操縦までもこなしてしまうマックレーン刑事...「あんた、普通の刑事だったんじゃないのかよ!」と、三村マサカズばりのツッコミのひとつも入れたくなるってもんです(大体ジョン・マックレーンって飛行機嫌いじゃなかったか!?)。
 
【悪役の役割】 
映画自体は決してつまらない訳ではない「ダイ・ハード4.0」。先に述べたように2時間の作品を飽きさせる事なく見せるレン・ワイズマン監督の手腕は素晴らしい。ただこの映画には、アクション映画として致命的とも言える欠陥が存在する....それが悪役の魅力不足である。
敵が強力であればあるほど、主人公のかっこ良さが際立つ...この反比例法則がアクション映画には必要不可欠なのだが、今回の映画にはそれがない。サイバー・テロリスト集団のリーダー、ガブリエルを演じるティモシー・オリファント...残念ながら彼には悪役としてのカリスマ性や魅力がこれっぽっちもなかった。FBIとは言え、所詮技術屋の彼にどうして手下どもが従ってるのか、まったくもって説得力が感じられなかった。
確かに手下どもは金で雇われていたのだろう。だがしかし、命令を聞きそれに「はいはい」と従うには金の力だけではない“何か”が必要なのだ。それが“リーダーとしてのカリスマ性”である。
「1」のアラン・リックマン然り、「3」のジェレミー・アイアンズ然り、悪人を束ねるボスには、やはりそれなりの風格ってヤツが必要なのだ。そんな過去のシリーズの彼らと見比べると、ティモシー・オリファントはやはりどうしても見劣ってしまう。常に泣きそうな顔をしてる彼には、悪役のボスとしてのカリスマ性も風格もない。どう見たってパシリキャラだよ、オリファント。
これはマギー・Qにも同じことが言える。彼女、クールビューティーには違いないけど、いかんせん童顔なので悪としての迫力が今イチ伝わりづらい。彼女が死ぬシーンでは思わず可哀想!って思っちゃったもん。これは主人公と対峙する悪役キャラとしては致命的...この手の映画の場合、悪役は最後まで憎たらしくなければならないのだ(じゃないとやっつけた時溜飲が下がらない)。これがファムケ・ヤンセンだったら...そんな思いが脳裏をよぎってしまったオイラ。アクションシーンは頑張ってただけに、マギー・Q...返す返すも残念である。
ともかくこの二人、悪役としては完全にミスキャスト。レン・ワイズマン監督、もうちょっとキャスティング力も磨こうよ。
 
 
【見比べてみよう!】 
映画を見ててふと思ったのは、「これってスティーヴン・セガール主演のアクション映画『暴走特急』と同じじゃない?」って事。悪役が元政府側で、解雇された事を逆恨みして犯行を犯す(復讐&金儲け)ところや、主人公が我が娘とうまくいってなくて葛藤しているところなど、類似点多し。もちろん映画製作の規模は全然違うけどね(苦笑)。でもオイラは「暴走特急」けっこう好きな映画なのであります(^〜^)。
 
 
【青月探偵オヤジVS空手使いミュージシャン】 
余談だが、「ダイ・ハード」と聞いてオイラの脳裏にいつも思い浮かぶ事がある。
映画が公開された年、「ダイ・ハード」が長渕剛主演の映画(タイトル忘れた)に興行成績で負けたということである。当時日本でいかにブルース・ウィリスが無名だったかを物語るエピソードだ。実際オイラが劇場で「ダイ・ハード」を見た時も、劇場内はガラガラだった。無理もない...当時は誰も「ブルームーン探偵社」で働く冴えないオッサンの事など知らなかったのだ。
今でこそメジャーなアクション映画として認知されている映画「ダイ・ハード」だが、公開当時は一部のアクション映画ファンが知るのみで、ブームに火がついたのは「リーサル・ウェポン」と同じくビデオレンタルが始まってからだった...。
「ブルース・ウィリス、長渕剛に負ける」...なんとも泣けてくる切ないエピソードである。
因みに、この頃のブルース・ウィリスはマスコミを前にしてももっと人当たりが良かった。だが、名声を得るとともに人は変わる...今回「4.0」で来日した彼の日本マスコミを前にしての態度と言ったら。キャンペーンで来てるはずなのに笑顔ひとつ無しだよ...こちらもある意味泣けてくる話である。
 
【ごどのふ】 
「ダイ・ハード」と言えば、印象深いのがテロリスト・カール役で出演していた元バレエダンサーのアレキサンダー・ゴドノフである。アレキサンダー・ゴドノフ...なんだかよくわからんがものすごい迫力を感じる名前だ。あれきさんだー・ごどのふ...意味もなくひらがな明記してみた。
いかつい顔に長い金髪をなびかせ、当時まだ珍しかったオーストリア製の銃ステアーAUG(発射音がイカす!)を操る姿がなんともかっこ良かったアレク...まさに悪役はこうでなければ!という見本のようなキャラクターだった。
残念ながら若くして亡くなってしまった彼...本職のバレエを踊っている姿を一度見てみたかったものである。
 
【出世しました】 
「ダイ・ハード」で孤軍奮闘するマックレーン刑事に、外部から応援し励まし続ける警官アル・パウエル巡査長を演じた黒人俳優レジナルド・ベルジョンソン。彼は映画「ゴーストバスターズ」の中でまったく同じ格好をした警官役で出演しています。主人公たちを牢屋から出すシーンで台詞はたったひと言「ゴーストバスターズの皆、出番だ!」チョイ役です(^皿^)。
でもその数年後、同じ格好をして大ヒット映画に出演することになるとは...人生とはわからないものである。
 
【長年の疑問】 
「ダイ・ハード」のラストシーン。死んだと思われていたカールが突如出現!マックレーンに銃口を向けるが、間一髪パウエル巡査長が銃を抜いてカールを撃つシーン。この場面で流れてる音楽...実は「エイリアン2」からの流用だったりする。「エイリアン2」のラストでクイーン・エイリアンを船外に放出する場面で流れる音楽を、何故だか「ダイ・ハード」で使用しているのだ。因みに「ダイ・ハード」の音楽は今は亡きマイケル・ケーメンが、「エイリアン2」の音楽はジェームズ・ホーナーが担当している。
同じ20世紀フォックスの作品という以外、「ダイ・ハード」と「エイリアン2」の間には何も共通点はないと思うのだが、何故こんな事になったのか今もって謎である。そのことが関係しているかどうかは定かではないが、映画「ダイ・ハード」のサントラ盤は今もって未発売。作曲家マイケル・ケーメンの亡き今、この先サントラ盤が発売される可能性も低いと思われる...残念だ。


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コメント 4

うつぼ

1と2は見た記憶があるんですが、3ってどんな話だったっけなーなんて思っていたら今テレビでやってるみたいですね。野沢那智さんの声は結構好きなのでこれから見て気に入ったら4.0も劇場で観まっす。
by うつぼ (2007-07-02 21:37) 

YaCoHa

こんにちは。
私も学生時代にガラガラの映画館で1作目を見ました。アレキサンダー・ゴドノフ(えーっ、お亡くなりでしたか!合掌;)がカッコ良かったです。(彼がAUGをバイオリンに見立てて弾いているイラストが、月間GUNに載った事があります。)左利きのブルース・ウィリスがMP5のコッキングレバーを右手で絞るようにしてリリースしたのが印象的でした・・・。
by YaCoHa (2007-07-03 01:17) 

堀越ヨッシー

うつぼさん、こんにちは。
3って巷じゃ今イチ評価が低いようですが、オイラは結構好きな作品なんですよ...編集がちょっと粗いのが難点ですが。
それにしても放送を見たらカットだらけでしたね(苦笑)。
by 堀越ヨッシー (2007-07-04 12:12) 

堀越ヨッシー

Yakohaさん、こんにちは。
劇中..エレベーターの排気口に潜むマックレーンが、ベレッタM92の撃鉄をゆっくりと起こすシーンが印象的でした。発射の際により反動を少なくする効果と、映画の緊張感を高める効果との相乗効果が素晴らしい!って、当時小峯孝生氏が何かの雑誌で言ってました。
「リーサル・ウェポン」のマーチン・リッグスも確かベレッタM92でしたね。
by 堀越ヨッシー (2007-07-04 12:28) 

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